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疑惑と引き出し

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夫と口論した。といっても、口がうまくない私は言いたいことの半分も伝えられず、逆ギレされておしまい。

今度の日曜、家族でどこにも出掛けていない鬱憤がたまっていた私は夫に提案したのだ。紅葉を観に行かないかとー
しかし、それに対してのレスポンスは「無理」の返事のみ。
またツーリングだ。夫いわく、「今しか行けない」「バイクにはうってつけの時期」「折角出来た趣味、たまの休みくらい」などあれこれ最もらしい理由をつける。
面白くなかった私は、

「あと数年もすれば、OOだって友達と出掛けるようになって私達とは遊ばなくなるんだよ。今が思い出の作り時なんじゃない?」


と語気を荒げて言った。


イライラした私は、ついに本当に一番聞きたかったことを問いかけた。


「いつも行くそのツーリング仲間って一体誰?何人くらい!?皆家族持ちなんじゃないの?ご家族だって毎週休みに出られたんじゃいい気しないよ。」


「何人って・・そんなの特定じゃないよ。5人くらいの時もあれば3人くらいの時もあるし・・家族って、逆に女だっているよ。」


あっさり答えが得られたことに正直驚いたー白ということなのか?
なんとなく女性の影は感じていた。しかし確信が持てないまま日々は過ぎていた。証拠だってない、何もない。夫のスマホの中だって見ていない。ただ、頻繁過ぎるラインのやりとりのみ。
ワイシャツに残り香がついているわけでもない、長い髪の毛が車の中に落ちていたわけでもないーただの疑惑だ。


「その人、子供さんいるの?」


「ああ、もう高校生だけど。早くして産んだから。」


「ご主人、何とも思わないのかしら?」


「彼女、俺たちと同じで男並に働いてるんだぜ。稼ぎだって下手したら旦那よりあるだろう。家のことだって完璧にやってるんだからそれくらいの趣味許さなけりゃ男じゃないだろ。」


「でもー、」


私が次の言葉を言う前に夫はたたみかける。



「お前、もしかして変なこと考えてる?だーかーら暇を持て余してる主婦はろくなこと考えないんだな。彼女はな、そんなんじゃない。ツーリング仲間で仕事仲間。それ以上でもそれ以下でもない。頭切れるんだよ、色々な話が男並みに出来る。政治経済の話から車やバイク、野球やサッカー、読書量だって半端ない。でもくだらないワイドショーネタや下ネタだって話すし、子供いるから教育論だって話す。それでも編み物なんかしたりするんだからすごいだろう?要するに引き出しが多いから、一緒にいて面白いんだよ。」



夫の彼女に対する擁護ー、それは彼女を清らかな者に、そして不謹慎なことを妄想する私を汚らわしい者にするのに十分なものだった。

夫から聞いたその台詞はー、明らかにその女性とそういう仲ではないことを物語っており、それはきっと本当のことなのだろうと思った。不倫ーとかではない、明らかに仲間としての交際。
しかし、言いようのない嫉妬心がわいた。
夫はその女性に恋愛感情を持っている感じは今のところないが、それでもどこか負けた気がした。女として人として。
そして、夫も彼女を認めているのだろうー、自分の妻よりも魅力的な女性だと。


何も言い返せない自分が情けなかった。そして、夫からも詰まらないと思われているー自身の引き出しの少なさが惨めだった。「家庭」という一つの引き出ししかない私。輝いていない私。日々に埋もれている私ー



今朝は新聞の一面からじっくり読もうと頁をめくった。それでも、途中で投げ出して後はこたつの中で楽などうでもいいワイドショーを眺め見るだけだった。何の生産性もないーただの芸能ネタ。
向上心はいつでも、ただ私をくすぐるだけで叩きはしない。だからいつまで経っても人間力がつかないままなのだ。














































水面下の努力

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下校時間ー
チャイムの音が鳴り、いつもだったら元気な子の声がインターホン越しに聞こえるはずだが無言。何かあったのかと思い玄関ドアを開けると、そこに泣きはらした顔の我が子がいた。

手洗いとうがいをさせ、何があったのか問い詰めるも無言で首を振る。

ー誰かに虐められた?
ー先生に怒られた?
ーテストの点が悪かった?

ついつい質問攻めしてしまい、我に返ってひと呼吸。子の好きなココアを作り、それを飲ませてから聞き出すことにした。
いつもならものの数分で飲み干してしまうそれに全く手をつけず、うなだれる子。話すだけで楽になれるのにー、そう思いながらも、自分だって親になかなか悩み事を打ち明けられずにいた幼少時代を思い出す。

「ママに話してごらん。辛いことがあって話さないでいるとお腹に悪い虫が出て来て痛くなっちゃうよ。話せばすっきりするから。」


それでもなかなか口を開こうとしない。
思い立ち、子が物心ついた頃から大切にしているパペットのぬいぐるみを出し、それをはめて声色を変えながら聞き出した。


「OOちゃん!ママは聞いてないから。パパにも言わない。僕にだけ教えて。誰にも言わないから、僕達だけの秘密だよ!何があったの?」


私はそっぽを向き、パペットだけ子の顔に向けて語りかける。
するとー、子は少しだけ笑顔を取り戻し、ポツリポツリと話し始めた。

昨日、国語の授業で新しいお話を読んだとのこと。先生の朗読が終わり、まずどう思ったかを聞かれたそうだ。いつもは挙手させる先生が、その日は先生から名指しで呼ばれた子が発表することになり、たまたま子が指名されて前に立たされたという。
急なことで、パニックになり頭の中は真っ白。感想なんて何も浮かばずただただどうして良いか分からず立ち尽くした。先生から何度か、形を変えて質問されても答えられず、俯いているうちに悲しくなって皆の前で泣いてしまったのだという。
その時の子の様子を思い浮かべると、胸がギュッと苦しくなった。それは、私も経験している辛さだからよく分かるのだ。

「そっか、OOちゃんは悲しかったんだね。急に質問されてもびっくりしちゃうよね。それに、初めて読んだお話だもん、どんなお話かもまだ分かってないのに感想だなんて難しいよね、大変だったね。」

パペットが子を慰める。子はエンエン泣き出した。
泣く子の頭をそっと撫でてやった。
落ち着くまでそうしていたが、疲れもあったようだったのでおやつを与え、好きなテレビを観させている間に夕飯の支度をすることにした。
ふと、子の方を見るとテレビなどを全く観ておらず、一心不乱に何かをノートに書きなぐっていた。お絵描きでもしているのかと思い覗いてみると、それは授業中答えられなかったお話の感想だった。


「感想、書いてるの?」

首を縦に振る子に、ああ、なんてこの子は生真面目なのだろう、真面目過ぎて不器用なのだろうと思い涙が出そうになった。全てが終わり、なかなかノートは見せてくれなかったので子が寝た後にこっそり見たら、なんと5頁にも渡っての感想がぎっしりとノートに綴られていた。
そして、私はそのお話自体まだ未読だったのだが、子の感想だけで大体のあらすじがつかめてしまった。感想は、①こころにのこったところ、②たのしかったところ、③かなしかったところ、④ふしぎだったところ、⑤こうしたらよかったところ、などなどの項目ごとに綴られており、夏休みの読書感想文ではあれ程苦戦したのが嘘かのように、きちんと書かれていたのが驚きだった。

皆の前で思うように発表出来なかった屈辱ー、その辛さをそのままにせずこうして消化させる術を、子はいつの間に得たのだろう。
ただ出来なかったと泣いてお終いではなく、その悔しさを次のステップに向ける行動を起こした子に、一日一日こうして人は成長していくのだと教えられたような気がして、改めて時間というものは皆にとって平等であり、そして貴重なものなのだと実感させられた昨夜だった。



























手を繋いで歩こう

子の手を引いて歩けるのはあとどれくらいだろうー
最近ふと思う、それは子が第一の親離れをし始めたから。
小学生というだけで、それまであった親子の関わり方は微妙に変化しているように思う。

祝日の昨日、穏やかな日中。
夫はバイクに乗って出掛けてしまい、残された私達。金もないし手持ち無沙汰、家にこもっているのに飽きた子が外出したいと騒ぎ出し、正直体はしんどかったが買い物がてら駅前まで出ることにした。
住宅街の中の道路は、いまだに車がビュンビュン通ることもあり、ついつい子の手を引いて歩いてしまう。子もそれに慣れており、私が繋がなくても子の方から自分の手を私の手の中にすべり込ませる。
柔らかな暖かい小さな手。
ひらひらと街路樹の紅葉が落ちてきて、それを拾って家で何か作ろうかと提案した。紅葉の葉を見て懐かしく思う。子の掌もこんなに小さかった頃があったんだな、と。

「ママー!この落ち葉綺麗だよ!」

得意そうに笑う子。顔を覆う程の大きな葉で、お面のように自分の顔に当てておどける子。可愛らしいその様子に、ついつい携帯カメラを構えてしまう。

あんなに億劫だった外出なのに、いつの間に心穏やかにさせてくれるのは、子の存在が大きい。
勿論、良いことばかりではない。宿題や工作が思い通りに行かず、癇癪を起こす子に辟易しイライラすることもある。空気を読まない子の発言に憤り、そして感情的になってしまうこともある。
ただ無力に泣くだけだった赤ん坊の頃から7年ー、大人顔負けの生意気な言動に戸惑うこともある。
しかし、自分の中から誕生して来た我が子ー、その人間は別人格であって、私のコピーではない。だからこそ無条件に愛せるのかもしれない。
似ている所と似ていない所、顔カタチ、性格気質、夫と重なる所、また私と重なる所、複雑にミックスされて出来た人格はまだ幼すぎて一人歩きの背中をいつでも支えられるよう見守っていなければならない。
保護出来る対象があることの幸福。それは、いつでも私を守ってくれる。守っているようで実は守られているのだ。


その夜、子は「ちびまるこちゃん」で観たという紅葉のてんぷらを食べたがったので、道路に落ちていない綺麗な物を数枚持ち帰り、さつまいもとかき揚げを揚げるついでに揚げてみた。
お世辞にも、美味しいとは言えないものだったが、子は経験という名のスパイスで美味しく食べれたようだった。
こんなささやかな秋の味わいだって、子がいなければすることもない。
夫のいない夜は、おそらく一人お茶漬けだとか袋ラーメンで済ますところだろう。

子の存在が、私の本来自堕落な生活を整えてくれる。

今週も1週間、頑張ろう。
子の掌から、大きなエネルギーを貰ってー



































憧れのシープスキン

私は人と会話をあまりしない分、その人となりを観察することに力を注いでいるように思う。
例えば今の時期だったらブーツ。ぐっと冷え込んで来たこの時期、ママという所属の女性の殆どは、ぺたんこで脱ぎ履きが楽なムートンブーツを好んで履く。私も勿論、ブランド物ではないが毎年安いムートンを購入する。しかしワンシーズンでへたれてしまって、逆に数万円掛けても毎年丁寧に手入れして長く履く方が特なのかもしれないと思い始めている今日この頃だ。

先日我が家に遊びに来てくれたSさんはミネトンカのシープスキンを履いていた。素敵ママはemuのもの。お隣さんも同じくemuのもの。色々調べてみたところ、ミネトンカはシープスキンがぎっしり敷き詰められていて暖かそう。そしてソール部分は頑丈で磨り減ることもなさそう。ただ、emuは防水加工が施されているものが今年出たようで、かなり気になっている。雨の時などこの時期は寒くて長靴だと足先がかじかむ。また、長いので脱いだり履いたりが面倒。

ブランドシープスキンの相場は大体2万越え。ミネトンカやアグもそれくらいする。これは私にとっては高嶺の花。素敵ママもSさんも、街中で見掛けるお洒落ママ達も、皆こぞって履いているブランドのシープスキン。
ダンスの習い事の時、下駄箱にずらりと並ぶ母親達の靴は、大半がemuやUGGやミネトンカ。もう制服のような感じだ。そしてそれらを普通に履く彼女達は、本当に金持ちなんだと思う。まいこちゃんママのところは親子で同じUGGを履いている。子供にUGGとかってセレブだなと思う。

楽天などでは1万円代で売っているようだが、その殆どはレビューで偽物だとかまたは売り切れだったり。やっぱりちゃんとした店で彼女達は購入しているんだろうと、踵のロゴを見ては思う。





















金に余裕があれば、絶対欲しいemuのシープスキン。さぞかし暖かいんだろうな。以前ショッピングモールで試し履きをしてみたのだが、軽くて暖かくて足に吸い付くようにフィットした。
そして、結局指を加えながら欲しいと思いつつ、今年も偽物ムートンブーツを買うのだろう。それでも探せば可愛いデザインのものはたくさんある。あれこれ悩む時間がまた楽しい。



























基本のブラックやグレーはブランドにして、レッドやネイビーなど冒険カラーはプチプラにするのもいいかもしれない。
理想はワンシーズン2足の履き回し。お天気の時と雨が降りそうな時で使い分ければ、十分長持ちすると思う。ムートンブーツははやりものだと思っていたが、なんだかんだもう何年も毎シーズン販売されている。冷え性なので欠かせないアイテムだからこのタイプが定番化したのは嬉しい。











友達保険

「保険はたくさんあった方がいいから。」


従姉妹が電話口で悪びれもなく言う台詞に絶句する。
ママ友もたくさんいて、学生時代から社会人時代の友達ともいまだ交流が頻繁に続いている従姉妹、忙しいはずなのにこんな私にまで最低月に1度は連絡を寄越す。
そんな彼女が、忙しすぎて大変なのだと愚痴を漏らしたので、

「付き合いもほどほどにしといたら?」

とアドバイスしたら、こう返って来たのだった。
まだ生まれて4ヶ月ほどしか経っていない赤ちゃん持ちだというのに、毎日出歩いて忙しそうだ。月曜から金曜まで、予定びっしり。また、ある日の午前はママ友Aと支援センターに行き、ランチはママ友Bと、そして午後は更にまた違うママ友Cを家に呼ぶという時もあるとのことで、そのバイタリティは私と同じ血が少なからず通っているとは信じがたいものだった。
しかし、彼女の交友関係はママ友だけではないから更に大変。2週間に1度は学生時代の友達グループと子連れでランチ会、また月1で幼馴染達とお出掛け、社会人時代の友達は、転職を何度かしているのでそれぞれの会社で人間関係があり、今は子育てしている彼女だがゆくゆくは社会復帰も考えているので、その繋がりは大切なもの、結婚して出産してからも付き合いのペースを変えずにいるらしく、夜子供をご主人に預けて飲み会に行くことさえあるそうだ。勿論ノンアルコールで我慢はしているとのことなのだが。


「私ね、子供の頃転校多かったじゃん。やっぱいじめとかあったんだよね。死ぬ程学校行きたくないって思った日もいっぱいあった。でもね、くじけなかったのは”世界はここだけじゃない”って子供ながら分かってたから。色々な土地で出来た友達とはこまめに手紙や電話でやりとりしてたの。今みたいにスカイプもなかったし、子供だしお金もないからそうそう会うことだって出来ない。でもね、学校でいじめられても、家に帰れば手紙を書く親友がいるー、下駄箱で靴隠されて泣きながら帰った日にポストを開けたら私宛の手紙が届いてる。それにどれほど救われたか。習い事先では違う学校の友達がたくさんいるーそんな存在に助けられて来たんだ。だから踏ん張れた。結局いじめられて友達も出来ないままその学校からまた引っ越すことになったけど。でも、次の学校でまたうまくやれたのは自分には保険がたくさんあるって強みがあったからなんだよね。だから必要以上におどおどしなくて済んだし、自分らしくいられた。ありのままに~ね(笑)。」


従姉妹の言葉にはっとさせられた。
友達保険ーと聞くと聞こえが悪い。なんだか人を利用している風にも思う。しかし、いじめなどで自殺してしまう子供達、また私のような主婦の世界で、ただ一人孤独に育児をする中で行き詰まり、誰にも助けを求められずうつ病となってしまう女性達が多い今の時代、彼女のような考えを持つ人々が増えれば、そういった悲劇も最小限に留められるのではないかーそう思う。
現に、今ママ友がなかなか出来ずに孤独感を味わっている私だって、こうして従姉妹と電話で話すことによってその瞬間はそういった辛さも薄れてしまう。引越し前のママ友と会う約束を取り付けた瞬間だって、またいつか彼女とのような出会いがあるはずだと前向きに思えるし、またいつもの日常に戻っても、彼女の存在が今の自分を肯定してくれ元気付けてくれるのだ。

周囲と関わることは、孤独感をなくす一方で「相手と自分を比較する」という不毛な行為を起こしやすい。それが無駄な焦りだったり更にの孤独感を生じさせることもある。しかし、その関わりを一つきりではなく色々な場所に持つことで、人間関係の執着を分散させることが出来、心にゆとりと健やかさを与えてくれるのだと思う。


「今遊んでるママ友とさ、ちょっとトラブルがあったとしても、他に遊ぶ子がいればそこまで気に揉むこともなくなるのよ。ママ関係でイライラしたりモヤったりすることがあってもね、外に友達がいればなんだかくだらないことにも思える。そんな余裕が人に優しく出来たりするから、今のとこはうまくいってる。ただ、マメさは必要だけどね。ラインチェックもすぐするし。絶対既読スルーなんてしないしね。独身の頃の友達にも、旅行に行けばちょっとした土産買って渡しに行ったり。誕生日には美味しいもん送ったり。だからさ、交際費は半端ないよーそれだけでも年間にしたらいくらになるか!」


確かに彼女は昔から気前がいい。さらっと会った時など自分に買ったついでに私に似合うと思って買ったという色違いのストールをプレゼントしてくれたりというところがある。彼女の周囲に人が集まるのも頷ける。


私の保険は正直少ない。毎年の年賀状の数で分かる通り、保険を掛けるだけの元手がなかったのも事実だし、また働いていた頃は、日々の生活で忙しくその時の付き合いをこなすことで手一杯だった。結婚後は、夫の嫉妬で大幅に外との関係は少なくなり、しかし子育てで忙しく目の前のことで必死だった分、狭まる世界にどこかほっとしたものを感じていたのも否めない。

従姉妹の友達保険は、今のスタンスを変えない限り満期まで順調に続いていくのだろう。手間暇を惜しまず相当積立ているだろう彼女には、きっと幸せな老後が待っているに違いない。
一方、私の保険はとても少なくまた掛金だってわずかなもの。だが、細々と続けることに意義がある。
そうだー、昔の友人に手紙でも書いてみよう。急に思い立った私は、使いかけのレターセットを取り出したが、便箋はあるものの封筒が切れており、それだけを買いに外に出る気力はわかず、結局従姉妹にはかなわないのだと悟るのだった。


























































OMOTENASHI

長いこと、自宅に人を招いていなかったこともあり、その日は朝から緊張していた。部屋の隅々まで掃除をして床はワックスまで掛けた。ーこれで今年の大掃除の大半は終わったかもしれない。
パエリアは、夫がいる日と子と2人の日で2回は作ったので自信はある。スープも缶詰から出したのを牛乳で割って温めるだけなので気楽だった。
自宅の場所は予め伝えておいたけれど、この団地に知り合いはいないような2人だったので、エントランスに到着したら連絡をして欲しいと言ってあり迎えに行くことにしていたのだが、突然チャイムが鳴った。


ーピンポン


慌てて玄関ドアを開けると、そこにはYさんとSさんが仲良く並んで立っていた。


「あ、よく分かりましたね、お迎え行ったのに。」

「いいのいいの、ポストの表札でここだろうと思ったから、OOさん、ちょっと珍しい苗字じゃない?だからすぐ分かったわよ。」


パエリアは最後の仕上げに掛かっていたので、彼女らを自宅に入れるとてんてこ舞い。取り敢えずリビングに通してソファーに座って待っていて貰った。



「これ、温めるだけなんだけどどうぞ。」


「私のは簡単過ぎてあれなんだけど。」


Sさんは、料理が得意なのだろう。赤いルクルーゼ一杯に作ったスペアリブをそれごと持って来てくれた。
料理が得意ではないというYさんは、マカロニサラダとマリネらしいもの。
私があたふた準備をする向こうで、彼女達は適当に世間話をしているようだったので落ち着いて事を成すことが出来た。



「どうぞー。」

「わー、パエリア。すごい美味しそう。」

「豪華なランチになったね。」



各々席について、さあという時にYさんが鞄から何かを取り出した。


「はい、これ皆で飲もうと思って。」

彼女は料理とは別に、ワインを持って来たくれたのだ。
なんだか、本当のママ友になれそうな雰囲気を作ってくれるYさんに感動さえおぼえた。


「じゃあ、主婦のつかの間の休息に乾杯!」


家にある、適当なグラスに注いだワインは、ランチ用に持って来てくれたものだからだろうか、口当たりは軽く酸味があり、日中飲むのに最適なものだった。



「あー、幸せ。」


口々に言う。
それぞれの料理を賞賛し合い、学校のことや家族のこと、その他色々なことを話す団欒の時間。ここに越して来て以来の楽しいひとときだった。
そして、やはりYさんは顔が広く、誰とでも分け隔てないその性格が周囲に認められてか、PTAや地域のボランティアなどにもこれまで積極的に顔を出し、繋がりがあるようで様々な情報を聞くことが出来た。一方Sさんは、Yさんほど社交的ではないにしても、結構仲の良いママ友らは色々といるようで、話の節々に、「この間は誰々達とコストコに行ったー」だとか、「誰々の家に行った時ー」だとか、私の知らない、Yさんと共通らしい知人の話をあれこれするのに少々閉口してしまった。そして、彼女が素敵夫自慢をするのにもー


それでも、2人と酒を酌み交わすうち、何だか分からないが3人グループというか、それまでにはなかった絆のようなものが徐々に出来上がって行くのを肌で感じていた。そしてその絆は私の心の支えであり、この繋がりがそれまでの孤独感を打ち消してくれる消しゴムのような役割をこれから果たしてくれるのだと信じて疑わなかった。


「OOさんちは賃貸?家とか買う予定はないの?ってうちも賃貸だけどね。」


Yさんの聞き方は、全くいやらしくない。マウンティングをちらつかせるような言い方ではなかったし、私もそんな彼女からの質問だからかすんなり答えることが出来た。


「家はー、簡単に買えるものではないから。いずれは欲しいと思ってますけど。」


「いいって、敬語やめてよ。タメ口でさ。」


Sさんが笑って言う。それはもう気さくに。お洒落でちょっと近づきがたいなと思っていた彼女は、第一印象とはだいぶ変わって良い人に思えた。


「うちもね、賃貸。旦那転勤族だから。そろそろなんだよねー今年あたり危ないの。」


Sさんがさらりと言う。
ドキンーと心臓が鳴った気がした。
なんだか不安感が押し寄せる、と同時に、


「えー、Sさんちも?実はうちも。去年の暮れからそろそろって言われてて。もう引き伸ばせない感じ。最近うちの旦那大阪出張多いし。」


「え、Yさんちは大阪なの?うちはね、京都の可能性あり。お互い関西だね。もし同時期だったら引越しても遊べるといいよね。」


2人がワインを飲みながら盛り上がってる横で、私の心はたちまち塞がってしまった。なんでだろう、折角仲良くなれそうだと思ったのに。やっとママ友が出来たと思ったのに、なんでいつでも私はツイてないんだろう・・・

「あれ?酔っちゃった?大丈夫?」

Yさんが気に掛けてくれる。彼女なら、どこででも誰とでもうまくやっていけるだろう。これから住み慣れたこの地を去るかもしれないというのに、こうして人脈を作ることに労を惜しまない人なのだからー



Sさんの作って来てくれたスペアリブは、すこぶる柔らかくて頬がとろけそうなくらいに美味しかった。Yさんのマリネもそれぞれの料理のアクセントのような役割を果たしてくれたし、また私の作ったパエリアに至っては、2人がお代わりをしてくれ綺麗に平らげてくれた。
Sさんが、美味しそうなパウンドケーキを焼いてくれたので、私はフルーツとアイスを出した。普段買わないハーゲンダッツを奮発して。彼女のパウンドケーキの横に、アイスとフルーツを盛り付けたプレートを出すと、予想以上に喜んでくれたのが嬉しかった。


「ねえ、OOさんっておもてなし上手だね。よくホームパーティーとかやってるでしょう?慣れてるって感じ。」

まさかそこまで褒められるようなことはしていなかったので、心底驚いた。ただ、頑張ったことを認められた気がして悪い気はしなかった。だって、花を買ってテーブルの上に飾るなんて、いつ以来だろうーそれくらい頑張ったのだ。


楽しい宴は、子が帰宅するまで続いた。
ランドセルを置きながら、照れくさそうに、しかしどことなく嬉しそうに来客に向かって挨拶をする子。こんな表情を見るのは初めてかもしれない。子も、薄々自分の母親が人を家に招かないことに違和感を持っていたのかもしれない。


ほろ酔い気分の2人を玄関先で見送り、子におやつを与え、空いたワインの瓶を片付けながら溜息をつく。充足感ーそして喪失感。一気に訪れたようなー
やっと膨らんだ風船の結び目をうまく作れなかったようなー、そんな空気の抜ける音がどこからか聞こえるような気がしていた。
























サービス精神

夫の後輩がまた出産したそうだ。
なので、昨日は家族でベビー服の類を見に、ショッピングモールへ出掛けた。夫のことだから、伊勢丹だとかの百貨店に出向くと思ったのだが、もう4人目だという後輩、これまでも祝いを諸々渡して来たし、向こう側から断りがあった手前、それでも気持ちだけは渡したいからという外面の良い夫。
例のお気に入りの店に行ってきた。










先日、こちらの店で子に購入したアウターを着て行ったのだが、それよりももっと可愛いアウターが出ていたので失敗したなと思った。これにすれば良かったと思ったのが、「花柄中綿ジャケット」で、ネイビー地にグリーンと白色の北欧っぽいお花模様が刺繍されているものだ。これはとても可愛かった。
しかも早くもセールとなっていてがっかり、5000円で買ったのに、4000円代になっていた。ネットショップでもセールになっているのでなんだか早まった気がした。


祝いには、これからの時期重宝しそうな中綿ジャンプスーツを。男の子なのでベージュにフード部分のボアがグリーンになっているタイプを選んだ。それから何着かコンビを合わせて1万円程。
実は、この家族からは1度も内祝いをいただいたことがない。夫もPCの帳簿につけているのだから分かっているはずなのだが、それについて何も言わない。1人目の時にはお金も包んだ。子の時とその第一子とは同学年だったこともあり、お互い同じ額とちょっとしたベビー服をつけて内祝いはなしでということだたのだが、2人目からも内祝いはなしのまま。しかし、それはおかしくはないだろうか?
夫も、2人目3人目と祝い続けて来たところで、今更やめるわけにもいかなくなったのだろう。しかし、なんだか釈然としない思いだ。

「あいつのとこ、男ばっかでつまらないって言ってたけど。なんだかんだで今は息子の野球チームにはまってて毎週末練習に付き添ってるらしいよ。」


「でも、一番上は女の子よね。」


「ああ、でも小学生になってから、母親の味方ばっかで蚊帳の外だってさ。まるでうちと同じ。父親の居場所なんて家にないんだよな。」


ーどの口が言う。
自ら居場所を作ろうとしていないのではないか。
仕事で帰宅は遅くなるのは仕方ない、しかしたまの休みには部屋にこもってトレードしてるか、または最近はまったバイクで仲間とツーリング。私達と積極的に関わろうとしていないのはそっちではないか。
冷やかしでまた子の試着もした。試着室でわざと子に耳打ちする。


「ねえ、まいこちゃん達たくさんディズニーランド行ってて羨ましいね、うちもパパがいいって言えば行けるんだけどね。」


急に何も前触れもなく、ディズニーランドの話をし始めた母親に疑問を持つこともなく、子は思い出したかのように行きたい行きたいと騒ぎ出した。
試着もそこそこに、外に出ると夫の腕にぶら下がりおねだりをする。


「ねえ、パパー。まいこちゃんちね、ディズニーランドに行ったんだって。いいないいな、OO、1回も行ったことないんだよ。行きたいな。行ったことないのOOだけだよ。」


夫は突然の子のおねだりにたじろぎながらも、最初は首を横に振っていたが根負けしたようだ。


「分かった!分かったから。じゃあ行くか。」


私も飛び上がるくらい嬉しくなって、レジで可愛くラッピングされたお祝いを受け取りながらも心が踊り、顔がにやけてしまうのを隠し通すのに必死だった。


「ばあば達も誘って行こうか。」


ーえ?
途端に夫に対して嫌悪感がわいた。家族サービスは、彼にとって何かのついで。この日は夫の付き合いの買い物のついでに家族サービス。ディズニーランドだって、親孝行のついでに私達へ家族サービス。
夫に対して強く出れない私は、せめてもの抵抗にその台詞が耳に届かない振りをして、全く別の話題を持ちかけた。
































砂のお城

「ママ~、まいこちゃんから貰った~」


子が嬉しそうに持って来たのは、ディズニーランドの袋。クリスマス柄だ。子はすぐに中身を取り出し私に見せると、興奮した様子でまた子供達の輪に戻って行った。
貰ったのは、可愛い缶に入ったお菓子とプリンセスのボールペン。独身時代、私も好きで行っていたので大体分かるが、6~700円くらいのものだろう。夢の国は土産代も夢価格だ。まさに現実的な金の国。


「あの、お土産頂いちゃって、ありがとうございます。」


輪になって話しているまいこちゃんママに近寄り、おずおずと話し掛けると、今日はご機嫌なのかにっこり笑って返してくれた。

「いえいえ~、大したものじゃないけど。」

他のママが口々に言う。


「でも、確かハロウィンも行ってたよね、学校代休のあの日。まいこちゃんちってランド頻度高過ぎじゃない?」


「そうかな~?子供が喜ぶし私も好きなの。だって可愛いじゃない、ミッキー。パパもうちは結構好きでね、子供生まれる前からデートでよく行ってた思い出の場所でもあるの。」



「もしかして、パパにお城の前でプロポーズされちゃったりとか?」


「えー、やだぁ。そんなのある訳ないじゃない。でもそれに近かったかなぁ?」


輪にどっと笑い声が起きる。私も話し掛けてしまった以上、その輪から出るタイミングをなくして愛想笑い。頬の筋肉が早くも疲れてきた。Yさん達との輪にいる時は、こんなに疲れることはないというのにー


「ランドも値上がりしたもんね。ミラコスタとか一回泊まってみたいけど、うちはいつも日帰りで帰って来ちゃう。」


小太りだがお洒落な気の良さそうなママが言う。


「うちは毎回ミラコスタだよ。」


まいこちゃんママに自慢が入る。皆どう思っているのだろう?自慢に聞こえるのは私だけだろうか?一度も行ったことのない、いや、子を連れて行ったことのないディズニーランド。

「ひょえ~、ミラコスタに毎回?セレブだねぇ。で、年に5回は行ってるんでしょう?すごーい。」


また気の良さそうな小太りママが言う。心底驚きを隠せないところに安心感が持てる。すると、その隣にいたママが挑戦状を叩きつけるかのごとく口にする。


「うちもね、ランド大好きで年間パス持ってるよ~。うちの実家千葉だから、戻ったついでにふらっと2時間くらいランドに寄ったりして。ご飯だけ食べに入場することもあるんだ。」


「えーいいないいな!!1人8万くらいするよね、家族分買うなんてセレブ~」

小太りママが今度は千葉ママに食いつく。まいこちゃんママはちょっと悔しそうだ。なんだか仲良さそうに見えたのに、水面下では見栄の張り合いをしているように思えてしまいちょっと面白かった。


「OOちゃんママの家もランドとか行く?」


突然まいこちゃんママが私に話し掛けて来て心底驚いたが、馬鹿な私はつい口からでまかせの嘘をついてしまった。



「ええ。まいこちゃんち程じゃないけど、たまに行きます。うちはパパが土日仕事が多くて。だから子供と休みが合わないのであまり行けませんが・・」


あくまでも、金がないだとか夫が行きたがらないからという真実の理由は伏せて、しかしある意味後半部分は本当のことだ。しかし、何故連れて行ったこともないのに、嘘をついてしまったのか。話についていこうと出た出まかせか。もしも子に問われたらー
すると、最悪なことに子が私達の輪に走り寄って来て言い出した。


「ねえ、ママーOOもディズニーランド行ってみたい!!」


ギクリとし、冷や汗がぶわっと出て、体中がカッカとして来た。まいこちゃんママの顔や他のママの顔を見ることは出来なかったし、頭の中はパニクってその場しのぎの嘘に嘘を重ねる。



「えー、行ったこと忘れちゃったの?あ、でも最近は行ってないしね。子供って小さい頃だとすぐ忘れるから折角連れて行っても損した気分ですよ。」


白々しい嘘ー
子はきょとんとした顔をしながらも、それ以上追求せずにまた子供達の方に戻って行った。


しかし、まいこちゃんママは容赦なかった。


「うちのまいこ達は、2歳くらいに連れてったことも覚えてるよ。だって、ミッキーとの写真とかアルバムあるし。家族でお出掛けした写真とか見せたりしないの?」


意地悪だ。明らかに。
千葉ママにプライドを傷つけられた腹いせに私を使った。そう思えてしまうくらいに彼女の声はどこか無機質で冷たいものを感じた。


「色々な子がいるからねーアルバム見てもすぐ忘れちゃう子もいるよ。うちの子もそう。」


小太りママが助け舟を出してくれたことで、その場はなんとなくおさまった。


時間になり、皆お開き。
それぞれのママ達に会釈をし、子を連れて自宅に向かう帰り道、


「ねえ、ママ。やっぱりディズニーランド行ったことないよ。行きたい行きたい!OOだけだよ、行ったことないの。なんで連れて行ってくれないの?」


土産に貰ったというプリンセスのペンをいじりながら、子は駄々をこねる。私はそれまでの緊張感が解けたことと、まいこちゃんママに晒し者にされそうになったことへの怒りとでつい子に八つ当たりをしてしまった。


「OOはね、なんでいつもママ達の話に入って来るの!?子供は子供達でおしゃべりしてて!OOだけだよ!ママ達は大事なお話してるのに邪魔しに来て。ママ恥ずかしかった!!」


「いつもじゃないよ。ママ、他のママ達とお喋りしてるの今日が初めてじゃん。」


子の生意気な口答えに、ギリギリまで溜まっていたコップから一気に水が溢れ出た。


「何!?その口の訊き方は!!そんな子はもう知らない!ママはそんな子といたくない!ママ、お仕事する!OOはこれからなんでも一人ですればいい。一人でご飯食べて一人で学校から帰って来て一人でお留守番して!」


子は私の怒り狂った表情にたじろぎ涙ぐんだものの、泣きはせずに代わりにとぼとぼ先を歩いて行ってしまった。その頼りなげな後ろ姿を見て、途端に罪悪感と愛おしさで一杯になり、外にいるというのに子の元に駆け寄り抱き締めながら謝った。


「OO。ごめん、ごめんね。ママが悪かった!ママ、ちょっとお熱あっておかしいみたい。本当にごめんね。」


しくしくと俯いていた子は、顔を上げると今度は声を上げて泣き始めた。


「ママ、お仕事嫌だ。お家にいて欲しい。OO、一人になるの嫌だ。」


ワンワン泣く子を抱き締めながら、私も涙が出て来た。こんなところを誰かに見られたらーと思ったが、11月に入り5時にもなると辺りは真っ暗、行き交う人々は、ただ泣く子を宥めている母親に同情的な視線を送るだけだ。


小さな嘘。しかし最低な嘘。砂で作られた城はいくら完璧でも、水を掛ければたちまち崩れ消えてしまう。
叔父譲りの虚言癖は、今も尚、時に顔を覗かせ私を苦しめ続けている。


































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パエリア

来週のランチのことで頭が一杯だった今日は、天気も悪いのに気が急いて買い出しに出掛けていた。

メッセージでアドバイスをいただいたので、それを参考にメニューの変更をすることに決めたのだ。
やはりミートソースパスタでは見栄えもしないし、折角お招きするのであればきちんとした物を作るべきなのだろう。
そんなこんなで午前中はロクに家事もせずほぼネットでおもてなしメニューを検索していた。どれもこれも難易度が高い。オーブン料理なんて、我が家ではクリスマスくらいにしか出さないし、しかしホストである以上それくらいの料理を振舞うべきなのだろう。
そして、浮かんだのが「パエリア」だ。
パエリアはおもてなしに出される料理の代表格、肉とサラダで私は魚介類の炭水化物ならバランスも取れるに違いない。
思い立ったが吉日ー、すぐに身支度をすると、米にあの独特な色をつける「サフラン」とやらを購入する為に、カルディまで足を運んだ。それがなんと小さな入れ物にひとつまみ入って800円近くしたのだから驚きだ。
一瞬、メニューを変更しようかと考えたのだが、しかしこれもいい機会、こんなことでもない限り作らない料理なのだから、夫と子の為にも作ってみようと思い購入した。勿論スイーツも忘れない。
しかし、馬鹿な私は買った途端気が付いた。人生で一度たりともパエリアを食べたことがないのだ。これでは作ったとしても正解が分からないではないか。一体何をしているのだろう・・・そして、勢いに乗り、隣街のファミレスまで自転車を走らせパエリアを注文したのだ。
おもてなし準備に一体どれだけ労力と金を掛けているのだろう。買ったばかりのサフランと同等の価格のパエリアはなかなか美味しかった。味をしっかり記憶すると、ふと周囲を見渡す。他のテーブル席にはママ友集団ばかりだが、隣街なので知った顔はない安心感。
そして、来週は自宅に人を招くという予定があることの優越感。予定があるということは、こんなにも人を穏やかな気持ちにさせてくれるものなのか。

天気は相変わらず悪かったが、私の心は浮き足立っていた。自転車での帰り道、素敵ママがママ友2人と楽しげにスタバに向かう後ろ姿を見たが、大して落ち込まずに済んだ。

さて、今度の夫の代休にでも早速パエリアを作ってみようかと思う。
夫もこんな手の込んだ料理を出したら驚くだろう。練習台にするのも悪い気がするが、回り回って家庭円満に繋がるのだから良しとしよう。

















































おもてなし準備

思い切って、Yさんらにメールを送ったのが昨日のこと。
その日のうちに返信がパラパラ来て、全員参加は無理だったけれど一番話しやすいYさんとSさんが来てくれることになりそうだ。
Hさんは都合があって来られないとのこと、2人だけでも来てくれるというのだから喜ぶべきところ、なんとなく憂鬱な気分になって来た。
来週を予定しているのだが、誘っておいてやはり面倒だという気持ち。本当に矛盾していると思う、そして身勝手。しかし、部屋を大掃除しなくてはならなくなったし、体調面でも今度こそはしっかり管理しなければならないとピリピリすることに少々疲れてしまっている。
今朝、子が鼻水を垂らしていたのに過剰に反応し、熱もないし本人も元気だと言っているのにマスクをつけさせ葛根湯を飲ませるという徹底ぶり。そして後から気が付いたのだが、私自身、来週は生理が始まる頃だ。生理痛が重いこともあり、更に憂鬱だ。

もてなしはどうしよう・・ネットで色々と検索する。持ち寄りという提案を自分から出しづらい。Yさん宅で行われたホームパーティーはどんな感じだったのだろう?参加していれば、右にならえで頭を悩ます必要もなかったのだが、招く以上相手をがっかりさせたくはない。
こんなところで、ええかっこしいで見栄を張る嫌な自分が顔を覗かせる。
どうしようかと考え、何をどう仕切れば良いのか途方に暮れているところYさんからメールが来た。


「こんにちは~来週楽しみにしています。私とSさんは、サラダ類と何かお肉系のおかずを持って行こうかと思っています^^大丈夫かしら?」


私も嬉しくなってすぐさま返信する。



「助かります!それでお願いします。では私はパスタでも作ろうかと思います。何か食べられないものとかあれば教えて下さいね♪」


ちょっと無理して♪マークなんかもつけたりして、彼女達に気に入られようと必死なのだった。
パスタは、その場で話しながら作るのは難易度が高い。なので、ミートソースを作り置きしておいて2人が来たらパスタを茹でるだけという風にしておこう。それからスープでも付けようかな。フルーツとかも用意しておいた方がいいかもしれない。今月の食費は既にギリギリだけれど、しかしこれはチャンスなのだからと言い聞かせる。
普段手に取ることすらしない、キャンベルのスープとぶどうなどのフルーツを買おうと心に決める。また、コーヒー豆も切れてしまったので、それも買っておかなければならない。折角の機会、普段よりグレードの高い豆を買ってしまおうかー。それから、お土産は持って来てくれるかもしれないけれど、もしも何もなかった場合を考えて、何か甘いものでも用意しておこう。今週中にカルディにでも行って適当なお菓子を見に行こうかと思う。

今日は朝から天気も悪く、なのでこれらの用事を頭に浮かべるだけで面倒でやっぱり投げ出したい気持ちになるのだが、その一方でどこか高揚感があることも否めないのだった。

































***

記事がきちんと更新されていないようでした。
コメント下さった方、教えていただきありがとうございます。











ファイヤーキング

あのネックレスを失ってからというものー普段は元彼のことなど思い出すことも少ないのに、やたらと思い出しては溜息の未練たらたらな状況。

昨日は子と気晴らしに隣街のリサイクルショップへ出掛けたのだが、そこで懐かしいマグカップを発見した。
彼が一人暮らしをしていた頃、愛用していたマグカップだ。
それは、ファイヤーキングのジェダイのマグ。
初めて彼の家に泊まった朝、それにコーヒーを淹れて出してくれた思い出のもの。
彼の自宅は、気の利いたキッチン用品はなかったけれど、無造作に出されたそのマグがとてもお洒落で恰好良くて、私の誕生日にはペアでそれをねだったっけ。







ジーンズなども彼にはこだわりがあって、ヴィンテージ物が好きだった。
自分がまだ生まれる前の、いくつもの歴史や人生を刻んで来たその「物」にストーリーを感じて、更にそれを自分が受け継いで行く、そんなところが好きだったんだろうなと勝手に思う。


リサイクルショップでジェダイのマグは6500円だった。
万引き防止でそれは針金のようなもので棚から下ろせないようになっていたけれど、手に取ることは出来た。
手に取ると、あの懐かしいぽってりとした厚みのある何とも言えない手触りと重みが過去の記憶を連れて来た。

彼が私にプレゼントしてくれたファイヤーキングはピンクだった。状態もとても良くて、でもあの頃の私にその価値は分からず、無造作に扱ってたっけ。
ネットで価格を見たら、1万越え。決して安い物ではない。
それでも私は、普段使いだからと多少の傷が付いても気にしなかった。
それは、彼に対してもそうだった。
だから、私は振られたのだ。
マグが壊れるよりも、私達の関係の方が先に壊れてしまった。



彼はファイヤーキングを処分してしまっただろうか。今の彼がそれを見て、少しは私のことを思い出してくれたらいいのにー
子が寝た後、撮りだめたテレビドラマを観ながら、そんな不謹慎なことを思う昨夜だった。



































自発的行動

祭りイベントが終了し、Yさんらとの接点はあっけなくなくなった。知り合いになったのだから、これを活かすも殺すも自分次第ーそう思い、自宅に誘おうとメール作成しようとしては、途中でどう誘ったら良いのか分からなくなり閉じてしまう日々。

ーもう関係のない人物からランチなど誘われたら、迷惑なんじゃないか?
ーそこまで仲良くない人物から、自宅に誘われたとして面倒なんじゃないか?

いつものマイナス思考な自分が顔を覗かせる。
Yさんは、それはもう気軽に皆にランチを誘うメールを寄越してくれた。さっぱりとしたやり方で。
それに引き換え、私。断られたらどうしようかという緊張感を隠せない。誘い慣れていないのだ。いつでも受身。
引越し前のママ友関係も、なんだかんだで誘われたら出向くというスタイルだった。しかしそれでも穏やかに関係が続けられたのは、公園遊びもカフェも支援センターも、割と溶け込みやすい環境だったこと、そしていつしか自宅に誘われたら今度は我が家にーという確実なスタイルが出来上がっていたことにある。勿論あの頃は赤ちゃん連れて外でゆっくり話すことは難しかったから、その分お宅拝見のハードルも低かった。


どうしよう。あまりに時間が経ち過ぎると、誘いづらくなる。
Yさん達は複数子の親だし、その保護者付き合いもある。我が家の何倍もの人脈とスケジュール。その合間を縫って我が家になんて来てくれるだろうか?

正直な気持ち、誘ったらホストという立場、色々セッティングしなければならない。仕切るのは苦手だ。しかし時間や持ち物の依頼、掃除や準備などやることは目白押しな感じだが、どこからどうやって手をつけたら良いのかー
引越し前のママ友とは、子供もいたことで会話に詰まることもなかった。しかし、子供抜きというのがどう振舞うのが正解なのか全く未知の世界だ。



取り敢えず、下書きしたメール。


「こんにちは^^ 先日はお祭りお疲れ様でした!娘も飛び入り参加でお手伝い出来て楽しめたようです。私も楽しかった。突然ですが、もしお暇な時があれば我が家にランチにいらっしゃいませんか?Yさん宅のランチ会、本当に行けなかったのが残念だったので・・是非今回は我が家にと思いまして。日程などは調整したいと思うので、皆さんの都合の良い日を教えていただけたら嬉しいです。」


かなり強引だろうか?ママ友が欲しくてガツガツしている感が出てはいないか?
こちらから日程を指定した方が、受け取る側ももし気が進まなければ断り易いのではないだろうか?この書き方だと、逃げ場もないような気がする。

もう少し手直しして、勇気を出してメールしてみようと思う。
常に受身の私が、珍しく自発的に動く。それはかなりエネルギーが要ることなのだ。


































なくしたネックレス

昼下がりー子と宿題をしているとチャイムの鳴る音。
インターホン越しにDちゃんの姿が見えた。
玄関ドアを開けると、遊びに来たとのことで年長の妹も連れて来ていた。昨日は末っ子はついてなくホッと胸を撫で下ろす。取り敢えず家の中に入れてDちゃんママにメールをした。


「こんにちは。今Dちゃんが妹ちゃんと遊びに来ましたが、家に入れてもいいですか?4時には帰宅させるようにします。」


すると、5分も経たないうちにDちゃんママから返信が来た。


「すみません、よろしくお願いします。いつも手ぶらで行かせてすみません。帰りは送って下さらなくて大丈夫です、今度は我が家にも遊びに来て下さいね^^」


感じの良い、顔文字の入ったメール。しかし具体的に誘ってくれる気配はない。今度とは一体いつなのだろう?いずれは子を勝手にDちゃん宅に行かせようかと思いながらも、私の性格上相手の予定も聞かずに押し掛けさせることが出来ずにいる。
それなのに、胸の内ではモヤモヤしたものが相変わらず居座っており、Dちゃんママに対して歯痒い気持ちもある。
しかし、その思いを振り切るように自分に言い聞かせる。呼ばれたら呼び返すーそうしなければという思いのまま自分だってまいこちゃん親子を自宅に入れることはなかったのだから、回りまわって来ただけのことだ。


子は大急ぎで宿題を終わらせると、おやつを食べたいと騒ぎ始めた。
先日習い事で貰った菓子を適当にひとつの皿に入れ、麦茶と共に子供達に出した。


「いただきまーす!」


子供を預かるといっても、女の子でしかも年長と1年生だからとても楽だ。部屋も汚さないしトラブルもない。末っ子が来るとやはりあれこれトラブルが発生することもあり目を離せないが、上2人だけならば他の部屋ー夫の書斎などのドアを開ける様子もなく、女の子遊びは怪我をするようなリスクもないので目を離していても大丈夫そうだ。
なので、子供達が遊んでいる間、私は夕飯の下拵えをしたりワイドショーを観たりとのんびりしていた。


「OOちゃんのお母さん、あれ触ってもいい?」


Dちゃんが窓際に飾ってあるネックレスホルダーを指差した。
私は基本それ程多くアクセサリーを持っていないのだけれど、お気に入りのいくつかは独身の頃から愛用しており、ネックレスは全部で5つ、冠婚葬祭用のパールに一粒ダイヤのネックレス、それから働いている頃のボーナスをはたいて買ったカルティエのピンクゴールドのネックレスに、夫から結婚前に貰ったティファニーのネックレス、そして元彼から貰ったいまだ捨てられないイニシャルネックレスー

それらの5つを木の枝をモチーフにしたホルダーに掛けて窓際に飾ってある。
普段それらをつけることはあまりないのだけれど、ちょっとしたお出掛けなどにさらっとつけたり、また窓越しの光に反射しながら風に揺られてそれらがキラキラ光る様子を見るのが好きでもある。


Dちゃんに触って良いか聞かれ、正直戸惑ったが子供相手であってもなかなか断るのが苦手な私は少しならとOKサインを出した。


「キラキラしてて綺麗~」

そう言いながら、ホルダーに掛けられたネックレスを恐る恐る触っている。
子と妹は和室でアイカツごっこのようなことをしているようだった。
キッチンからお湯の沸いた音が聞こえ、そちらに行き火を止めて元に戻ると、Dちゃんは皆のいる和室に戻ったようだった。
なんとなくほっとして、私も夕飯の下拵えを始めた。
4時になり、声を掛けてDちゃんと妹を自宅近くまで送った。
送らなくてもいいと言われていたけれど、何かあったら後味が悪い。なのでDちゃんらが遊びに来た際には、散歩がてら子と共に送ることにしているのだった。
彼女達が自宅の玄関に入るところを遠くから見届けて、私達も帰宅した。

その日の夜ー、夫が早帰りをすると突然電話を寄越したので大急ぎで夕飯を作り、家族団らんをし、久しぶりに夫と子が一緒に風呂に入っている間、開いていた出窓の窓を閉めて何気なくネックレスホルダーを見ると、5つあったはずのネックレスが4つになっていることに気が付いた。
そして消えてしまったネックレスはイニシャルネックレスだった。
元彼から貰った、大事な思い出一杯のネックレス。私のイニシャルに小さなダイヤモンドが施されている華奢だけれど存在感のあるネックレス。
心臓がバクバクし出して、それから頭に血が上り、周辺をくまなく探すが出て来ない。
必死に今日の記憶を呼び戻してみても、思い当たる節がない。
強いて言えば、Dちゃんがネックレスに興味を持っていたことと、少しの間料理をする為に目を離していたあの時間。でも、Dちゃんはすぐに和室に戻っていたではないか。
それでも、もう自分の中でDちゃんが盗んだという確信が捨てられず、そう思えば思う程やり切れない思いと本人に問い正したい気持ちーでも到底そんなことは出来るわけがないという気持ちも入り混じり、頭の中は大パニックに陥った。
夫と子が風呂から出て、そわそわと落ち着き無い私に、普段私のことなんてさほど眼中にない夫さえどうしたのかと聞いて来た。
それには答えず、昨夜は殆ど眠れず朝を迎えた。
大事なネックレスを盗まれたとしたらー、とてもくやしいしでもそれを子供達の手に届くところに置いていた自分にも落ち度があるということは分かっている。
しかし、そんな泥棒をもう家に上げることも出来ないーそして子と遊ばせることも。
事情を知らない子は、もうDちゃんと遊ぶなと言ったらきっと泣き喚くだろう。
しかし、実際この目で見たわけでもない曖昧な確証でDちゃんという子を悪い子だと決め付けるのは良くないに決まっている。でも、やっぱりホルダーに掛けられていたはずのネックレスを紛失したという事実を前に誰かのせいにするしか納得のいく方法がなかった。
よりによってーあのネックレス。
まだ夫から貰ったティファニーが失くなったのなら諦めもついたかもしれない。それでも夫にそれが見つかればややこしいことになったけれど。
それくらい大事な物を何故あんな場所に置いていたのか、自分の馬鹿さ加減に呆れ、無意識に噛んだ下唇からは真っ赤な血が滲み鉄の味が口の中に広がった。






























祭りのあと

小学校の祭りイベントが終わった、一番の杞憂は、休憩時間をどうするかについてだった。
各ブースごとで順番を決めて各々休憩時間を取ることになっている。同じブースメンバーで共に休憩を取ることは出来ず、ひとりひとり係専用のブルーシートへ、お昼ご飯を持って出て行く形だ。誰と一緒になるか分からない。
同じ持ち場のYさんらとだったら、確実に一緒にお昼を食べられるのにーくだらないことだが、イベント本来のことよりもこんなことでストレスの負荷が掛かるのは私くらいのものだろう。

祭りは盛況、近隣住民らも訪れ、ジュースも日中暖かかったこともありかなりの本数売れた。つり銭など渡す時には間違いのないよう緊張したが、それでもいつもなら出せない大声を上げて客引き出来たのは、Yさんらが一緒だったから。それ程、彼女らの存在は心強いものだった。
Hさんは、普段クールな感じがしたのに、大きな声を出してジュース販売をしており好感が持てた。着用が義務付けられているエプロンすら、お洒落で高価そうなもの。モノトーンだけれど地味ではない。「マリ○ッコ」という北欧ブランドのタグが見えた。どこにいても何をするでも、彼女に隙はない。


「OOさん、次休憩行っていいよ。」


取り仕切るYさんに言われ、丁度自分の販売している種類のジュースが売り切れになったこともあり、抜けることになった。事前販売され配布されていた、小さなお弁当とお茶を持って。
ブルーシートの方を見ると、知らない顔ぶればかりが輪を作って食べている。輪といっても、一番大きな輪で8人程、後は2~3人程の輪がまばらにある程度だったのだが、私のようなひとりきりはいなかった。
おずおずと靴を脱ぎ、2~3人の輪と輪の間にちょこんと座る。一件、彼女らの輪に入っているように見えてしまう密着度だったが、空いているところはそこしかなかった。
祭り中、子は見当たらずで誰と回っているのか心配になった。クラスに未だ仲良しはいないようで、特定の名前も出て来ない。Dちゃんらと一緒だと思いたいが、DちゃんはAちゃんらといてその中に子はいなかった。

黙々と、携帯を片手に食べる弁当ー、行儀悪いがただひとり弁当を食べるのもどこに目線を合わせたら良いのか分からず、自意識過剰かもしれないが、隣の輪の話を盗み聞きしていると思われるのも嫌だったからこうするしかなかった。

ー私は今、携帯の向こう側の人間と会話しているのですー

と、誰に向かってでもないが周囲に向かってアピールする。向こう側には友達がいるのだーと。
ふと携帯から目を外し、前方を見ると我が子がいた。ひとりきりだ。
胸の奥がズキンとし、手にしていた携帯を置いて子の様子をじっと見る。子の視線の先には見知らぬ女の子が2人。誰だろうか?同じクラスの子だろうか?
その2人に近づいては離れを繰り返している。
少しすると、その2人のうちの1人が子の方に寄って行って何か話している。もう1人が他の子と話している時だ。子は晴れやかな顔になる。互いに祭りで取ったヨーヨーをして遊ぶ。
少しすると、離れていた1人が戻り、その子はまた子から離れてしまう。子は2人の後を追う。どうして良いのか分からず、オロオロと。
弁当を食べる気がわかず、こんな時親はどうしてやったらいいのだろうと考えた。傍に行き、ぎゅっと抱きしめるのは幼稚園まで。じっと見守るしかないのだ。
そして、元気付けるしかー

子を目で追いながら昼食を取っていたら、あっという間に30分経っており、持ち場に戻らなくてはならなくなった。自分の寂しさは既に消えていて、気が付くと子の元に駆け寄り声を掛けた。


「OO!」

「ママ・・」

子は、なんだかホッとしたような、それでいて物悲しそうな表情をした後、


「ママ、今日はお手伝いなんだよね?」


と聞いてきた。


「うん、これからまたジュース売るよ!ママ、頑張るから近くで見てる?」

「うん!見たい!」


子を持ち場に連れて行くと、Yさんらは笑顔で子に接してくれた。

「お手伝いしてくれるの?ありがとう!」

子は、ビニールプールの中で冷えているジュースを取り出し、布巾で水滴を拭く仕事をすることになった。役割を与えたことで、先程までの悲しさは一旦忘れたように見えた。
子も私も頑張ってジュース売りをしていると、通りすがりにDちゃんやAちゃんが子を見つけ声を掛けて来た。子供達は若干羨ましそうにしたので、子はまんざらでもないようだった。
その日、夫は休みだったので、片づけに入る頃を見計らって子を迎えに来て貰い、先に帰宅するよう促した。

子の小さな小さな心に何か抱えているものがあるのだとしたら、親として一刻も早く取り除いてやりたいが、しかし先々自分でどうにかしていかなければならない壁はやって来る。力は自ら付けていかなくてはならない。親は見守り、話を聞くこと。それくらいしか出来ないのだ。

その夜、子と風呂に入りながらそれとなく友達関係のことを聞いてみた。
私の予想はなんとなく当たっていて、仲良くなった友達の友達とは仲良くなれない、話し掛けても無視されるとのことだった。
女3人の難しさは小学1年生から発生するのだ。どうすればもう1人と仲良くなれるか?それは私にも分からない。ただ、仲良くなったお友達も真ん中に立って困っているのかもしれない。もう1人の無視する子も、それまで自分だけのお友達だった子が、我が子に取られそうになって焦っているのかもしれない。

ふとした拍子にー、3人仲良くなれればな。子供だから何かそういったきっかけさえあれば、案外すんなり仲良し3人組になれたりするのに。今はそれを静かに願うことしか出来ないでいる。

































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