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大掃除

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夫と子がゲーセンや本屋に行っている間、大掃除をすることになった。
休みに入り、家の中のあちこちをチェックしては、汚いと言われたからだ。私なりに、ちょこちょこ掃除をしていたつもりだけれど、夫の要望レベルには応えられなかったらしい。 普通なら、家族皆で分担をして行うのが大掃除だと思う。


ーここ、窓のところカビがすごいんだけど。


ートイレの換気扇のところ、埃がすごい。


ーワックス、かけた?


ー風呂場、水垢すごい。


普段仕事で忙しい時は、ロクに家の中のことなど見ず無関心だというのに、休みになればあれこれ目につくのだろう。まるで、小姑だ。
そして、子も子だ。楽な方に逃げて行く。まだ未就園児なら、外に出ていてくれた方が楽だけれど、もう小4の女の子なら戦力になるし、家族なのだから家の掃除を手伝うのもしつけの一つだ。
なのに、夫は一人で掃除から逃げることは多少バツが悪い思いなのか、子と一緒なら「面倒を見る」という免罪符が出来るので連れ立っての外出なのだろう。
取り敢えず、やったこと。夫に指摘されたところ以外では、 冷蔵庫の掃除、押し入れなどクローゼット、キッチン、靴箱、子供部屋など。正直、表面的な掃除しか出来なかったしする気力も湧かなかった。
これで文句を言われたら、言い返す心積もりだ。なんで専業主婦だからといって彼らが汚したすべてを請け負わなければならないのか?今年ももう終わるというのに、苛々は募るばかり。




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帰省義務

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年末年始で頭を悩ますこと、それは、一家揃って互いの家に出向くことだ。
義実家に行くのも憂鬱。長時間、蚊帳の外。まだ、あれこれ手伝いをさせてくれたら居場所もあるのに、義母がキッチンに他人を入らせたくないのか気を遣ってくれているのか、どちらにしても私の出る幕を与えてくれない。 小姑が3人もいれば、実の娘にあれこれ頼む方が気楽なのだろう。
しかし、その小姑との会話も弾まない。彼女らがあまりにも自分と違う人種で堂々としているものだから、すっかり萎縮してしまう。そして、それを恐らく見透かされているのだから尚、居心地が悪い。
逆に、実家に行くのもまた憂鬱。夫が憮然としているからだ。実母はそれが気に入らない。愛想笑いも無く、気を遣って話題提供をすることなど皆無。実母は夫のことが大嫌いという態度をあからさまに取る。 間に入った私が一番気を遣い、しかし何をしても報われず、結局気まずいままの数時間。
帰省ーこんな慣習を作ったのは誰だろう?慣習があるから親は期待するし、子はその期待に応えなければという義務感に駆られる。
盆と暮れー、本当に気が滅入る。




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手抜き料理

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クリスマスが終わり、年末。
スーパーの装いもガラリと変わり、師走の気忙しい空気に満ちている。
夫の年末年始休みも近付き、親子水入らずの休みもあと少し。夫が家にいることで、余計な用事が増える。それに、気疲れもする。

連日、忘年会と称した飲み会で夕飯の支度をしなくて済む今月は、正直子と二人きりの食卓なので手抜きばかり。
流石に、クリスマスはきちんとした料理をこしらえたが、それだけでやり切った感ー、力尽きてしまった。

朝は、ご飯派の夫に合わせてきちんとしたもの。卵料理にサラダ、ハムに納豆、漬物にひじき煮などと味噌汁にご飯。卵料理は魚になる時もある。 昼は、大体麺類。
最近はまっているのが、にゅう麺。夏の安い時に大量買いした素麺がまだまだあるので、それをラーメン風にアレンジするのだ。
といっても、ガラスープを作り、適当に野菜を入れて少しの肉とコーン、それに最後にはネギと海苔をトッピング。紅ショウガや胡麻をかけてもいい。
金も掛からないし、何より温まる。この時期にもってこいの節約料理。
夜は、オムライスにしたり、またポトフやカレーなど簡単に。

子が、サンタに貰った体の新しいゲームに集中している。手の込んだ料理を作らなくても良いので、空いた時間、コミュニケーションを取る。
正直、子の遊ぶゲームに興味は無いけれど、興味のあるそぶりを見せると子は嬉しそうにあれこれ教えてくれる。その瞳の輝きが、まだ幼かったー、私にじゃれついていた可愛らしい頃と重なるからだ。
子供でも大人でも、誰でもー、自分の興味のある分野に共感して貰えれば嬉しい。そして、一人で黙々とゲームをさせるよりも共に遊ぶ方が、健全に思う。




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子の出来不出来と親の評価

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母から電話があった。つい先日話したばかりだったので、何があったのだろうと思ったが、単に義両親からお歳暮が届いたとの連絡ーそしてその内容物の愚痴。


「食べない物、送って来られても困るのよね。処理しきれないわよ。」


第一声が、これだ。不平不満しか口に出せなくなっているのだろうか。話題を変えたく思い、つい子のことを話してしまった。挨拶の件だ。珍しく、会話の途中を遮らず、黙って私の話を聞く母。 一通り、話が終わると、受話器越しに大きなため息が聞こえた。


「あんたの時は、ちゃんとしてたのにね。うちじゃないわね。」


つまり母が言いたいことは、孫の悪いところは全て夫方の血筋にあるということだ。そして、夫が実家に来た時の態度を持ち掛ける。


「あんたの旦那だってそうじゃない。ロクに挨拶出来ないし、愛想悪いし。父親を見てるからそうなるのよ。あんたが子供の頃には考えられないわね。私はちゃんとしつけてたわよ。」


ー言わなけりゃ良かった。


すぐに母に子のことを話したことを後悔したが、時既に遅しだった。
私が子供の頃、母と歩いて顔見知りに会えば、張り付いたような嘘の笑顔を精一杯浮かべて元気に挨拶をした。隣にいる母を見ると、満足気な表情だった。それを見て安堵した。
母の知人は、しっかり挨拶をし、敬語を使える私を大いに褒めた。勿論、それは回りに回って母のしつけを褒めているのだ。



ーお宅の娘さんは、本当にしっかりしているわね。きちんと挨拶してくれて、本当に感じの良い子ね。


私は「良い子」だった。それは、母が怖かったからだ。良い子でなければ、母は私を見捨てると思ったからだ。本当なら、笑顔で元気に挨拶だなんて私の性に合わなかった。無理していたのだ。 しかし、母にとって子の評価とは、イコール自分の手柄。内心、子供がどう感じているかなどどうでも良いことなのだ。
くどくど夫と義実家の悪口を言い始めた母にうんざりして来たので、


「あ、ごめん、ちょっとインターホン鳴ってるからまた電話する。」


嘘を付いて、受話器を置いた。やはり、母に相談すべきではなかった。




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パーティー自慢

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団地の清掃で、エントランスで素敵ママと会い少し立ち話をしていたら、そのまま酒井さんらに合流。
子ども会行事の話になり、他のママさんも集まり、その輪から抜けるタイミングを失った。愛想笑いをしつつ、しかし素敵ママは私に度々相槌を求めるかのようにアイコンタクトをしてくるので、それが好意なのを知りつつも有難迷惑だったりする。


「そうそう、こっちでスポンジは焼くから、いちごだけ買って来て貰える?」


「絞り袋はうちあるよ~」


「プレゼントはいつ渡そうか。」


また始まった、内輪の会話。どうやら今夜、クリスマス会をするらしい。


「もう、うち5回目だよ~ケーキ作るの、子供も飽き気味。」


酒井さんが言う。彼女は顔が広い。色々なグループのそういった会に参加しているのだろう。素敵ママも、あちこちでそういったパーティーに参加しているようだ。


「パパ関係の忘年会ホームパーティーもあるし、この時期、家の中綺麗に保つの大変だよね。」


「大掃除もしたいけど、もうぐっちゃぐちゃ。」


「えーー、いっつも綺麗にしてるじゃん!大掃除なんて必要ないって!」


「いやいや、OOちゃんちには負けるよ~、モデルルームみたいだし!」


歯の浮くようなお世辞が行き交う。ママ社会特有の、ヨイショの空気。互いを褒め合い、認め合い、そして内心自分が一番だと思っているーそんな空気感が大嫌いだ。


さり気無く携帯を見ると、既に1時間も経っていた。勇気を出して、


「じゃあ、私はこれで。」


失礼した。


「よいお年を~」


素敵ママが、華やいだ声で私に声を掛けた。


「よいお年を。」


一応、私のことなんてお構いなしに話に花を咲かせるご近所さん達に向かっても挨拶をし、その場を後にした。エレベーターに一人乗り込むと、まだ朝なのに一日の疲れがどっと出た、そんな気分だった。




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お菓子ブーツ

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しまったー


そう思った時は遅かった。
クリスマスの朝、枕元にプレゼントと共に置くお菓子のブーツが子に見付かってしまったのだ。
うかつなことに、すぐに出せるよう物置の手前に置いていたのが運のつき。


「ママ、セロテープの替え、どこ?」


ふいに聞かれて、倉庫にあると伝えてしまった。子が、セロテープ片手になんとなく微妙な顔をして出て来たのをその時は気に留めて無かったのだが、少し落ち着いて思い返してみたら、長靴と子の表情が重なり、もうその時は手遅れだった。


ー新たに買い直すか?


それも考えたけれど、1000円以上もするそれを買う気になれない。しかも、ああいった長靴菓子の中身はしょぼい。まさに、見掛け倒しだ。 もう10歳だし、長靴を辞めても良いのでは?と思い直しつつ、まだ迷っている。さて、どうしようか・・・ デパ地下などで、美味しいクリスマス仕様にラッピングされたチョコレートやクッキーが売っている。そちらの方が、喜ぶー子はもうそんな年齢なのかもしれない。




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山小屋で飲む珈琲

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昨日も全身運動をしに、プールへ行って来た。
しかし、半分のレーンは主婦向けのアクアビクスで埋まっていた。
更衣室がほぼ満杯で、いつもは静まり返っているその場が、女性が集まった時特有の、わざとらしい盛り上がりに辟易する。いつまで経っても、この空気が苦手。

ウォーミングアップに、水中を歩く。嫌でも、大音量のクリスマスソングが耳に入って来る。こういった定期的に行われるグループレッスンに参加する女性達は、大抵友達同士で誘い合わせて来ているのだろう。
まるで、女学生のように和気あいあいと、楽しそうに踊っている。それを見ている自分が、なんだか物欲しげな気がして惨めになり始めた。歩くのをやめ、水中に潜る。
ひたすら、泳ぐ。黙々と、一人きりで。

人間は、生まれてくる時も死ぬ時も一人だ。
だから、生きている間、誰かを求め続ける習性があるのかもしれない。そしてその誰かとは、手を繋いでも決して一体にはなれない。たとえ、血を分けた親子でも。
全身がだるくなるまで泳ぎ切り、いつもより早目にあがった。シャワーを浴び、十分に髪を乾かさなければならない更衣室で、またあの騒々しい中にいなければならないことが耐え難かったからだ。
プールサイドから、賑やかな集団を横目に、やはり一抹の寂しさを無視することは出来なかった。そんな未熟な自分が恥ずかしく、情けなかった。凛とした大人になれないアラフォー女、、それが私だ。

自宅に戻ると、ポストに小さな小包があり、宛先が私になっている。裏を返すと、Yさんからだった。早く封を開けたい気持ちを堪え、のろのろ運転のエレベーターに乗り込む。
家に上がり、手も洗わぬまま丁寧に鋏を使い封を開けた。
中からは、可愛らしいリースの描かれたクリスマスカード、そしてジンジャー紅茶のティーバックセットが洒落たラッピングに包まれて現れた。カードには、ほんの一言。


ーメリークリスマス!お元気ですか?ご無沙汰しています。春辺り、そちらに遊びに行けそうです。会えたらいいね。


Yさんらしい、さっぱりとしたーしかし暖かい言葉。胸がじんとなる。吹雪の中、山小屋で熱いコーヒーを差し出されたような、そんな感覚。
こんな暗くて地味な私でも、細々とだが「繋がり」がある。その幸せをもっと噛み締めて、大切にして行きたい。早速、お礼を兼ねた返事の手紙を書こうと、文具店に行く予定がまた私の心を温めるのだ。




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反抗期

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子を𠮟りつけ、その日はそのまま口を利かずに就寝した。
嫌な気分だ。
朝になり、気持ちを切り替えて普段通り接するが、子は私に視線を合わせようとしない。夫とばかり会話している。


「はい、これ飲んで。」


「はい、今日は寒いからこれ着て。」


「髪がはねてるから、ちょっとおいで。」


つい、子のご機嫌伺い的な行動を取ってしまう。子は、私が話し掛けると素直にそれに応えるが、しかし、いつものように自発的に話し掛けては来ない。 気まずい沈黙。


「行ってらっしゃい。」


二人を見送る。
そして、そんな私達の様子にさっぱり気が付かない夫は、家のことに無関心だと言うことだ。明らかに子の様子がおかしかったというのに、私にも子にも何も聞いては来なかったのだ。
母と娘とのいざこざに、父が中和剤として活躍することは、我が家では今もこの先もあり得ないことなのかもしれなかった。



朝はバタバタする。寝室兼、子の部屋を片付ける。文具やノートが相変わらず散らばっている。ため息をつきながらそれらを片付けた。一冊のカラフルなリボンが表紙になっているノートを手に取ると、なんとなく胸騒ぎがしてそれを開く。 自由帳だ。
パラパラめくると、少女漫画風に描かれた女の子や四コマ漫画、それにすごろく?のようなものが書かれている。


ーまだ、幼いな。


そう思い、次のページを捲った時、心臓が凍り付いた。


「ウルサイババア!!」


筆圧の濃い殴り書き。ドクドクとどこからか音が聞こえたが、その正体が自身の心臓音だと気付いた時、我に返った。


ーなんだこれ?私のこと?いつ書いたもの?そもそも子が書いたもの?


頭の中はパニックだった。こんな汚い言葉を、子の口から聞いたことが無かったからだ。そして、その汚い言葉が私のことを指している可能性を考えると、途端に具合が悪くなった。
我が子のことが分からなくなった。そして、親子といっても、私と実母がそうであるように、相容れないものがあるのだと気付き愕然とした。




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しつけの時期

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部屋に入り、そこで爆発した。


「あの態度は何!?」


子は、私の豹変ぶりに少しビクっとし、そして固まった。その様を見ていたら、更に溢れ出る感情を抑えることが出来ず、


「約束、したよね?挨拶するって。自分からじゃなくてもいいから、挨拶されたら返すって。もう10歳でしょう!?そんな難しいことママは言ってないよ?」


「次はする!」


お決まりの常套句が、更に私を苛立たせる。


「次っていつ?次ってもう何度言ってる?何度裏切るつもり!?ママがして欲しいことが出来ないのなら、私も金輪際あなたのして欲しいことはしません!!自分で何でもやりなさい!」


「するするするするー!!!」


まるで、駄々っ子のように子が泣き出した。私が子を泣かせたのはいつぶりだろうー思い出せないくらい前。それ程、私は子を最近𠮟りつけていなかったし、気になるところも見過ごして来たのだ。


「泣いたって、もう信じられないわ。いつも口だけなんだから。もううんざり!私があなたのことこれだけしてるのに、あなたって子は・・」


「ごめんなさーい!!」


子が、謝れば謝る程、私の怒りは高まるばかりだった。しかも、その涙が噓泣きにまで見える。私が思う程、子は私のことなど思っていないのかもしれない。
母の日だってスルーされた。あの時も残念な気持ちになった。そしてその時のことを思い出し、急速に子への気持ちが冷めるというか、なんだか母親として虚しい気持ちが降って湧いた。


ー私の愛情なんて、子に全く伝わっていないのかも。


それと同時に、夫の顔が浮かぶ。夫と子が重なるーというか、子が夫に見えた。それを確信したのが、1時間もしないうちに子が笑って漫画を読んでいるのを目にした時だ。
もう、手遅れなのか?
しつけの時期を過ぎてしまった?ぐるぐる考えていたら具合が悪くなり、それから逃れるように、戸棚の下に忍ばせているワインを湯呑に注いだ。




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しつけ

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挨拶の出来ない子に育ててしまったな、と最近思う。
私が思い描く子供像から、だいぶ掛け離れてしまった。
それまでは、まだ幼いから挨拶の重要性を感じていないーだとか、シャイな子だからーだとかで誤魔化して来たけれど、もう10歳。
成人の半分の年になったこともあり、やはりきちんとそこはしつけて行かねばと思い始めている。
野球や格闘技などの習い事をしていると、挨拶が身に付くとも聞く。子はそういった機会が無いので、親が逐一言い続ける必要がある。
子と買い物先で素敵ママに出会った。


「あら、こんにちは~」


弾けんばかりの笑顔で素敵ママは私達に挨拶をしてくれたが、子はそっぽを向いたまま。私は笑顔で返すが、結局最後まで子の声を聞くことは出来なかった。それに追い打ちを掛けるように、


「コンニチハ!!」


素敵ママの下の子ー、もう来年は幼稚園に上がるSちゃんが、元気に私達に向かって挨拶をして来たのだから、さすがの子もばつの悪そうな顔をした。
自宅に戻り、「挨拶をしよう」と約束をした。子は、テレビを観ながらだが相槌を打った。しかし、それから後に、何度もそういった機会に出くわすが、やはり挨拶の声は聞こえない。
団地の清掃をいつもしてくれている男性が私達に向かって挨拶をしてくれた時も、お隣さんにエントランスで出くわした時も。
決して、私の声が子の声を掻き消している訳ではない。その都度、子に何故挨拶を返さなかったのか聞くが、


「次はする!」


と強く言う。それを信じて、その時はそれ以上咎めずに次の機会を待つ。そして、何度もそれを繰り返すうちに、私の方でも焦りが出て来た。


ーこのまま一生挨拶の出来ない子になったらどうしようー


また、私の言うことを適当に受け流しているだけなのかとも思えた。
反抗期もあり、母としての私を軽んじているのかとも。そう思うと今度は怒りが湧いて来た。
二人で出掛け際、


「もし、誰かに会ったら、ちゃんと挨拶してね。」


「分かった、分かった。」


その答え方が、なんだか適当な気がしたけれど、きっとしてくれると信じて外に出た。エントランス横で団地の清掃をする男性が見えた。小声で、


「いい?してよ。」


「・・・」


「こんにちは。」


男性は、愛想の良い人。以前担当だった強面の人ならば、私だってそこまで強要しない。しかも、あちらから挨拶をしてくれた。


「こんにちは。」


「・・・」


「寒いですね。今日は、娘さんと?学校はもう終わったのかな?」


なんと、男性は子に向かって愛想よく話し掛けて来てくれた。しかし、子はそれに答えないし、振り向いて見てみるとふてぶてしい表情だった。決して恥ずかしがっているようには見えない。
なんだかかったるそうなー、面倒臭そうな顔。内心、そうではないのかもしれないけれど、母から見てそう見えるのだから、他人からしたらもっと無愛想に見えると思った。


男性は、応答の無い子に少し戸惑った笑顔を向けつつ、私に向き直り、再度会釈をしてくれた。私も、心は凍り付いていたが、精一杯の笑顔で会釈し返した。
そのまま近くの酒屋へ行ったのだけれど、牛乳と卵を買い、その帰り道もずっと互いに口を利かないままだった。失望と怒りが混ぜこぜになったような、そんな感情の高ぶりを必死で抑えつつ自宅に戻った。





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お礼のタイミング

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ピアノの発表会が終わり、先生へのお礼を渡すのが常識だとネットで知り、早速デパートへ菓子折りを買いに行った。
値段にして、3000円程度のもの。商品券や現金の方が良いのか頭を悩ませたが、まだ習い始めて間もないのと、一度、そういった形式を踏めば、途中で辞めることが出来ない。
「物」であれば、値段も調べない限り分からないし、おぼろげな方が何かと好都合だ。
発表会が終わって、先生宅にお礼を渡しに行った。


「あらあら、まあ、すみません!お心遣い、ありがとうございます。」


やはり、渡して良かった。先生の反応を見てそう思う。別に贔屓して欲しいわけではないけれど、先生だって人間だ。何もしてくれなかった生徒としてくれた生徒を比べた時、レッスンに熱が入るのはやはり後者だと思う。 一息ついて、何もかもが終わった気になったが、はっと気付いた。


ーお歳暮はどうしたら良いのだろう?


慌ててネットで検索する。やはり、渡すのが常識で、それこそ一年のお礼なので現金やクオカード、商品券を渡すのが主流らしい。
しかし、年内のレッスンは次で終わり。お礼を渡して1週間も経たないうちにまたお礼?何だか腑に落ちない。
それに、今更だけれど、お歳暮を発表会のお礼に兼ねて豪勢にしても良かったと後悔する。


クオカードが良いのか?
それともまた菓子折り?
先生も、我が子だけが生徒ではない。同じような菓子折りをいくつも貰い、その処理に困るのではないか?


考えれば考える程、どうしたら良いのか分からなくなって来た。本当に、子供には金が掛かる。




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夢中になれるもの

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ピアノの発表会に触発され、私のピアノ熱も再び高まりつつある。
勿論、ほぼ未経験に近いところからのスタートなので、練習曲はとてもじゃないけれど低レベル。
最近始めたのが、「喜びの歌」だ。ベートーベンの曲というだけで、なんだかピアノが上手くなったような気になる。
また、既に知っている曲で、耳が覚えていることもあり、譜を読むのも案外すんなりだった。
ある程度弾けるようになると、他の人が弾くとどう聴こえるものなのか知りたくなり、無料動画を再生する。
出て来た子供達は、殆ど未就学児童。しかし、その関連動画でエリーゼの為にや子犬のワルツなどを流暢に弾く子供達の動画もあり、聴いてみると、大人顔負けの演奏だ。
喜びの歌レベルの曲で喜んでいる自分が、何だか恥ずかしくなる。しかし、陶酔しながら弾く彼らの動画を見ているうちに、こんな風にロマンティックなメロディを自由に奏でることが出来たなら、なんて気持ちが良いだろう。
そして、私も40超えたが、今からでも遅くないのでは?と妙なポジティブ精神が湧いて来た。

子は、やはりスポンジのような吸収力で次々と教本を進めて行く。正直、それを羨ましく思うが、若さは金で買うことが出来ない。尊くも儚いものだから、「今を生きる」ことこそ、先の自分の支えとなるのだ。




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ワンコインのご褒美

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雑貨店をぷらぷら見て回っていると、クリスマス用品の隣には既に正月用品のディスプレイ。リーズナブルだが可愛らしいものが多々置いてあるこの店は私の気に入りの一つ。
予算は500円と決めて、自分の中でボーナスーそんなものはないけれど・・主婦として1年間頑張ったご褒美として何か買おうと決めた。
いつもはウィンドウショッピングとして何となくふらふらするだけの店内だけれど、いざ購入を決めると、目を皿のようにして商品に向かう私がいる。
女性客でごった返している通路。一際、人だかりが出来ているコーナーは、クリスマス用品が置かれた棚を通り越して正月用品の置かれた棚。


来年の干支は犬。犬関係の食器や置物が盛りだくさん。そして、豆皿などの正月らしい食器。決して料理は得意ではないけれど、こうした雑貨を見ているとついつい欲しくなってしまう。 正月飾りを自分で作れるキットも人気だ。しかし、私にはセンスが無い。店内の見本を見たら、とても素敵な飾りだったけれど、そのまま作れば千円掛かってしまう。
安く済ませれば、貧相な物が出来てしまいそうなので却下。

可愛らしいポチ袋も目に留まる。立体的な犬がワンポイントとして貼られたもので、つい手に取ったが棚に戻す。自宅でプリントして作れば無料だ。これは無駄遣い。
豆皿を家族分の枚数買い物かごに入れる。しかし、これをどう使うのか?夫の実家で豪勢なお節をいただくのだ。これも却下。
そうしているうちに、人に酔ってしまった。
来年の手帳売り場へ。
素敵なデザインのものがずらり。毎年手帳に悩まされる。予定など殆ど無いし、あったとしても自宅の家族誰もが見られるカレンダーに手書きで記入している。手帳をわざわざ見返すことなどない。 強いて言えば、夫から受ける嫌な思いを書き殴る日記的なメモとして使っているけれど、そろそろ何年分か溜まって来たそれを何かの機会に本人に見られないうちに処分しなければならない。 手帳も、私にはいずれ不要なゴミになるだけのノートなのだ。

500円で買ったものは、結局子の物だった。可愛らしいお花柄の卓上カレンダー。それに小さなペンケース。以前から、ちょっとした野外授業などに持って行く簡易的なペンケースが欲しいと言っていたのだ。 二つ合わせてワンコイン。子が女の子だと、自分の買い物でなくてもいくらかストレス発散になる。
ほんの数時間のショッピングだったが、だいぶ気分転換になった。ネットとは違い、実店舗を回るのは疲れるが楽しい。




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12月の街並み

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もうすぐクリスマス。
子は、小4。もうサンタクロースの正体について、薄々気が勘付き始める頃だろうか?本人は何も言っては来ないけれど、まだ信じているのだと思いたい。
欲しいプレゼントは、勿論、DSソフト。そろそろ夫に頼んでネット注文しなければならない。

この時期の街並みが好きだ。
都会のキラキラ輝くイルミネーションや、クリスマス仕様のウィンドウディスプレイも素敵だけれど、スーパーのレジ店員がサンタの帽子を被り、また安っぽいツリーが店頭に飾られていたり、コンビニ やファーストフード店などで、チキンやケーキの予約受付のポスターを目にするだけで、何だか胸が躍る。
先日のリース作りの際、素敵ママがこんなことを言っていた。


「うちはね、毎年本物のモミの木買って来て飾ってるの。オーナメントは、子供が生まれた年から一つずつ集めていて、毎年それが増えて行くのが楽しくって。」


同じ団地に住んでいるというのに、何から何まで違う。
我が家はホームセンターで買って来たおもちゃのようなツリーに、百均で揃えたオーナメント。しかし、我が家もそれなりにオリジナリティ溢れるツリーなのだ。
子が、幼い頃に紙粘土で作ったオーナメントは味があるし思い出深い。素敵ママが集めている、ひとつ数千円はするのだろう高価なオーナメントに引けを取らないくらいのものだと自画自賛だ。クリスマスを指折り数えて待つこの時期、大掃除などやるべきこともたくさんあるが、気分は少し浮上する。




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ピアノ発表会

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週末はピアノの発表会だった。
夫の運転する車で会場に到着したのは、開演時刻ぎりぎり。ナビの到着時刻が進んだり遅れたりするのを目にし、私も子も気が気ではなかった。
大きなホール。壇上に置かれたグランドピアノ。あの舞台に我が子がたった一人で立つのかと思うと、不安と緊張が押し寄せる。しかし、それと同時に誇らしい気持ちも。
隣に立つ夫も、同じ想いなのか、ぐるりと一周辺りを見回すと、


「すごいな。」


ポツリと呟いた。
予想以上に人も多く、顔見知りがいるかどうかさえ分からない。それに、やはり親戚や知人を連れて来てる人々が多いのか、至る所に出来た輪は、普段私が恐れている女性特有のものではない、和やかな老若男女で出来たものが大多数だった。 私達家族は、こじんまりと隅に空いた席を探して腰を下ろした。
着席すると、ものの5分で司会進行の元、発表会が始まった。
プログラム表にある子の名前は、最初の方。トップバッターは恐らく教室で一番小さくピアノ歴も浅い子。たどたどし手つきで弾く姿に、客席は、微笑ましく見守る空気で一杯になった。
子の前の前の子が舞台袖へと姿を消すと、いよいよ我が子の出番だ。舞台袖に行くよう促し、緊張で硬くなっている子の背中を優しく押した。


「失敗しても大丈夫、普段通り、楽しんでおいで。」




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家や先生の自宅ではない、厳かな会場で弾くピアノ。楽しむ余裕など無いかもしれない。それでも、子の初めての舞台。それを辛い思い出にはしたくない。
きちんとお辞儀が出来て、丁寧に弾けたら笑顔でめいいっぱい褒めよう。
たとえ間違えてしまったところがあったとしても、頑張ったこと、やり遂げたことに意味があるのだから。
もう、この10年の間何度も何度も呼び掛け、聞いて来た名前が、アナウンスで流れた。子が、そろそろと舞台袖からグランドピアノのある中央に向かい足を進める。
私の心臓は、自分でも聞こえる程にバクバク音を立てていた。まるで、自分の中にある魂が抜けて、壇上でこちらに向かって深々とお辞儀をする子に入り込んだ、そんな不思議な感覚だった。
椅子に腰を掛け、子が鍵盤に手を置いた。後は、もう子の力を信じるのみだ。
少し、間を置いてから、ここずっと何度も何度も自宅で聴いて来た曲が流れ始めた。しかし、まるでそれは家で聴いて来たそれとは違うものだった。
それは、グランドピアノだからなのか、広い会場で音が反響しているせいなのか、そのどちらもなのかもしれないけれど、親のひいき目にみても、素晴らしく美しいメロディを奏でていた。 ピアノ初心者が弾く曲であっても、私にとってそれは「希望の曲」だったのだ。
そして、最後まで間違えずに弾き終えた子を認めた瞬間、我が子がまた私の手から巣立って行く、そんな切ない感情も湧いた。
子の成長は喜ばしいこと、それと同時に、切ないこと。
舞台を降り、子が私の元に照れたようなしかし精一杯やり遂げた安堵感の交じった表情で駆け寄って来た時、つい涙腺が緩んでしまった。


「すごい!良く出来たね!すごいすごい!」


予め決めていた台詞などすっかり忘れ、口から出たのはまるで小学生並みの感想だったけれど、言葉が心で思うよりも先に出るくらい感動したのだ。それは、子にも伝わったかもしれない。
子が、満面の笑みで応えてくれた。切なさが、少しだけ薄らいだ。




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欲しい物、買ったもの

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前向きになった途端、物欲が湧いて来た。

今、欲しいもの。

・ダウンジャケット
・カーディガン
・綺麗色のニット
・レインブーツ
・冬用ショートブーツ
・ナイロントートバッグ
・チェックのストール

ざっと挙げたが、まだまだ欲しいものはたくさんある。

そして、子のピアノ発表会にかこつけて、つい自分の服を買ってしまった。千円もしない綺麗目ブラウス、それにロングカーディガンだ。
家にあるもので済ませようと思えばそう出来たのに、欲望に打ち勝つことが出来なかった。

新しい服を手に入れると、一人ファッションショーの始まりだ。
タグを外すことさえもどかしく、それをつけたまま早速身に付ける。等身大鏡の前で様々な角度から見入る。
そして、家にある合わせたい候補のボトムや小物を一式持ってきて、あれこれ組み合わせては鏡の前で再度見入る。
しかし、どんなに服が新しくても、コーデがまあまあだったとしても、垢抜けないのが私。野暮ったいのだ。
これを素敵ママならどうセンス良く着こなすのだろう。いや、このままでも素敵だろう。
そして、どんなに頑張っても、スタイルだったり顔の造作だったり、また年齢には抗えないということだ。
眉間のしわを撫でる。これも、新しい服を台無しにしている一つの要因なのだ。




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小さな見栄

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実母から、電話があった。お歳暮の件だ。夫の実家に送る品物について、一応、私の意見を聞こうと思ったらしい。
というのも一つの口実で、ただ話を聞いて欲しかったようだ。
私にも言えることだが、普段から他人との接触が少ないと、身内との会話ですらうまくテンポを合わすことが出来ない。
人に質問をしておいて、こちらが答え終えるのを待つことが出来ずに、次の話題へと行くのだ。一体、何をそんなに急いでいるのか?


「OOはどう?元気?」


「うん、クラスメイトと放課後も仲良くやってるようだし、ピアノもー」


「そうそう!最近、私終活を始めたのよ!」


さっと切り替わる話題は、自身の体調のことや将来のこと。将来といっても、明るい話題では無い。限られた人生を楽しむというよりは案じることの方が多い母は、しかしプライドだけは高く扱い辛い。


「私の時は、密葬でいいから!誰も呼ばないで。ぞろぞろ来られても迷惑。あんた達だけで結構!」


こちらから、お断り感を出す。呼ばない以前に、では呼んだら来る人間はどれ程いるのか?何故、娘にまで見栄を張るのか?いいじゃないか、呼ぶ人間などいないと言えば。
それを、あちらからわんさか来るのをお断りという前提なのだから、痛々しい。
この手の話を母からされる度に、うんざりするのだ。
人付き合いが苦手なのだと、人が自分の回りに集まらないのだと、潔く認めれば良いのにそれをしない。
著名人が葬式をすると、何かと繋がりが多過ぎて家族に負担が掛かるので、密葬にするーというのは良く聞く話だ。母は、まるで自分もそれだと言わんばかりの物言いをする。 それが、娘としては聞いていて辛い。
こういう変なプライドが、私の嫌な部分を刺激するからだ。結局は、似たもの親子というところなのかもしれないけれど。




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人生を楽しくする方法

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久しぶり過ぎるボランティア。敬語ママも来ていたので、思ったよりスムーズにその場に溶け込むことが出来た、そんな気がする。
自ら働き掛けることが苦手。働き掛けても、自分の期待通りのリアクションが無いことがその要因だ。
思い切って話し掛けた時の、相手の戸惑う表情だったり、酷い時にはそのままスルーやあからさまに迷惑そうな態度。そういったことが連続すると、自分に原因があるのだと思い臆病になる。 挙動不審にならないよう、まずは敬語ママに向かって話し掛ける。あちらが私に好意的だと分かるので、身構えることもなかった。
敬語ママは忙しい人なので、私と少し雑談するとすぐに誰かに呼ばれて行ってしまった。
気が付くと、一人。ふと回りを見渡すと、誰もが誰かと会話しているような気さえする。
出入り口に人の気配を感じ、振り向くと前に話した清水さんがいた。思い切って、挨拶をする。


「おはようございます。」


「あ、おはよう!!」


フレンドリーに応えてくれた。荷物を置いて、彼女も特段話し込んでいる仲間内の方へ行こうとせずテーブルに置かれた資料を眺めていたので、私もその資料を取り、共通の話題を必死になって探す。 資料を読み込んでいるうちに、疑問がわいたので勇気を出して彼女に問いかけてみた。


「そうそう!私もこれ何なんだろうって思って。聞きに行ってみようか。」


一緒にスタッフ達の元へ行き、回答を得た。そこから一気に彼女と距離が縮まったような気がした。男の子3人のママというだけあってか、私と大違い。
さっぱりしていて豪快な人だ。
続いて、平井さんも来て流れで3人の会話。
作業に入り、つかず離れずになりながらも、近くになれば会話をし、離れれば一人きりになることもあったけれど、不思議と疎外感は無かった。 好きになれそうな人。清水さんに、そんな印象を持った。
人生を楽しくするには、いかに好きになれそうな人と出会えるかだ。




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決意

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気持ちは、前向きのまま。 この勢いで、今日はボランティアに出向くことに決めた。正直、久しぶりなこともあり怖い。
敬語ママが、私を見捨てずに声を掛け続けてくれたことも大きい。あと少しで彼女と別れてしまうのが本当に残念だ。
それでも、彼女が差し出してくれた人脈をどう生かすかは自分次第。
諦めずに、頑張ろう。

目標ー自分から一人でもいい、声を掛けること。




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スポーツの力

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「なんだ、これ。邪魔だな。」


玄関に飾られたリースを見て、眉間にしわを寄せた夫。朝から気分を悪くさせるこの表情を、出会って何万回見ただろうか。確かに、団地の玄関ドアに掛けるにはゴージャス過ぎるリースだけれど。


「優雅なもんだな。これ、一体いくらしたんだ?」


「無料でね、ご近所さんが教えてくれたの。」


予め、聞かれるであろうと用意していた答えを返す。


「材料費は?」


「それも無料。」


「ふうん。」


保険のことは言わずにおいた。隠している訳ではない、聞かれなかったから答えなかっただけー心の中で言い訳をする。
だが、玄関ドアを開けたり閉めたりする度に、この大き過ぎるリースが目障りだったのも確かだったので、夫が出勤してからそっと取り外した。代わりに、家の出窓横に吊るした。
なんとなく、その部分だけ、インテリア雑誌に掲載されても良さそうな空間になり、誰に見せる訳でもないのに写真を撮った。
そして、スイッチが入り、珍しくテキパキと家事を済ませ、10時になる前には綺麗さっぱりいつ夫や子が帰宅しても良い状態に部屋は片付いた。
最近、子が帰宅するギリギリまで布団の中やソファーで怠惰に過ごしているのが常だったのだけれど、一念発起、久しぶりに隣町のスポーツセンター内にあるプールへと出向いた。 寒かったが天気も良かったし、たるんだ体を引き締めたくなったのだ。
11時少し前に到着し、たっぷり2時間はいただろうか。ウォーミングアップに水中ウォーキング。25m×3回。続いて平泳ぎ。勿論、途中何度も立ってしまう。 それでも、ゆっくりペースで25mを4回。
休憩に、ジャグジーに浸かる。そこからぼんやりプール内を眺める。友達同士で来ている主婦も何人かいたが、見ず知らずということもあり気にならない。
男女年齢問わないこの空間は、図書館にいるのと同様に落ち着く。長らく来ていなかったことを少々悔いた。しかし、女である以上、やる気はあっても月1に来る例のもののお陰で出鼻をくじかれたり、また悪天候では車の運転が出来ないこともあり行くことが出来ない。 なんだかんだの理由をつけて来ないうちに、すっかりご無沙汰になってしまっていたのだった。

たっぷりの休憩を取ったあと、今度はクロール。懐かしい浮遊感。水と一体になる。外の音は遮断される。聞こえるのは、水の音と自分の体の中の音。
自分に集中する。体を無心になって動かしていることもあり、思考というものはストップされていた。それがまた心地良い。
クロール25m×4回。そしてまたウォーキング、そしてビート板を使いバタ足を少し。
腹が空いたと思い、室内の時計を見ると、驚くことに1時近かった。慌ててプールから出てシャワーを浴び、着替えて髪を乾かし外に出る。外は寒いはずなのに体中から熱を発しているのだろう、ポカポカしていてアウター要らずだった。
帰りに寄ろうと決めていた激安スーパーで野菜を購入。最近の野菜高騰には頭を悩ますが、きゅうりが3本100円で買えたのは嬉しかった。80円で売られている菓子パンに手を伸ばし、だが節約ーと手を引っ込めた。
家に帰れば、10円で買ったそばがある。それに夫の弁当で余った牛すきを入れれば、肉そばが食べれる。 体を動かすことにより、無駄なものを排除しようという気持ちが働く。そして、それは些細なことだが達成感に繋がる。 小さな達成感は、日々生きる為に必要な原動力だ。




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招待客

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発表会に、祖父母を呼ぶこと。
普段から、良好な関係を結んでいたら、それは自然の成り行きなのかもしれない。
だが、私の母は義父母を毛嫌いしているし、顔を合わせたくないに決まっている。また、毎日を充実させている金持ちの義両親に勝手な対抗心を燃やし、そのストレスを私に向けられるのは正直しんどい。 だからといって、実両親だけ招待することなど夫の手前出来るわけもない。
義両親だけ招待ーも考えたが、何かの拍子に実母にそれがばれたらと思うと、怖くてそれも出来ない。
そして一番は、子が以前義家族の前で無理矢理ピアノを弾かされて、プライドをズタズタにされたトラウマからか、


「じいじ達、呼ばないよね?」


と懇願して来たことで、誰も招待しないという結論に至った。
子が、皆に聴かせたい!と言えば、しぶしぶだが策を練って誰かしらを招待しただろう。しかし、建前が出来たことで、堂々と誰も招待しないという選択権を得たのだった。
夫は、最後まで両親ーだけではない、従兄弟や伯父叔母を呼ぶよう子に説得していたが、子は断固として拒否した。それに、夫も折れる形となった。
晴れの舞台ー、周囲は招待した親戚や知人から花束などの差し入れをたくさん貰うことになるだろう。
それが無いことがどれだけ寂しいものなのかー、そういった危惧もあるけれど、それでも親戚を招待する煩わしさと天秤に掛けた時、家族だけで見守ることが出来る環境は、子の演奏に集中出来るというメリットもあるのだと自らを納得させた。




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破れたカーテン

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放課後、久しぶりに子の友達が遊びに来た。どれくらいぶりだろう、気にはなっていたのだが敢えて本人に触れずにいた。だが、心配はしていた。
毎日のように来ていた放課後メンバーがめっきり姿を見せなくなってからというもの、子はピアノに没頭したり、たまにDSという日々を送っていたのだ。
私としては、日中一人きりなので、子がいる空間を少しでも長い時間過ごせることは嬉しいのだけれど。
遊びに来た子達は二人。この間、祭りで共に回っていたクラスメイトだ。
一人は快活そうな子。小柄だがショートヘアで、受け答えがハキハキしていた。もう一人は、女の子らしいタイプ。手入れのされたロングヘアを両サイド編み込みでハーフアップにし、ベロアのリボンバレッタで留めていた。 母親の趣味だろうか?身なりも品があり、可愛らしかった。
しばらくDSで遊んでいた3人だが、出されたおやつを食べ終えると、学校で流行っているというダンスを踊り始めた。


「OO、ダンスうまいよね。」


「前に習ってたからね。」


子は、褒められて得意そうだった。
しばらくして、ドスっと誰かが倒れる音がした。と同時に、ビリっと何かが裂ける音。どうやら、踊っていたショートヘアの子がバランスを崩し、倒れたようだった。


「大丈夫だった?」


「はい。大丈夫です。」


怪我が無かったのでほっとして、その時はもう一つの音の原因を探る頭が無かった。外が暗くなり始め、5時前に二人は我が家を後にした。それだけでも、行儀の良い子達だと思えた。
部屋の中も、そこまで散らかしている訳ではないけれど、一応、もう一度掃除機を掛けた。ふと窓辺に目をやると、レースのカーテンが大胆に破れていた。すぐに、あの時のものだと確信した。
このカーテンは、夫が選んだもので、確かまあまあ値が張るものだ。数万円したような気がする。変にこだわりのある夫は、掛けないところには掛けないが、掛けるところには掛けるのだ。それはもう、気まぐれに。

こういう時、はっきりした人ならば、すぐに事情をメールなり電話なりで伝えるのだろうか?まさか、弁償していただきたいだなんて角が立つから言えないけれど、あの時子供達の前で気が付いていたのなら、彼女らが親に「やってしまった」と伝えたかもしれなかった。勿論、素直な子という前提だけれど。 何となく、損した気分なのが正直なところ。こちら側だけモヤモヤし、相手方は何も知らないのだから。弁償して欲しいという気持ちよりも、事実を知って欲しかった。もしかしたら、子供の行き先さえ知らないのかもしれない。そう言えば、手土産も無かった。
それでも、久しぶりに子が友達を連れて来た、その事実は嬉しかった。




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間抜けなカモ

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別テーブルには、既に一人ひとりに対してのお茶が置かれており、一枚の用紙もセットされていた。 何かのアンケートだろうか?


「すみませんが・・こちらにご記入していただけますか?」


それまでの柔らかな表情から一転、瞳の奥に鋭さを感じる。今回の感想でも書くのだろうと用紙に目を落とすと、それは私の予想をはるかに超えた内容だった。
氏名や住所、それに電話番号に携帯番号とメールアドレス、ラインIDを記入する欄まである。ラインID以外は全て、項目の横に※必須と赤文字で書かれており、空欄にする勇気が私には無かった。 そして何より困惑したのは、以下の項目だ。


ーご加入の保険についてー


現在加入している保険会社や内容を記入するよう書かれていた。
正直、絶句だった。というか、こんなうまい話に乗っかった私が馬鹿なのだと思った。素敵ママは、私達3人がその用紙に向かいペンを走らせている間、講師の女性と談笑していた。 しかし、講師の意識は私達「カモ」に向けられているのは百も承知だ。


ーこのまま勧誘されるのか?もし、されたとしても、決定権は夫にあると逃げよう。実際のところそうなのだから。


心の中でそう思うが、素敵ママに対して再びマイナスの感情が湧いた。あの、いじめ事件以来だ。彼女もグルなのか?それとも、彼女は純粋にリース作りに誘ってくれたのか? そもそも、講師ー、彼女の友人?に対して面子を守る為に私を利用したのか?やはり、どうしたってもやもやしてしまう。




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「ありがとうございました!」


記入し終えた用紙を渡すと、満面の営業スマイルを講師ーいや、保険レディは私に向けた。そして、いくつものパンフレットが挟まっているクリアファイルを差し出した。


「よろしければ、ご検討下さいね。」


「あ、はい・・」


愛想笑いを返す。そして少しの間の後、何事も無かったかのように、


「そろそろ、リース乾いてると思いますよ。もう大丈夫です。」


あくまでも、リース作りの為の会だと言わんばかりに、私達の作ったリースの置かれたテーブルへ向かう講師。素敵ママも、


「早速、今日から飾ろう~」


華やいだ声をあげた。他の2名はどう思ったのだろう?こそこそ何か話している。その会話に加わりたい気持ちが湧く。しかし、名前も知らない彼女らの中に割って入る程、私はコミュ力が高いわけも無かった。
昼には解散。素敵ママは講師の片付けを手伝うという表向きの理由から、集会所に残ると言った。
自宅に戻り、早速、個人情報と引き換えに得たリースを玄関に飾る。有意義に過ごせたと思った時間は、ただカモにされた間抜けな時間へと変わった。




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