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くじけ気味

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段々、気が進まなくなって来たボランティア活動へ行って来た。
最初にあった期待は、回数が進むにつれしぼんで行く。やはり、私は私なのだ。

親切な相良さん達。彼女達と同じグループになったことは幸運だったのに、私はそのチャンスを生かし切れていない。
今一歩、踏み込めないのだ。様子を窺っているうちに、人当たりの良い彼女達の回りには、常に誰かがいるようになり、私はそこに入って行けずポツンとなる。
昨日の活動では、グループ単位ではなく皆で行うものだったのだが、椅子とテーブルがなくだだっ広い部屋の中、所在なく突っ立っている時間は永遠にも感じられた。
同世代女性グループは、一段と声が大きく、常にどこかで集合してからこの場に来るようで、ガヤガヤ連なってる様は、群れる魚のよう。
隅っこで、一人スマホを見ている男性もいるが、男性だからなのか落ち着き払っておりそこに寂しさなど感じさせない。
私は、皆からどう見えているのだろうか?コミュ障?だろうか。この世代の女性で、しかもこのような場に来る人間は社交性があって当たり前。なので、私のような性質の人間がそこに居ること自体、違和感を感じさせているのかもしれなかった。
相良さんと平井さんが入って来て、しかし私とは全く目が合わないうちに、女性グループの一人が大きな声で彼女達を呼び、その輪に自然と入って行く。


ーもう、辞めようかな。


敬語ママに果たしてそこまで義理を果たす必要性も感じないしー、なんだか疲れるだけで嫌になってしまった。
友達作りの場ではないーそう言い聞かせながらも、どこかで期待していた分、それが叶わないとなると途端に嫌気が差してきた。
夏休みに入り、子がいることでこの活動も一旦お休み。時間があるのでじっくり今後のことを考えようと思う。




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No LINE,No life

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ボランティア活動へ。
先日の出遅れ感で、早くも行きたくない気持ちが浮上。しかし、そういった弱さを克服する為に行くのだと自分を奮い立出す。
部屋に入ると、いつものざわざわ感。そして、私が普段着席するテーブルには誰もいない。つい私と同世代女性グループの席に目を向けると、平井さんが楽しそうに談笑している横顔が見えた。 内心、暗い気持ちで席に着く。
周囲はー、皆、楽し気に会話している。あの、初日ぶっきらぼうに見えた男性も、同じような世代の男女と楽しそうにしているし、また、それ以外のグループも和気あいあい。
そして、それぞれ自分のグループ以外での人脈を築き始めていることに気付く。
誰からも声を掛けられない私は、自分以外の人間関係に敏感だ。要するに、時間を持て余しているから。 会話をする相手がいれば、そちらに全神経が集中するので、そういったところは視界に入らないし、不要な情報は自然と取捨選択されて行き、自
分の為になるものだけしか残らないはず。
時間になり、平井さんが席に戻って来た。努めて明るく挨拶をする。


「おはようございます。」


「おはようございます。」


ふんわりした、柔らかい雰囲気の彼女。目元は常に笑っている。真面目な顔をしていても笑っている顔というのに以前から憧れているが、まさに彼女がそれだ。
私のように、取っ付き難い暗さが無いのだ。


「今日、相良さんはお休みみたいですね。」


「あ、そうなんですよー。今朝、ライン入ってて。なんだか体調が悪いみたいで。」


いつの間に、二人がライン交換をしていたのだと思うと、ますます置いてきぼりだ。私が先に帰宅した日?それとも休んだ日?私も勇気を出して尋ねてみた。


「あの・・良かったら、連絡先の交換してもいいですか?」




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勇気を振り絞ってお願いした。しかし、一対一なので頑張れた。優しい彼女は、


「あ、はい!是非。バーコードでいいですか?」


「えっと・・ごめんなさい、私、ラインしてないんです。ガラケーなんで・・」


そうだー、今、世間はラインが当たり前なのだ。随分長いこと誰かと連絡先の交換をしていなかったことで、時代にも取り残されている。 一瞬、彼女は驚いた表情を見せた後、


「あ、じゃあ・・どうしましょう。」


しばらく沈黙が続く。


「私、メール殆ど見ないんですよ。通話もラインだし。節約にもなるんで。」


「あ。そうですよね?じゃあ、電話番号だけでも。」


引っ込みが付かず、そう言うしか無かった。それでも、彼女は私に番号を書いたメモをくれ、私も彼女にそれを渡す。
正直、連絡先の交換という相手に近づきたい行為が裏目に出て、更に彼女が遠くになったようだった。きっと、彼女が私に連絡を寄越すことなどないだろうーはっきり「節約」と言っていたのだ。
私も、一応貰ったメモをそっと手帳に挟んだが、正直掛けることはないだろう。電話は掛け辛い。メールなら、何とかなったのだけれど・・

人付き合いがうまくいかないーそれは自分にも環境にも原因がある。専業主婦の分際でスマホを持つことなど許されない我が家。悲しいけれど、これが現実なのだ。




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出遅れ感と嫌な前兆

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先週のボランティアは欠席。通院している病院から薬を貰う日だったからだ。
それだけで、昨日の参加は緊張した。妙な焦りと共に、周囲から出遅れてしまった感を持ってしまうのだ。

部屋に入ると、平井さんと相良さんが楽し気に会話をしている。そのテーブル目指し、挨拶。勿論、にこやかに、大人の余裕を持って。
相手も丁寧に挨拶をし返してくれる。やはり、常識的な人達であることを再確認し、ほっとする。
二人は既に会話に花を咲かせていたので、何となく入るタイミングを失い、鞄からタオルハンカチを取り出し、かいてもいない汗を拭きとるような真似をした。
ひとしきり話すと、平井さんが私を気遣うように、先週行った作業の説明をしてくれた。それが嬉しく、そして私より彼女の方がだいぶ精神年齢が大人に思えた。


「ゆみちゃん!!こないだのあれ、持ってきたよ。」


突然、相良さんに向かって話し掛けて来た女性は、私と同世代女性グループの一人。それに笑顔で応える相良さん。平井さんも、そちらの方を見てにこにこする。
すると、その女性は平井さんに向かっても、何だかよく分からない内輪話を始めた。マシンガントークの女性は、丁度部屋に入って来た仲間を手招きする。例のー、私が当初仲良くなりたかった彼女だった。 2人は、私達グループのテーブルの傍からなかなか離れない。私は居たたまれなくなる。あまりにも早口でまくし立てる女性に、平井さん達も笑いながら相槌を打つ程度。


ーいつの間にこんなに仲良くなったの!?




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どう考えても、私が休んだ先週としか思えない。だって、前回私が参加した時は、彼女らグループと全く接点が無かった二人。一気に疎外感が湧く。
私がいなかった空白の時間、どのようにして彼女らは距離を縮めたのだろう?なぜ、私がいる時にはそのような機会が訪れなかったのだろう?むしろ、私がいないことで、彼女らは前から接点を持ちたかった二人に近づいたのか? お得意のマイナス思考に支配されそうになる。
幼稚園時代、私よりも後に引っ越してきたまいこちゃんママのことが頭に浮かぶ。嫌な前兆。
スタッフが部屋に入って来たことで、彼女らは自分達のテーブルに戻って行った。平井さんと相良さんは、楽しそうにーそして、もうすっかり何年も前からこのボランティアに参加しているような存在感を持ち始めていた。私のように、周囲をキョロキョロするような挙動不審な動きも見られない。


ーまた、取り残されたー


スタッフの説明は、私の頭上をすり抜けて行った。意識はずっと、目の前に座っている二人と女性グループに向けられたまま、どうしてもそこから離れられずにいた。




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所属の数

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人間の幸福度は、所属の数によるところが大きいー何かの調査結果で明らかになったと今朝のラジオで聴いた。
子が一人っ子で専業主婦の私にとって、その言葉は身に染みた。そういえばー、複数子持ちの親は顔が広く、交友関係も広い。与えられた24時間は皆に平等だから、子供の世話をするだけでも精一杯。 専業であっても、洗濯物や学校行事、係活動や習い事の送迎、勉強を見てやったりとすべてが子供の数の倍数なのだ。
時間がぽっかり出来ると、ついつい足りないものを数えてしまう。そして、マイナス思考に陥ることで自己肯定感を喪失し、人との関わりも不得手になる。孤独感にさいなまれるという悪循環だ。

ボランティアを始めて、少しだけ所属欲求が満たされたけれど、また別の悩みも出て来た。この、周囲を気にしてしまう性格をどうにかしたい。
相良さんと平井さんは、若いけれどこういったボランティアに参加するだけあって、感じも良いし常識人だ。しかし、昨日のボランティアでも私は他所のグループばかりに気を取られてしまう。
同世代の女性達のグループだ。聞こえてしまったのが、子供の話。運動会がどうのこうの言っていた。一際目立つ彼女等が視界に入る度に胸がざわざわする。いまだ挨拶すら交わしていないことに焦りを覚える。
相良さんと平井さんは、同じく主婦であることが分かった。しかし、子供はいないらしい。私だけが子持ちだったのだ。
何となく、雑談の中で言葉を選んでしまう。こちらから我が子の話は出さないようにしている。聞かれれば答えるーというスタンス。
結婚して何年目なのかだとか、なぜ子供がいないのかーとか、そこまでは分からない。ただ、もしものことを考えての配慮は必要だ。しかしそういった気遣いは、かえって相手を不快にしてしまうのかもしれないけれど・・・
手作業をしながら、私達のテーブルはすぐに沈黙になってしまう。男女混合の老齢グループはまったりと、しかし、全体的には圧倒的に女性が多い。平日の昼間活動となればそれも当たり前のことだろうが。
平井さんは、転勤族の妻。ご主人が不規則な仕事をしていることもあり、パートをするのも厳しいと言う。なので、こういったボランティア活動をいくつか掛け持ちし、忙しい日々を送っているらしい。相良さんは、週3パートをしており、その合間に習い事をしつつ、それでも時間を持て余しているのでこの活動に参加したとのこと。
彼女らからしたら、子育ては未知の世界で私の生活がどれくらい大変なのか、それともどれくらい暇なのか、想像もつかないようだ。



「お子さんいたら、毎日お忙しいですよね。」


そう聞かれて、


「えぇ、まあ・・・いや、そうでもないですよ。もう大きいですし。」


曖昧な返事をしてしまう。
子育てに、大変さは勿論ある。ただ、その加減は仕事と違って調整出来る。勿論、その子自体の能力によるところが大きいけれど。手を掛ければいくらでも掛けられるし、抜けばいくらでも抜ける。だから、子育ては奥深い。
私からしたら、彼女らの方が忙しそうに見えた。しょっちゅうスマホからはライン音が聞こえるし、ちょっとした雑談の中で、彼女らの背景に数多くの所属する場が見えるからだ。

この場が、私の第二の人生ー、私個人の居場所になるのだろうか?それはまだ分からない。正直、まだピンと来るものが無い。彼女らが私と同世代で、また同じように子持ちであったら違ったのかも・・ いや、そういったくくりで考えることはナンセンスだ。この出会いだって一つの出会い。大事にしていこうー「主婦」というくくりで考えたらいくらだって共通項はある。
彼女らの爽やか過ぎる笑顔を見ていたら、気持ちはいくらか前向きになるのだ。




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愛想の良い探り方

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ボランティア活動に行って来た。前回一緒の席に座った人達とのグループワーク。
私は彼女らよりも年上、ここは仕切らなければと気持ちばかり焦る。しかし、先走れば空回るのが私という人間。
ベリーショートの女性は、相良さん。編み込みヘアの女性は平井さん。先日の自己紹介で知ったのだが、下の名前は忘れてしまった。
スタッフがあるところまで下準備してくれているので、私達の作業はほぼ単純作業。慣れてくれば、片手間に出来そうな仕事。それを証拠に、他のグループは和気あいあいと雑談をし始めている。 出だしが肝心ー、そう思い、思い切って口火を切った。


「この辺りにお住まいですか?」


ありきたりな質問だが、それでも頭の中で何度も反芻した後で出した言葉だ。


「あ、はい。」


二つの声がかぶる。ということは、二人ともこの近くに住んでいるらしい。年齢の近い二人は顔を見合わせ、互いの住所を言い合い、そして私の知らない酒屋の名前を出して少し盛り上がる。 たちまち会話に入るタイミングを見失う。私から話題を持ち掛けたというのに・・


奇数は苦手ー、特に3人は難しいという話をよく聞くが、そもそも根本的に人と関係を築くのが難しいと感じている私にとって、奇数であろうが偶数であろうが、3人であろうが何人であろうが難しいものは難しいのだ。
それでも、それを顔に出さず微笑をたたえながら手を動かし、視線を二人に向けたままでいると、気を遣ってなのか今度は相良さんが私に住まいを尋ねてくれた。


「あ、知ってます。従姉妹がその近くに住んでるんです。」


思わず笑顔になる。もう、それだけで打ち解けた気分だ。社交辞令であってもなんでも、スルーされないことの清々しさ。
会話は、ぽつりぽつりと続く。互いに探る段階の会話。踏み込み過ぎず、しかし無愛想にならないように。




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「終わりましたね。」


「あ、もうこんな時間。」


スタッフが終了の声掛けをした。皆、ざわざわしながら片づけ始める。私はいつもの癖で、テキパキと帰る準備をしてしまい、することが無くなってしまう。相良さんと篠崎さんが歩いて来たのかどうか尋ね合っているところで、なんとなく手持無沙汰な私はその場に居辛くなり、


「じゃあ、お先に失礼します。」


「あ、お疲れさまでした。」


「お疲れさまでした。」


笑顔の二人に見送られる形で、部屋を後にした。


もう少しのろのろ片付けをしていたのなら、なんとなく二人と会話をしながら途中まで帰ることが出来たかもー
今頃二人は、ライン交換でもしてるかもー
いや、家も近いし年齢も近い二人は、早速ランチでも食べているかもー


また心にも体にも悪い妄想に取り付かれそうになり、慌てて首を振る。そうだ、私にはもうすぐ敬語ママとのランチの約束があるではないか。それに、今日は子が4時間の日。どちらにしてもランチなんて無理。子は鍵を持っていないのだから。
約束があり、やるべきことがある。それは幸せなことだ。何故なら、マイナスの妄想を和らげてくれるから。 本来のボランティア活動に集中しよう。人間関係は後から付いてくる。




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