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非凡と平凡

子が持ち帰ったプリントに、見覚えのある氏名。
区で行われた、とあるコンクールの入賞者がそこに記載されており、全校で数人しかない氏名が連なる中、まいこちゃんの名前があった。
さぞかしまいこちゃんママも鼻高々だろう。

こういった賞ー読書感想文だとか、絵画コンクールだとかポスターだとか、夏休みの宿題としての自由研究だとかで、子は一度も賞を得たことが無い。
また、小規模であれば、校内だけで優秀な作品は、校長室の前に展示されたりするのだが、そういった経験すら無かった。

成功体験の積み重ねが、今後、思春期を迎え大人になる過程において必要不可欠になることは、何冊かの教育指南書で目にしたことがある。
だがしかし、いくら成功したいと本人やその親が訴えたところで、誰もが認める才能を前には、努力でどうにもならないこともあるのだ。




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子に、英才教育などして来なかったし、習い事もそこまで本腰を入れている訳ではない。それでも、親は子に過度の期待をしてしまう。
それが重いことは、自らの経験で十二分も分かっているはずなのに。

無難にどれもこれも平均なのと、何か一つ突出している才があるのと、どちらがこれからの時代生きやすいのだろう?
兄弟が無いので、子は家庭の中で比較されることが無い。それも、意欲が低い理由の一つなのか?
最近では、ピアノの練習もサボりがち。勉強も最低限。ぼーっとテレビを観るか漫画を読み、私が話し掛けても生返事。更にあれこれうるさく話し掛けると、逆切れ。 夫には、まだ反抗しない子。甘え上手だし、休日になると二人でゲーセンや本屋などに行き、楽しそうにしている。まるで、私だけが蚊帳の外。
普通、高学年になれば、父親に対して私に対するような態度を取るのだろうと思っていた。それが我が家では逆になりつつある。
やはり、私に問題があるのだーそう思えてならない。




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イベント当日

慣れないことをした。酷く疲れた。
しかし、今は達成感で一杯だ。

イベントは大盛況。しかし、最後の最後でトラブルがあったりと気は抜けずにいた。
驚いたのは、一匹ママ。それまでの準備は人に丸投げ同然だったというのに、当日は我が物顔で担当仕事を仕切り、私達を当惑させた。
委員長は、大人対応しながらも内心面白くないようで、彼女の指示に時々駄目出しすることもあり、細かなどうでもいいことでも、あくまで校内のルールだと徹底し、一匹ママのやりたい放題に付き合う気は全くないことをアピールした。 度々不穏な空気に包まれながらも、無事イベントを終えた時には、皆が清々しい表情を見せていた。
私自身も、不慣れな仕事にあたふたしつつ、目の前のやるべき事に集中し、ミスをして周囲の足を引っ張らないよう神経を張り巡らすことで一杯で、普段は気になるスネ夫ママの存在など、周囲の目を気にするようなことは無かった。




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イベントが終了し、片付けに入ると、委員長やスネ夫ママらが打ち上げ話に花を咲かせる。内心、一仕事終えて、また一仕事ーそう思ってしまう自分はおかしいのか? 一匹ママは、誰かと携帯電話でやり取りしていた。イベント中も、何度か電話をしている姿を見掛けたが、どうやら仕事先からのようだった。
彼女には、ここ以外の確固とした居場所があるのだ。


ー私は、あなた達とは違うのよー


そんな心の声が聞こえた気がした。
遠くから、カラスの鳴き声が聞こえる。日は落ち始め、辺りはすっかり茜色に染まっていた。




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前日準備

今日は、イベント前日準備。
もう、やるだけのことはやった。

一匹ママから、深夜に着信があった。深夜といっても、23時頃だが、あまりにも腹が立っているので寝たふりしてスルーした。
何もせず、ダメ出しばかりで今更リーダー気取りか?

前日準備は、何とか都合をつけて仕事を休むとグループラインにメッセージがあった。
委員長だけが、お義理の「了解」スタンプ。後の人達はスルー。

私も委員会では浮いているが、彼女よりはマシだ。
それが、今は心の支え。私は、やるべき仕事を遂行するだけ。
失敗しても、要領悪くても、全力で頑張ればきっと報われると信じて。




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まるで仕事

体がだるく、重い。
昨日も、役員仕事で学校へ。まるで、毎日出社しているかのように子と共に登校している。
イベント当日、備品を借りる為に、申請書を提出しなくてはならないのだが、それに不備があったことで今日もこれから学校だ。

昨日の役員会では、外部との打ち合わせでの申し送りを皆の前でしなくてはならず、朝から腹痛。トイレへ行ったり来たりで、以前の記憶がトラウマのように蘇る。
スネ夫ママは、相変わらず涼しい顔でノートPCの前に座り、隣のママと談笑しながらスタバコーヒーを飲んでいた。
一瞬、目が合い、意地悪く口の端が上がったような気がした。
発言では、頭が真っ白になってしまうので、予め、報告すべきことをメモしていた。
担当係ごとに、申し送りが始まる。柔らかママは、この日も出席していた。が、外部との打ち合わせは欠席だったので発言を免れた訳だ。
そして、まだ彼女から貸した金が戻って無いことを思い出し、苛々する。

私の前の申し送りが長く、しかも委員長があれこれ突っ込み、それに答え、まさに会社の会議のようでその高度な会話に付いていけずにいた。
こういうやり取りは、一匹ママが一番得意とするところだろうに、また仕事で出られませんーだ。その癖、会議資料なども始めから請け負ってくれたらいいのに、赤を入れて言いたいことを言うだけ。 彼女に対しても、苛々は募る。


「では、OOさん。」




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委員長に名指しされ、また腹が疼いた。腹痛の前触れだ。しかし、腹に力を入れてそれを逃す。
震える手でメモを持ちながら、しどろもどろになりながら、皆の前で申し送りをした。


「雨の場合の対応はどうなってます?」


「・・・」


「タイムスケジュールのこの部分、人数配置はどうなってます?」


「・・・」


「ボランティアさんのシフト、休みが出た場合の代替は?」


「・・・」


矢継ぎ早に質問され、どれも考えていなかったことなので、頭は真っ白。
スネ夫ママを始め、皆の白けた視線を受けながら、泣きたくなった。柔らかママは、私の方を見て見ないふり。
同じ係なのに、他人事だ。他の皆も、彼女がこの担当ということを忘れているかのようだった。


「改めて確認お願いします。分かり次第、グループラインで周知お願いします。」


委員長が締めくくった。
役員会が終わり、身も心もどっと疲れた。その流れで、ランチの話が出ていたが、聞こえない振りをしてそそくさとその場を立ち去った。
腹が空き過ぎて、自宅に何もないことを思い出し、スーパ―でおにぎりと安い菓子パン、それにコーヒーを購入し、近くの小さな公園に立ち寄った。
300円程使ってしまったが、疲れるランチに1000円出さなくて済んだのだから良しとした。
昼時ということもあり、公園は私のように昼飯を食べるスーツを着たサラリーマンが一人、それに犬の散歩をしている老人が一人。
腹が満たされると、ペットボトルのコーヒー片手に、秋風を楽しむ余裕が戻って来た。


ーなんとかなる、イベントさえ終わればー


太陽の光は、こんな私にもセロトニンを与えてくれ、多少は前向きさを引き出してくれるのだ。




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ワーママになりたい

週末に迫るイベント。
役員仕事も大詰め、頭が痛い。
昨日は、一匹ママの代わりに会議に出て、心身ともに疲れ果てた。柔らかママも、パートで出られないと言うし、出席した私がまた役員会の時に皆に周知しなくてはならない。 ただでさえ、皆の前で発言することに抵抗感があるというのに。
昨日の会議でも、発言しなくてはならない場面が多々あり、色々と突っ込まれてしどろもどろ。
結局、全体を把握出来ていない自分が、その場では「使えない奴」扱いだ。
わざわざ嫌な役を引き受けて、それ相応の対価は得られない。むしろ、後味の悪さが残るだけ





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もう、PTAから逃れたい。水を得た魚のように動ける母親だけが参加すればいいのだ。
今だけは、仕事があればーお役放免の言い訳が出来る。
ワーママになりたい。涼しい顔で両立させている母親がいる一方、専業でそれだけに専念出来る環境にいながらも、アップアップしている母親もいる。
兎にも角にも、楽しめない自分が悲しい。




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名もなき家事

ドンドンドン!!!


トイレのドアを乱暴に叩く音。夫の仕業だ。


「紙!!紙が無い!!」


薄く開いた扉に、そっとペーパーを持つ手を差し入れる。物凄い勢いで、それをひったくられた挙句、もう少しで思い切り手を挟む程に、バタン!!とドアを閉められた。
しばらくし、用を足した夫が、苛立った声を私に向けた。


「最低限、用意しておけよ!シャンプーもハンドソープも無かったぞ!」


一旦、声に出したら止まらず、次から次へと小言が始める。
部屋の掃除がなっていない。洗面台の鏡が曇っている、窓が汚い、出窓に埃が溜まっている、洗面所のタオル交換が出来ていない、栄養ドリンクの買い置きが残り1本しかない等・・
学校の役員仕事で頭が一杯、そもそも家事が不得手で不器用な私。意識が他に行ってしまうと、手元が疎かになる。今回の場合は、家のこと全般だ。




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「一日家にいるのに、何やってんだよ。」


吐き捨てるように言うと、自室へ行ってしまった。こんな日は、ツーリングにでも出掛けてくれた方がマシだ。仏頂面で家に居られる程、厄介なことは無い。

主婦の仕事ー、特に、名もなき家事について思う。家事といっても、クオリティは低いかもしれない。一つ一つは、些細な仕事。しかし、何でもないあれこれで、日常は成り立っているのだ。
誰かが評価してくれる訳でもないし、対価を得られる訳でもない。 行ってらっしゃいーと家族を送り出し、おかえりなさいと迎えた時、朝と様子が変わらないこと。変わらないことを維持するには、それ相応の時間も労力も掛かる。家族が快適に過ごす為に、家の中を整える。
それでも、ラグ一つ洗ったことさえ、言わなければ気付かれない。しかし、わざわざ報告するのも気が引ける。何もしなければ、瞬く間に家庭は荒れるというのに。
やらなければ指摘され、やれば当たり前のことだとスルーされる。
労いの言葉一つで頑張れるものだが、それが無くても、主婦は日常生活に名もなき家事を組み込まなければならない。遣り甲斐が無いけれど、やらなくてはならないージレンマを抱えながら、今日もシーツを整えるのだ。




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健康貯金

最近のストレスで、チョコレートに依存しつつある。
朝起きて、鏡の中の自分にギョッとした。肌はボロボロ、たるみが酷い。
それに、体も重い。体重計に乗ると、+2キロも増えていた。

このままではマズイー

ふと、素敵ママの後ろ姿を思い出す。颯爽と軽やかに歩く、姿勢の良い背中。
無駄な贅肉などどこにもついていない、細くて長い手足ー引っ込んだ腹。
それに比べて、私の体。一見すれば、痩せていて貧相だが、実は脱いだらダルダルなのだ。




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プールへ行こう。そう思い立つ。
しかし、雨予報を告げるニュースを観て、その気持ちはすぐ萎える。
バラエティ番組で、知性の無さそうな若手のギャルが、美しい腹筋を見せていたことを思い出す。
テレビに出る者は、やはりそれなりの覚悟や根性があるのだろう。
クイズ番組などで、おバカキャラを演じつつも、毎日腹筋を50回程日課にしていると言っていた。
結局、努力をしているのだ。怠けていては、華やかな世界からすぐに干されてしまう現実を、彼女らは知っている。

何の取柄も無い、ただの主婦。それが私だけれど、それに甘んじていれば、見た目がどうのこうのの前に、寝たきり生活になってしまう。
健やかな老後を送る為には、金は勿論だが、丈夫な体も必要なのだ。
健康貯金、今からでもまだ間に合うと、信じたい。





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プライド

一匹ママに、赤を入れられた部分を、自分なりに修正するがうまくいかない。
表ひとつ作るのに、時間が掛かり過ぎる。すっかり、お手上げ。
役員会で、委員長に泣きついたら、資料を目にした彼女の表情が、一瞬変わった気がした。


「分かりました、私から彼女にラインします。OOさんは、もういいですよ。ありがとうございました。」


まるで、用済みーとでも言わんばかり。しかし、彼女の怒りは私に向けてではなく、一匹ママに向けられた。


「ご丁寧に、□□資料の訂正ありがとうございます。なかなかお会い出来ないものですから、そちらの意図が分かりかねます。一度、役員会にお越しいただけますか?」


一匹ママに向けてのライン。個別ではない、皆の前で宣戦布告だ。
一気に、既読、既読ー既読数が増える。しかし、その中に一匹ママの既読があるのかは分からない。仕事中で、それどころではないのだろう。
そしてその日の夜、添付ファイルが送られて来た。宛先は委員長で、私は㏄で。ファイルを開けると、完璧な資料。これをどれだけの時間で作成したのだろう?
少しして、グループラインにメッセージが上がった。


ー平日の役員会は出席出来ません。私の方で訂正版を作りましたので、どうぞお使い下さい。




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この勝負、明らかに一匹ママに軍配が上がった。それ程に、完璧な資料だった。画面越しに苛つく委員長の表情が、想像出来る。既読数も、一気に増える。皆、どのような思いで見守っているのだろう?
恐らく、面白がって傍観している者もいるだろう。
一応、私もこの件に一枚嚙んでいるので、ただ指をくわえて見ている訳にもいかないと思い、一言、メッセージを入れてみた。


ーご迷惑お掛けしました、お二人に感謝です!


私が悪者になれば、この場は丸く収まるーそう思ったのだ。既読数は再び増えていったが、メッセージはそこで打ち切りだった。沈黙は続いたまま、重苦しい夜を過ごすことになった。
委員長も、主婦連中の中では仕事も出来、一目置かれる存在だ。しかし、社会に出てそれが通用するとは限らない。井の中の蛙なのよと、一匹ママにガツンとやられているように見えた。
男性社員と対等に現役バリバリで稼いでいる一匹ママからしたら、このようなゴタゴタは、低レベルで面倒なことに他ならないのだろう。
対し、一生懸命子供の為に学校の為にと、プライベートを削っている委員長の立場からしたら、腹立たしいの一言だろう。出来ない私を通してでも、彼女も絡んで作成した資料だったのだ。
それを、丸ごと訂正されたのだから、プライドだってズタズタにされたはず。
今度二人が顔を合わせる時、私はどんな顔をしていたら良いのか、悩みがまたひとつ増えてしまった。




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団欒旅行

学校仕事でてんてこ舞いのところに、一番上の義姉から電話があった。
今年もスキーの予約を取るので、こちらのスケジュールを教えて欲しいというものだった。
いつも思うのだが、こちらの意見など聞く耳も持たず、自分が良いと思ったことは相手もイコールだと信じて疑わないその精神に感服させられる。
私のように、常に人の顔色を窺うことなど、義姉の辞書にはないのだろう。心底、羨ましい性格だ。




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スキーなど、正直行きたくない。前回の旅行でほとほと嫌になったのだ。あんな醜態を再び晒すのも、また笑われるのも、耐えられない。
しかし、私の真意などお構いなしに、義姉は言いたいことをまくし立てる。義母も、こういう件はいつでも長女任せ。
長女は、自分の娘が手を離れたことで、一家団欒が激減したのだろう。親戚一同で旅行を計画することで、その寂しさを紛らわしているのか?
お陰で、私が切望している、家族水入らずのレジャーは殆ど無くなった。夫も子も、義家族との旅行で満たされるからだ。
私だけが、神経をすり減らし、気を遣い続ける旅行。楽しそうな彼らを横目に。
一人、留守番でも出来たのならどんなに良いか。行けない言い訳を考えるが、なかなかそれらしい理由が見付からない。




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赤ペンママ

担当業務が円滑に進むように、委員長にアドバイスを貰い、作成したプリントいくつか。
それを持参し、一匹ママと柔らかママと打ち合わせをした。
珍しく、平日の休みが取れたという一匹ママは、前日になり、突然電話を掛けて来たのだ。


「夜分にすみません、明日、時間取れますか?」


平日、彼女らの代わりに本部と打ち合わせをしている私に会い、一旦、業務を整理したいと言うのだ。
ラインやメールでは無く、電話で直接アポを取るやり方も、彼女らしい。悪く言えば、自己中。何せ、夜の23時半過ぎだったのだ。
そして、3人、学校で落ち合った。
私は、委員長と相談してー(担当は私達3人だが、最近では、私一人が右往左往していることに何となく気付いてくれた委員長が、助けとなってくれていたのだ)作成したフローチャートやプリントを二人に差し出した。


「すごい!作ってくれたんですね~ありがとうございます!」


すぐに、柔らかママは嬉しい反応を見せてくれた。
しばらく、じっとガン見していた一匹ママは、口を真一文字に結び、何やら難しい顔をしている。ふっと表情が和らいだと思いきや、


「これ、分かりにくい!こうしてくれないですか!?」


突然、持っていた赤ペンで、私と委員長がラインで夜更けまでやり取りして作成したプリントに訂正を入れた。思わず、固まってしまった。


「それから・・これとこれとこれも!」




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あっという間に、用紙一面が真っ赤になった。訂正部分が多過ぎて、これではまた最初からやり直しだ。
この場に委員長がいてくれたらー、何とかなっただろうか?泣く泣く訂正を受け入れる形になった。
まるで、意地悪なお局上司と使えない部下ー私達を、知らない誰かが客観的に見れば、そう思うに違いない。
柔らかママだけは、曖昧な笑顔を浮かべ、私達を黙って見守っていた。
その後の段取りや今後の流れについて、彼女が仕切る。しかし、平日ノータッチの彼女なので、その殆どの雑用は私か柔らかママがすることになる。
何とも釈然としない気持ちだった。


「じゃあ、よろしくお願いします!」


きっかり1時間ー彼女が私達に提示した時間は、一時間だったのだ。ー経つと、颯爽と教室を出て行った。取り残された私達は、お互い顔を見合わせ、苦笑いを浮かべた。


「大変・・だよね。何か、手伝えることがあれば。」


いつの間に、柔らかママは他人事だ。その証拠に、「手伝えることがあれば」なんて呑気な台詞が出て来るのだ。そして、彼女に貸した千円のことを思い出す。
しかし、こちらから切り出すことが出来ずにいた。柔らかママは、すっかり金を借りたことなど忘れているようだった。
自分の中で、次回会った時は思い出してくれるだろう、そう言い聞かせ、彼女と別れた。
どっと疲れ果て、自宅に戻り、震災用の備蓄チョコレートを一気食いしてしまった。気持ちは落ち着くどころか、単に胸やけしただけだった。




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ピアノ停滞期

ピアノの発表会曲が決まり、練習を始めた子。
しかし、当初の熱が冷めたのか、最近ではレッスン間近に焦っての練習が多い。
私自身も、あれ程、生涯の趣味になるかと思ったピアノだったが、役員仕事で頭が一杯、それどころではなくなってしまった。
日々の雑務に追われ、また「何も無い人間」に舞い戻る。
子には、私のようになって欲しくはないと、つい説教染みてしまう。しかも、嫌な言い方で。




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「月に、いくら払ってると思うの?ピアノだって、いくらしたと思う?そんな生半可な気持ちで始めたの!?」


つい感情が高ぶる。子は、あからさまに嫌悪感丸出しの表情を見せた。
そうして、鍵盤の前に座ると、まるで当てつけのように大きな音を出す。


「ちょっと!時間を考えなさい!近所迷惑でしょう?」


子は、口をもごもごさせながら何か呟いている。恐らく、反抗的な言葉を。


「ママはー」


「何!?」


「何でもない。」


何を言おうとしたのかー追及したい気持ちと、怖い気持ち。
結局、分からないまま、子の言おうとしていた言葉は闇に飲まれた。




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ジレンマ

休みだというのに、担当仕事で必要な資料作成を依頼された。
一匹ママと、依然連絡がつかないと委員長からラインがあり、柔らかママとは連絡が付くが、PCが壊れているので使えないとのこと。
残されたのが、私という訳だ。

夫は仕事ー、子は休みで自宅にいるので、宿題をさせている間、私はPCに向かう。WordやExcelで分からないことはネットで調べる。
時間は恐らく人の倍以上掛かっているに違いない。ひな形を委員長からメールで貰っているというのにこの有様。
フローチャートを作成しなくてはならず、今回、初めてExcelで図形を作ることを覚えた。
勉強になるといえばなるが、無料奉仕をしている気分。この時間に、一匹ママはいくら稼いでいるのだろう?
いや、今日は休日ー、家族団欒というところだろうか?たまった家事などを片付けているのだろうか?




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2時間掛かり、作ったフローチャートを委員長にメールした。すぐに返信。
しかし、何点か直しが入る。修正し、再度メール。また直しが入る。
内心、一度に要望を伝えてくれたらーと思う。
結局、一日がかりになってしまったが、その点では委員長も同じ。彼女も休日だというのに、私の仕事に付き合ってくれたのだ。
そういえば、休みだというのに、子とまともに喋っていないことに気付く。
PTAの仕事ー、子の為に受けた仕事だというのに、肝心な我が子とのコミュニケーションの時間が取れないというジレンマを、皆はどう消化しているのだろう?
私の要領が悪いだけだろうか、皆は、もっとスマートに楽しくこなし、また子供とも密な時間を過ごしているのだろうか?
不器用な自分が恨めしい。




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PTAランチ

役員会。
この時期、どこの学校もここまで忙しいのだろうか?
まるで、週何日かのパートをしている気分だ。
仕事だからと、欠席続きの一匹ママが羨ましい。
久しぶりに出席した柔らかママが、申し訳無さそうな風を装って、私に話し掛けて来た。


「どうも、お久しぶりで。色々して貰って、すみません。」


「いえ、全然大丈夫ですよ。」


内心、苛々しつつも顔には出さない。ヘラヘラと愛想笑いを返すだけだ。
だから、私は舐められるのかもしれない。
打ち合わせは長引き、流れでそのままファミレスランチになった。間近に迫った大きなイベントに向けて、午後も作業をすることになったからだ。
気を遣うメンバーと金を払ってのランチなら、自宅に戻り、お茶漬けでも食べてからまた出直したいのが本音。
しかし、それでは協調性の無い変な女だと、更にマイナスのレッテルが貼られるだけ。
ファミレスに入り、長いテーブル席二つ分を陣取る。座る場所は、いつでも端っこ。皆が着席したのを見計らい、空いている席に座るのが常。
しかし、ものの見事にど真ん中が空いてしまった。
そわそわしつつ、空席を埋める。斜め向かいにスネ夫ママがいるのも嫌だった。ただ隣が委員長だったことに救われた。彼女は、常識ある人だ。




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皆が楽しそうに雑談する。奥の席にいる、身動きが取りにくい人の分のドリンクバーを、委員長が代わりに取りに行く。こういうきめ細やかな心遣いの出来る人が、リーダーに相応しいのだと思う。
スネ夫ママは、身内とワイワイ好き勝手やっている。顔が広ければそれだけで、多少非常識でも許されるのだと思う。
黙々と、一番安いドリアのセットを口に運ぶ。委員長の会話に、何となく入れて貰う。愛想笑いで相槌を打つ程度だが、彼女は隣の私にも視線を向けて話してくれるのだ。
柔らかママや伊達メガネママが、パート先の愚痴を言う。他愛の無い会話だが、柔らかママも、私の存在を覚えているかのように、視線をしばしば向けて話してくれた。
ただそれだけで、疎外感を感じずに済んだ。
ランチトークの輪は、委員長ら私達と、スネママグループの二つにきっぱり分かれた。だから、私も多少は気楽だった。時折、対角線上にいるスネ夫ママの意地悪な視線を感じつつも、敢えて気付かない振りをした。


「じゃあ、そろそろ学校に戻ろうか。お会計は、別々で~」


委員長が皆に声を掛け、ランチタイムは終了となった。


「あ!どうしよう~」


背後で、柔らかママの声。


「お財布、忘れちゃった。」


思わず振り向くと、柔らかママの隣にいた伊達眼鏡ママが、自分の財布の中を見る。


「ごめん!手持ちが無い~」


助けを求めるかのように、二人は私を見る。その視線に押され、財布の中を見る。生活費として、二千円が入っていた。貸せるけど、貸したら帰りに買い物が出来ない。
そもそも予定外のランチ代として、自分の分も、一旦、生活費から借りる形になるのだ。


「ありがとうございます!今度の打ち合わせの時にお返ししますね!」


結局、柔らかママに千円を貸すことになった。担当も同じだし、会う機会も多いからという理由で。
人に金を貸すーしかも、大して仲良くもない人間に貸すという行為は、あまり気持ちの良いものではない。性格上、借りるよりはマシだけれど。
午後まで作業が伸び、買い物も、一度自宅に戻ってからまた出直すことになり、なんだか損した気分になった。




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夫の機嫌が悪い。
今朝、咳をゴホゴホしていたので、風邪でも引いたのかと声を掛けたら、


「埃だらけなんだよ、この家。」


そう言って、苛々しながら部屋の隅を指した。
実際、本当に埃がたまっていたので、否は私にある。
役員仕事に追われ、実際、働く母親からしたら甘いのかもしれないけれど、アップアップしている。
気持ちばかりが焦り、一匹ママの代わりに資料作成のような真似事をしたり、また委員長とラインのやり取りをしているうちに、最低限の家事をしていたら一日があっという間に過ぎるのだ。
元々、家事は苦手だ。
掃除も、四隅を丸く履くような性格。
夫は、自分では家のことをしない割りに、完璧主義の義母に育てられ、塵ひとつ無いような環境が当たり前だったこともあり、私のずぼらなところに嫌悪感を抱くようだった。
これでも、結婚して10年以上経ち、少しはマシになったかと思うのだが、気を抜くとすぐにボロが出る。
今日は、家の中を念入りに掃除しよう。




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既読のふり

一匹ママとなかなか連絡が取れないという理由で、休みも何も関係なく、委員長から私宛にラインが来るようになってしまった。
友達同士でなら、楽しいライン。しかし、ただの役員繋がりーそれだけでやり取りするラインは、苦痛でしか無い。
既読スルーするのは失礼だと思うし、既読して、すぐに返事をしないのも失礼に思ってしまう。いちいち気にしてしまう私は、ポップアップメッセージだけで、取り敢えずの「既読」をする。
ポップアップに表示されるメッセージは、字数制限があるので、途中で切れている。その先は、予想するしか無い。なんとなくの出だしで憂鬱な案件であれば、心に余裕が出来てからメッセージを開く。
すぐに開くことはしない。




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一匹ママが無理なら、柔らかママにも依頼して欲しいー内心そう思うが、委員長には借りがある。そのまま思うことなど伝えられる訳も無い。
柔らかママは、のらりくらり逃げるのが上手いらしい。優しい雰囲気を持つ彼女だが、面倒ごとには関わりたくないーそんなオーラも感じる最近。

校外の人達との打ち合わせに、一匹ママが出るはずだったのだが無理になったようだ。代わりに、私に出て欲しいと打診があった。
そもそも、普段の学校会議も出席率が高いのは私だ。一番、担当のことに関しては把握しているのだと委員長に思われている。実際、そんなこともないのだけれど・・・

YESと答えるしか選択肢は無さそうだった。一匹ママに、私からも恐る恐るラインをしてみたが、相変わらず未読のまま。そのうち、「メンバーはいません」と表示されるのではないか?と不安に陥る。
しつこくラインを送りつけるのも、タイミングが悪ければ彼女の逆鱗に触れるかもしれないーそう思うと、それ以上コンタクトを取ることが怖くなった。
一匹ママは、愛想は悪いが仕事はきちんとこなす責任感ある人だと思っていたのだが、期待外れだった。




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図書館カフェ

久しぶりに、図書館へ足を運んだ。
スネ夫ママやボスママがいないことが分かったからだ。


その日は、学校の図書ボラ活動日。なので、仕事は入れていないはずー


読みは大当たり、嬉しかった。
そして、雑誌コーナーへ。マグには、自宅で淹れたたっぷりのコーヒー。
最初から、長時間居座る予定だったので、おにぎり2つと麦茶も持って来ていた。

人も少なく、快適な空間。やはり、この図書館が大好きだ。
本来なら、週一で通いたいくらい。スネ夫ママらがここでパートをしていなければ、どっぷり図書館生活を満喫出来ていたというのにー
どこでもかしこでも、私から快適な居場所を奪う彼女に、腹立たしさを覚える。




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雑誌コーナーでは、お目当ての節約情報誌をいくつか。主婦に人気で、最新刊は借りることが出来ないのが残念だけれど、図書館で過ごす時間が多く取れるのなら、問題なし。
しかも、最新刊が棚に置いてあり、得した気分。
2冊程選び、ふかふかのソファーに座り、ページを繰る。
欲しい情報を、写メで撮る。せこいかもしれないけれど、後でゆっくり自宅で読む為だ。これも、お楽しみ。
付録の家計簿やカレンダーに、そういえばもう年末も近いのだと気付く。
そして、付録目当てに雑誌を購入するのも悪くは無いと思う。500円未満で、欲しい情報と家計簿カレンダーが手に入るのだ。

しかし、ここでまた満足する。
図書館で得た情報と、家計簿カレンダーなど、今はネットでプリント出来ることを考えれば、無駄に500円使うことは無い。
節約雑誌を買わないことで、節約に繋がるー逆に言うと、節約雑誌を買うことで浪費に繋がる。元も子もない。

一人、テラスに出ておにぎりを頬張る。
天気は良く、秋の風が気持ち良い。
積もり積もった日頃の疲労感を、すーっと連れてどこかへ行くようだ。




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陰気な顔

気が進まない中、実母とランチをして来た。
敬老の日を兼ねて。
子も一緒だったので、なんとか間は持ったけれど、それでも恒例の愚痴オンパレードで辟易する。
普段、余程喋る人間がいないのだろうー、よくもまあ、休む間もなく口が回る。
相槌を打ちながらも、ついため息めいたものが出てしまった。目ざとい母は、すぐに気が付く。


「あんた、顔色悪いわね。本当、また一段と老け込んだわね~貧相だわ。」




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実母だからこそ、娘に対してはっきり思うことを言うのだろう。それでも、生理前でただでさえ憂鬱&苛々している中、とどめを刺すような言葉。
元々、容姿には自信が無い。子供の頃から学生時代、そして社会人ーどこでも私は目立たなく地味だったし、合コンーなんて行ったことはないけれど、もし参加したとしても、人数合わせの要因。
コミュニケーションも下手、目も細いし神経質そう。顔の印象は「陰気」の一言。


「私が40代の頃は、もっと溌剌としてたわよ!あんたみたいにお婆さんじゃなかったし、陰気じゃなかった。」


まただ。母は覚えていないかもしれないが、子供の頃から何気なく言われるその言葉。「陰気」という言葉。何かある度、嫌悪感丸出しでそう言われ続けた。
もしかしたら、私の陰気な性格は、母が作り上げたものなのかもしれない。事あるごとにそう言われ続け、洗脳されてしまったのかもしれない。

会う度に、容姿のことをあれこれ言われるのがしんどい。ただでさえ、ご機嫌伺いは疲れるのに、更に気分は落ち込むのだ。
その日の夜は、念入りに、安いクリームを顔に塗りたくりマッサージをした。心のどこかでは、気休めでしか無いと分かっていても、そうせずにはいられなかった。




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スネ夫ママの子はスネ子

「友達、うちに呼んでもいいよ。」


子が、何となく元気が無いのは、友達とうまく行っていないような気がして声を掛けた。
最近ではめっきり外遊びもしなくなり、子に聞けば、皆が皆、塾や習い事で忙しいのだーと返される。
実際、それもあるのだろうが、それでも心配だ。
役員会で、声高に話すスネ夫ママを思い出す。彼女は、上の子の話をしていた。


「うちのお姉ちゃんがさ、昨日苛立ってて!学校で課外活動のグループ分けがあったらしいんだけどね、嫌われてる子と一緒になったらしいの。そんなん、好きな子同士で分けてあげればいいのにさ。」


皆、作業をしながら、ふんふん聞いていた。


「修学旅行の時もそうだったの。仲良しだけでグループ組みたかったのに、クラスの余りもの?って言ったら悪いけど、一人でいる子を同じグループに入れられたって怒っててさ。 まるで、こっちが悪いかのように先生は言うんだって!クラスで話し合いしたんだよ!あり得なくない!?別にいじめてる訳じゃないんだよ?それなのに、誘わないあなた達が悪いって!私も一緒になってムカムカしちゃった!一人でいる方だって原因があるでしょう?自分から仲間に入れてって行動も起こさずにただ待ってるだけでさ。なんかおかしくない!?」




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群れ達は、スネ夫ママに同調する。スネ夫ママはヒートアップする。


「もうさ、お姉ちゃん、その時お手伝いでハンバーグこねてくれてたんだけどさ、苛つきながらやるから、空気抜くときたねが飛んでって、ひとつ駄目にしたよ。」


どっと笑いが起きる。私はまったく笑えずにいた。


「まあ、怒れなかったけどね。そうだよね~嫌だよね~ってこっちは必死でなだめたわよ。」


蛙の子は蛙ーこの母親を見て育ち、娘もそうなったのだろう。そして、自らを振り返る。
子に、親の悪いところは引き継いで欲しくない。限界はあるけれど。


「久しぶりに、友達、ハロウィンパーティーに誘ってみたら?放課後、家でしてもいいよ。」


正直、面倒だ。しかし、その面倒なことの積み重ねが子の交友関係を安定させるのであればー、ママ友付き合いでそれが叶わない分、こういうことで頑張るしかないのだ。




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アリとキリギリス

エントランスで素敵ママに会うと、久しぶりに向こうから話し掛けて来た。
疎遠になってしまったことを受け入れつつあった矢先だったので、多少の戸惑いはあったものの、気分は何故か高揚した。
装いが、明らかにヨガスタイルだったので、社交辞令に尋ねる。


「もしかして、これからヨガとか?」


すると、待ってましたと言わんばかりに、


「そう!ちょっとトレーニングに行くところ。やっと下の子も幼稚園に入ったし。イントラの資格取ったの。」


優雅な主婦の気分転換だろうと思っていたら、まさかの返答。


「体、動かすの好きだし。来年目途に、教室を開講出来たらって思って。今はバタバタだよ~そうなったら、是非レッスンに来てね~」


ーいつの間に・・




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ママ友に囲まれ、お洒落にキラキラママ生活を楽しんでいる、いい身分の人。私とは世界が違う人ーそれでも、将来を見据えての行動力に、ただただ脱帽した。
高を括っていたのだ。アリとキリギリスで言えば、彼女はキリギリスで私はアリなのだと。
上辺の綺麗な部分だけ、楽しいところだけ良いとこ取りの人生は、いつかの未来で失敗するのだと。しかし、彼女はキリギリスを装ったアリだったのだ。
皆、何もしていない風を装って、水面下では自分の人生にあれこれ悩み葛藤し、そして行動を起こす準備をしている。
蛹の下に、煌びやかな羽を隠し、いつか羽ばたく時の為に体力を温存しているのだ。
それなのに、私はいつまで経っても、アリを装ったキリギリスだ。




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戦友

「それって、モラハラじゃん!!」


夫の愚痴をかおりに一通り聞いて貰い、彼女が発した第一声がこれだった。


都内のスペイン料理屋。リーズナブルなパエリアとサラダ、それに何皿かのタパスを二人でシェアした。
どれもこれも美味しく、しかし、会話に花が咲き過ぎたこともあり、食べることに集中出来なかった、それだけが難点。


「軽く、いっちゃう?」


そう言って、ワインリストを差し出すかおり。昼間から、女友達と飲む酒は、格別だ。
再会してしばらくは、クラスメイトの話ばかりだった。先日の同窓会に集まった誰彼が離婚しただとか、介護で大変だとか、浮気されただとか。
人の不幸は密の味ーという奴だろうか?
そもそも、夫の不満を漏らしたのは、かおりの方が先だった。内緒ねーの前置きの後に、現在旦那が無職1年以上で困っているとのこと。早期リタイヤを勧められ、退職金を上乗せすることを条件に、転職を決めたらしい。去年、同窓会で会った時には既に退職していたらしい。だから、子供を預けて飲み会に来れたのだ。
それまで、IT系に勤めていたこともあり、残業や休日出勤は当たり前の不規則な生活。それまで張り詰めていた糸がぷつんと切れてしまったのだろうか?
それでも、かおりは愚痴をやめなかった。一日中、家の中でゴロゴロテレビやスマホでいい身分だと。稼ぎの無い無能なオブジェとも言っていた。今回、かおりが仕事を早々に決めたのも、金銭的にいよいよ厳しくなって来たからなのだろう。




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「で、そっちはどうよ?」


こう聞かれた場合、それを上回る同情ネタを提供しなくてはならない。それが、女同士、会話を盛り上げる鉄則。
ワインでほろ酔いにいなっていたこともあり、私はつらつらと結婚してからの夫婦関係ーそこまで深く話すつもりではなかったのに、一旦、口を開くとストッパーが効かなくなっていた。
話せば話す程、気持ちが軽くなるーそして妙なことに、事態は深刻なはずなのに、愉快爽快、二人でゲラゲラ笑っていた。こんなに笑ったのは何年ぶりだろう?いや、心の底から可笑しく笑うのは、学生時代ぶりだった。
かおりとは、中学で割とべったりな時を過ごしたこともあり、根っこの部分は通じるところがあるのかもしれない。
高校デビューをした彼女とは、卒業してからずっと疎遠だったのだが、この日の私達は、セーラー服のあの頃同様、箸が転がっても可笑しいーそんな空気感の中にいた。
かおりは、普段私が夫に抱く憤りの感情を、更に増長させつつ面白おかしく彼女の言葉に変換してくれた。私達は戦友だといわんばかりに、互いの話に頷き合い、共感し合い、そして励まし合った。
憂鬱な自分の日常が、なぜかどうってことのない、他人からしたら馬鹿げた茶番なのだと錯覚し掛けた程、最後に残ったのは爽快感だけだった。
勿論、彼女と別れ、自宅に向かう帰りの電車の中で、仲睦まじい私達と同年代の夫婦かカップルが視界に入れば、どんよりとした気分は戻っては来たが、話せる友達がいるーただその存在が私にとってはかけがえのない、心の拠り所になり満たされる。


「また、時間作って会おうね!」


「楽しかった!またね。」


またねーという言葉は、魔法の言葉。
それを励みに、日常を頑張れる。未来があるということだ。電車の中、どこかのサラリーマンに睨まれていることも知らず、無邪気に笑い合う女子学生の背中に自らの青春時代を重ね、温かな気持ちになった。




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高揚する気持ち

今日は、待ちに待ったかおりとのランチ。
子も、委員会があり6時間なので、たっぷりと時間はある。
かおりは、3人の子供の親ーなので、忙しさは私の比では無い。それでも、こうして時間を作って誘ってくれたことが嬉しい。
かおりとも、ライン交換をした。とはいっても、外ではメールしか通じないのであまり意味がないけれど。
ラインの友達の数が、少しでも増えると嬉しくなる。我ながら、精神年齢が低いと思うけれど。




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先程、待ち合わせ時間と場所を決定した。そして、二人だけで会うことも分かって一安心。心置きなく話せる。
何を話そうー学生時代の話や去年の同窓会での話とかクラスメイトの噂話。
お互い子持ちだからこそ、遠慮なく子育ての悩み相談も出来る。
これから、着て行く服を選ぶ。クローゼットは代わり映えしない地味な服ばかりだけれど、精一杯のお洒落をして行こうと思う。




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NMD

NMDという言葉を、最近よく聞く。
聞くというか、ネットで見る。

N=NO
M=MONEY
D=DAY

単純にいえば、金を使わない日という意味だ。
最近、夫から得ている生活費ではやりくりがうまく行かず、虎の子からちょいちょい出している。
しかし、虎の子は「いざという時」の為に貯めておきたいし、出来ればコツコツ増やしたい。それが叶わないことが最近のストレス。




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子が喜ぶかもー、そう思い、特売になっていないプリンやヨーグルトを買ってしまったり、また菓子パンの誘惑に負けるこの頃。
その他にも、買い忘れた野菜や肉。最初から献立を決めていれば、値引きもされていないし広告の品でもない食材を買うこともない。
それなのに、途中まで作って買い忘れたものー例えば、カレーを作っている途中に人参が無く、しぶしぶスーパーで1本80円の人参を買う。
翌日、広告の品で3本100円で売られていたりする。
大損をした気分になり、落ち込む。更にストレスはたまる一方。

要領が、悪いのだろう。私が、夫や周囲を苛立たせるのは、そういうところ。
なので、NMDをやりくりに取り入れてみようと思う。

10月1日から始めたそれだが、今のところまだ出来ていない。
達成感を得る為、NMDが出来た日には、カレンダーにスタンプを押すことに決めた。今日は押すーと決めたはずなのに、明日出掛ける予定があることで、明日の夕飯材料を買わねばならず、早速金を使ってしまった。
そしてまた、おやつにとアーモンドチョコレート。無くても良いもの。しかし、無いと苛々するもの。
出だしは不調。しかし、そもそも浪費家だった私が、今度こそこの節約法にはまることを願っている。




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ちっぽけな見栄

病院へ。各月の持病検診。
例の如く、無駄に威圧的な医師の前、オドオドしながら毎度の検診を受けた。
血圧、脈、OK。数値は良くもないが悪くも無い。劇的な変化は無い。
以前は、変化を求めていた。勿論、ポジティブになれる結果を伴う変化。
しかし、こうも調子の悪さが年単位で続くと、生死にかかわらないのであれば、現状を保つことで良しと思える。
もう40過ぎなのだ。悪いところが無い方が珍しい。

しかし、朝いちから待合室で数時間ー、結局、病院を出たのが正午過ぎ。
買い物を済ませ、銀行などに振込などの所用を済ませたら、腹が鳴る。
予定では、冷蔵庫にある10円のそばを茹でてーと思っていたけれど、マクドナルドの看板が目に入り、無性にジャンキーなバーガーに食らいつきたくなった。 しかし、どうにもこうにも疲れ果て、店で食べる気がしない。それに、飲み物代を出すのも勿体無い。
単品で、一番安い「チキンクリスプ」をオーダーすることに決めた。

レジで並ぶと、前方の私と同世代や若い学生達は、クーポンを使用したセットや単品をいくつか頼んだりしており、後方にも昼時で長打の列ー
たった100円で、レジの店員にも前後の客にも、会計一人分の時間を使うことが躊躇われた。




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「エグチ、一つ。」


悩んだ末、口を出たのは200円のエグチ。
このネーミングを声に出すのは恥ずかしいけれど、100円のチキンクリスプを頼むよりはマシ。
一体、誰に対しての恥なのか分からないけれど、つい見栄を張った。ちっぽけな見栄。

自宅に戻り、作り置きのアイスコーヒーに氷をたっぷり入れる。テレビを点け、ワイドショーを観ながらバーガーにかぶりつく。
人目を気にせず、まるで飢えた獣のように、がっついた。

腹は満たされた後は、一気に疲労感が私を襲い、つい昼寝してしまった。




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台風一過

台風が過ぎ去り、今朝ゴミ出しへ行くと、エントランス周辺で主婦が数人掃除をしていた。 大量の小枝や葉、それにゴミの多くがあちこちに散乱していた。


「おはようございます・・」


何となく、後ろめたい気持ちを抱えつつ、挨拶だけし、通り過ぎる。
聞こえなかったのか、誰からも返事は無い。ゴミを捨て、再び来た道を戻る。
今度は会釈ー、すると、素敵ママが下の子の手を引いてこちらに向かって来るのが見えた。


「おはようございまーす!!うわぁ!すごいことになってますね!お掃除、お疲れ様です。」


良く通る声ー、掃除をしていた主婦らが一斉に彼女の方に視線を送り、下の子がいることもあるのか、にこやかに挨拶を返していた。 掃除をしている主婦の一人ー、恐らくこの団地では古株で自治会役員常連の女性が、素敵ママと下の子に何やら話し掛けている。やはり、満面の笑みだ。


「この子送ったら、後程お手伝いしますね~」


そう言うと、笑顔で手を振りこちらに向かって来た。




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「あ、おはよう~」


「おはよう。」


無理矢理作った笑顔は、引き攣っていただろう。
素敵ママは、大人対応という感じで、社交辞令的な笑顔をこちらに向けるだけで、そのまま私の前を通り過ぎた。
これまでにあった、軽い雑談は無い。

私がそう仕向けたこともあり、彼女とは一気に疎遠になった。子ども会の仕事で会っても、さらっと挨拶のみ。
これまでのように、親しげに近寄って来ることも殆ど無くなった。

世代問わず、誰からも好かれる女性ーそれが、二人きりの時にどんな違和感があったとしても、周囲からしたら多数決で彼女に軍配が上がる。 変なのは、私の方なのだ。
掃除を手伝うことすら、出来ずにいる、変な女だ。




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