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フリマと趣味

この休み、隣街の規模の大きい公園に子と遊びに行ったところ、フリーマーケットが行われていた。
所狭しと並ぶ店の数々ー、行き来する店主と客とのやり取り。
昔からこういう場での買い物は苦手、何が苦手かといえば勿論店主とのやり取り、また値切るなどという高度な技を使えるだけの勇気もない私にとってはハードルが高い場所なのだ。

しかし、実際色々な店を覗いてみると、リサイクルショップよりも破格な値段で子供用のおもちゃや本が売られている。勿論その中には封が空いていない新品同様のものまであり、購買意欲がそそられる。

学生からファミリー層、また老人まで老若男女問わず様々な世代の人々が露店を出しており、こんな風に気候の良い空の下でレジャー感覚で店を出せたらどんなに気持ちのよいものだろうと思ったりした。


ふと園で何度か見たことのあるような他クラスの子供家族が露店を出しているのを目撃した。とはいっても一度も関わったことがなく、子も特に遊んだこともないような子供だ。
なので咄嗟に隠れるような必要もなく、近くのおもちゃの露店を子に見せながらチラチラそちらを遠目で見てた。
パラソルの下、父親と母親はピクニック気分で店を出し、また子供らは客の呼び込みをしているようだった。幼い子供達にとってはうってつけのお店やさんごっこだ。しかもちょっとした利益にもなるし断捨離にもなって一石二鳥だ。
今自宅にあって、不必要なものー
ガラクタ同様であっても他人から見たらお宝の宝庫ということもあるのだ。
しかし、客との交渉など面倒なこと、そして露店先までの荷物運びなど到底一人では出来そうもない。夫がいれば出来ないこともないが、まず夫がそういうことに興味があるかどうか。
おそらく面倒でたいした金にもならないことを折角の休日にやりたがる訳が無いだろう。

フリマではハンドメイドなどの露店もずらりと並び、引越し前のママ友がいたら一緒に店を手伝えたし楽しかっただろうなと思ったりもした。
根本で私は、金になるならないではなく外に出たい気持ちがあるのだと思う。だからといって仕事をするだけの環境でもなく人間関係の構築も今のところ皆無だからと諦めている現実。
一人で行動出来る積極性もなければ、集団に属すだけの協調性もない。なんだか自分が中途半端なグレーゾーンにいる人間に思えるのだ。


何か趣味を持とうと思いながらも、心の底から楽しいと思えるものがない。
ハンドメイドにしてもお菓子作りにしても、基本一人でコツコツ物を作り上げる作業だが、一方気の合う仲間と楽しくおしゃべりしながらなら楽しめるの面もある。いつかの時の為にそういうスキルを身につけておいてもいいのかもしれない。
でも、いざ何か始めようと思い製菓店や手芸店に足を運ぶも、なんとなく疲れが先行し何も手に取らず店を出てしまう。
本当に興味があれば、きっと店内にいるだけで心踊るだろうに。


フリマから脱線したが、何かを無条件で楽しめる人生が勝ちなのだろうということ。
損得感情抜きにして、楽しめる何かー
その引き出しがあればある程、充実した人生になるし、人間関係もそれに伴い広がり、潤いのある老年を迎えることが出来るのだろうと思う。


結局その日、露店で子にほっぺちゃんとストラップのような物を購入した。ランドセルにつけたいらしい。
このスライムのようなものが何故爆発的に売れているのかは疑問だけれど、子供の頃の流行なんてそんなものだ。
私が当時集めていた練り消しや香り玉だって、実用的ではなかった。
実用的でないものー、子供だって楽しめるものが多ければ多い程充実した幼少期を送ることが出来るのかもしれない。



























































天使と悪魔

子が早帰りの日、久しぶりに夕方一緒に買い物に行った。
小学校生活が始まってからというもの、子が学校の間に所要を済ませ、子の帰宅後は外出せずにおやつを食べたり宿題をしたりしているうちに夕飯の支度ということが殆どで、なのでしばらくぶりの親子水入らずの買い物だった。
梅雨の晴れ間、天気も良かったので歩いて行くことにした。
今日あった出来事などを聞きながら、歩き慣れた道を二人でてくてく歩く。
じめじめした季節の割に、どこかすっきりした気持ちの良い気候の日で、心も体も穏やかだった。
財布の中には千円しかなかったが、給料日前のこの時期にすれば頑張った。
冷凍庫には肉や魚のストックがあるし、また冷蔵庫や野菜置き場にも先週安い時に買いだめした食材がたっぷりある。なのでその日買いに行ったのは、丁度切れていた牛乳と卵くらいのもので、それでもお釣りが来るという余裕ぶりだった。
数百円だけれどへそくりに回せる。

ー強い風が吹いてきた。
その風に乗って、見慣れたーいやそんなに多くはお目に掛かれない紙切れが飛んで来た。
それは驚くことに一万円札だった。
ぎょっとして、しかし反射的にそれを追い掛け掴み取り、すると続いてもう一枚同じ種の札が飛んで来たのだ。
慌ててもう一枚のそれも掴み取り、心臓のドキドキとそれからもう飛んで来ないかと周囲を見渡し、また人はいないかも確認してほっとしてから手元の札を見返すと、

「お金誰が落としたのかな?困ってるだろうね。」

と子が私に話し掛けて来たところではっと我にかえった。
私の中で無意識に悪魔が囁いていた矢先だった。

ーへそくりが2万、財布ではないし裸のお札だから持ち主だって見つかる訳がない。1万5千円をへそくりにして、もう5千円で子と贅沢でもしよう。夫が出勤の休日にパフェでも食べに行くのもいいかも。いや、いつもは手が出ない31のアイスを食べるのもいい。もうすぐ従姉妹が出産するからそのお祝いも用意しなくてはならず、出費はかさむ。その補填にしてもいい。ー


「ねえ、おまわりさんの所に行こうよ。」

子に再度話し掛けられた。子の顔をした天使に。
その天使の囁きに私の中の悪魔が勝てる訳がなかった。惨敗だ。


「そうだね。行こう。」


スーパーの近くにある交番に拾った2万円を届けに行った。
規定の用紙に名前やら住所やらの詳細を記載し、またどこでどんな風に拾ったのかを尋ねられ、それに正直に答え、1年後、もし持ち主がいなければそのお金を受け取れるとのこと。
もうそれに関しては期待せずに、ただ言われるがままに事務的な手続きをして交番を後にした。


「えらいね、お嬢ちゃん。」

そう言って交番の警察官に話し掛けられた時の子の気恥ずかしくも嬉しそうな表情を思い出すと、少しでも卑しい心を働かせた自分が情けなく思えた。
普段、子を正しく育てなければと意気込んでいるにも関わらず、つい出来心を働かせてしまう。
もしあの場面に子がいなければーあの2万円は自らの懐に眠っていたかもしれない。多少のもやもやを抱えながらも、臨時収入と言って泥棒であることなんて頭の隅っこに追いやり、美味しいものや欲しいものにその金を使い果たし満足していたかもしれない。

子の存在が過った道から私を正してくれる。
その道を決して汚してはならず、子の信頼を裏切ってもならない。
当初の予定通り卵と牛乳を買い、残った金はへそくりにする予定でいたが、子に好きな菓子を買ってやった。
手を繋いで帰る夕暮れ時、2万円より価値あるものを拾った気分で帰路についた。


























































検査薬

生理が遅れている。
ここずっと気忙しい毎日だったので頭の片隅にそれを思いながらも、なんとなく引き伸ばしにしていた。
久しぶりの夫との情事ー
思い当たるのはそれしかなく、しかしゼロではない事実に少しだけ期待が膨らむ。
ドラックストアで検査薬を購入した。何年ぶりだろうか。
まるで女子高生のようにレジでそれを持ち、会計を待つ間ドキドキ心臓が高鳴った。
なぜか2本入り、自宅に戻りその封を開けて一応説明書きを読む。
ブルーラインが2本、陽性反応が出ることを願いながらトイレに入り用を足す。
トイレットペーパーホルダーの上にそれを裏返して置き、しかしすぐに結果を見るのが怖くて一旦トイレの外に出た。
その存在すら忘れたように、皿洗いなどの家事を済ませる。
そうしながらも新しい生活に思いを馳せたー
子に兄弟を作れたらー赤ちゃんが出来たと伝えたらどんな反応をするだろうか。きっと大喜びするに違いない。
そして夫ー
少しは変わってくれるだろうか。子供に対しては優しい男だ。二児の父になれば彼の中で少しは何かが変わるかもしれない。
経済的には二人目を授かったとなるとかなりきついけれど、それはあくまでも現在渡されている生活費の範囲での話。実際夫の手取りは多いはずだ。明細は見たことがないけれど、夫の金の使い方には余裕があるのだから。
さすがに子供二人分の生活費を渡してくれるようになるだろう。

今授かればギリギリ素敵ママや従姉妹ー、そして隣家の女性とママ友にもなれる。それは私にとってとても重要なことで、「知り合いがいる」ことだけでもひとつハードルが低くなる。
新しい人間関係はエネルギーが要る。そしてそのエネルギーはいつでも私を持て余す。その結果空回るのがこれまでのところなのだ。

ーさあ、どうだろうかー

トイレに戻り、思い切って検査薬を表に返した。
閉じていたまぶたをそっと開けてその結果を受け止める。
それまでの妄想が一気に現実になることを願って。






見事に真っ白な検査薬の非情さを恨み、そして落ち込み、そしてやっぱりなと納得した。
当たる訳がないのだ。
宝くじだってたった一発で当たらない、それまでに何十万も投資していくらか当たるもので、気まぐれで買ったそれが大当たりなんて虫のいい話だ。
ふーっと溜息をついてから、検査薬をペーパーでぐるぐる巻きにして袋に入れゴミ箱に捨てた。
未使用のもう1本の検査薬を、へそくりが置いてあるクローゼットの中の下着の奥にそっと仕舞った。

そして後日婦人科に行き、生理が遅れていることを伝え、規則正しくそれが来るよう漢方を貰って来た。
一応医師が内診をしたが、空っぽのエコー映像に特に感想もなく、ストレスや疲れから生理が遅れているだろうと素人でも出来るだろう診断結果が伝えられた。

もうすぐ七夕。
1年に1度しか逢瀬のない彼らに嫉妬をおぼえる程、得体の知れない喪失感におそわれていた。



























































出し惜しみ

しばらくこちらから連絡をしていなかったので、久しぶりに実母に電話を掛けた。
よそ行きのワントーン高い声で応答する母は、私だと分かると2トーン程低い地声に戻り、しかし嬉々とした声を取り戻す。
母の日にプレゼントしたサプリが少しは効いていると言い、しかしそれでも病院に毎週のように通っているとのこと。
忙しいが口癖の理由の全てはほぼ病院絡み。人付き合いがあれ程あった彼女も今では寂しい老後を過ごしているのだ。
しかし、本人は寂しいなどとは口が避けても言うわけがなく、あくまでも自分の意思でひとりを貫いているのだと言う。

障害のある弟を溺愛しているが、私から見るとそれは支配しているにすぎなく、本当に弟の為を思っているのならば五体満足ではあるのだから、障害者対応の職業訓練などに積極的に参加させたらどうかと思う。
以前その思いを伝えた所返されたのは、

「嫁に出たあんたは呑気でいいわよ。可哀想に△△は一生独り。私とお父さんが死んだら孤独死かもしれない。だったら今甘やかして何が悪いの?あんたに何も迷惑掛けてないわよね。」

半ば憤りながら、私の意見など右から左だった。
弟は自分の意思がない。障害といっても重度ではないので、支援さえ受ければきっとある程度社会にだって出ることが出来る。その訓練は早ければ早い程効果的だというのに、今の今まで母は弟を外に出そうとも思わず、自分の手中で大切に豆腐を扱うかのように、そして今でもまだ片手で余る年の子を育てているかのように接している。


親孝行でもするかーそう思い、気が進まないながらもランチに誘ってみた。
いつでもそうなのだが、こちらから誘うと一旦は断るそぶりを見せる母。


「来週はね、私忙しいのよ。」

勿論その全ては病院だ。一体医療費に幾ら掛けているのか?

「薬ももらいに行かないとなんないし、検査もしたいし。こないだ歯医者で詰め物したところが違和感あるからそれも診てもらいたいし。だからちょっとね。でもなんとかなるかもしれないからまたスケジュール決まり次第連絡するよ。」


おそらく卓上カレンダーにはぎっしり月曜から金曜まで何かしら体のメンテナンスをする為の通院予定が入っているのだろう。
確かーまだ私が小学生だった頃の母は、無趣味な病院通いが生きがいの父方の祖母に対し、あからさまに嫌悪感を抱き、

「ああはなりたくない。私は老後には合唱サークルに入ったりボランティアしたりするつもり。料理教室なんかもいいわね。栄養士の資格を取ったりするのもいいかも。私は社交的だからね、ああいう生活は耐えられないし考えられない。」

と常日頃言い続けていた。
それが何十年後ー結局は祖母と同じような日々を過ごしているのだから人間先々どうなるかなんて自身にも分かるはずはないのだ。


生活が厳しかった頃、数年パートに出ていた母はその頃とてもイキイキとしていた。
子育ても落ち着いて、やっと自分の居場所を見つけ、そして仕事内容も人間関係も気に入っているように見えたその仕事は8年あまり続いていた。
しかし不況のあおりを受け、人員削減で真っ先にパートが切られ、その犠牲になった頃から母の偏屈ぶりに磨きが掛かった。


今でもその頃のパート仲間と年に1度程お茶をするらしいのだが、そのそれぞれは前向きにポジティブに新たな仕事を見つけたり、また習い事を始めたりして人生を謳歌しているそうだ。
しかし、母はその彼女達の新しい人生にケチをつける。


「OOさんは結局新しい仕事っていっても工場だし、私はああいう立ちっぱなしで脳の使わない仕事なんて無理!時間の無駄よ。そこまでしてお金欲しいと思わないわ。」


「OOさんはボランティアなんてしているらしいけど、その割にあっちが痛いこっちが痛いってよくやるわよ。この年になったらこっちがボランティアして欲しいくらい。人の面倒みて倒れてれば世話ないわ。」


「OOさんは文句言うわりに外面よくて、散々悪口言ってた婦人会のメンバーと今年も温泉旅行だってさ。あー、私はそういう煩わしい付き合いなくて良かった!」


「OOさんからこの間も電話あって、お茶しようって言われたけど気分乗らないから断った。一緒に話してても正直趣味も合わないしつまんないのよね。あの人スポーツジムの話ばっかりなんだもの。買い物もおばあさんが選ぶようなものばっかりで趣味が合わないしね。」


等々、自分以外の有意義な老後を過ごしている元パート仲間を見下しているつもりなのだろうが、私からすればよっぽど充実し、人生謳歌しているように思える彼女達をこき下ろす。
おそらく彼女達はー母のように、他人の生活に興味などなく、そうやった批評めいたようなこともせずにマイペースに自分の楽しいことを見つけているのだろう。自身の人生が充実していれば、他人の生活なんて視界に入るはずもない。
母もそうすればいいのにー、それが出来ずにしかしその現実を認めるのが嫌だから現状を満足していると自身に無理やり言い聞かせているのがこちらから見れば痛々しい。


結局のところ娘からの誘いも彼女にとっては、


「気分は乗らないけど、娘もストレスたまっているようだから誘いに乗ってやったわ。」

というところだろうか。それを唯一今の話し相手である父に満足気にしゃべっている様子が見て取れる。
そしてやはり予想通り、数日後メールが来た。
誘いに乗るのも出し惜しみなのだ。

「病院はなんとか都合つけて来週に延ばしてもらった、体調と天気が良ければO曜日空けておく。」

そんな親でも、私は妙に気を遣う。
気を遣って定期的にお茶やランチに誘い、そして遊びに行き、電話やメールをする。
その後はどっと疲労感だけが残り、なんだか生気を吸い取られたようになる。
言葉のひとつひとつを選びながら、何でも思ったことをポンポン口に出す母に傷付きながらー
同性の親子ー私も子とは同性だからこそ反面教師と思い、親子関係を今からきちんと構築していかなければと思う。








































ダンス見学

ダンスの見学に近くのスタジオに行った。
中途半端な時期ではあるが、欠員が数人出たとのことで募集を掛けていたポスターに目をつけたのが4月半ばのこと。
子も習いたいと言い出し、夫の了承も得て、後は雰囲気と子のやる気次第といったところだろうか。

スタジオに到着すると、既に習っている子供達が準備をしているところで、その後ろで母親達が談笑しながら輪になっている。覚悟はしていたけれど、ここでも群れの数々ー
しかし見学している親子もポツポツいたのでそこまで気にならずに済んだ。

「まいこちゃんだ!」

はっと見ると、準備をしている女の子達の輪の中にまいこちゃんがいた。子が駆け寄り声を掛けるとまいこちゃんも嬉しそうに笑っている。
鏡越しにまいこちゃんママらしき姿が見えた。他のママ達としゃべっていて私達のことは気がつかないようだった。
内心微妙だなと複雑な気持ちでいたところ、子が何を思ったのかまいこちゃんママの方に行き声を掛けた。


「まいこちゃんママー!OOもダンスするの。OOのママもあそこにいるよ。」

そう言って、子は私の方を見るよう急かす。
私の心中は穏やかではなく、こういう時どんな顔をして良いのか分からず、しかし曖昧ながらも笑顔を作り小さく手を振った。
ダンスの先生が入室し、子供達は整列する。
それと同時くらいに子に手を引かれながらまいこちゃんママが私のところにやって来た。

「久しぶり。見学?」

「はい。OOが習いたいというもので。」

「ここのダンススクール人気なんだよね。うちもキャンセル待ちでやっと入れたの。本当は幼稚園からやらせたかったんだけどね。4月からだからまだ始めたばかり。」


それからも彼女がずっと横で話し掛けてくるので、なかなか見学に集中出来ずにいた。
それでも久しぶりのおしゃべりは楽しく、園時代の彼女に対する不信感もその時は思い出すこともなく、有益な情報も聞けて満足したりもした。

「じゃあ、またね。OOちゃん、またまいこと仲良くしてね。」

私達親子に手を振ると、最初にいた群れの中に戻って行った。



帰宅し、再度子にダンスをやりたいか聞くと、確認するまでもなくやりたいと大騒ぎ。その夜、夫に見学の内容(うろ覚えだが)と子がどんなにやりたがっていたかを伝えると、一発でOKが出た。
今日は見学だったのでスタジオ内にいられたが、本来は子供達がダンス中は保護者は別部屋で待機していなくてはならず、そのことを思うと心底憂鬱になったが、一応まいこちゃんママがいるし、同じく新しく入会する子もいるだろうしなんとかなるだろうと深刻に考えないようにした。
一番は子が楽しめること。私のあれこれは二の次三の次だ。
夫から入会金を貰い、この習い事が子の成長の助けの一部になればと願いながら申込書にサインをした。















































時計と約束

あれから子はDちゃんと仲良くなったこともあり、外遊びをするようになった。
放課後、宿題とおやつの後に小1時間程ー、公園で待ち合わせしてから遊ぶ。
公園は近所なのだけれど、心配なので送り迎えをしていたのだが、Dちゃんのママとは一度も会うことがなく、下の子がいるし忙しいのこともあるのだろう。
Aちゃんらは来たり来なかったり。習い事等で忙しいようだが、来る時には必ず母親が付いて来ており軽く挨拶をする。
私は送ると一旦自宅に戻るので、彼女らと立ち話はしない。
勇気を持って話しかければ輪に入れるのかもしれないけれど、毎日の送迎でもなくたまにのこともあって、その「たまに」のことで気疲れするのもバカバカしいからだ。
こういう性格だからママ友が出来ないのだろうけれど。

外に出す時は、一応腕時計をさせている。
この時間になったら終わりだよと言い聞かせる。時間は4時。
日が長くなり、時間の感覚が夕方になっても日中のような天気の中で盛り上がっている子供達をたしなめながら家に帰すのは骨が折れる作業だが、今から習慣づけておかないと、送迎がなくなり自力で帰宅するようになった時になあなあになるのが目に見えているからだ。

不可解な事件が多い昨今、なるべくなら子を囲って守りたい気持ちもあるけれど、そうもいかない。
親の私に付き合って、子まで家に引きこもらせてはならない。
子には子の世界があるのだ。

そんな風に自分に言い聞かせながら、4時になったので公園まで子を迎えに行った。
公園にはまだまだらに小学校高学年らしい子供達が遊んでおり、しかしその中に子の姿もDちゃんの姿も見えなかった。
少し焦って、グラウンドやテニスコートなどの方も探す。
トイレも見てみたが気配がない。
段々不安になって、しかしどうしたらよいのか分からず戸惑うばかり。
ふとー先日貰ったDちゃんママの携帯番号に電話を掛けようかと勇気を持った時、子の声が遠くから聞こえた気がした。
公園の先の大通りからだ。そして何故か一人だった。

「ママー!」

ほっとしたのと同時に怒りが込み上げて来た。
子は私と目が合うと、悪びれた風もなく駆け寄って来たが、


「どこにいたの?」


私の形相が普段と違うと分かると直ぐに、


「ごめんなさい。」


と謝った。


聞くところ、Dちゃんの家まで送って行ったようだった。
私は、公園の中で遊ぶようにと言ったことー、4時には迎えに来るからそこで解散だということ、帰り道でシクシク泣く子に極力冷静に、しかしかなりきつめに叱った。
子は反抗することもなく、ずっと謝り続けた。
罰として、1週間外遊びとテレビを禁止にした。
子はそれを聞くと、ますます声を上げて泣き出したが、そうでもしなければまた同じことを繰り返す。
大げさかもしれないけれど、子がいるはずの公園に子の気配がないというだけで心臓が押しつぶされる程不安だったのだ。怖かったのだ。
公園の掲示板に貼られていた不審者情報の張り紙に震え上がったのだ。


その日、寝る前に子は甘えて私に擦り寄って来た。
ぎゅっと抱きしめてやり、そしてそのぬくもりを絶対に守らなければならないのだと思った。
自分の幼かった頃のような、安全で自由な社会とは程遠い現在、親としての役割はますます細分化され神経質にならざるを得ない状況なのだ。



























































天性の話術

隣街に新しく出来た美容院ー
初回限定で1000円のカット。そろそろセルフカットをしようかと思っていたのだが、そのチラシを見て通常価格からかなりの割引に+、会員になるとただでヘアワックスがプレゼントされるとなっており、たまには気分転換に良いかもと子が5時限の時の暇な日中に予約を取り行ってみた。

待合室にはそれなりの人がいたが、予約を取っていたのとカットのみだった為、すぐさま席に通された。
私が美容院に行かない理由は2つー金が掛かるということと、美容師とのやりとりが億劫だということ。
それでもたまに自分でカットしたりパーマしていると虚しくなる時がある。誰かに綺麗にしてもらいたいというお姫様願望だろうか。
担当は、私と同じ世代かと思われる男性で、無口そうな無骨な感じの人。
実際、要望を聞いたら、さっさと準備を始めた。開店したばかりで忙しいのだろうー右隣の客も私と同世代の女性だったのだが、彼が私と彼女の2人を同時進行に担当するらしく、忙しく右を向いたり左を向いたりするのだった。

しばらくして、カットに入り世間話だろうかちょっとしたことを質問された。しかし会話下手な私は起承転結の「結」でその質問に対し受け答え、会話が弾むはずもなかった。
一方ー、右隣の女性に対しても彼は同じ質問をしたのだが、彼女はそこから上手に会話を膨らませ、無口だと思われた彼も彼女の話術によってなのかペラペラしゃべり始める。
社交辞令的な会話だったように思えた彼のしゃべりっぷりが、段々高揚して来たようで、終いには客以上に饒舌に自分の趣味であるサッカーのことを熱弁し始めた。
たまたま女性がフットサルをしているということから盛り上がったのだろう。

彼は既婚なのか独身なのかは謎だったが、きっと私が少しは盛って話せることといったら子供のことくらい。詰まらないけれど結局のところそれくらいしか話題がない。
それ以上のことだと踏み込み過ぎるし、特に趣味もなければ仕事もしていない私には話題性が皆無なのだ。
なにせ同じ専業主婦という境遇のママ友さえ出来ず、会話を弾ませることも出来ないのだから当たり前の話。
右隣を向くと、彼は途端に饒舌になりー私の方に向きなおすと黙々とハサミを動かす。
なんだか自分が悪いことをしているような、客なのだから堂々としていればいいのに居たたまれないような気分になる。
折角気分転換にと思い立った美容院が、次第にただの苦痛な時間となって行った。

隣の女性は、それから自然に自分の子供の話をし始め、さらりと男性に結婚しているのか聞いていた。私なら遠慮して相手のプライベートを尋ねることなど出来ない。しかし、盛り上がっている彼らにその質問は大して重大なものでもなく、彼もさらりと返す。
若いし独身だと思えば、なんと男の子の双子を持つ父親だったのだ。しかも奥さんは今妊娠中らしい。
そこから偶然、彼らの第一子が同じく今年新一年生らしく、更に子育て話で盛り上がっていた。ワールドカップの話題からサッカーに関するトレーニングの話、そしてそこから育児の話になり、更に習い事やカメラの話にまで及び、美容師は声を出して笑うなど、第一印象の無骨さはすっかりどこかへ消えてしまっていた。

結局彼と彼女の会話を聞きながら、合間合間にカットをされて、最後にシャンプーをされた時に若い女性担当に代わったところで心底ほっとした。
最後スタイリングしてもらい、確認の段階で気に入らないところはないかと聞かれ、「大丈夫です。」と答えるのが彼との唯一の会話だった。


話し方教室にでも通ってみようかー、話術に長けている人に憧れる。劣等感一杯になり落ち込んだが、やはりプロにカットされて気分は悪くなかった。
パーマが取れかかっていたこともあり、自分でカットするのも難しいと思っていたが、プロがすれば仕上がりは全然違う。
後は自分でカラーをすれば完璧。
1000円でそれなりに仕上がったヘアスタイルには満足なのだから良しとしよう。























































小さな来客

最近子の口から特定の名前が出るようになった。
登下校を共にしているDちゃんだ。
Dちゃんは例のお菓子を全て取られた時のグループにもいたはずで、子が楽しそうにその子の話をするのでどんな子なのか内心では警戒していた。
親の見送りがなくなってからというもの、子供達同士のやりとりは子の口から聞くしかなく、クラス内ではまだ特定のお友達がいるのかいないのか分からない状態で不安だったこともあり、近所でも同じ小学校の新しい女の子の名前が出るようになったことは嬉しかった。
登下校メンバーは、最初の頃は素敵ママの息子R君ら男子も混じっていたのだが、段々男女二つに分かれ、連休明けには子の話だと女の子のみで行動しているとのことだった。
女の子は、AちゃんにBちゃん、DちゃんにEちゃんの4人で、子意外は同じ幼稚園だということもありなかなか打ち解けずにいたようだったのだが、最近ではDちゃんが子のことを気に入ってくれたのだろう、Dちゃん通して輪に入れるようになったらしい。
Dちゃんは妹2人の長女で面倒見がいいのかもしれない。あのお菓子を取られた一件から、大人気ないが彼女達に対して嫌悪感を抱いていたはずなのに、すっかりDちゃんだけの印象は良くなってしまった。


「今度お家に遊びに連れておいで。」

なんとなく気軽に子に言った翌日の放課後ー子は即刻約束して来たようだった。
子供同士の約束だし、来るか来ないか分からずだったのだけれど、公園で待ち合わせしてからDちゃんを連れて来るとのことで、だったら私もと一緒に待ち合わせ場所まで付いて行った。
するとDちゃんと思わしき女の子が自転車にまたがり公園脇でキョロキョロしているのが見えた。
子は嬉しそうに満面の笑みで駆け寄り、そして私もそれを追い掛けた。


「こんにちは、おばさんはお家に来てもらって構わないんだけれど、Dちゃんのお母さんはいいって言ってたかな?」


質問すると、お菓子が入った袋を渡され、その中に小さなメモが入っていた。
そこには名前とメアド、それから電話番号、そして、「今日はお誘いいただきありがとうございます。門限は4時までなので、時間になったらお声掛けよろしくお願いします」というような内容が綴られていた。
その小さなメモの中に人柄が凝縮されているようで、常識のあるきちんとした方なのだろうと一安心。
数日間の送り迎えの時に、誰がどの子の親なのか最後まであやふやだったので少々不安だったのだ。

Dちゃんは玄関に入ると、お邪魔しますの挨拶と共にきちんと靴を揃えてからあがり、それから私が誘導するまでリビングに入らない律儀さがあった。
子がおいでおいでと子ども部屋兼和室に連れて行き、その前に手洗いしないとと言って自ら洗面所に出向いたのも感心するところだった。
おそらく人の家に行き慣れているのだろうと思った。
我が子は私がいないところでここまで出来るだろうかと思うと、答えはノーだ。
経験値も少なければ、やはりあれこれ手や口を出してしまう。反省しなくては。

Dちゃん宅からいただいた菓子を我が家にある菓子と混ぜておやつとして出し、それからジュースを持って子ども部屋まで行くと、2人共楽しそうに遊んでいる様子が見て取れる。
園にいた頃のような明るい子の笑い声が聞こえ、私の心も踊る。
この調子で仲良しになって貰えたらークラスは違ってもやはり近所に仲良しが出来れば心の拠り所も出来るだろうし、また先日入会してしまった子供会でも居場所が出来るはずだ。
祈るような気持ちで、二人の楽しそうな声を聞きながら夕飯の下拵えや乾いた洗濯物を畳んでいた。
どんなBGMよりも子供達の笑い声は家事がはかどるような気がする。

はっと気がつくと既に4時になるところで、慌てて二人に声を掛けDちゃんを送る。
自宅まで送ると申し出たのだが、Dちゃんは一人で帰れるを連発し、自転車だったこともあり私達が追いつけるはずもなくさーっと走って行ってしまった。
彼女の母親に電話をするも繋がらず、仕方なくメールでDちゃんが帰ってしまったこと、きちんと自宅まで送れなかったお詫びをメールすると、1時間後くらいに返信が帰って来た。

「今日はお招きいただきありがとうございました。DはOOちゃんのお家で遊べてとても楽しかったようです。今度はうちにも来て下さい。クラスは違うけれどご近所なのでよろしくお願いしますね。」


女の子だし、一人で帰してしまったことで母親を怒らせてはいないかと不安だったが、その返信を読みほっと胸をなで下ろした。
子はその日寝る前までずっと、部屋で何をして遊んで楽しかっただとかDちゃん大好きだとかとにかく興奮状態で、私自身もなぜか興奮状態だった。
このまま良い方向に友達関係が進んでくれますようにー久しぶりにこの日は朝までぐっすり眠れたのだった。



















































宿題と根気

私は見かけ気長に思われることが多いけれど、実際のところ短期だ。
そして神経質。
洗濯物ひとつ干すのも端と端を揃えなければ気が済まないし、またシーツを物干しに干しては、風で乱れると何回も直しにベランダに出る。
プライベートが病んでいる時など、特に園時代に役員をこなしていた時などはそれがエスカレート、カーテンを閉めるのにひだの数が気になり、そのひだが偶数にならないとイライラして何度も何度も閉めたり開けたりを繰り返した。
こうなるともう病気だ。そしてそれを自覚しているのだが直せない。


子が宿題を持ち帰るようになり、1年生なら放課後の勉強時間は10分と言われている。学年掛ける10分が家庭で最低限こなさなければならない勉強時間らしい。
10分程度で終わるようなひらがなの練習プリントが先月から宿題に出るようになったのだが、私の気質を受け継いでなのか子は何度書いても納得がいかないようでイライラしながら書き上げては消し、また書き上げては消しを繰り返す。
確かに、手本のひらがなと比較するといびつだけれど、まだ文字を習ったばかり。筆圧加減だって難しくもどかしいはず。大人のように書ける訳がないのだ。

「ママ、出来ないー!」

「出来ているよ。じゃあ一緒に書いてみようか。」


子の背後に回り、子の手に私の手を添えて字をなぞる。何度かそれをした後に今度はひとりで書かせるのだが、やっぱり自分ひとりで書いた文字は気に食わないらしく、段々と雑になっていく。


「もう少しゆっくり書いてみな。」

「はらいが出来ない!」


むしゃくしゃした子は、指定されたマスからわざと大きくはみ出して雑に文字を書き殴り始めた。


「ちょっと、もう少しゆっくり丁寧に!」

私も少しイライラし、声を荒げてしまった。
すると今度は極端にマスに対して小さすぎる文字を書き始め、もうふざけているとしか思えず、いいからそのままそれを明日提出して先生に見せなさいと子に言った。
するとまた、それらを消しゴムで消し、終いにはプリントをぐちゃっと丸めようとしたので、つい私も怒鳴ってしまった。


「あ!何てことするの!!もういいよ、やらなくて。ママももう一緒に宿題しないから。何も書かずに出せばいいよ!」


すると子はシクシク泣き出した。しまった!と思った時はもう手遅れで、私もおおいに反省しながら子を抱きしめたしなめた。


「下手でもいいの。うまく書けなくて当たり前なの。ママや先生はもう何十年も練習して来たんだから上手に書けるのは当たり前。でもOOはまだ1年生だし、ひらがなも教わったばかりでしょう。だからお手本と同じように出来なくてもいいの。ただね、丁寧にうまく書けますようにーって心の中で思いながら書くことが大事。出来ない出来ない!って泣いたり怒ったりしながら書いてたらいつまで経ってもうまくならないよ。それから、出来ないからってこうやって宿題のプリントを丸めたりするのも駄目。ゆっくり丁寧に、もう一度ママとやってみよう。」


そんな風に言い聞かせながら、なんとか1枚のプリントを仕上げられた。掛かった時間は1時間強、宿題が始まってからというもののずっとこの調子だったから私も疲れてしまって、本当なら親子楽しく宿題を仕上げたいのに、実際のところは悪戦苦闘で日々放課後のこの時間が苦痛と化していた。


何度も何度も書いては消してを繰り返していたので、宿題をしていたダイニングテーブルは大量の消しゴムのカスで覆われて、もっと適当に物事を捉えられればいいのにと子を思いながらも、そうかあの子は私の子供なのだからしょうがないではないかと妙に納得する思いもあった。

電車ひとつ乗るのに、その日の数字と自分の誕生日を足して一の位の数を出し、一番前の車両から数えてその数番目の車両に乗らなければ気が済まなかった学生時代。どこかの野球選手さながら、出掛けに必ず右足から玄関を出なければ一日が始まらなかった社会人時代。
玄関に揃えた靴の並びが気に食わず、何度も何度も入れ替えてはまた直してを繰り返してしまう癖もある。
精神病のひとつなのかもしれない。

育児は根気ー
母親があまりに神経質にしていると子にも伝染してしまう。
もっとおおらかに、気長に接したいと思いながらもなかなか出来ないでいるのが現状だ。
















































校内ボランティア

以前応募した校内ボランティア、お便りと一緒に依頼通知が来た。
希望通り、祭り関係の役につくことが出来た。名簿も作成されており、思ったより人数が多かったのが誤算。
皆ママ友同士で参加するのかもしれないと少々ブルーな気持ちになった。
それでも新たな出会いを胸に、第一回目の顔合わせ兼会議に出席した。

半端に顔見知りがいないことが救いだった。ほぼ知らない人だらけの教室内。
私と同じように一人で座っている人も数人いたのでほっとした。


「ここ、いいですか?」


振り向くと、私と同世代の母親が笑顔で話し掛けてきた。
全く予想していない展開にドキドキしながらも、笑顔でどうぞと返す。
うまく笑えているだろうか。
自然に振る舞えているだろうか。


彼女はとても気さくな人で、初対面の私にあれこれ話しかけて来てくれた。
何年生で何組なのか、どこの幼稚園出身なのか、住まいや兄弟の有無など色々と。私はそれに答えればいいだけで、少し間が開けば彼女に質問返しをしたりしながら、あっと言う間に集合時間になり顔合わせが始まった。
彼女は4年生の母親なのが残念だったけれど、それでも新たな顔見知りが出来たことが嬉しかった。

彼女は向こう隣の人にも気安く声を掛け、その隣の隣の母親とも初対面にも関わらず話し込み、打ち合わせ中は役員に質問したりして、段々私とは世界が違う人なのだなと薄暗い気持ちになった。
折角出来た知り合いー、けれど彼女のような社交的な女性にとっては、私は何十人もいる出会った人々の中の一人なのだ。
実際、私自身、彼女とは逆側の隣に着席した母親には全く話し掛けることも出来ず、その人は隣が知り合いだったのだろうー会話に花を咲かせているようで、私が立ち入る隙もなかった。

お祭りボランティアでは、一応代表を決めなければならず、てっきり隣の彼女が立候補するのかと思いきや代表は出来ないときっぱり断っているのが意外だった。
社交的な彼女は、どうやらこのボランティア意外にもいくつか掛け持ちをしており、また上の子の役員をしていたりと忙しく、物理的に無理らしい。
ますます彼女が遠くなり、最初に声を掛けられた時にはメアド交換でもと思ったが、そんな気持ちは会議が進むにつれ薄まり消失していった。


それでもー、彼女を通して隣の隣の席の人とは顔見知りになれたのは大きな収穫だった。
次回から具体的な打ち合わせ等が始まるが、挨拶程度でも顔見知りがいるといないとでは全然違う。
知り合いの輪が広がりますようにー祈りつつ第一回目のボランティアが終了した。



























































コスメと私

独身時代、化粧品はそれなりに良いものを使っていた。
しかし、百貨店などで買う勇気はなく、同僚が堂々とカウンター越しのバッチリメイクのお姉さんにアドバイスを貰い度々フルメイクをしてから遊びに行くと言うのを聞き、なんだかすごいなぁと思ったものだ。
彼女いわく、「お姫様になった気分を味わえる」と言っていた。
しかし私は自分の顔に自信がなく、また化粧の仕方も自信がない。そしてセールストークから逃れる自信もない私にあのカウンターは敷居が高い。
一度だけ、あるブランドのグロスを購入するのすらドキドキしてしまった。
その時はカウンターは既に一杯だったから、お姉さん達は特にセールスをするわけでもなく、私をそのブランドの常連客だと疑わずとっととお会計をしてくれたので助かったのだが。

そんな理由で、専ら独身の頃から化粧品はドラッグストアで購入している。結婚前後で変わったことといえば、ドラッグストア内の化粧品メーカーでも、最高ラインのものから最低ラインのものになったということくらいか。
今使用しているのは、一番安価なメーカーのもの。
おそらく女子中学生が使うものより安いかもしれない。しかし、安くても使い勝手が良ければ問題ない。
ファンデはBBクリームのみ。800円くらいのもので、これは肌なじみも良く、なんと半年ももっている。800円で半年以上となればコスパも高く優秀クリームだ。
マスカラは1200円程。これはもう何年使っているのだろう。乾いてしまい固まったりすることもあるけれど、化粧水で伸ばして薄めて更に使用する。なのでなかなか減らずにいたけれどさすがにもう限界だろうか。
アイシャドーとチークはつけたりつけなかったりなのでなかなか減らないけれど、これも何度か床に落として砕けてしまったりした結果、今は四隅についたそれを綿棒でほじくりながら使用している。
貧乏臭いかもしれないけれど、化粧品は必要経費と思いながらも専業の今では買い換えるのも勇気が要るのだ。
口紅は基本つけない。グロスも。基本薬用リップのみで、誰かと会う時は色付きリップだ。これは300円程。
メイクにお金を掛けない。
掛けたところで地味な顔は変わらず、地味だからこそあまりメイクをしない方が変に目立たなくていいような気がする。

基礎化粧ーアラフォーともなればそれなりに金を掛けなければ、これから何十年後ボロボロになるのも目に見えているのだが、すぐに効果が現れないものに金を掛ける気もしない。
化粧水は1本700円程のもので、乳液や美容液はつけない。なので本当に安上がりな顔だと思う。
風呂上がりにひとふりの化粧水をパタパタして、それでおしまい。


「老けたわね、ホントあんた結婚してからしわくちゃになった。」


実母に会う度に言われるのが苦痛だ。
彼女だってシミだらけのおばあさんだ。それなのに自分はいつだって若いと信じて疑わない。
その自信たっぷりさに、言い返す気力もなくなる。

夫が言う。


「あんな高い化粧品に金掛けて、大して変わらないのに。ああいう女キライ。」


以前テレビに出ていたとあるアラフォー美魔女が、使用しているメイク道具や化粧品を紹介しているのを観ていた時だ。
おそらくそう言いながら私に向かって牽制しているのだ。

ーお前はそんなんじゃないよな。そういうくだらないもんに手を出さないお前だから結婚したんだー

そんな心の声が聞こえた気がする。
金が溢れるほどあれば、勿論私だって女だから小奇麗にしたい。
体のメンテナンスーエステやスパ、ネイルに普段からのお手入れ。
毎日高価な基礎化粧品を肌に塗り込み、今日も一日お疲れ様と自分を労わる時間が欲しい。
ゆっくり丁寧に、顔マッサージをしながら美しくなる未来の自分を想像し、心地よい香りに包まれて眠りにつけたらどんなに幸福だろう。

身の丈以上の生活を求める気はないのでちょっとした妄想をしてみる。
しかし、そんな自分はもはや自分ではない気がして居心地が悪い気もするのだった。















































誘惑に負ける

どんよりとした天気ー
今日も一日家の中にこもりきり。
午前中はほぼ家事を放棄し二度寝していたので罪悪感がありつつも、体は全く動けずにいた。
梅雨入り予報にほっとしつつも、自分のこれからを考えると鬱々とする。
5月の在宅ワークの報酬が良かったことで、誘惑に負けて散財してしまったのだ。
このところ、買い物依存せず頑張っていたのだが、そのストレスは知らず知らず溜まっていたらしく、昨夜夫の帰宅が遅いこともありネットサーフィンしていたら、次々とポチポチしてしまったのだ。

情けないことに、夏服を5枚程購入してしまった。
Tシャツやカットソー、涼しげな半袖ブラウスなど。去年のものはくたびれて襟ぐりがだらしなくなってしまっていたし毛玉も出来ていた。
夏服は洗濯の回数が多いこともあり、ワンシーズンで終わってしまうものが殆ど。そう言い聞かせてまだ家で着ようと思えば着れるものをゴミ袋に入れたのだった。
それからサンダルも。
かごバッグも買ってしまった。
小物に関しては、去年のもので十分だというのに。
とにかくあれもこれもと買い物かごに入れて、気が大きくなった私は上限2万までと決めて深夜の勢いでポチっとしてしまったのだ。
貯金するはずだったのに駄目な私。
ついついセールやアウトレットなどのメルマガが届くと覗いてしまいドツボにはまる。
そして抑制されていた買い物欲はフツフツと湧き出て止まらなくなる。
2万は大きい。3万で一ヶ月の食費になったのに、自分の物なんかではなく子の物を買う方がよっぽど有益だったのに。
馬鹿なお母さんでごめんね。
心の中、子供につぶやく。
だから夫に家計を任せて貰えないのだ。

日付指定は勿論夫のいない平日の日中。
こそこそ値札と服が包まれていた袋やダンボールを捨てて、何事もなかったように振舞う。
事前に子にだけは服を見せて、買ったものではなく前からあるものだと言い聞かせる。
女の子なので、新しい服には敏感だ。
夫の前で、「ママ新しい服可愛いね。どこで買ったの?」などと聞かれれば面倒なことになる。
そんな細工をしてまで買い物に走り、そして満足するわけでもなく自己嫌悪に陥る私は病的だ。
どうせなら心底買い物を楽しめたらいいのに。その高揚感は、欲しい品物を買い物かごにいれて購入ボタンを押すその瞬間だけのような気がする。

ネットで買い物が簡単に出来る今は便利だけれど、私のような買い物依存症という病を抱えた人々にとってはなかなか抜け出すことの出来ない蟻地獄のようなものでもある。











































通院日での隣の芝生

子の学校も5時限の曜日もあり、いよいよひとり時間が長くなって来た。
元々引きこもり体質の私、家事などを前倒しにしても全ては10時前に終わってしまう。そこからは完全なるフリータイムだ。
夫にあれこれ言われるのが嫌なので、本格的に家計簿をつけ始めたり、また料理などもっと美味しいと思われるようにー弁当を残されないように、図書館で借りたレシピ本片手に研究したりとしていたのだが、なんだか疲れてしまった。
ボランティアの応募結果はまだ来ず、応募してはみたもののやっぱり不安感がつきまとっている現状だ。


月1の通院日ー
この日は検査結果が出る月で、その結果によっては薬の増減、または治療方法の見直しなどがされるのだが、この通院日を私は密かに楽しみにしている。
普段何も予定がなく、のんべんだらりとしている毎日をこの通院日は「体のメンテナンス&ちょっとしたリフレッシュ時間」と称し楽しむ自分がいる。
医師と話すのも楽しみのひとつだ。
担当医は物腰が柔らかく、緊張しいな私もこの医師にはあれこれ気負わず質問が出来る。引越し前にあたっていたかかりつけの医師や、また子の小児科の医師はどちらかといえば高圧的で、いつもしたい質問の10分の1も出来ずにおずおずと診察室を退室するのがお決まりで、だからこの医師と出会えたことで病院嫌いは多少改善したのだ。

結果からいうと、横ばいだった。
医師の示すPC上のモニター画面を見ながら説明を受けたのだが、特に前回と変化は見られない。しかし、前回の結果は良い兆候を示していたので、つまりのところ良い兆しのままの横ばいなので良しとしようとのことだった。
完治してしまえば通院もなくなる。
それはそれで寂しい気持ちがしたので、おかしな話だがほっとしている自分もいた。
まるで老人が病院を社交場としているようで情けない話だが、この通院日はそれほど私にとって貴重な「自分だけの為の時間」なのだ。
その自分だけの時間は、自宅の中ではかなわない。やはり自宅にいると、夫や子があっての自分として本能的にセーブをかけてしまうからだ。


短い診察と検査結果の報告を終えると、そのまま診察室を出て会計を済まし駅前のパン屋に寄った。
これも楽しみのひとつだ。
アイスカフェラテを注文し、それからクリームチーズとブルーベリーのデニッシュをひとつ、イートインへ向かう。
隣の席では小さな子供を3人抱えた母親が、末っ子と思われる乳児をおぶさり立ったまた子供2人が小さなパンを頬張るのを眺めていた。
家計が苦しくても、子には美味しいものを食べさせてやりたい親心だろうか。
パンダの顔に成形したパンをそれぞれひとつずつ、勿論飲み物は無料の水。それをゆっくり無くなってしまうのが惜しいように小さく小さくちぎりながら口に放り込む子供達。
母親は立ったままということもあり心底疲れた顔で、早く食べてと子供達を急かしていた。

私はそんな家族を横目に、なんとなく罪悪感を感じながらカフェラテを口に運ぶ。
ゆったりとした時間を過ごすはずだったのに、なんとなく隣が気になって仕方がなくー思い切りひとりのお茶時間を楽しめずにいた。
隣の小さな子供は食べ終わると、まだ足りないようで私のトレイの中を覗き込んだ。そして、あれが食べたいと母親にごねはじめたのだ。
私は勿論、母親も共に気まずくなり、もう一方の子供を急き立てるようパンを食べさせ終わると、その家族はあたふたを店を出て行った。
小さな子供に覗き込まれていたこともあり、なんだかそのデニッシュを食べる気がしなくなった。
店員に小さなお持ち帰り用の袋を貰い、デニッシュは手をつけず子のおやつとして土産にした。私の中で、隣の芝生は青ければ自分も青くなりたいと思い、逆に青くなければ青いことが悪いように感じるー結局のところ常に周囲に影響を受けやすいーそんな芝生なのだった。



































可愛い子供服

子供服は眺めているだけで楽しい。
私が子供の頃、母は私を着せ替え人形のように扱った。
勿論それは父が倒産する前の裕福な頃の話だけれど、子供心に着たい服があっても言い出せなかった私。
ボーイッシュに憧れて、デニムを着たかったのに母は、

「あんなのは作業着だから野暮ったい。」

と言って買ってはくれず、代わりに充てがわれたのはフリル満載のお嬢様風なワンピースばかりだった。
ゴージャスなカチューシャをさせられ、友達からは「お嬢様」なんてニックネームがついて嫌だったっけ。
それもあり、子供服を購入する時は子の意見を尊重している。
キャラクター物が欲しい時期にはそれを優先し、ピンク色にはまった幼稚園時代も同じような色ばかりがクローゼットに並んだがそれも尊重した。

小学生になり、毎日が私服になったことと手持ちの服がサイズアウトしてしまったことで色々と物入りだ。
GUやH&Mなどのファストファッションにはお世話になっているけれど、本当はとても好みの子供服が取り揃えられている店があって、子もお気に入りだ。
ショッピングモールの中にあり、2人でよく試着だけして買った気分になることもある。
デザインが可愛らしくて、お金に余裕があれば着せてあげたいし、買ってあげたいーそう思いながら店の前を行ったり来たり。その店は「アプレ レクール」という店で通販もある。












夫と子と3人でこの休日にショッピングモールに行った時、子がこの店を指差し、


「あ!OOの好きな店だ!」

と言い店内に入って行った。
夫と私もつられるように子を追いかけながら入って行くと、既に夏物がずらりと並び、春物セールや羽織ものなど可愛らしいデザインの子供服がずらりと揃っていて癒される。
子がいつもの様に試着だけしたいと数点のワンピースを手にこちらに持って来た。
試着だけーそれを子は分かっているのでおねだりはしない。
それが私も分かっているので、店内も空いていたしそれだけという約束で試着室に行くことを許した。
勿論店内が混雑している時にはそんな冷やかしめいたことはしていないけれど。


試着室のカーテンを開けると、そこには可愛らしい子が立っており、なんだか代官山や自由が丘などに歩いていそうな女の子になっていてこうも洋服1枚で印象が変わることに驚いた。


「お嬢様、とても良くお似合いですね。このワンピースなら下にカットソーやカーデガンを羽織れば今からでも着れますし、勿論真夏は1枚でも涼しいのでお勧めですよ。」



店員がここぞとばかりに私に向かってセールスをする。
苦笑いしながらも考えてみます・・と口にし掛けた途端、隣にいた夫が、


「いいじゃんいいじゃん、パパが買ってやるよ。もうひとつのも着てみな。」


と驚く発言をしたのだった。
子はとても嬉しそうにひらりとスカートを膨らませながら一回りし、もう1着試着した。
そしてすんなりそれも夫が購入してくれることになった。
最初に試着したワンピースは、なんと5000円強、サイトで見たら同じものがあり、Sea Sellジャンパースカートというもので、子が選んだのはブルー。貝や魚の模様に裾がまた可愛らしい形で、バックのボタンも貝の形という凝った作りだ。肩もイエローのシフォン生地で本当に細部までデザインが繊細だ。
もう一つはサイトにはなかったけれど、少しボーイッシュな感じのマリンボーダーのワンピースだ。これもよくよく見ると女の子らしいデザインが散りばめられていて、無印などのシンプルなボーダーとはまた違って個性的で可愛らしい。
合計1万弱という出費だったけれど、夫からのポケットマネーということで有り難く購入した。
子も喜んでいたし、私も嬉しかった。


「運動会頑張ったもんな。」


夫はそう言いながら会計をし、どこか満足そうな表情をした。
子供服は夫と一緒に見るのもいいなと思った。私の服に金を出さなくても、子が欲しそうな顔をすれば話は別だ。
もうすぐ梅雨ーどんよりする時期だけれど、真新しいお気に入りの服を着て、元気に登校してくれたらと母としては願うばかりだ。




























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