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夏休みの宿題

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3年生の夏休み宿題は、低学年のそれよりもボリュームがなかなかあって大変だ。
私がそうだったように、子も、ルーティン的な課題は得意とするが、想像力を要するものには、なかなか手を付けづらいらしい。
読書感想文、自由研究、そして工作。この3点は、小学生の夏休み課題として基本中の基本だが、やはりまだ親の手が必要とされるのは我が子だけではないはずだろう。 それを証拠に、夏休み課題を代行するという商売が横行しているのだ。


「分からない~」


「何にしようかなー」


うだうだと、付いているテレビを眺めながら、しかし大して深刻そうでもない子にイライラする。少しでも焦りや不安が見られれば可愛いが、どこか他力本願な我が子の能天気さに腹が立った。


「ママは知らないよ。お手伝いはするけど、これはOOの宿題だからね。」


こう突き放したのも、夏休みに入り、みこちゃんらと遊び狂っているかぼーっとテレビやゲームをしたり漫画を読んでいるからだ。そして、私が口煩く宿題をやるよう言えば、


「ママはいつも煩いなぁ~、パパはそんな怒らないよ。」


そう言われて、とうとうこちらもプツンと切れてしまったのだ。




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しばらく様子見をし、しかし、相変わらず白紙のノートと原稿用紙。どの本を読むかも決めていないらしいし、何を研究するかの下調べもしていないようで歯痒い思いだ。 このまま放って置こうーその方が子の為だ・・という思いと、早く片付けてしまいたいという思いが同居する。
低学年であれば、こちらがお膳立てし、あれこれアドバイスをし、それに倣って子はレールの上を歩いていたが、もう3年生なのだ。
これからの時代は、自発性が求められる。IT化が進み、決められた業務はロボットがしてくれるのだ。何十年後、子が大人になった時に、人間に求められる能力を思うと、今のままではまずいと思うのだ。 8月に入り、いよいよ何も行動を起こさない子に対して、結局根負けしてしまう私がいたのは、予想通りの展開だった。
そして、なんだかんだ偉そうなことを言いながら、ネットで得た情報をそのまま子に受け流している母親の子だから仕方がない、そういった諦めもあるのだ。



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夏の戦利品

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夏のセールのお知らせが、例のセレクトショップより届いた。
何の変哲もないメールだが、担当から客への一言が丁寧に添えられている。驚いたことに、私はその店はまだ一度しか来店しておらず、しかも商品を購入したのは春先のことだったというのに、


ー毎日お暑いですが、お元気にされてますでしょうか?先日、ご購入いただいたニットと同デザイナーが作成したサマーニットが今回セールとなっております。 OOさんにきっと良くお似合いだと思い、ご連絡させていただきました。


私にしては、清水の舞台から飛び降りるくらい高価なニットだった。勢いで購入してしまったあのニット。
しかし、あの店の女性店員の接客がとても感じ良く、そしてその店で買い物をすることがとても気持ちの良い時間だったので、後悔はしていない。

横浜は、数少ない好きな街のうちの一つ。
二度と返らない思い出が、そう思わせるのかもしれない。夏物だしセールだから安いはず。3000円までーそう予算を決めて、しかしクローゼットから1万円取り出して財布に入れた。 久しぶりの電車は、エアコンが充分すぎるくらいに効いており、少しだけ寒かった。ストールを持って来るべきだった。




欲しいものなど特になかった。
いや、それは嘘。欲しいものだらけだ。
バッグも帽子もサンダルも、アクセサリーもトップスもボトムも色々欲しい。しかし、実際どこにそんな金があるのか?という気持ちが自分の欲求を自制しているだけのこと。
クイーンズスクエアは、平日だというのに賑わいを見せている。活気のある空気に、夏の匂いを感じた。




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ぷらぷらとウィンドーショッピングをしながら、お目当てのセレクトショップ前に着いた。何気なく店内を見渡すと、彼女がいた。しかし、他の客の接客をしていた。
夏らしく、ショートカットにしたのだろう。向こうも私のことを覚えているだろうか?それを思うと、何となく気恥ずかしくなる。
こちらは客の立場なのだから、堂々としていたらいいのにー
それなのに、なんとなく居た堪れない気持ちになるのは何故だろう?
店前のワゴンー手に取ると、安いもので2000円代の半袖シャツ、カットソーなどがあり、ワクワクした気持ちであれこれ手に取る。
一応、目星を付けたシャツを手に、店内に恐る恐る入る。彼女は先程の客をレジに誘導しているようだった。


ー素敵。


マネキンが被っているつば広帽が素敵だったのだ。薄いグレー色で、リボンは黒。一見、変哲のないデザインなのだがー、シックで上質な感じ。
リボンの結び目が、クリアー素材のバックルで隠されているのがまたお洒落。奇抜ではないが、そこら辺の店では見ないデザイン。
値札に赤いシール。50パーセントオフのシールだ。高鳴る胸で、それを確認しようとしたところで、


「お取りしましょうか?」


例の彼女が声を掛けて来たのだ。
ドキドキしつつ、曖昧な笑みを浮かべながらお願いすると、私よりも若干背の高い彼女は、スマートにそれを手に取り私に渡してくれた。
鏡を前に、右背後に彼女を感じつつ試着する。私の唯一苦手とする時間。あれこれ考えてしまうのだ。
似合っていない客を目の前に、本当は吹き出しそうなのを堪えているのではないか?などという余計なことばかりを。


「良くお似合いです。他のお色もありますけれど・・ご試着いたしますか?」


脱帽する際、さり気なく値札を見たら財布の中の金額では到底足りないことに気が付いた。定価が18000円程だったのだ。1万円では足りないこともないが、しかしスイカの残金がいくらか分からない為、帰りの電車賃くらいは残しておきたかった。


「ごめんなさい、ちょっと・・・他のものを見てもいいですか?」


そして、メールでは私のことをさも覚えているかのようだった彼女も、実際のところは私に気付いていないようだった。また、セールで忙しいこともあり、店内はあの時よりもだいぶ活気づいている。 それもあり、他の試着をしたいという客の元へ行ってしまった。
取り残された私は、他の帽子を見ることもなく、そして手に持っていたシャツをそっと元のワゴンに戻し、そのまま店を出た。
何を期待していたのだろう?
結局、手頃な雰囲気の店に足を踏み入れ、850円のTシャツを購入した。それから子の髪留めをお土産にして、お茶もせずに横浜散策は終わった。




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ママ友以上友達未満

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夏休みに入り、引っ越し前のママ友にコンタクトを取ってみた。
唯一、私が私らしくいられる友達。誰かに彼女を紹介するとしたら、自信を持って「友達」だと言える存在。
この地には、「知り合い」「顔見知り」しかいないのだ。「ママ友」という言葉は、人によって解釈は様々だけれど、ため口で雑談くらいは出来るような存在だと思っている。 それに、ランチや家に招いたり招かれたりもその一種だと。そういった存在になりそうだったYさんとはあれから音沙汰なし。
素敵ママは、唯一、ため口で話せるけれど、それだって友達がわんさかいる彼女からしたら、私のような存在は下の下の下で、「ママ友」だと意識する以前の、可もなければ不可もない、そんな存在なのかもしれない。




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夏休み1週間前に、メールを送っていたのだが、いまだ返信がないので再度送信してみた。


ー夏休みだね!忙しいかな?我が家は相変わらず旦那は仕事ばかりで、毎日暇を持て余しているよ。本当は旅行とか行きたいんだけどね。長期休みの恒例で、また会えたら嬉しいな。我が家ででも構わないよ~」


返信がないことから、ふと、毎回向こうのお宅にばかりお邪魔していること、その図々しさを思い、「我が家でもOK」だと伝えた。
しかし、それから3日経っても返信はない。
こんな時、ラインだったら良かったと思う。既読かどうか分かるだけでも、この胸のザワザワ感は減る気がするのだ。いやー、私の性格上、「既読スル―」に耐えられるかといったら正直自信などないが。

もう少しだけ待ってみよう。それでもなかったら、思い切って電話をしてみよう。
唯一のママ友を越えたーと勝手にこちら側では思っている彼女なのに、それでも直接電話を掛けることを躊躇ってしまうのは、いかに私のコミュニケーションスキルが低いのかを物語る。




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父と母との役割分担

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普段、土日休みがなかなか取れない父親と交流が持てない子も、夏休みはここぞとばかりにコミュニケ―ションをはかる。
代休の昨日は、今話題の「ポケモンGO」をダウンロードした夫のスマホ片手に、二人して少しばかり遠出をして来たようだった。
私はいつもと変わらず、一人で自宅待機。
誘われもしないし、暑い中、スマホの小さな画面のキャラクターを追い求めて歩き回ることに、何の魅力も感じない。
普段、育児にノータッチの癖に、夫はこういう時に子の心をつかむのだ。何だかズルい気がする。恐らく、ランチはどこかのファミレスで取り、またゲーセンで涼んだりし、おやつにパフェでも食べさせるのだろう。 夫にとっても大事な一人娘だ。私に愛情は無くても、血を分けた子に対しては、特別な感情があるのは当然のことだろう。


「電車の中だとね、すっごい速さで走るの!ポケモンもこんなにゲットしたよー!」


帰宅後、興奮した子は私に夫のスマホを見せた。どれどれ、とスマホに顔を近づけると、着信音が鳴った。ラインだろうか?メッセージのポップアップが表示される前に、夫が物凄いスピードでそれを取り上げたのだ。 子も私も唖然とした。


「パパ、誰から?」


私が聞きたかったことを、子が単刀直入にずばり問う。彼女の特権ー、無条件に愛されていると本能的に知っている者だけが許される特権なのだ。




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「うん?何?」


聞こえてるはずなのに、質問に対して疑問符で返す。要するに、時間稼ぎだ。


「仕事?友達?」


「あぁ、仕事だよ。今日は休みなんだけどね、ちょっとトラブルがあったみたい。」


適当な噓ー長年の妻の勘ではそれがファイナルアンサー。そそくさと自室に引き上げたのが更にそのことを裏付ける。


「楽しかったー!スマホ欲しくなっちゃった。」


「何言ってるの?ほら、宿題もちゃんとしないとね。少し休んだら、読書感想文進めなさい。」


「はーい・・」


母親は損だ。
父親は、結局のところいいとこどり。なかなか持ち上がらない尻を叩くのはいつでも私の役目。正直、どこかに連れて行くことよりも、自由研究などの宿題を一緒にして欲しい、それが本音。しかし、そういった面倒なことは全て私が請け負うーそれが我が家では暗黙のルールであり、私達夫婦のカタチ。
それでもー、いつもの日常に比べて子の精神が安定しているのは、父親が不在ではないこと。遊び方はどうであれ、関わっているということ。
いつもは飴と鞭の比重に頭を悩ませながらの子育ても、夫がいることによって、甘い部分を丸投げ出来るのは、私の中でも幾分か肩の荷が軽くなっていることも事実なのだ。




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菓子パン一つ、それにお茶

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夏休み、スタート。
常に一人を持て余している母にとって、子の休みは待ち遠しくもあったはずだが、実際それを迎えると面倒なところもあるのが本音。
だらだらしたい子の尻を叩き、宿題、そして勉強。
夏場は夫からの弁当免除が出ているのだが、しかし、結局は子の分の昼食を作らなくてはならない。自分だけなら、軽くお茶漬けだけで済ますところなのだが、成長期の子供を前に、そうはいかない。 休みに入ってから、みこちゃんが家に遊びに来るようになった。両親は、夏休みも関係なく働いているという。どこかに行く予定もないようだ。
しかし、みこちゃんだけならまだしも、その友達数人もここ数日遊びに来るようになった。いずれも、親の顔も知らない子供達。学年もバラバラ。
子が言うには、皆、共働きの子供達だと言う。
放課後、よく遊ぶようになったというので、子にとっては友達なのだが、しかしこちらの一日のタイムスケジュールもお構いなしに遊びに来られるとストレスも溜まる。 パンとペットボトルのお茶持参で来られた時に、こちらはきちんとした昼食を用意していたのもあり、なんとなく困ってしまった。
知らない子供ー食べ物アレルギーなどあったら困るし・・と色々な言い訳を浮かべながら、私達は私達でカレーピラフを食べた。


「美味しそう~」


みこちゃんや、その他の子供達が私達のランチを眺めながら、自分らの手元のパンをボソボソ食べる。
知っている親ー連絡先が分かれば、メールなりなんなり一言伝えてから、私達のランチをお裾分けするのだが、やはり何かあったら困るので、居心地の悪い昼食タイムを過ごすこととなった。




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「今度は午後からにして。」


子に伝えると、面白くなさそうな顔をする。


「えー、だって、皆午前中から遊びたいって言うんだもん。」


「なら、うちで集まるのはやめて、児童館とかにしたら?」


イライラする気持ちを抑えながらだったので、思わず声が低くなる。私の苛々を感じたのだろう、子も諦めたようだった。

正直ー、育ち盛りの子供に、菓子パン一つとお茶だけ持たせて仕事をする親の気持ちが分からない。他所の家のランチを、羨ましそうに眺めている子の姿を目の当たりにしていないから出来るのだろう。 せめて、手作りの弁当くらい持たせてやれば良いのに・・
と、思う一方、そもそも我が家に来ていることすら耳に入っていないのだろうな、と思う。
他人の子供の昼ご飯の心配までしてしまう、それは目に入ってしまったことだから。見なければ、そもそも気にもならないし、こうしてモヤモヤすることもないのだ。




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若年性更年期

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夏祭りの打ち合わせ、本当に気が進まない思いだったが、頑張って参加して来た。
少しでも、緊張を解したかったからというのは言い訳だろう。しかし、そうでもしないとずる休みをしそうだった。
気付けーと称しての一杯。缶が空になる頃には、幾分ふわふわした感じになり、どうにでもなるという楽観的な気持ちになれた。
集会所に出向くと、苦手なメンバーは既に到着しており、やはり思った通りの相容れない壁を感じる。しかし、ふわふわ感があるお陰でいつものようにびくびくせずに済んだ。


「こんにちは。遅くなりすみません。」


「こんにちは~」


AちゃんママとCちゃんママが、割と愛想良く返してくれた。Eちゃんママだけは、チラリとこちらに目線を送ると、なんとなくの会釈をしてくれたように見えた。 相変わらずクールで近寄りがたい雰囲気だ。
すぐに、6年生の母親らが到着し、打ち合わせが始まった。




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ジュースは、発注する量も業者も大体毎年決まっているようだ。去年の発注票を元に、Eちゃんママがこの会の指揮を執る。
6年の母親達も、それまでの経験値からあれこれ意見をする。Eちゃんママと仲良しの二人も、雑談のような軽い感じであれこれ口を開く。
私だけがまた、重い沈黙に捕まり、逃げようにも逃げられずにいた。先程までのふわふわ感はいつの間に無くなり、こんなことならもう1本飲んで来れば良かったと後悔する。


「オレンジと炭酸とお茶でいいでしょう。面倒だし、それで決まりー。」


「ビールは?今年も出すでしょう?忘れてる?」


6年生ママが口を挟む。そう言えば、ジュースという括りだが、飲み物と来ればやはりビール。これは外せないに違いない。


「あくまでも、私達はジュースで。焼きそば班とかがそれはするはずだから。」


強気な口調でEちゃんママが返す。その言い方に、私の方がハラハラする。6年生ママは、突然彼女の口調が強くなったことに驚きを隠せない風だった。
別に、Eちゃんママのミスを指摘した訳でもない、単純に疑問に思っただけの発言だったのだろう。しかし、Eちゃんママはそう捉えなかったようだ。
重苦しい空気が流れた。
そして、それを喜ぶ私がいたのも事実。
和気藹々とした中でのポツンより、微妙な空気の中でのポツンは目立たない。もしかしたら、6年生ママらと打ち解けられるかもしれない。そう思った私に、何故かまた先程のふわふわ感が戻って来たのだ。


「一応、焼きそば班に確認はしておいた方がいいと思いますよ。」


気が付くと、口が勝手に動いていた。「意見」というやつを、この私がしていたのだ。
一斉に皆がこちらを見る。それにたじろぎつつも、Eちゃんママの強気な視線を感じつつも、


「一番怖いのは、お互い向こうがやってくれるだろうって思い込んでしまっていて、どちらも発注していなかった場合です。念の為の確認はしておいた方が・・」


言い終わる前に、


「じゃあ、確認はOOさんがお願いします!」


Eちゃんママにピシャリと告げられた。気まずい沈黙がまた流れ、しかしそれを取りなすように、C君ママが笑みを浮かべて丸く収める。


「正直、ビールは二重に発注してもいいくらいだよね~、去年もあっという間に売り切れちゃってさ、結局コンビニ行ったよ、私。ここ毎日暑くって、今年は自宅にサーバー欲しいわ~」


雑談のような、場を和ますような発言に、Aちゃんママが笑いながら合いの手を入れ、またもう一人の6年生ママが雑談を持ち掛ける。
私には、確認をしてその結果をEちゃんママに伝えるーという仕事が与えられた。正直、彼女とやり取りするのは気が重いが、しかしこのような場で「意見」を出せたことは、どことなく清々しかった。 それにしても、Eちゃんママは難しい人だ。怒りポイントが多すぎる上に、その沸点もかなり低い。もしかしたら、更年期ではないか?とさえ思う。




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色あせた玩具

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毎日こう暑いと、梅雨は既に明けているのではないかと疑う。
実際、九州ではもう梅雨明けだそうだが。
雨は好きだが、しかし洗濯物がなかなか乾かずすっきりしないデメリットは、主婦であれば誰もが感じることだろう。
都内はアスファルトの反射熱も加わってか、晴れている日では30℃以上を記録している。家に一人でいる時は、なるべくエアコンを使わず、アイスノンを首に巻いたりして暑さを凌ぐ。
また、電気代のことで夫からあれこれ言われるのが嫌だからだ。

3回目の大物を干しに、ベランダに出た。すると、小さな子供達の騒ぐ声がお隣から聞こえて来る。
それは、いつものように部屋からのそれではなく、隣続きになっているベランダからダイレクトに来るものだった。
大人の声は聞こえないー子供達の声が煩すぎて聞こえないーということもあるのかもしれないが、もしかしたら子供達をベランダで遊ばせて、親は室内でお茶でもしているのかもしれなかった。




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足元に違和感を感じ、視線を下すと、隣から大量に水が流れて来ており、我が家のベランダの三分の一程水浸しになっていた。そこで初めて、お隣が子供達にプール遊びをさせているのだと気が付いた。
以前、どこかの棟の住人が同じようにベランダでプール遊びをしていて、下の階に大量の水を落としたことで干していた布団がずぶ濡れになり、クレーム問題が起きたと自治会の議題に上がったことがあった。
一旦、団地内でのベランダプールは禁止となり、子にはそういった遊び相手がいないこともあってほっと胸を撫で降ろしていたのだが、また復活したのか?


ー私だから良かったものの・・これが気難しい住人だったら、即クレームだろうな・・


ー素敵ママの子も、遊んでるのかな?


お隣を覗くことは不可能だったが、声だけは聞こえて来る。しかし、まだ片言しか話せない子供達の集団なので、誰が誰なのかは分かるはずもない。
我が子もまだ幼い頃には、暑さを凌ぐ為、プールまではいかないが、風呂場に水を溜めて水遊びをさせた懐かしい情景が蘇った。
今年はもう、夏休みに友達とプールに行く約束をしているらしい。子の成長をますます実感させられる。
水遊びに使っていた、百均で買った昔の水鉄砲やジョウロ、ファーストフード店のおまけのおもちゃがベランダの隅に追いやられていた。
それらの日焼けし色あせた姿に、時の流れを感じて切なくなった。




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個人面談

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学期末を迎え、個人面談があった。
鈴木先生ー
この男性教師が、私は苦手である。細身なインテリ風ー、実際インテリなのだろうけれど、何もかも見透かしたかのような上から目線。
そう感じるのは、自信のない私だからなのかもしれない。それを証拠に、他の保護者とは笑みを浮かべて談笑しているのを何度か見掛けた。

時間15分前に教室に到着すると、私の前の保護者が面談している様子が見えた。せかしてはならないー、そう思い、担任に気付かれないよう廊下に回った。
壁を挟んでいても、中から声が聞こえて来る。いつものやつだ。笑い声。
それは、私が通院している例の病院でも感じる劣等感。私が相手だとぶっきらぼうだったり能面のような表情をする人が、違う相手だとガラリと変わる。それは良い方に。 こういう時、私は私のことが嫌になる。

時間丁度、前の人が教室から出て来た。確か懇談会で、皆を笑わせていた肝っ玉系の母親だ。
後ろには担任、すれ違いざまに軽く会釈だけすると、担任の方を見る。バッチリ目が合い、互いに挨拶を交わした。
教室に案内され、子供机と椅子に腰掛けるよう勧められた。恐縮しながら着席すると、面談が始まった。




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まず、事務的な会話。
夏休みを迎えるにあたっての注意点、そして宿題の説明など。
一通りの説明に、頭をぼーっとさせながらも相槌を打つ。なかなか耳に入って来ない。しかし、プリントがあるのだ。自宅に戻ってから熟読すれば良いという思いが、余計に集中する力を妨げているようだった。


「これまでで、何かご質問はありますか?」


「・・いえ、大丈夫です。」


手渡されたプリント類をバッグに仕舞い、少しの間があった。


「では、OOさんのことでいくつか。」


学校での様子。
簡単に言うと、大人しく積極性に欠ける。しかし、言われたことは真面目にこなす。さぼることなどない。友達関係においては、特別仲良しはいないようだが、しかしまんべんなく色々な子と絡んでいるとのことだった。 休み時間、一人でいる時もあれば、友達と外で遊んだりすることもあるそうだ。べったり誰かと一緒ということはないらしい。
学習面については、少しショックなことがあった。国語と算数が平均以下だったのだ。確かに、最近テストの点数が良くなかった。
放課後になれば、クラスは違うが仲良しのみこちゃん達と遊び回り、宿題をするので手一杯。私もイライラしながら教えるので、子は分かっていなくても分かったということにするようになっていた。この点は反省だ。 塾などに通わず、専業主婦で時間もたっぷりある私だからこそ、勉強くらいはサポートすると決めたというのに。


「あと・・OOさん、発表などになると、少し吃音が出るようなんですが。ご家庭ではどうですか?」


最後の最後で崖から突き落とされたような気持ちになった。まるで、私ではないか。目の前にいる担任の声が、どんどん遠くに感じて行った。
そして、今度は発作のように、私もそれに受け答えしようとすればする程、溺れかかった魚のように、口をパクパクさせながら声にならない声を出そうとしてしまう。
やっとの思いで出た言葉は、


「病院とか・・ですか?」


担任は、それに対して顔色も変えずに淡々と答える。


「いえ、ただ緊張から来るのかもしれませんし、ストレスからかもしれません。ご家庭でそういったことがないのなら、しばらくはまだ様子を見てみましょう。」


親子でどもりだと思われた。懇談会での醜態が蘇る。PTA会長に拍手された、もう思い出したくもないあの挙動不審なスピーチ。アガリ症の親子、吃音の親子、親が親だから子も子なのだと思われたのでは? 担任のクールな眼鏡の奥の瞳を直視することが出来ない15分間。
拷問のような、取り調べを受けているような、そんな時間。そう思ってしまうのは、全てにおいて私に自信がないからだ。成功体験がないからだ。
成功の積み重ねが自信を作る。
しかし、今の私は、失敗の連続。失敗から立ち直れず自信を無くし、またその自信のなさからしなくても良いような失敗をしてしまう。
堂々巡りだ。




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気まずさ一番

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子と共に、ショッピングモール内の百均へ。
学校で必要だというビーズを買いに来たのだ。
あれこれ選んでいると、


「みこちゃん!」


子が、大きな声を出した。顔を上げると、確かにみこちゃんが手芸コーナーを挟んでの文具コーナーにいた。
外でばったり会うのは初めてだからか、どこかお互い照れくさそうに手を振り合う。


「ママは?」


子が聞くと、みこちゃんはキッチン用具の方向を指して、


「あっちにいるよ。」


と答えた。
こういう場合、一言挨拶をした方が良いのか・・しかし、彼女の母親とは面識がない。どういう人物か分からないので、突然声を掛けることを躊躇ってしまう。
何気なくー、子供達をそこに残して私もキッチン用具の方へ向かった。
そこに、女性は一人しかおらず、年齢からしても恐らく彼女がみこちゃんの母親だと確信する。そして、その化粧バッチリで一見気の強そうな雰囲気を放出している彼女に圧倒され、腰が引けてしまった。 また、みこちゃんから何気なく聞かされていた彼女の素性・・確か趣味で大人のバレエをしており、その発表会がどうたらこうたら言っていたことを思い出して、ますます自分と縁遠いその空気感に、後ずさりする。 一方で、何も私がこそこそするのもおかしいと思う。
みこちゃんを頻繁に家に上げ、おやつを出したり一緒に遊んだりー話し相手になったりしていたのだ。むしろ、彼女の方から私に挨拶をするのが筋というものではないか?

子供達のところに戻り、子にレジへ行くように促した。みこちゃんと取り合えずさよならし、買い物を済ませる。
少しして、隣のレジの後方にみこちゃん親子がいることに気付く。ちらっと見ると、みこちゃんの母親は財布を出しているところだった。


「ありがとうございましたー。」


ビーズ以外にも色々と買い物をしたので、一旦かごをレジ前の台の上に置き、袋に詰め替える。背後で、みこちゃんの話し声が聞こえた。


「ねえねえ、OOちゃんがあそこにいるよ。さっき会ったんだ。」


それに対しての返事は、ここまで届かなかった。子も、私にひそひそ声でみこちゃん達がレジにいることを伝える。




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ーここで、少し待つべきだろうか?待てば、子供同士がまた話し出し、そこで私達母親同士も形なりとも挨拶が出来るかもしれない・・


ドキドキしながらゆっくりと袋に買った物を詰め替えていると、私達親子の横をすーっと通り過ぎ、みこちゃん親子が出て行くのを感じた。予想外の出来事に、つい視線を上げると、みこちゃんだけが私達に向かって手を振るのが見えた。 母親は、こちらの存在を知ってか知らずかー、結局何の挨拶もなしに店から出て行ってしまった。


ーこちらから、挨拶するべきだった?


ーいや、そもそもみこちゃんがうちに頻繁に来ていることをママに言ってないのかもしれない・・


悶々としつつも、やはりこれが私でなければー例えばYさんだったら・・素敵ママだったら・・どうしただろうと妄想する。
何の躊躇もなく、笑顔で挨拶をしただろうか。いや、逆に向こうから挨拶をしてくれたかもしれない・・

私だから、スル―されたのかもしれない。 自分の常識と他人の常識は、必ずしも一致するとは限らない。もしかしたら、みこちゃんを家に上げることを良く思っていないのかもしれない。
勝手におやつを与えることも、向こうからしたら余計なお節介なのかもしれない・・
そう思ってしまうのは、もし私がみこちゃんの親の立場だったのなら、進んで挨拶をしようと思うからだ。
それは、我が子を頻繁に家に上げてくれる=こちらに対してウェルカムの姿勢だと感じるから。それがないということは、関わりたくないという気持ちの表れなのではないか。

こうして悶々とするのなら、潔く挨拶をするべきだったかと思う。
しかし、あの一瞬目にしたクールな化粧映えする横顔は、実際のところ、私の苦手とするタイプの女性、そして私をマウンティングするタイプの女性に多いのだ。




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今日の料理

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今日の写真

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空回りの引き寄せ

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子供会の夏祭りの変更願いー
数日してからの返信。
ドキドキしつつ、受信メールを開く。
代表からは、一言のみ。


ー変更OKです。添付ファイルをご覧下さい、よろしくお願いいたします。


変更願いが叶ったことで、いくらかほっとしながら添付ファイルを開いてみた。エクセルで、係とその担当がまとめられており、それを見て驚きのあまり声が出てしまった。


「え・・なんで?なんでよ!?」




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私が希望した通り、「ジュース班」にはなっていた。
しかし、メンバーが思っていたのとまったく違うことに驚いた。
彼女達となりたくないー、その思いから変更の願いを申し出ていたというのに、その彼女達がそっくりそのまま「ジュース班」に移動していたからだ。
一瞬、目を疑い手で瞼をこする。もう一度それを見てみたが、やはり状況は変わるはずもなかった。
こんなことってあるのだろうか?まだ、数人移動しているのなら話は分かるが・・もしかしたら、仲良し3人のうち1人がどうしても都合のつかない状況下にあり、変更を申し出る際、二人のことも誘ったのか? もう、そうとしか思えなかった。
その他の大人しそうな既存のメンバーを頼りにしていたのだが、あの時目にしていた名前とは違っていた。どの名前も知らない名だったが、子供の学年がそれぞれの名前に括弧付けしており、残りの2名は6年生というベテランの親だった。 仲良し3人組に、6年の親2名も共通点があるので自ずからくっつくことは目に見えている。そして私はまた蚊帳の外だ。
夏休みは、のんびり子と過ごそうー
そう決めていたというのに、一気に不利な状況に立たされ、気分はどんよりと梅雨明けしそうにもなかった。




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自称・サバサバ系の厄介

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自称、サバサバしているという女性程、実は女子特有のいやらしさを兼ね備えているということが良くある。
ダンス教室にお迎えに行くと、時間だというのにレッスンが長引いているのかまだ子供達は出て来る気配はなく、待ち時間を持て余す。
入り口付近は、私のように特に親しい知り合いがいない母親が数人、スマホを片手に時間潰しをしている。
室内ではいつものように、まいこちゃんママや千葉ママ、それに例の関西ママらが大きな群れを作っているのが目に入った。


「お疲れー久しぶり!」


急に肩を叩かれ、振り向くと野田さんだった。最近会っていなかったが、だからこそこの距離感で近づく彼女にやはり温度差を感じる。
ほぼスッピンに、前髪を昔で言うポンパドールにし、ひっつめお団子にして髪全体をまとめていたので一瞬誰かと思い驚いた。


「お久しぶりです。」


力無く笑う私に構わず、彼女はマシンガントークで私にあれこれ話し掛けて来た。


「今日は、幼稚園のランチ会があって~、なんだか盛り上がってそのままお迎え時間までお茶してたらバタバタだったわよ。今日はレッスン休もうかとも思ったんだけどね!」


彼女から聞く、所謂「リア充」話はそこまで卑屈になることがないのは何故だろう?これが、他のママから聞いたとしたら酷く落ち込むというのに・・・


「そうそう、会った時に伝えようかと思ってたんだけどね。娘さん、お友達と上手くいってる?」


「え、どういうことですか?」


「うん、ちょっと見ただけだから分からないんだけどね、娘さんといつも仲良く遊んでるお友達いるでしょう?ほら、あそこにいる人達の娘さん達かな?」


そう言って、まいこちゃんママらの群れを顎で指す。


「一対一だったらいいのよ。ただ、娘さんが一人で他の子達がつるんであれこれ嫌なこと言ってるの見たんだけど。私もよく知らない子供達だから、首突っ込めなかったけど・・」


「ただの喧嘩じゃなくて?」


「いや~、先週もそんな感じだったよ。娘さんが話し掛けても無視してるっていうか。あ、来た来た。」


話途中で、レッスンが終わった子供達が出て来た。まいこちゃんが一番に千葉ママの子と飛び出して来た。 「あ。あの子!あのボブに編み込みしてる女の子!あの子が指示出してた!!」


まいこちゃんのことを指さして言う。それを聞いて胸の奥がざわざわし出した。子が小太りママの子らと出て来たので少し安心した。その横顔は笑顔だったからだ。
そのまままいこちゃんらがいるテーブルに向かい、ふざけ合っている。どう見ても、子が虐められている感じはしなかった。


「・・・今日は、ママ達がいるからなのかな。仲良くしてるね。ま、いいや。それじゃあお先に~」


野田さんは、言いたいことだけ残してそのまま自分の子を連れて出て行ってしまった。取り残された私は、実際その現場を見ていないというのにまいこちゃんに対して不信感が湧く。




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ー野田さんの言うことが本当だとしたら・・


更に、まいこちゃんママの楽しそうな笑い声が聞こえて来た瞬間、これが嫌悪感というヤツなのか、腕に鳥肌が立った。蛙の子は蛙ーという言葉が頭を回る。
しかし、どう見ても子を含めて、テーブルでお菓子交換をしている様子に後ろ暗さは感じられなかった。子はとても楽しそうにしていたし、まいこちゃんと何やら持って来ているぬいぐるみを取り出し、ごっこ遊びのようなことをしている。
もやもやの行き場がなく戸惑っていたのだが、しばらくしてそれは野田さんに行き当たる。


ー彼女が私の心を乱したいのだとしたら・・


自称サバサバ系だと自分のことを自己紹介していた彼女。ガハハと大きな声で笑う口元には、青のりがくっついていたーそんなことを思い出す。それに、他所の子をそこまで観察するかという疑問も湧く。 幼馴染だったり、また同じ学年だったりの接点があればまだ分かるが、彼女は我が子と挨拶すらしたことがない。勿論、子は野田さんの存在さえ知らない。


一応、気に留めておこう。


今は、子のひまわりのような笑顔を信じることが賢明に思えた。




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今日の料理

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今日の料理




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全てを削除したらどんな世界?

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あぁ、嫌になった。
色々、色々。

何十行のあれこれを綴っていたけれど、全て消した。
エンター1回、指1本使うだけで、私の心の中のうやむやは、このインターネットの海原に発信されることはなくなった。なんて簡単な世界。

買い置きの、半分残っていた安ワインを一気に体に流し込んで、ドロドロした気持ちがなんとなくふわふわした感じに変化したけれど、それも冷めれば一過性のもの。

明日は来る。
否応なしに。

子供の頃から、何度も何度も、この種の感触は経験して来たというのに。いまだ、それを回避する改善策が見付からない。
ただ、やり過ごすだけ。時が過ぎるのをじっと待つだけ。

今日、読んだ本。
作者は、あまりにも天才過ぎて、だから彼の言う「孤独感」だとか「達成感」だとかに共感は出来なかった。
天才の思う「孤独」と、凡人の思う「孤独」との違いをまざまざと見せ付けられた、そんな気がした。

何でも出来るー発想の転換。
自分で自分を縛り付けている、今現状。

自由は、責任が伴うもの。子供時代に戻りたいと思うのは、上っ面の自由と快楽を求めているだけ。
くだらな過ぎる理由で明日を恐れる私は、中途半端な甘えがどこかにあるから。いいとこ取りの自由を求めているだけだから。

明日が憂鬱だ。
空になったワインの瓶を、恨めしい気持ちで眺めている。




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アイスのチカラ

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暑い中、団地の草むしりに参加して来た。
非常に気が進まなかったのだが、各棟の階段ごとに一人は出ないとならず、ついに当番が回って来たのだ。
その当番も、病気だとか仕事だとかで断る家もある。しかし、私は専業主婦だ。出ない理由など始めから持たせて貰えるわけがない。
不幸中の幸いだったのが、今回参加する人々は、どの家も顔見知り程度で深い仲ではないらしく、皆、各々決められた区画の草むしりを黙々と行っていた。
時と場合によっては、仲良し主婦やママ友同士だったり、また仲良し老人同士の群れが出来ている中で、ひとり黙々と作業をしないとならないこともあるのだ。
午前中、刺さるような日差しを浴びながらの作業だった為、配布されたペットボトルなどすぐ空になってしまった。



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無性にアイスが食べたくなった。
頭の中は、アイスで一杯になる。すっきりとした昔ながらのアイスキャンディーだ。
子供の頃、中がみぞれになっており外側をアイスキャンディーにした、レモン味のアイスが大好物だった。
残念ながら、家に買い置きはないことを思い出す。子が昨夜、風呂上りに食べてしまったのだ。
いつもは、ハーゲンダッツなどの高級アイスを食べたいと思うのだが、本当にそれを体が求める時、人は昔に戻るのだろうか。例えば、海外旅行から帰国して、一番食べたいのがおにぎりだったりするように。 退屈で辛い作業だったが、心の中、好きだったアイスを思い浮かべて紛らわした。
「ホームランバー」「ガリガリ君リッチチョコ」「メロンボール」「パインアイス」「ビエネッタ」「ダブルソーダ」・・・
次々と多種多様なアイスが浮かんだが、実際その殆どの名前はこうしてネットで検索しなければ思い出すことは出来なかった。

何気なくポケットを探ると、なんと500円硬貨が入っており、作業の解散と共に近くのコンビニに駆け込んだ。
買ったのは、ガリガリ君。スーパーで購入すればだいぶ安いと分かっていながら、しかしそこまで走る元気はなかった。
大の大人が、汗と泥まみれになりながらそれを買い、近くの人気のない公園のベンチに座りかぶりつく。その公園は、大した遊具もないので普段から人気がなく、誰にも見られる心配もなかった。

キーンと頭が痛くなる。しかし、それすら快感だった。
一仕事終えた後のアイスーだなんて可愛いじゃないか。あっという間に1本食べ終え、もう2本くらい食べれそうな勢いだったが、この暑さでは食べる前に溶けてしまう。 アイスのお陰でいくらか体が冷え、気力も体力も回復した。
午後からの家事、それに気の進まない習い事送迎も、頑張れそうな気がした。




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精神年齢小学生以下

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子供会の夏祭りが近づいている。
今年も役員ではないので、自分には関係のないイベントだと気にも留めないでいた。
しかし、回覧板が回って来たことで、直接的に関係するイベントとなってしまったことに愕然とする。
今年の役員が、彼女達だけで回すことを不本意に思ったのかは分からないが、参加する親全てに係をあてがうことにしたようだった。
しかも、何の相談もなしに。
準備は、「焼きそば班」「ジュース班」「盆踊り班」「お神輿班」「すいか割り班」と別れており、それぞれに担当が割り振られていた。
それぞれ仕事内容は違うものの、事前に準備ー練習だとかが必要な「お神輿班」や「盆踊り班」、そして買い出しや店のセッティングなどで大変そうな「焼きそば班」「ジュース班」の負荷は同等のように思えたが、しかし、「すいか割り班」だけは、楽そうに思えた。 私の名前が記載されていたのは、「焼きそば班」。見るからに大変そうだ。いやー、一番危惧していたのは、誰と組むかということ。
仕事内容などどうでも良い。素敵ママや酒井さんとならうまくやれそうな気がするー
しかし、私と同じ係のメンバーは、出来ればなりたくない人々だった。Eちゃんママと、Aちゃんママ、それからC君ママの 仲良し3人組ーそれから、妹繋がりなのか弟繋がりなのかは分からないが、先日の集まりで親し気に盛り上がっていた明らかに顔の広そうなママ達。 この面子で、私はまた存在を消すことになるのは目に見えていた。




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回覧板の一番下には、米印で次のように記載されていた。


ー※こちらで割り振りをしてしまいましたが、ご都合が悪い方もいらっしゃると思います。係の変更など可能ですので、お気軽にご相談下さいー


それぞれの係で出席しなくてはならない日程が記載されているので、それによっては仕事上無理な人もいるという前提での申し出だろう。
「ジュース班」には、素敵ママと酒井さん、それにあの中では比較的大人しそうに見えた人達ー、仕事をしているのか、私と同じく集まりから早々帰宅した人々だった。 それを目にしたら、そちらの班に移動したくなったのだ。
思い立ったら、既に手が動いていた。
代表連絡先のメールアドレスに変更の願いを書いて送信した。これで一安心と胸を撫で下ろした。
しかし、送信してしばらくすると、こんなことでアタフタしている自分の精神年齢の低さを思い、情けなくなった。




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平等≒友情>選挙

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選挙前。
久しぶりに、例の宗教友達から連絡があった。
こういった電話は、通常無視するものなのだと思う。しかし、寂しい私はつい受話器を取ってしまうのだ。
何故なら、人と話すことに飢えているからだ。


「もしもし?」


携帯の表示で誰からかかってきたか分かっているというのに、さも分からない振りで出る自分に実母を重ねて嫌悪感を抱く。
いつからか私も無駄に勿体ぶる人間になったものだ。


「あ。OO?元気?」


友人は、それまで連絡を取っていなかった距離感を感じさせない気安さで私に話し掛ける。身構えてしまう私とは正反対の人懐っこい性質。
こういったところは、この宗教の信者だからなのか、それともそもそも彼女の持つ性質なのかはいまだに分からない。




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相変わらず結婚しそうもない彼女。
しかし、信念を持つ彼女は孤独とやらに無縁らしい。恋人がいるいないだとか、子供がいるいないだとか、そんなことは二の次。
それよりも何よりも、今大事なのは、彼女が支持する政党が勝つことーそれだけなのだ。

適当に相槌を打ちながら、しかし、マニュアルなのかこちらの近況にも関心を持ったような質問をしてくる彼女に対して無下に出来るわけもない。
その政党に「入れる」ような素振りを示し、だらだら世間話を続けるのだ。
この瞬間、明らかに有利なのは私の方なのだ。それを知ってるからこそ、あれこれ向こうの心情など無視して自分の話ばかりを持ち掛けてしまう。
ママ友付き合いの悩みー、勿論、多少話は盛っている。話していてこちらが惨めにならない程度のさじ加減での悩み。
それに対し、子供がいないーまして結婚すらしていない彼女の精一杯の想像力を駆使したアドバイスに耳と傾ける振りをしながらも、その殆どがスル―。
それでも、互いに気持ち良く電話を終えられる。それは、選挙前という、この時期限定のいびつな友情関係なのだ。

多少なりともの罪悪感を消すかのように、支持していない政党に票を入れる。
これで、平等に彼女との友情関係が成り立つのだと信じて。




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不良主婦仮想ショッピング

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夫が飲んで帰るという。この時間に連絡があるということは、帰宅は朝。
明日は休み。
子は寝ている。
冷蔵庫から、激安スーパーで買ったチーズと韓国海苔、それからサラミを取り出し、お気に入りの398円ワインを取り出し、一人飲みだ。

解放感。
どんなに飲んだくれても、そのまま酔いつぶれて布団にもぐっても、夫も同罪だから気付かれない。
数か月に一度の自由。
不良主婦になれる時間。




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今夜は赤。
今、ボトル半分を空けてほろ酔いだ。テレビを観ていたのだが、どれも詰まらなくて消してしまった。
そして、PCをこうして開いている。酔っていてもきちんと電源を入れ、こうしてキーボードを叩いている。
これって、ある種の依存なのかもしれない・・・

酒に酔っているので楽しくなって、また仮想ショッピングをしていた。
夏なので、ラフィア素材のかごバッグを買い物かごに入れる。それからジュエリーも。
夏らしく、ターコイズやアクアマリン、またはブルートパーズのブレスレッドをぽいっと入れる。これと似たものを素敵ママが付けていた。
仮想なので遠慮は要らない。全て10金ではなく18金。
子のワンピやサンダルも入れる。有名ブランドのそれはバッタ物ではないから5000円はする。これも仮想だから出来ること。
不良主婦は、結局トータル10万円分の買い物をしたのだ。

楽しかった。そして、買い物かごから削除する頃にはすっかり酔いも冷めていた。
私はシンデレラでもない、ただの専業主婦。
ガラスの靴を履いていなければ、魔法使いのおばあさんもいない。
在るのは、現実。母として妻としての日常のみだ。

さて、現実に戻ったので歯磨きをして寝ようと思う。明日の天気を何気なく調べる。そして、明日の天気を知りたいと思うことがどんなに贅沢なことなのかを自らに言い聞かせながら眠りにつくのだ。




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今日の写真

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■今日の写真




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拾う神

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隣の棟の軒下に、猫が捨てられていた。
下校した子が、突然家にある牛乳をコップに入れて、外に出ようとしたところ聞いて知った出来事だった。


「ママ、ねこちゃん目を怪我しててね、よろよろしてて可哀想なの。がりがりに痩せてるし、お腹空いてると思うんだ。」


団地の至る所に、小さいが、しかし目立つ看板が掛けられている。


ー野良猫に餌を与えないで下さいー


それを知っているだけに、子の善意ある行動をたしなめなければならなかった。

子が、以前からペットを飼いたがっていることは百も承知だ。
兄弟ー妹か弟が欲しいと言わなくなった代わりに、何か動物を飼いたいとしつこくせがんでいた時もあったが、それも諦めたのか次第になくなり、最近ではそんなことがあったことすら忘れていたのだ。


「本当は、飼いたいけど。団地だから駄目でしょう?なら、餌をあげるだけならいいでしょう?死んじゃうかもしれないんだよ!」


子が、涙ぐみながら訴える。
それをどうして止められようー優しいその行為が、長い目で見たら善意にはならないということ。悲しいが、ただの自己満足になってしまうということ。
しかし、それを子に分からせるのは至難の業だった。




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小さなペットボトルにミルクを移し替え、おままごとに使っていたプラスティックの小さな小皿を手に、子が言う猫のいる場へと向かった。
既に、ランドセルを背負った子供達が数人ーそれに、清掃員ー以前からカラスに対して怒鳴ったりする、強面の彼がそこにいたことで、私はそこへ行くことを躊躇する。
しかし、そんな私の思いなど知らない子は、走って猫の元へ行ってしまった。子を追う形で私もその場に近づく。


「・・こんにちは・・」


ペットボトルと皿は、小さなエコバックに入れていたので、ただの見物人の振りをして近づいた。
男性は、チラッと私を見て小さく会釈らしいものをすると、カラスの時と同一人物かと思えない声色で、猫に向かって語り掛けていたのだ。


「可哀想にな、腹、減ってんだよな。お前、どうして捨てられたんか?責任のないヤツは、動物なんて飼うもんじゃないよな。」


首の下を撫でながら、ミルクではなかったが、水をあげていたのだ。
その猫は、ボロボロだったが古びた首輪をしており、飼い猫だったようだ。それに、目を怪我しており恐らく、片目しか見えないようだった。


「病院、連れていかないと駄目だよね。」


子供達が男性に向かって言う。驚くことに、男性は子供達ともコミュニケーションを普段から取っている様子の話しぶりだった。
私が勝手に、この男性を「人嫌い」認定していただけで、ただぶっきらぼうで愛想は悪いが、実は良いおっちゃんだったのだと知り、人を見かけで判断した自分を情けなく思った。


「そうだな。掃除終わったら、病院連れてくべ。とにかくこの日陰にいれば安心だ。」


結局、私達親子の出る幕はなかった。
猫は、衰弱しており、また蚤も多く毛並みに艶もない状態。余程のことがなければ拾って貰えないーそんな風貌だったが、それを何の躊躇もなく助けたあの男性に、人の温かさを貰った一日だった。




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ラブ・レター

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外出先から帰宅すると、つい期待しながらポストを覗いてしまう今日この頃。
Yさんへ、紫陽花のポストカードを出してから、ほぼ毎日の習慣。
私が勝手に好意で出した、ただそれだけのことなのに、なぜこうも待ってしまうのか。
どうでも良い、ダイレクトメール。寿司屋の宅配チラシ、不動産の物件案内、それらを一緒くたにぐしゃりと丸めてごみ箱に捨てたが、少しも気は晴れなかった。
文通は、メールと違い、返信に手間が掛かる。
なので、多少のタイムラグがあるのはおかしくはない。それでもー、Yさんなら、すぐに返事をくれるのではないか?という淡い期待がどこかにあったことは否めない。 遠い先の先の将来にまで、思いを馳せていたのだ。
これを機に、文通が定例となり、たまにこちらに遊びに来たYさんとお茶をする。この文通が何十年も続けばー、互いに心を許し合える仲になるのではないか?
社交的で、人間関係の広い彼女だが、そんな彼女の心の拠り所になれたらー
おこがましいが、あの病気の事実を告白してくれた去り際、その資格が少しは私にあるのではないかと思ったのだ。




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何日もポストを覗き、それから携帯メールの受信ボックスも眺める。
しかし、たまに受信したかと思い、飛び跳ねる気持ちを抑えて確認すれば、夫からの身勝手なメールだったり、携帯会社からのお知らせメールなのが常だった。
ぼーっとしながら、Yさんを宛先にした新規メール作成画面を開く。そこに、もやもやする気持ちを書き連ねた。


ーYさん、ポストカード届きましたか?私、Yさんが喜ぶかなって思って、学校裏の紫陽花の写真を撮ったんです。でも、Yさんにとってはもう過去のことなんですかね? この地も、ここの人達とのことも、Yさんにとってはもうどうでも良いことなのかもしれないですね。私は、残された立場だというのに、いまだYさんのいてくれた過去から動けずにいます。 それくらい、私にとってYさんは大切な存在だったんですー


そこまで打ち込むと、勢い余って送信ボタンを押してしまった。




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頭のてっぺんからつま先まで血が駆け巡り、慌てて携帯を操作すると、送信ボタンを押してしまったと思っていたが、実際は「下書き」保存されていただけだった。
安堵のため息をつきながら、誤って送信ボタンなど押してしまったら大変だとすぐに「削除」ボタンを押した。
まるで、ラブレターのようなそれは、いくらYさんでも引くに決まっている。
暑中お見舞いー今度はひまわりの写真を撮りに行こうか。
一方通行でも構わない、私はYさんが好きなのだ。 ギブアンドテイクを求めるべきじゃない。それは、ただの押しつけだ。
しかし、彼女にとって私からのポストカードが、先程捨てたダイレクトメールと同じ価値だったらと思うと、胸の奥がチクリと痛むのだ。




素晴らしき順応性

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駅前に、大きなストアーが新設された。 そのストアーで買い物をし、ポイントカードを新しく作ろうとサービスカウンターへ向かった。
思ったより人の列は少なく、なんとなしに並ぶ。奥の方では、贈答用だろうか?数人の女性が笑いながらラッピングをしているのが見えた。そういえばー、このストアーでは春頃、大量にオープニングスタッフを募集していたっけ。一瞬心が揺れたが、しかしあまりにも近隣過ぎて、顔見知りに働いているところを目撃されることを思うと、結局応募出来ずに終わったのだ。
制服姿の女性が、くるっとこちらに体を向けた。そして、その女性がGさんだということに気付いた。制服姿にまとめ髪で全く気が付かなかったが、相変わらず整った色白の日本美人だ。
ー彼女、働き始めたんだ・・そして、とても馴染んでいるように見える。さすがGさん、どの環境下に置いてもすんなりと自分を出せる人は出せるのだ。見知らぬ女性スタッフと声を上げて笑っているその姿は、あのスイミングでの待ち時間に面白おかしくお喋りしていたトーンと変わっていない。


「次の方~、ではこちらの用紙にご記入下さい。」


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私の番になり、カウンターに進んだ。ちらっとGさんを見るが、また後ろ姿になってしまい、これでは挨拶も出来そうもない。そもそも向こうは仕事中だ。声を掛けるのも悪い。自分に都合の良い言い訳を考え、結局彼女のことは気が付かなかったということにした。
新しいポイントカードを受け取り、言いようもない焦りを覚えた。いつもの焦りだ。
次々と、周囲が自分を確立しているということ。家事育児以外のー名前で呼ばれる居場所を。Gさんは、私と同じく一人っ子親だ。以前、素敵ママが彼女に働かないのか聞いたことがあった。それに対し、全く働く気はないと言っていた彼女。家にいるのが苦ではないし、引きこもってお菓子を食べながら海外ドラマを観られるのが至福の時だと言っていた。明るく友達も多い彼女にしては、意外だったことを覚えている。そして、それを聞いて尚更、ママ友になりたいと思ったものだった。
彼女は違う小学校だったが、PTA役員と息子さんの入団しているスポ小役員を兼任し、自分の趣味としてテニスサークルにも入っており精力的だった。家で引きこもっているのが好きだと言いつつ、しかし実際のところは外に出ていることの方が多い事実を踏まえてのインドアな感じは、かえってそのギャップで誰からも好感を持たれるのだろうと思う。私のように、聞かなくてもインドアだと分かる人間がそうなのとは訳が違う。


ー所詮、私とは違う土俵の人・・


楽しそうな、懐かしい声を背後に聞きながら、受け取った新しいポイントカードを財布に仕舞う。
違う土俵だと言い聞かせても、それでも焦りはなかなか消えなかった。どんな人でも、最初は少しの勇気と行動力が必要で、それはポジティブネガティブ関係なく、平等なもの。
「今」に不満を抱えつつ、動けないのは何故だろう?先延ばしにしてしまうのは?
ネットサーフィンをしていて見つけた、やるべきことを先延ばしにしてしまう人間心理、それを猿に見立てて論文化した、ティム・アーバン氏の話に納得させられる。




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小さな大人

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子が初めてクラスメイトを連れて来た。
最近、放課後になるとすぐに家を飛び出し遊びに行ってしまうのだが、正直どんな子と遊んでいるのか気になっていたので、顔を合わすことが出来て良かった。 連れて来た女の子達は、みこちゃん入れて4人。皆、両親共働いており、家に帰っても誰もいないので、ほぼ毎日のようにつるんでいるという。


「習い事とか、してないの?」


「うん。お金が勿体ないからしなくていいってママが言ってる。習字セットも買ってくれなかったんだよね。全部百均にさせられて恥ずかしかったよ!」


あっけらかんとした表情である子が言った。


他の二人も、上に兄弟がいるが、中学生で部活に忙しかったりで家にいても暇を持て余しているらしい。夕飯までに、母親は帰宅するらしいが、しかし宿題などを見てくれず、とにかくたまった家事に忙しそうでろくに話も聞いてくれないとぼやいていた。


「あかちゃんの時から保育園だったし、ママがいつも忙しいのはいつものことだよ。OOのママは暇そうでいいね!」


子供の悪気ない言葉が胸に刺さる。暇そうーか。子供にもそう見えるのだから、大人からはもっとそう思われていても当然のことなのかもしれない。
みこちゃんは、久しぶりだが何度か来たことのある我が家を、既に馴染みであることを自慢するかのように、他の友達にトイレや洗面所の場所、子のおもちゃ部屋に誘導しつつあれこれ説明している。


「あのー。今日は突然お邪魔してしまってすみませんでした。いつもOOちゃんにはお世話になっています。お菓子は母に食べるなと言われてますので、私にお構いなく。」


まるで大人のような挨拶に驚きつつ、笑顔でそれに応えようとすると、


「それで・・申し訳ないのですが、宿題だけ済ませてもよろしいでしょうか?机と椅子を貸していただけたら助かるのですが。」


Gちゃんー礼儀正しいが、ちょっと妙な癖を持つその子は私にお伺いを立てて来た。


「あ。うん。どうぞ、ここで良かったら。」



Gちゃんにダイニングの椅子を勧めた。
他の子供達は、子も含めてわいわいきゃーきゃー子供部屋で遊んでいる。しかし、Gちゃんにその声も届かないのか?気にならないのか?黙々と宿題を進めているその佇まいに、正直戸惑いを隠せなかった。


「終わりました。ありがとうございました。」


キッチンで夕飯の支度をしていると、Gちゃんが声を掛けて来た。おやつを出そうと思っていたが、食べないーそう言う子がいることでどうすれば良いのか困惑する。
他の子供達は手ぶらで来た。それは良いのだが、子がお腹が空いたと騒ぎ出した。


「皆も空いてるよね~、食べたいよね!!」


子が、友達を誘う。みこちゃんも給食を残して来たことを後悔するようなことを言う。


「あー、おかず全部食べてくれば、今頃お腹も空かなかったのに~」


もう一度、Gちゃんに聞いてみた。


「少しくらい、食べていかない?お腹、空いてない?」


「母に怒られますんで。でも・・・おせんべいくらいなら大丈夫かもしれません。虫歯になりそうなチョコレートや飴は禁止されてるんです。」




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どうしたものか・・おやつ入れを見ると、その日に限ってチョコ菓子やキャラメルなどの甘いものばかり。煎餅のストックはなく、塩っ気のあるものもなかった。
更に、備蓄倉庫をあさっていると、ポップコーンの種が出て来た。これだーと思い、Gちゃんに聞いてみた。


「ポップコーンなら、どう?」


「でも・・おやつはお金が掛かりますし、迷惑だと思いますからいいです。」


「これね、安いから大丈夫よ!種だから、普通に売ってるポップコーンが100円だったとしたら、これは10円!!」


「10円?それは安いですね。でも・・いいんですか?」


「いいよ、食べて行って。今作るからね。」


この会話で、Gちゃんの家は余程厳しい家庭なのだと垣間見えた。しつけにも、お金にも厳しい。
フライパンで即席に作ったアツアツのポップコーンを大きな皿に出し、後は冷たい麦茶、この日のおやつはこれだけにした。しかし、Gちゃんやみこちゃん、それに他の子供達は、思いの他大喜びだった。


「うわー!家でポップコーンって作れるんだ。すごい!OOちゃんのお母さん、お料理上手ですね!」


ただフライパンで炒っただけのおやつに、ここまで喜んで貰えたらお釣りが来るくらいだ。おやつを食べ終え、片付けまでしたのはやはりGちゃん。その後、子供部屋で遊んでいて興奮していたら、その音がうるさいのではないかと申し訳なさそうに謝りに来たのもGちゃん。私がリビングで雑誌を読んでいたら、


「私達の音がうるさくて、集中出来なかったらすみません。皆に静かにするよう言いますんで。」


5時のチャイム前に、Gちゃんは帰宅した。帰り際に、


「すみません。本当は片付けして帰りたいのですが、まだ皆が遊んでいるのでこのままでも大丈夫でしょうか?」


「あ、いいよいいよ、大丈夫だから気を付けて帰ってね。」


「はい。ありがとうございます。」


丁寧に頭を下げてから、まだ遊び続けている子らに向かって、帰る時には片付けをするようにと釘を刺しているのが見えた。どこまでも、しっかりとした子供だった。

他の子は、結局6時過ぎまで帰らなかった。5時に帰るようなんとなく説得したのだが、門限は6時半だと言い張るし、いつも外で遊ぶ時も、子は5時前に帰宅するが、彼女らはそのまま遊び続けて7時ーという日もあるらしい。しかし、親に怒られたことはないと言う。
6時になり、まだ日も出ていたが、散歩がてら子と共に彼女らの自宅近くまで送って行った。いくら親が大丈夫だと言っていたとしても、もし何かあればその責任はこちら側に回る。

自宅に戻り、床に散らばったポップコーンを集める。これは、Gちゃんが落とした物ではないのは確かだーと思いながら。
子供に気を遣われ、正直こちらも気疲れした。Gちゃんは良い子なのだが、良い子過ぎて疲れるのだ。みこちゃんらのように、食い散らかして大騒ぎし、片付けも甘いーそんな子供達の方が気楽だと、色とりどりの子供用カップを洗いながら思うのだった。




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無趣味からの脱却

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一眼レフを数年前に手にし、写真を趣味にしてみようと思ったものの、結局運動会などの行事ごとにしか出番はなく、普段のちょっとした残しておきたい一瞬は携帯カメラを使うことが多い。
カメラの何が面倒かって、まず荷物になること。買い物がてらふらっと目にしたアジサイが綺麗だと、ついシャッターを押したい衝動に駆られる。
しかし、事前にカメラを持参してまで買い物に出ようとは思わない。大袈裟過ぎるのだ。
本当に好きなことなら、あれこれいじって、オートなど簡単な手法ではなく、マニュアルを駆使して自分らしい1枚を撮りたいと思うのだろう。
しかし、そこまでの情熱はない。下手の横好きでも自己満足でも、何かのめりこみたい事に出会えたのなら、時間をこうして無駄に過ごすこともないだろうに。

本屋に立ち寄り、趣味コーナーへ。カメラの雑誌をぱらりとめくる。今は女子向けカメラ雑誌が豊富にあり、どれもこれも可愛くお洒落だ。
若い女の子や主婦、またペットを撮りたい女性などその需要は高く、投稿コーナーには、私よりもずっと若い世代の女性が写した自慢の1枚がずらりと並べられていた。




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一際目を引く一枚ー


その写真を撮った女性は、写真ブログも開設しているらしく、あまりにも素敵な写真だったのでついその場で携帯から彼女のブログを探し出し、お気に入り登録してしまった。


ー癒し、それはまさにそう呼ぶのに相応しい、そんな写真だった。


久しぶりに湧く感情、それは、私もこんな写真を撮ってみたいという欲求だった。
衝動的に、そのカメラ雑誌を購入してから熟読している。そして、投稿にチャレンジしてみようかと思っている。何か目標を持った方が、この気持ちが持続する、そんな気がしたからだ。




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