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黄金週間と2つの母の日

黄金週間とはいっても今年は飛び休。
しかし義実家と実家に顔を出さなければならなくて憂鬱だ。
そして双方の母親には母の日のプレゼントを渡すのだが、義実家は夫も見立てるのでややこしく今年は何かの宝飾品にしたいと言い出した。
義姉達は金を出し合って女子供だけでディズニーのミラコスタにお泊りするらしく、それとは別にまたバッグやお花を贈るらしい。
夫は自分は男だからと、先日義母が何気なしにカメオが欲しいと言っていたのを思い出しそれをプレゼントしたいから下見しておいてくれと言われた。
正直、母の日の予算は5000円で組んでいたので面食らったが、「俺が出すから。」の一点張り。
難色を示すと途端に機嫌が悪くなるし、夫の言い分としてはこんな時くらいしか親孝行が出来ないということー本来同居をしなくてはならないところ別居しているのだからと言いたいらしい。
色々調べてみると、カメオもピンキリ。
休日には夫と共に百貨店に出向き10万ちょっとのカメオを購入した。
義姉夫婦に対しても体裁を保ちたい夫ー、そして私の親についてのことはスルー。




「うちのお母さんにはどうしようかな。」



と、誰に聞こえる訳でもなく、夫に向けてカメオ購入後話し掛けてみたのだが、夫は途端に無関心を装い、



「俺、ちょっと時計見てきてもいい?」


と自分の物を見に子と行ってしまった。
なんだか拍子抜けし、結局今年も自分の母にポケットマネーからのプレゼントを思うと、予算はやっぱり5000円。
それでもいっぱいいっぱいだ。
母はストールを集めているので、今年はこのサイトのエキゾチック風ストールのオレンジにした。




















5月2日までセールだしネットだからポイントもつくし、何より定価で3000円だから予算内。
ちょっと若いかなとも思ったけれど、母はこういう若者向きの小物を好む傾向があるのでいいだろう。
これに小さな鉢植えをつけて、糖尿病を患う母に私も愛飲している酵素サプリを2袋包んでプレゼントすることにした。













母もこれで少し痩せて体調も良くなってくれればと思う。
この酵素は薬ではなく食品なのが安心。勧めた従姉妹も妊娠8ヶ月だというのにいまだ+3キロで産院でも体重管理のことで褒められたらしい。
飲み続けることが大事なので、定期購買しておくと更にお得。1日数十円だから金銭的負担もないし私の場合は163cmの47キロキープで保っている。おととしは60キロあったというのに。
体内のデトックス作用が心身ともに軽くする。カプセルが飲みにくければ取り外しは簡単なので中身を取り出しお茶などに混ぜても良いそうだ。
他社の酵素より年間通しても安いのが魅力で、私の場合は持病の薬代がなくなりそれに掛かっていた費用とトントンなのでこれからも続けて行こうと思う。



今日は雨降り。
心が落ち着く。
義母に購入したカメオの入った小さな紙袋に目を落とす。夫は私にも同様結婚10周年にこういった物をプレゼントしてくれる日が来るのだろうか。
そういえば、結婚してからの誕生日さえ何も貰ったことがない。ネットなどをさまようとそういった主婦は至るところにいて安心する。
毎日養って貰っているだけでも感謝をしなくてはならないのだと言い聞かせる。
詰まらない人生ーふとよぎる思いを振り切るように頭を振り、今日も淡々と家事をこなす。
















おおきな木

気分が塞いでいたので、今日は子が学校の間にお気に入りの図書館に出向いた。
自転車では汗ばむ陽気だったので、ステンレスマグに特別な時用の美味しいコーヒーをアイスにしたのを入れて。
たっぷりのミルクと氷を入れるとカラカラと涼しげな音。まだ4月の終わりだというのに初夏の匂いさえ感じる。

川沿いを自転車で走る。
園が遠くに見えるー
またあの小さな園庭で、数々の人間ドラマが繰り広げられているんだろう。
新しい出会いー
卒園してからというものの、あんなに憂鬱だったあの景色すら懐かしい。

今朝の子の様子は、おねしょを気にしてなのか登校前にやたらとトイレにばかり行きたがった。
あまりにも何度も行くので付き添ってやるが、思い切り絞り出している感じ。
見ていて可哀想になり、おねしょなんか大した事ないーママも小学生までしていたと嘘をついた。
それを聞いたら少し安心したような表情で、朝ごはんはもりもり食べて元気に登校して行った。
子供なりに傷ついているのだろう。



図書館では、育児関係の本、それから料理本、そして子にもと読み聞かせ用の本を幾つかピックアップした。
ガラス貼りの窓からは暖かな日差しが射しており、やはりここは私のもうひとつの居場所だ。
カレンダーにはプライベートな予定もなく、勿論携帯の着信やメールにも私宛のものはない。小学校になってからというもののまだ誰かとアドレス交換もしておらず、園時代のママさん達とは勿論あれからぷっつりだ。
履歴は携帯会社のメールマガジンくらい。
しかしそんな孤独感もこの図書館に来れば薄らぐのが不思議。
私と同じくらいの年の女性がやはり一人、フリースペースでコーヒーと本を片手にくつろいでいたり、またお昼寝中の乳児をおぶった若い母親がインテリア関連書籍棚であれこれ読みたい本を探していたりー、また無職と思われる中年男性が資格の勉強をしていたりー勿論受験生もいたりで様々なのだが、皆一様に周りの目を気にすることなくこの空間を楽しんでいるように見える。
そして私もその一人だ。開放感で一杯になる。



ふと、子供の絵本コーナーで見つけた懐かしい一冊の頁を繰る。
シルヴァスタイン著の「おおきな木」だ。
内容は「星の王子様」を思い出すようなものだが、子供心に何故木は文句も言わず自分を捧げ続けることが出来るのか不思議でならなかった。
今、子を産み育てる過程で、ほんの少し木の気持ちが分かるような気がする。


最後の一文ー

「きは それで うれしかった」

子が成人した時、私の元から離れた時にそんな感情を持てていたとしたら、私の中で子育ては本当の卒業を迎えるのかもしれない。



気持ちがマイナスに向かうと、自宅の布団にくるまり何もせずにいたい気持ち半分ー外に出てあれこれ刺激を受けたい気持ちが半分湧く。
天気が悪い時は勿論前者、今日の様に清々しい程のお天気だと後者。
塞ぎ込んでいた気持ちが、図書館に行っただけでふっと軽くなりそのまま午前中過ごして昼には帰るつもりだったのに、帰りがけの激安スーパーで野菜などを買うついでに半額のお稲荷さんと40円の紙パック緑茶を買い、小さな噴水のある公園に寄った。
そこのベンチで鳩にえさをやっている老人や犬の散歩をしている女性、小さな子供連れの主婦グループを眺めながらひとり黙々とランチした。
ここでも特に孤独感はなかった。
青空の元、太陽の光は元気をくれる。
紫外線防止の日焼け止めを塗って来るのを忘れたが、それよりも何よりもこの開放感から離れたくなくていつまでもいつまでもその場にいたい気持ちになったのだが、子が帰宅する時間も差し迫っていたので食べ終えるとさっさとベンチを後にし、また川沿いを自転車で走った。



もうすぐ子が帰宅する。
週末前にリフレッシュ出来たことで、笑顔で玄関の戸を開けて「おかえり。」と言ってやることが出来るだろう。
それが私のりんごー、そしてそれを美味しく子に頬張ってもらいたい。
















おねしょ

子がおねしょをした。
突然のことだったから驚いた。
朝の慌ただしい時間、なかなか起きて来ない子に少しイライラし、布団をはがすと申し訳ないような恥ずかしさを伴う表情で横を向く子。
怒ってはいけないーそう思い優しく声を掛けた。



「久しぶりにしちゃったね。大丈夫、布団は外に干すからシャワー浴びに行こう。早くしないと遅れちゃうよ。」


そう言って、シャワーに連れて行き、なんでもない風を装い朝食を食べさせ身支度をさせ見送った。
夫はそんな子の様子を見てさも私が悪いような顔をしながら非難する。


「環境の変化で精神的に弱ってるんじゃないのか?ずっと家にいるんだししっかりフォローしてくれよ。可哀想に。」


夫は子に優しい。
金に関することになると自分の気分次第だけれど、それでも子が甘えればゲーセンにも連れて行くしおもちゃや菓子なども買ってやる。
疲れていなければ、休日には子を連れて公園やショッピングモールなどに連れて行く程の子煩悩だ。


小学校生活はスムーズに行くかと思っていた。
私に似ず、この子は要領の良い器用な明るい模範的な子だとも。
しかしそれは、単に私の願いであって押し付けだったのかもしれない。
こんな時、親としてどうフォローすれば良いのか、話を聞こうとしても子は学校の事をあまり語ってくれない。
また先日のように煙たがられ泣かれても困る。
せめてー家では笑顔で迎え、子も笑顔になって欲しい。それだけが今の願いだ。
濡れた布団を干しながら、なんとか起動に乗って欲しい気持ちが膨らむ。
来月には授業参観なのだが、子がどんな様子で席に着いているのかを想像すると今から胸が痛む。
こんな弱気でどうするのかー
胃が久しぶりにキリキリし、めまいがした。
夫の言う通り、専業主婦として家にいる理由ーそれは子が健やかに元気でいてくれるよう見守れる環境を整える為だ。
どんな些細なことでも見逃さず、適切に処置すること。
そして、子の笑顔を守ること。
勿論、もう小学生なのだから、自分自身で道を切り開く力をつけさせなければならないのだけれども、それでもガラリと変化したこの環境の中では最初のひとかきは押してやる必要がある。
そこから海をどう泳ぐかは子供次第。
出だしで躓いているのをただオロオロしながら見ているだけなのは、母親として情けなく不甲斐ない。

そして、こんな時、誰も相談する友人がいないことに孤独をおぼえた。









***

メッセージを下さる方々へ


ここのところナーバスな内容ばかり上げているにもかかわらず、暖かい励ましのメッセージをありがとうございます。
ひとつひとつ大切に読まさせていただいています。
お一人ずつお返事が出来ないことをお許し下さい。
同じように悩んでいる方々が共感して下さり、応援して下さること、とても励みになっています。
勿論そうでない方々が背中を押して下さることも。
ひとりで家にいると、どんどん視野が狭くなりマイナスの気持ちに支配されそうになりますが、このブログが時にそこから救ってくれることが拠り所になっています。
読んで下さる皆さんに感謝の気持ちです。










懇談会

懇談会、予想以上に頭が真っ白になった。
その上、自分を変えようと思い、事前のアンケートで役員に立候補したものの空回り。
名前が呼ばれることはなく、ベテランと思われる上に兄弟が何人もいそうな母親達にその役割は当てられた。

教室に入ると、既に数々の大小の群れ。
知った顔を探せば、スネオママや素敵ママ。
なるべくスネオママから離れた位置を探す。素敵ママはおそらく幼稚園で一緒だった顔見知りと親しげに会話に花を咲かせている。
廊下側の端っこー目立たない位置に着席し、事前に配布されたプリントに目を落とす。
あくまでも平然を装って、私はひとりでも平気な人間なんだと。

時間になり、担任が現れたことで群れ達は静まり返った。
席をぐるりと一周に取り囲むように配置替えするよう促された。
対面に、スネオママ達がおり、心臓がバクバクした。同じ園ーしかも同じクラスだった彼女らと入学式以来一言も会話をしていない不自然さ。
しかし、お互い様だ。
嫌な相手と無理して会話をする必要性はない。
一瞬彼女と目が合いー勝ち誇ったような表情をされたような気がして目を逸した。

改めて担任が自己紹介をし、それから伝達事項などを一通りした後で恐怖の自己紹介が始まった。
事前に広告の裏で何度も練習した内容を繰り返し、一応準備が出来たところで担任の余計な一言があったのだ。


「普通に自己紹介っていうのもつまらないですから、隣の人に聞きたいことをリレー形式で聞いていく感じでやっていきましょう。」


要するに、ある人が自己紹介をし終わり、隣の人に何か話して欲しいことをバトンタッチ形式で伝える形らしい。予想外の展開に、一気に私の頭は真っ白になった。
直前まで何を聞かれるか分からない、そして次の人への質問も考えなくてはならない。
どうしようー
どうしようー
既に頭はパニックで、段々自分の番に迫ってくる。
前の前の人が、滑らかに質問に答え、しかも周囲の笑いを取ったことで余計に緊張した。
そしていよいよ前の人が自己紹介を始めた。


「△△の母です。息子はとても運動が得意で特に小学校に入ったら縄跳びで1番を取るんだと意気込んでいます。春休みから練習して、今では二重跳びまで出来るようになりました。お勉強の方もそれくらい意欲的になってくれたらと思うのですがーでもまあ今のところ楽しく毎日通ってくれているので親としては安心しています。
それから、前の方の質問の答えですが、私自身子供と一緒にはまっている事は、幼児の時からなんですけれど電車ですね。自分でもここまではまるとは思っていなかったんですけど、今ではわざわざ写真を撮りにその時に知り合ったママさん達と電車の追っかけしています。
息子よりもはまってしまって、家の中が電車グッズで溢れてまして、主人に呆れられています。
同じ趣味をお持ちの方がいらっしゃれば是非お声掛けしていただけると嬉しいです。
これから1年間、どうぞよろしくお願いいたします。
それではー次の方には学校からお子さんが帰った時の過ごし方をお聞きしたいと思います。」


緊張し、頭は真っ白のはずだったのになぜか直前の人の自己紹介だけはしっかり聞いていた。というより現実逃避からか耳に全て入って来たのかもしれない。
しばらく間を置いた後、しどろもどろになりながら話したのだが、いよいよ緊張はピークに達し訳が分からなくなり、そしてやはり予想通りのおかしな自己紹介になってしまった。



「OOの母です。ー・・・えー、よろしくお願いします。
娘はアイカツが好きです。ー・・えー、妖怪ウォッチも最近観ています。
よろしくお願いします。」


何が何だか分からず、聞かれた学校から帰った時の過ごし方を述べるはずが的の外れた答えになったうえに、次の人に質問することすら忘れる始末。
落ち着いた今では、一緒にドリルをしたり手作りお菓子を作って食べたり、粘土や折り紙をしたりと思いつくことはたくさんあるというのに、ああいう場だと何も思いつかずパニックになってしまうのだ。




「えーと、OOさん、次の方へのご質問は?」


担任に促され、焦って思いついた内容を言葉にする。



「好きな食べ物とか・・お願いします。」


ありきたりな上に、子供や学校とは全く関係ない質問になってしまった。
それでも次の人は当たり障りなくうまく学校関係に絡めて答えてくれた。



「はじめまして。XXの母です。娘はとにかく良く食べる子です。好きな食べ物と聞かれれば殆ど全てと言えるのではないでしょうか。お肉もお魚もお野菜もなんでも好きです。ですから始まったばかりの給食の時間ばかり楽しみにしているような食いしん坊です。
特に好きな食べ物は、お肉や揚げ物なので、逆に給食が始まったことで自宅にいるよりバランスの取れた食事が出来て親としても大助かりです。
見た目でも少しぽっちゃりさんなので、給食とそれから体育の時間でなんとか調整しながらスリムになって欲しいなと思います。
私自身もダイエットの為に学校に通いたいくらいなんですけどね。」



そこで笑いが起き、一拍置いたところで彼女は次の人に滞りなく質問をして順番を終えた。



惨めだった。
子を生み、世間ではアラフォーと呼ばれるいい大人をした女が、満足に人前で話すことすら出来ない。
そしてクラスには、私のように訳の分からない自己紹介をする者などおらず、スネオママも無難な自己紹介をし、そして素敵ママはやはり会話上手なのだろう。スラスラと笑いを交えながら場馴れしているかのように担任や周囲に向けての自己紹介を終えた。
結局最後まで、私のような極端な短さの自己紹介をする者は皆無だった。


会が終わり、誰とも目を合わせることなく駆け足で子供を迎えに行き帰宅した。
素敵ママともこれからどんな顔をして会えばよいのかー
次の行事は当分先なのが救いだ。それまでにほとぼりが冷めてくれることを願うのみだ。







子供会と子の二面性

子供会に入会することにした。
子に聞いたら、予想通り入りたいと言い、また登校班メンバーも入会するとのこと。
素敵ママの子ーR君も入会したとのことで、正直気は進まなかったが、回覧板に添付されていた申込用紙を提出した。

数日後、新1年生の歓迎会とやらが団地の集会所で開かれた。
6年生までいるので、子供の数は勿論のこと親の数も多くて圧倒された。
もっとこじんまりとしているのかと思ったら大規模な子供会だったようだ。集会所の入口の手前で立ち話をしている数々の母親の群れや子供達の群れに、先月までの園庭シーンがオーバーラップされたようだった。



群れがいくつもありすぎて、挨拶をするタイミングもないままおずおずとそれらを通り抜け集会所の玄関に入る。
中も混雑しており、上級生が作ったと思われる花飾りなどが至るところに飾られ、垂れ幕のようなものに「1年生入学おめでとう」と書かれていた。
素敵ママがまた見知らぬ母親としゃべっていた。
その母親も彼女と同じく垢抜けており、読者モデルのような出で立ちだった。団地住まいなのに身につけているものに経済格差を感じる。
いや、団地という賃貸だからこそ家庭の経済事情は様々なのかもしれない。これが分譲だとどんぐりの背比べなのかもしれないけれど。
到底素敵ママに近づけるわけではなく、また親のおどおどしている様子を察してか、子も私の手を握る力に手が入る。同じ登校班の子らは女の子4人に男の子2人なのだが、既に子供達もがっちりグループになっていて子もどうしたらよいか分からない風だった。


しばらく経つと、素敵ママと話をしていた読モママが招集をかけに外に出た。ぞろぞろ外にいた親子達も集会所に入り、子供達は前列、親は後列に固まり、リーダーと呼ばれる6年生の男の子が司会となって会が始まった。
読モママと素敵ママ、そしてまた見知らぬベテランママ達が名簿片手に親達に出欠席を取りながら、年会費を徴収し始め、子供同士は前に出て自己紹介をしていった。
1年生が主役だから子も勿論前に出た。
園時代ではあまり見たことがない緊張した面もちの我が子に不安をおぼえた。
R君は大きな声で自己紹介をし、皆の笑いを取っていた。
続いて我が子の番になり、泣き出しそうな顔ー不安は的中、いくら待っても声を発することが出来ない。


「名前だけでもいいよ。」


素敵ママが助け船を出してくれた。
それでも子は萎縮してしまったのか、首を横にいやいやと振り、とうとうしくしく泣いてしまった。
それはまるでかつての自分を見ているようだった。
結局子は自己紹介をせずに、再び元にいた席に戻った。
駆け寄りたい衝動を抑え、後ろから見守るしかなかった。


それから会は、フルーツバスケットや椅子取りゲーム、ビンゴ大会などが行われ、最後に入学祝いとしてプチギフトが1年生に配られた。
上級生が作ってくれた色画用紙や折り紙で作った綺麗なメダルを首から下げて、子は浮かない表情で私の元に戻って来た。
私は子のおどおどした様子が気になって仕方がなく、この日も自分はどこの群れに所属することもなくポツンだったのだが、それさえ気にならないくらい子のことばかり見ていた。

会が終わり、他の親子はまだ解散せずにおしゃべりや遊びに花を咲かせていたが、私は誰と挨拶することもなく、誰も気がつかないような小さな小さな会釈をしながら群れをすり抜け、子と共にその場を後にした。

自宅に戻り、お菓子を食べようと誘っても、子はいらないと一言言って、それから録画しているテレビを見たがった。
プレゼントされた文房具やお菓子に子は手を付けることすらしなかった。

子も気疲れしたのだろうーそう思い、言われるがままに録画アニメを流して私自身はぼーっと紅茶を淹れて飲んだ。
あれこれ子に聞きたい気持ちをぐっとこらえ、何でもない風を装ってまだ読んでいなかった朝刊を広げた。
1面には韓国船沈没の記事が取り上げられており、一度傾いた船が元に戻ることの難しさと子のそれが重なり気分はますます暗くなった。
子供会には一応入会したが、子の為にも私の為にもやめたほうがいいのかーしかしそれは「逃げ」になるのか、色々な思いが交差し頭の中はいまだ整理がつかないでいる。





自己紹介

来週はいよいよ懇談会だ。
今からとても緊張している。
人前で話すことが極度に苦手で、またどもらないか、とんちんかんなことを言ってはしまわないかと不安ばかりだ。
数十人の視線が自分に集まるあの瞬間ー、事前に言おうと決めていたことすらあの視線の中ではリセットされてしまい、表情は固くなり手汗は尋常ではないくらいにベッタリし、口だけがパクパク金魚のように開いて声だけがうまく出せない。


それでも、事前に言うべきことをまとめてみた。
ネットで検索ー
「小学校」「懇談会」「自己紹介」
すると、私と同じような悩みを持つ母親達がそれについての解決策を求める掲示板がずらりと並ぶ。
なんだ、私だけではない。皆緊張するのだ。
それが表に出るか出ないかだけ。
それが分かって少しほっとしつつも、それでも自分は顔にも体にも出てしまうことで挙動不審な人物と周囲からレッテルを貼られはしないかとドギマギしている。

こういう場面で、スラスラとユーモアを交えながら当たり障りもなく感じ良い自己紹介が出来る人に憧れを抱く。これは天性のものなのだろう。
イキイキとした表情で、でしゃばりもせず、それでも人の心に何かを残すスピーチ。
対して、私の自己紹介は、悪い意味で人の心に何かを残すに違いない。

(何?あの人あんなに緊張して。)
(すごいどもってるし、あれより私はましだよね。)
(顔が真っ赤、みっともないわ。)
(あの人、友達いなそう。)
(あんな人とはママ友になりたくないわ。)

そんな風に印象付けてしまうのではないかと思い、いよいよ憂鬱になって来る。
検索では、「子供の良い所」「出身幼稚園」などを織り交ぜながら手短に述べるのがベストのようだ。
長々と話すのはかえってタブー、皆自分のことで精一杯だし人の自己紹介をそこまで真剣に聞いてはいないと言う。
それならばートップバッターがかえって気楽なのではないだろうか。自分の番が終われば余裕が出来る分、他人のスピーチをここぞとばかり聞くことが出来る。だからこそ、これから順番が回って来るという緊張感に包まれた人々の前でスピーチをする方が「正解」がまだないので気楽な気がする。



せめて見た目だけでもー
だいぶ白髪が目立って来た。
後頭部を合わせ鏡にうつすと、そこには変わり果てた真っ白な根元の毛。
髪を持ち上げると、やはりごま塩になった毛。
セルフカラーとセルフカット、そしてセルフパーマをしている。
前回のセルフカラーの際、新たなメーカーに変更してみた。シャンプーと共に髪色が変わるもので、日々の洗髪ついでに出来るのもお手軽、何より持ちも良く艶やかになる。
これは卒園式もあるからということで奮発したのだ。
最近していなかったけれど、今夜からまた始めよう。自然な仕上がりで思った時に出来るのがいい。
何より、艶やかな仕上がりに美容院で白髪染めをしてもらったよう。それまでの市販のものは白髪だけ浮き上がったような色になってしまったり、逆に海苔のようになってしまったり、臭かったり。
そして敏感肌な私には、肌に優しい素材で出来ているのが良い。








第一印象は大事。
こんな風に、単なる子供の懇談会での自己紹介で何日も前からあれこれイメージしたり準備したりしている自分は滑稽で気が小さく臆病者だ。
こんな母親は他にもいるのだろうか。
いたら是非友達になりたい。分かち合いたいと思う。
そして、そういう母親達を集めて自己紹介をし合ったらどれだけ心も軽くなるだろう。極端な話、自分の名前とよろしくお願いしますだけで終わらせたい。
それで許される輪の中で泳いでいたい。

そんな現実離れしたことを妄想しつつ、やっぱり何度も広告の裏に言うべきことを書いては消してを繰り返すのだ。




祝い金の行方

夫が金の管理をしていることもあり、双方の親からの入学祝いは専用口座に入れられる。
お年玉や児童手当もそう、夫名義の口座に入れられる。
子供名義の口座を作りたいと申し出た事があるのだが、夫いわく「同じこと」だそうだ。
それ以上詰め寄ると、また私自身の過去のあれこれをほじくり返されるのでもう諦めたこと。
ちなみにその口座の暗証番号さえ母親である私には知らされていない。


夫の両親から入学祝いとして10万円いただいた。
実家の両親がランドセルを買ったというのを夫から聞いたらしく、その金額になったのだろう。
ちなみに本当はランドセルは私のへそくりから。どうしても子に姪のお下がりをあてがうのが嫌だったからだ。
そして先日実家に顔見せに行った際、実母から渡された祝い金は1万円だった。義実家の10分の1だ。


「向こうさんからはお祝い貰った?」


「え?あぁ、まだだよ。」


本当は既に頂いていたのだが、本当の金額など言える訳がない。言ったところで母は無理やり10万を用意するだろうし、結局その金は夫に搾取される。
そして、後日金がないと愚痴る母にそれ相応の金を「生活費兼小遣い」として送金しなくてはならない。
要するに、私のへそくりが夫の口座に落ちるという流れになるだけのこと。
だから嘘をついた。
その場で母から貰った祝い金が入った袋を開けることはせず、自宅に戻り封を開けたので、後に同等の金額を義実家からいただいたと嘘をついた。
メール越しに母は安心したようにみえた。


夫が帰宅し、やはり母から貰った祝い金が幾らだったか聞いてきた。
1万円と素直に答えづらく、つい3万円と伝えてしまった。



「ランドセルと合わせて8万くらいか。まあそんなもんだろ。」


「普通相場は3万くらいじゃないの?双方からちょっと貰いすぎだよね・・」


「可愛い孫の為だろう。当たり前だよ。向こうのお母さんもしょっちゅう高そうなもん買ってるじゃん。金ならたんまりあるんだろう。」



実家の内情を知らない夫は、見栄張りの母が毎回違うジュエリーを身につけていたり、普段からホテルランチなどを優雅にしていることを指摘した。



「で?祝い金預かるよ。」



1万円しか入っていない封筒を取り出しそうになり、つい慌てた。



「あ。先にお風呂入って来て。後で渡すから。」



「そうだな、先に風呂入るわ。」


夫が脱衣所に行き、風呂場からシャワーの音が聞こえたのを確認してから急いで自分のクローゼットの下着の中に隠してあるへそくり袋を取り出した。
何かあった時の為に銀行から5万円程おろしていたので助かった。そこから2万円を取り出し、母から貰った祝い金と合わせて封筒に入れ直し、ダイニングテーブルに置いておいた。
風呂から上がった夫は、直ぐに封筒の中身を確認すると何を言うわけでもなく自室に持って行った。
なんとなくモヤモヤしたが、きっと子供の為の口座に入金してくれるだろう。



いよいよへそくりが少なくなって来た。
ライター内職だけに頼らず、それはないものと思って普段与えられている6万強の生活費からなんとかやりくりをしつつ微量ながらへそくりをしようと思う。











母親力

一人っ子だからか私の性分からか、学校生活が始まり子に色々とその日の出来事を聞き出そうとして面倒がられる。
数日間限定の送迎で分かったことーどうやら子は園時代とはうってかわって同世代の子供らと馴染めずにいるようだ。
そもそも、同じ団地の登校班グループには男の子2人、女の子が子を入れて5人の大所帯。
そして皆R君と同じ園出身なので、がっちりグループとなっていても致し方がない。
私も数日の送迎でへろへろであり、素敵ママの後ろを金魚の糞のようにうろうろしているのが精一杯。
他のママさん達は決して悪い人ではないのだけれど、内輪話にはやはりついていけずいつの間にか会話から外れてしまう。
子も同じなのだろうか。
見送りでは、女の子同士手を繋ぎ合い、仲良く歩く後ろ姿。
仲良し4人の女の子達は、それでも更にコンビになっているようで2対2で手を繋いで歩いている。
そこに子の入る隙はない。
男の子同士は手を繋いだりはしないけれど、やはり仲良しだからか互いにちょっかいを出し合いながら歩いている。
子は、彼らと共に歩いているのだけれど、やはりそこには見えない壁がある。
分かるのだ。私も同じだから。
ただ、私は大人だ。
だからその壁に対して多少の居心地の悪さは感じるものの、戸惑いはあまりない。というよりも園時代からのその環境に慣れきっている部分もあるのだろう。
それに対して、子は園時代ののびのびとした環境ー自分を出せていたあの場所とは違いすぎる新天地に戸惑いを隠せないでいるようだ。
学校ではどうなのだろう。


「今日はどうだった?休み時間は誰と遊んだの?お友達は出来た?」


矢継ぎ早に質問をしてしまい、子の表情は固くなる。
しまったーと思った時には時既に遅しで、子はだんまりを決め込む。
子は明るくて、私とは対照的。それに救われている部分があったのだけれど、実はそれは勘違いだったのではないだろうか。私の腹から生まれたのだ。本当の子の姿は不器用でもどかしく、そして壊れそうなくらいに弱いのではないだろうか。
それでも私は病的なほどに質問責めにしてしまった。




「隣の子とはしゃべった?挨拶くらいは出来た?」


「しゃべってない。だってお友達になってくれないんだもん。」



「お友達になろうって言った?待ってるばかりじゃお友達にはなれないよ。」



自分のことを棚に上げて、子を追い詰めてしまった。
それでも心は落ち着かず、スタートが肝心とあれこれ言い聞かせた。


「団地の子達ともおしゃべりしてる?ほら、アイカツの話とか色々あるでしょう。それから・・」


私の言葉を遮り、


「ママ、うるさい!!」


子が耳を塞いだ。そして泣き出した。
ショックだった。
子にではなく自分にだ。
なんて母親だろうー、何を切羽詰っているのだろう。
子のペースを考えず、自分のペースを押し付ける、それは私が子供時代母から受けていたそれと同じだ。
なんでもっと余裕を持って接してやることが出来ないのだろう。

そもそもー、「お友達をたくさん作ること」
「明るく元気で社交的なこと」
「積極的であること」
それらが子供らしさで正しい姿だという固定観念を親である私が持つのはいかがなものか。
子に大きなプレッシャーを与えかねない。
分かっている、分かっているのに止まらない思考。
自分のようになって欲しくないー欲しくないのだ。


子の力を信じ、そっと見守るー
あれこれ言いたい気持ちをぐっとこらえるー
黙って優しく抱きしめてやるー
今こそ母親力が試される時なのかもしれない。






































苦手な大縄

子供の頃から自分を入れて2人以上になると会話のタイミングをどうしたら良いのか考え過ぎるあまり無口になってしまう。
意を決して言葉を発した際、もうひとりの誰かとかぶり、そちらの言葉を受け取る他者、そして自分の発した言葉が宙に浮いてしまったあの気まずさが今も尚苦手な時間だ。

会話のタイミングはまるで、皆でする大縄に入るタイミングを見計らう空気と似ている。
それまで出来ていた秩序を、自分が入ることで止めてはしまわないか、縄が足に引っ掛かってはしまわないか、それが怖くてなかなか飛び出すことが出来ずに輪の外から次々と飛び込む仲間を見ているだけ。
ひとりで縄跳びをすること、また2人で縄跳びをして失敗しても、ごめんねと笑って済ますことが出来るのに、大縄になると途端に大きなプレッシャーに包まれ、息苦しくなってしまう。



今週いっぱいは小学生になった我が子を団地のエントランス先の公園横まで送ることにしたのだが、そこで素敵ママと立ち話が出来ると喜んでいた矢先だった。
どうやら団地内には、私が知らなかっただけで同じ年の子供が多くいたのだ。
初日ー、エントランスで素敵ママと出会ったのは好都合で、一緒に行こうという流れに子供達もなり、便乗して私も公園横まで素敵ママと歩いていた。
引越し前のように、彼女の前だと敬語でもなく普通に話せる不思議。
彼女も私のことを普通のご近所さんとして感じ良い態度で接してくれるのだ。





「送り迎えがないって楽だよね。今週一杯だと思えば本当楽。お腹も大きくなったし朝が辛くて。」


「でもまだ午前授業なのが辛いよね。早く給食始まって欲しい。」


「ねー、本当に。」


「クラス担任、いい人そうだったよね。」


「ね、子供の評判も今のところいいしね。」






大きなランドセルを背負った子供達の背中を見ながら歩き、会話する。
たわいのない会話。
春の朝日を浴びながら、ああ、私はやっぱりこういう普通の会話に飢えていたのだーそう思った。
しばらく歩き公園横には、同じく新1年生とその親らが5組程いた。


「おはよー!」


素敵ママがそれらの群れに向かい手を振る。


「おはよー!R君、昨日うちにこれ忘れてたよ~」


群れの中のひとりが素敵ママにR君のものと思われるおもちゃを渡すのを見て、途端に気持ちが暗くなった。
どうやら彼女達と素敵ママは既に親しい関係らしく、家の行き来もしているのだとその会話一つで分かったことに落胆した。
私を見て、群れの何人かが会釈をしてくれた。勇気を出して挨拶を皆に向かってした。


「おはようございます。R君と同じ団地のOOと申します。娘が同じ小学校なのでこれからよろしくお願いします。」


すると、他の人達もそれぞれが挨拶と軽く自己紹介をしてくれた。驚くことに全ての人達が同じ団地の人だった。どこの棟の人なのかどの子供の親なのか全く憶えることが出来なかったけれど。
そして子供達に母親達は手を振り、元気に皆で登校する様子を見送った。
素敵ママは相変わらず群れの中の一人と何かの話で盛り上がっており、他の人達も見送りが終わると内輪話をし始める空気を作り出し、途端にまた私だけ荒野に放り出されてしまうーそんな気分に焦り、らしくもなく群れのひとりに向かってどうでも良い質問をしてその場を切り抜けようとした。


「あの、どちらに住まれてるんですか?」


既に自己紹介で聞いたはずのことをまた質問してしまったのだ。とんだ空回りに気づいたのは自宅に戻ってから。穴があったら入りたい思いだ。
少しぽかんとした表情で間を置かれ、しかし同じ質問にも先程と同じようにその母親は答えてくれ、それで会話はぷっつり途絶えてしまった。
タイミング良く、素敵ママがこちらの輪に入ってくれ、更にひとつの大きな輪が出来た。
素敵ママはボスママという感じではないが、明らかにその輪の中心人物のひとりだった。
皆に向かって色々な話題提供をし、そして隣にいる私に向かってもきちんと目を合わせて話してくれるので、逆に居心地が悪いながらもその輪を抜け出すタイミングを逸してしまい、ダラダラと1時間あまり井戸端会議に参加する羽目になった。
群れの中のひとりが、遅め出勤のご主人がもう出る時間だからとその場を後にしたのをきっかけに群れはそれぞれの自宅に戻って行った。
私は自分からあれこれ話すことが出来ず、ただただ頷きひきつり笑いをしながらも空気のようにしているしかなかった。
帰り道、素敵ママと2人きりになったところでやっと声を発することが出来た。
それに気づいてかどうかは分からないけれど、素敵ママは私に、


「あ、なんか用事とかあったりした?ごめんね。初日だから盛り上がっちゃって。」


とにっこりした。
彼女は別に悪くはない。むしろママ友を作るチャンスをくれたのだ。しかしそのチャンスを活かすことが出来ず話に入っていく勇気が私にはなかった。
1対1だと気楽に話せるというのに、複数になった途端石のように固まってしまう自分がいる。
彼女のように自由に肩の力を抜いて話せたらいいのにー


彼女と別れて自宅に戻り、玄関の扉を閉めた途端、一気に疲れが出てしまいそのまま布団に倒れ込んだ。
午前中には帰宅する子の相手をしなくてはならないので体力温存だ。
部屋は荒れていたが、子が帰宅してから片づければ良い。
朝起きたままの形になっている布団にもぐり、相変わらずの自分の情けなさに涙が出た。
そして数日間限定の送迎だというのに、先行きの不安感にたちまち支配されてしまう自分の心の弱さに心底嫌気がさした。






入学式

桜の舞い散る中での入学式ー

子はいつもより早起きをし、せっせとランドセルを引っ張り出し着替えを催促した。
夫はどうしても仕事を休むことが出来ず、母子での出席。
玄関を出ると、素敵ママの家族がエントランス前の桜の木の下で写真撮影をしていた。


「おはよう!」

「おはよう!いよいよだねー」


ご主人にも会釈をし、出だしはなかなかのスタート。
少し立ち話をし、彼女は学校まで車で行くとの事で別れ別れになった。
大きなお腹のセレモニージャケットとワンピースは眩しい程幸せの象徴だった。



ランドセルを背負った子の手を引いて学校に向かう。
行く先々で真新しいランドセルの子供達とその親達、初々しくこちらまで背筋がしゃんとする。
校門前で撮影をする親子達、混雑していたので私達は帰りにすることにした。
受付で例の緊急連絡先カードなどの書類を提出する。結局散々悩んだ挙句、そこの欄は空欄として提出した。
私が学校に行けばいいだけの事だ。
学校側から何か言われたら、その時考えよう。
受付ではクラス表が配布されていた。
ボスママ達となりたくないと何日も前から願っていた、素敵ママとなれたらいいなと思っていた。
私はくじ運が昔から悪く、願えば願う程それと反対の通りに叶ってしまう。
しかし、スネオママの子供の名前に並ぶように我が子の名前を見つけた時には絶望的だったー
しかし、神様は味方してくれてか素敵ママの子供の名前もそこにはあったのだ。
嬉しかったーほっと胸を撫で下ろしながら教室へと向かった。
同じ幼稚園で同じクラスだった子供で同クラスになったのは、結局スネオママの子供とその群れの2人の子供だった。
まいこちゃんは隣のクラスで、女の子で知り合いはひとりもいなかったのだけれど、逆にその環境が私にとっては心地よかった。
教室に子供を送り届け、それから保護者達は体育館に移動する。
幼稚園程にママ連中の群れがなく、ほっと一安心。
自由にパイプ椅子に座り、隣もすぐに埋まった。


入学式は滞りなく行われ、緊張した面もちで座る子供達も、きちんとした姿勢で静かに壇上を見つめており、やはり園児ではなくもう学生なのだ、義務教育の始まりなのだと感慨深い思いだった。


式の後は写真撮影をし、そのまま教室へ。
後ろの方でスネオママらの群れのはしゃぐ声が聞こえ、厳粛な式の後の静けさの名残の中で一際目立っていた。
ふと前方を見遣ると素敵ママがおり、ご主人と一緒だったので声を掛けるのをためらった。
教室に入り、辺りを見渡すと平日なのにも関わらず、両親揃っているかもしくは群れになっているかで、私のようにひとりきりの母親はいないようだった。
他のクラスを探せばいるのだろうけれど、私のクラスには見当たらなかった。
胸の奥にまた嫌なざわつきを感じながらも、子の背中を見つめることに集中した。


スネオママの子供と素敵ママの子供の席が隣同士で、既に男の子同士だからか仲良く何かを話しているのを見て更に心がざわついた。
子供同士を通して彼女らが仲良くなるーそんな気がしてならず動悸がした。
対して、我が子の隣は男の子で、お互い気になりながらも素っ気ない感じだった。
素敵ママの子に向かっても、いつもなら道で合えば駆け寄り話し掛けて行くというのに、今日に限っては自分から近づくこともなく他のことに気を取られているようだった。
同じ園からで同じクラスになった子らは、特段子にとって仲良しだった子(まいこちゃんやさなちゃん、Yちゃんなど)ではないのもあり、どこかしょんぼりしているようにも思えた。


真新しい教科書とノートを貰い、その他多くのプリント類やお道具などを貰い、担任からの話がありその日は解散となった。
担任は男性で、少しだけ頼りない感じがしたが、威圧感があるより余程良い。



その日はどっと疲れたのか、子はすぐに寝てしまった。
配布されたプリントには、早速PTAからの役員決めの推薦表や希望委員を募るアンケートなどが同封されており、それを決定づけるのは今月の懇談会だ。


また目の前のことで頭が一杯になってしまう悪い癖を改め、新しい環境に飛び込んだ我が子のフォローに全力を注ごうと思う。
ランドセルに黄色い交通安全カバーを掛けながら、自分自身にそう言い聞かせた。











通院日

自分自身の通院日ー

春休み中なので子も一緒。丸一日それでつぶれるので有難い一日。
病院帰りは必ず寄るパン屋のイートイン。
最近贅沢し過ぎだけれど、通院での検査などはストレスが溜まってしまうし、待っている子も何か楽しみがないとつまらないだろう。
ママ友が多くいれば、きっとそれ以上の交際費が掛かっているはず。
いつだってそう思い自分を納得させている。

検査結果は良好。
3月は自分の中で色々と忙しく、体調を崩すこともあったのでこの結果に驚いた。
毎日飲み続けているサプリのお陰だろう。



「少し太った方がいいかもしれませんね。」


医師に言われた思いがけない言葉。
処方薬を減らしたというのに数値は下がり言うことがなく、取り敢えず出た言葉なのだろうか。
今まで1日2回飲み続けていたサプリを1日1回に減らすことにした。












メタボ気味だったかつての自分。
痩せてスタイルが良くなると、どんな洋服だって垢抜けて見えるような気がする。
春だし、薄着の季節。
軽やかに新生活を迎えたい。
そして、そこで新たな良い出会いに期待している私がいる。




子供会

ここ数日迷っていること。
団地主催の子供会に入会するかどうか。

やっと園生活も幕を閉じほっとしている春休みだというのに、自宅に子供会入会希望の可否を問う回覧板が回って来たことで心がざわついている。
引っ越して来てからというもの、顔を合わせれば挨拶をする同じ世代の親子連れは数人いる。
妊婦のお隣さんや素敵ママ。酒井さんや自治会で知り合ったおばあさん。
しかし、思い返すとそれくらいで、もう数年経つというのに家の行き来をするご近所さんは皆無。
幼稚園生活で神経をすり減らし、それ以上心身ともに労力を費やす事を怠った結果がこれだ。
頑張って素敵ママに踏み込めるチャンスはあったのかもしれないけれど、今となれば2人目を妊娠中の彼女に会うのも心が辛い。

子供会の入会は、子の為にはやっぱりした方がいいのだろう。
何かあった時は勿論のこと、地域のイベントに参加することで子の顔見知りを増やすことが出来る。
しかし躊躇する思いもある。
入会してみないことには分からない母親同士の繋がりーきっと子供会に入ってる子の親はまた専業主婦の群れなのだろう。
そしてまた既に出来上がった輪に入る事の勇気と憂鬱。
でもこれを逃すと6年間蚊帳の外だし、途中から入会する方がよっぽど大変だろう。
そして、園生活で孤独だった自分の人間関係を変えるきっかけともなるかもしれない。
吉と出るか凶と出るかは分からないけれど、子に話してみて入りたいと言ったら入会してみようかと思う。


もしかしたら役員にならなくてはならないかもしれないけれど、園でのあれこれに比較すればきっと容易いものだろう。
そう自分に言い聞かせる。
ポジティブに、そして自分らしくー


春は自分を変えるチャンスの季節、きっと桜の花びらが風に舞い私の背中を押してくれる。



母子花見

昨日は花見日和。
隣街の、割と大きな桜満開の公園に行くことにした。
前日から、弁当のおかずは何にするか、持って行くお菓子はどれにするか相談し、子ははりきって当日のスケジュールを絵日記風に画用紙に描いていた。
それには、具体的な弁当のおかずもイラスト入りで描かれており、当日の朝はそれを見ながら楽しく弁当作り。
ついでといってはなんだが、夫の弁当も同じように作った。
さすがに子が作ったタコさんウインナーや卵焼きに夫の顔も綻んだ。思った通り昨夜は空っぽの弁当箱を持ち帰った。


かなり重くなった子を自転車の後ろに乗せ、川沿いを走る。来年には別々の自転車に乗ってこの道を走れるかもしれない。
そう思うとこの重みさえ愛おしい。


公園に着くと、想像通り群れる親子連れの数々がいたが、花見シーズンともあってカップルや老人達、また家族連れなども平日なのにおり、肩身の狭い思いをせずに済む。
普段の公園もこうであれば良いのに。


レジャーシートを敷き、弁当箱と水筒、持ってきたお菓子にトランプ、それから小さな携帯ラジオを置いて音楽を流した。
花粉が少々気になったが、春の陽気に外にいる開放感で体の隅々まで新鮮な空気を吸い込んだ。
子は嬉しそうに大きく伸びをし、ごろんと青空を抱くように寝転んだ。その隣で私も同じように寝転んだ。


「気持ちいいねー」

「ねー。あったかいね。」


顔を見合わせ、訳もなく笑い合う。
私も子も、同じくらい楽しくて幸せな時間。


弁当箱を開け、おにぎりを頬張る。子が握ってくれたいびつだけれど可愛いまん丸おにぎり。
ハートの卵焼きに唐揚げ。青空の下で食べるお弁当はやっぱり美味しい。美味しくない訳がない。子はお腹が空いていたのか、一気におにぎりを2つたいらげ、唐揚げもすごい勢いでどんどん口に放り込む。
その様子がやっぱり子供らしく、微笑ましかった。
食後のデザートには、スーパーで半額だったいちごプリン。私は更に魔法瓶に熱いコーヒーを入れて来たのだが、あまりにも暖かい陽気だったのでアイスコーヒーでも良かったくらい。
のんびり音楽を聞きながら、まだ知らない小学校生活を想像しつつ語り合い、穏やかな時間を過ごした。


「パパも今頃お弁当食べてるかな?」


子が嬉しそうに言う。
その時に限っては、子と温度差を感じてしまった。むしろ幸せな時間に水を差された気分だった。



「そうだね。きっと喜んで食べてるよ。」



その様子を想像し、正直うざったく感じてしまった。
生理的にーなのか夫を煩わしく思う気持ちが最近では更に倍増し、留守の時には彼の存在を頭から振り払う事がうまくなってしまった。
しかし、ふいに子から父親として彼の話題が上ると、それに同調しつつも笑顔で対応しなくてはならないのが息苦しくて仕方がない。
そういえばー、今年の花見も「家族3人で」という発想さえなかった。
向こうからも何も言って来ないし、第一休日出勤やら出張やらでそれどころではない。たまの休みは自室に篭るくらい疲れているのだろうから。





子と2人ならーどこまででも行けそうな気がする。
こうして大きく青い空を見上げていると、不可能なことも可能に変えることが出来る気がする。
園の送迎がない生活ーそしてそれまでどれだけのストレスを私は抱えていたのかと思うくらい、ここ最近の気持ちは安定している。



ホームワーク

入学準備、文房具などの名前書きやゼッケン付け、レッスンバッグや防災頭巾、袋物などの手芸など色々とやるべき事がたくさんの春休み。
幼稚園の時のように細かい指定もなく、市販のものでも良いのだが、少しでも安く済ませる為に家にある余り布を使い作成することにした。
子と共に、どの布が良いかどの配色にするか相談しながらの作成なので共同作業という感じで時間をつぶすことも出来る。
百均などで更にデコレーショングッズも購入。
可愛いリボンやワッペン、レースやチロリアンテープなどの女の子らしいアイテムを追加で揃えた。
ミシンは義実家のお古なのでだいぶ昔の型、ボビンケースなどをセットしたりが面倒であり、またすぐに糸が絡まるのが難点だ。
結局手縫いとミシン半々で作成する羽目になった。

私が針仕事をしている最中は、子には小学生向けのドリルをやらせている。
ラジオを流しながらお互い黙々とこなす。
作業途中で丸付けをせがまれるので何度も中断しなくてはならないけれど、それでも子が誰かと遊びたいと言い出すこともないので平和な時間だ。

最近のポカポカ陽気、平日になると少し憂鬱。
私ひとりでも、平日昼間の天気の良い日に家にこもっているとなんとなく罪悪感を感じるのだが、子がいるとそれが更に増す。


先日の晴れている日中のことー子がカーテンの隙間から、子供達の声がする方を見ていたことがあり、声を掛けたら「何でもない」と言ってすぐにその場を離れた事があった。
しかし、その後も私の目を盗んでは、外で楽しそうに自転車を乗り回す同じ年くらいの女の子達の群れを羨ましそうに覗いており、何だか自分と重なるようで悲しくなった。

私に気を遣ってなのか、少し前なら外に行きたがったり遊びたがったりしたのだが、最近はそうした感情を押し殺しているようにも思える。
私が気にし過ぎているのかもしれないけれど、やはり申し訳ない気持ちだ。


せめて私が出来ることは、こうして子の為にあれこれ手間を掛けてあげること。
社交的ではない分、苦手であっても手作りで入学準備をしてあげたい。心を込めてー


「ジュエルペットのワッペンとかつけたい?」


「キャラクターは嫌だ。お姉さんみたいにお花だけがいい。」


いつの間に、子供っぽいキャラクターを卒業した子。色合いもピンクや赤よりもブルーや黒などを選択するようになった。
余り布だと限界があるが、デコレーショングッズでそれなりに子が喜ぶ物が出来て良かった。親の自己満足が殆どだけれど。


名前付けは、クラスの所だけ空白にしてほぼ完了した。
もうひとつ空白なのは、緊急連絡カードの連絡先氏名と電話番号、そして欠席時の連絡票受け渡しの児童名の記入。
これがやはり重い重い春休みの宿題だ。








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