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自己満土産

卒対の打ち合わせ。
早くも遅くもない時間ー、学校に到着したことを悔やんだ。
一番乗りなら、二番目に来た人と多少なりとも話が出来て場にうまく馴染めたかもしれなかったし、遅ければ、話し相手がいない私にとって苦行ともいえる雑談タイムは、もっと短縮出来たろうと思う。
戸を開けると、スネ夫ママの大きな笑い声。そして、彼女の回りに群がる人々。一斉にドアの前にいる私に視線が集まり、萎縮してしまう。
だが、勇気を出して引き攣り笑顔で挨拶をした。


「おはようございます・・」


パラパラと、だがスルーされることなく、事務的な挨拶が数人から返って来た。それでもう良しとすればいいのだろう。だが、一気に気分は暗くなる。


ーここは、私の居場所じゃない。


学校でもバイト先でも、職場でもーそして親戚や家族との関わりの中でさえ、いつでも纏わりつく違和感。居場所って何だろう?私を受け入れてくれ、必要としてくれる空間。
それは、一方的ではない。私にとってもあなたにとってもー、そんな空間。
それが叶うのは、唯一、私と子との親子間だけなのかもしれない。それさえ最近では危ういものだけれど・・


「でも、海外なんて羨ましい~!うちなんて毎年沖縄だよ。さすがに飽きた!」


取り巻きが、羨望の声を上げる。見てはいないが、スネ夫ママのご満悦な表情が脳裏に浮かぶ。


「えー!!いいの?」


「うん、好きなの選んで!取ってって。」


大きな紙袋を、取り巻き達の前に出すと、皆はきゃいきゃい言いながら色取り取りの包み箱や袋を取り出した。


「これって塩?」


「うん、ハーブソルト。お肉でもお魚でも、これだけで味が決まるよ。」


ーお肉?上品ぶって。バッカみたい!


内心舌打ちする。




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「おはよー!」


孤高の人達がやって来た。


自然にスネ夫ママらの輪に交じり、和気あいあいと雑談を始める。私のように、一人で所在なく席についている者など誰一人いなかった。


ー疎外感ー


「ありがとう!いいね、海外。小学校最後の夏だっていうのに、仕事が忙しくてどっこも連れて行かれなかったわ。」


孤高の人の言葉には、皆のような羨む感情が皆無だった。私は私ーそんな感じ。彼女なりに、土産を貰ったが故の最低限の社交辞令が、「いいね、海外!」だ。
皆が、紙袋を順々に回す。そして、最後にそれを受け取った人が、チラッと私に視線を移しているだろう空気が痛い程伝わって来た。
スネ夫ママは他のママと話に夢中。


「どうぞー。」


他クラスで、私とまともに会話をしたことのないママが、それを差し出した。私以外、全員受け取っている。だが、スネ夫ママから了承を得ていない。というか、彼女にとって私は空気。挨拶すら交わさない中。
そんな関係性で、勝手にそれを受け取る訳にもいかず、また受け取りたくもなかった。


「いえ、私は結構です。」


紙袋を突き返した。相手はギョッとしたような顔を一瞬した後、愛想笑いをしながら袋を自分の元に戻し、スネ夫ママに返しに行った。
そこからは、頭は真っ白だった。打合せという名の、夏休みの報告座談会。こんな会に出なければ良かった。
会議が終わり、まだ皆は雑談が終わらずダラダラ教室に残っていたが、真っ先に帰宅した。


次の集まりはいつなのか。ハードルが更に上がってしまった。




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逃げてもいい

卒対の打ち合わせがある今日。
本当に、行きたくない。まず、皆に会っての第一声はあった方がいいのか?とか。話に夢中になっている彼女らに向かって挨拶をしても、なんのリアクションも無いことを想像すると、気分は萎える。 まずは、孤高の人に挨拶をしよう。そう切り替える。スネ夫ママやボスママのことは、なるべく意識しないように・・
夏休み明けで、久しぶりに彼女らと会うからだろうか。時間が空くと、憂鬱度は増す気がする。
連日ワイドショーで取り上げられている、休み明けの不登校やSOS。その気持ちが、私は分かる。
もし、我が子が同じように「学校に行きたくない。」と言い出したらー
動揺はするけれど、無理強いはしないと思う。




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人生の中の数年間。一番多感な時期。居場所がなければ自信も喪失する。そうして育った子供は、大人になりこじらせる。私のように。
一度キリの人生。我慢は美徳だと限界まで頑張り過ぎて壊れてしまったら勿体無い。逃げる勇気も必要だ。
私はもう大人だから、最終的な逃げ道も知っているし、選択肢だってある。だから本当のギリギリまで頑張ることが出来る。
逃げ方が分からない子ども達に、逃げたとしても今を生きている大人が方向性を指し示すことが、これからの未来に必要なことだと思う。逃げるのは、「悪」ではない。




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とうとうやって来た

珍しく、夫が子に向かって激怒した。
これまで、子のことを溺愛し、甘やかしていた夫。子も、私にはあからさまに反抗的な態度を取るが、空気を読んでか夫に対しては素直だったのだ。
それが昨日、まったくピアノの練習をしなくなった子に対して夫が小言を言ったのだ。


「最近、ピアノの音聞いてないぞ。ほら、弾いてみろ。」


「はぁ?」


夫の言葉に対しての反応、それがひどく生意気に聞こえた。小馬鹿にしたような感じ。夫も同じように感じたらしい。


「なんだ!その口の利き方は!」


突然大声をあげた夫に、一瞬、子は怯んだ。だが、数年前なら泣いていただろう子の姿はもうない。眉間にしわを寄せて、夫のことを睨む。


「なんだ!その眼つきは!!」


更に夫が逆上する。子の態度は、いつも私が見慣れているそれだ。だが、夫にとっては初めてのもので、動揺を隠す為なのか更に激怒する。 子は、


「うっさいな!」


そう言い放った。
思わず、夫が拳を上げたー




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子も反射的に瞼を閉じる。だが、夫の拳は中途半端に上がっただけでどこか行き場を失くしているようだった。


「もう、そんなんならピアノ辞めろ!」


そう言い、自室へ向かった夫。リビングに残された子と私は、嵐が過ぎ去ったことで一先ずほっとした。
子は、相変わらず不貞腐れている。


「あんな言い方・・」


「ママは、パパのことうざくない?」


思いがけない言葉。核心を突かれ、何も言えなくなった。




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プレッシャーに潰されそうな朝

どうか、お願い。力を下さい。
運試しに、ネットの占いクジを引いた。思った結果は出なかった。むしろ、当たり過ぎるくらいのネガティブな結果に妙に腑に落ちる自分がいる。
強く願う。それは、叶う。
そんな言葉は、人並み外れた努力をし続けて来たアスリート達だけのものなのだろう。

こんなプレッシャーは、これまでの人生にもあったことだし、何とか乗り越えて今は40代。
耐性が弱くなっていることは確実。もっともっときつかった過去の自分と比較して、思い出すことで不安感を和らげる。
見えない敵は、自分自身なのだ。

悲しいくらいのおべっかをフル活用し、本音はひた隠しにしてうまくやり過ごせたらいい。
面倒なことは引き受けるから、どうか一人にしないで。私はやっぱり孤独に弱い。

副会長の器には、程遠い。




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対人アレルギー反応

夏休みが終わるにつれ、チラチラ浮かぶスネ夫ママの顔。
休み明けには、学校行事だけではなく、卒対で頻繁に顔を合わせることになるだろうことを思うと、具合が悪くなる。
夢にまで出て来るのだ。
それが、スネ夫ママと親しげに話すシーンが何度も何度も。潜在的な自分の願望なのかと思うと、かなり萎えてくる。
これでは、こちらは仲良くしたいのにして貰えないーそんな図式ではないか。

人によって態度を笑えるくらい変える。メリットの無い人間には容赦しない。そんな合理的で冷徹とも言える彼女に対し、だがもし彼女と打ち解けられていたら世界は違って見えるだろうと思う私もいる。
もし、彼女とひょんなことからママ友になれたら。
私はこんな私では無かったーとか。
幼稚園時代に躓き、今に至る。引っ越し前のことを思えば、割とうまくやれていた。それは、一番の仲良しだった引っ越し前のママ友が社交的だったから。
彼女の恩恵を受けていたのだ。
自分一人の足で立たなくてはならない今となっては、自分が変わらなければならない。




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けれど・・・


スーパーで、彼女と出くわしたら、私は真っ先に気付かない振りをしながら逃げるだろう。
彼女の方は、私と目が合っても毅然とした態度で、堂々とスルーするだろう。もう、力関係ははっきりしているのだ。

卒対のグループラインが鳴ったのは、昨夜のこと。帰国した報告と早速次の打ち合わせの日程調整。
彼女のコロコロ変わるアイコンを見ているだけで動悸がするのだから、もうこれはアレルギー反応と同じ。
彼女さえいなければ、まだあの集まりも少しだけ気楽だ。仲良しがいなくても、孤高の人など話せる人はいる。ボスママだって、ピンだとそこまで威圧的ではない。彼女が引っ越してくれたらーもう何度も妄想して来たことだ。
仕事ではないし毎日会う訳でもないのに、会わない日まで、しかも夢の中まで出て来る影響力といったらー私にとって、並外れた存在感としか言いようがない。




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不自然過ぎる遠回り

24時間テレビを観ながら、ちっぽけ過ぎる自分の悩みを思う。
私自身、持病はあるにしても普通の暮らしが出来ているし。性格に難はあっても、経済的に頼れる夫がおり、五体満足な子供もいる。
それでも、今ある現状を満足したものにしたいと、本能的に思ってしまう。背伸びをし、隣の芝生に憧れを抱き、もがいた結果の空回りに肩を落とす。
まな板の上の鯉状態になれば、頭はぼんやり働かなくなり、愛想笑いが精一杯。


夏休み最後の週末、夫は仕事だったので子を二人で駅前のモールへ。フードコートで涼んだ。昼は素麺を食べて来たので、子にはアイスクリーム。私はポットに持参して来たアイスコーヒーを飲む。
少しすると、ばっちりメイクの小学生チア集団と、その母親達が入って来た。キラキラしたボンボンのせいもあり、店内にいた客達も一斉にそちらに視線を向ける。
子も、チラッと向けたのだけれど、そわそわし出した。
そして、気付いてしまった。S奈ちゃんやM希ちゃん達がいることに。そして、その母親達も・・
何となく、顔見知り。だが、挨拶に出向く程親しくはない関係。母親達と私とはそんな関係。そもそも、向こうは私のことなど既に忘れているに違いない。
学校行事でたまにすれ違っても、挨拶をするでもなく、視線さえ合わないのだから。




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S奈ちゃん達は、後輩に席を指示しているようだった。相変わらず、場を仕切っており、仲良しのM希ちゃんと見慣れないが恐らく同学年の友達と場所を陣取っている。
保護者は保護者で、それぞれ仲良しママ同士で空席を探してバッグを置いたりして場所取りを始めていた。


ーこっち、来ないで・・


私達二人の席の隣、6人程座れる場所が空いている。嫌だなーそう思い狼狽えていたら、


「本屋行きたい。ご馳走様。」


子がいつの間に食べ終わったアイスクリームの空容器を持って、さっさとゴミ捨てへと走り去る。追い掛ける形で、私も席を立つ。
S奈ちゃんらの席の前を通るのが近道なのだけれど、わざわざ不自然に大回りしてフードコートの出口へ向かう子の背中が、私と被った。
おかしなことに、去年、頻繁に我が家に遊びに来ていた子達だ。小学生でも、女同士の流動的な微妙な関係。子は、既にその世界にずっぽりと浸かっているのだ。




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ひとりごと

世界が狭い。
だから、こんなことで悩む。
半年前から、悶々といて楽しめず、気付けばカウントダウン。
適当に、うまく立ち回れたらいいのに。
カレンダー、5枚くらい一気に捲ってしまいたい衝動に駆られる。
逃げ方ばかり考えて、どっちに転んでも薄暗い。
爪先程の憂鬱に振り回されて、ひっかき傷があちこち出来た。




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人員確保

私宛に、町内会から運動会に向けての通知が来た。
会長が、いまだ身動きが取れずのことで、ラインでは謝罪メッセージが来たのだけれど、祭りに引き続いてこのまま最後まで副会長の肩書が重くなることを思うと、気が気では無い。
夏休みが終われば、すぐに打ち合わせ。来週に予定が組まれており、私が出るしかない。
副会長とは、会長のサポート役なのだ。

以前、耳に入った情報だが、運動会の参加メンバーを募るのにノルマが存在するらしい。それぞれの地区で、リレーは何人出して綱引きは何人出して・・というように、予め人員確保が求められる。
それこそ、役員の顔の広さが物を言う。
会長を始めとして、私以外の皆は、それぞれ苦も無く人員確保出来るに違いない。だが、Hさんが余計なことを言い出したのだ。




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「ここは公平に、それぞれ担当を決めない?」


種目ごとに担当を決め、人員を集めようというのだ。私はてっきり、何となく彼女らが友達に声を掛けたりして決まると思ったので、まさか役員内でノルマを作るだなんて頭になかった。
また、役員自身も最低3種目の競技に出なくてはならない。それも、穴が空いてしまった競技に出るのは必須。例えば、皆が注目するリレー選手が足りなければ、役員の中から選出しなければならない。
次から次へと、問題が降りかかる。




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消えたプレゼント

子が、義姉に買って貰ったばかりのストラップを失くしたかもしれないと言い出したのは、昨日のこと。
最後に見た記憶があるのは、旅行から帰宅する車中でだと言う。帰り、様々なパーキングに寄り道しながらだったのだが、そこで落としたのだろうか?
車の中は、一緒に探したけれど見つからず。旅行バッグの中にも見当たらず。
最初、家中血眼になって探していたら、子から白状されたのだ。


「家の中には無いと思うよ。だって、帰る前から無かったから。」


「え?もっと早く言いなさいよ。なんで、無いって気付いた時に言わなかったの!?」


「だって、怒られると思ったから。」


最近の子は、大人のような振る舞いをしたかと思えば、突然幼子のような言動をしたりするので厄介だ。
これはまずい。義姉に買って貰ったものだから尚更まずい。従姉妹とお揃いなのだから、次回会った時に身に付けていなかったらどう思われるか・・・


「ネットで買えるよ。」




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子が、タブレット画面を見せた。まるで、私の心中を察したかのようだ。ネットの価格は、送料含めれば3000円を超える。あり得ないーそう思い、


「自分のお小遣いでどうにかしなさい。」


突き放した。すると、


「じゃあいいや。」


ーえ?いいの?


あっさり諦めた子に、カチンと来る。物に執着し過ぎるのも良くないけれど、人から貰った物なのだ。
そもそも、失くしたと気付いた時に、髪を振り乱して探すこともなかった。しれっとしていたのだ。怒られると思って探す素振りを見せなかったというのは建前で、本当は面倒だったのではないか?
我が子ながら、残念な気持ちになる。

子が、友達と約束があるからと外へ出て行った後、結局あちこち探し回る私。どこにもないことに苛立ちが募る。
夫の部屋に入り、夫が使っていた旅行中のバッグまで漁るが、怪しいポイントカードまで見付けてしまい、更にげんなりする。見付けたいものは見付からず、見付けたくないものが見付かる。
臭い物に蓋をするように、元の位置にカードを戻した。




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土産選び

義実家と旅行へ行くことは、黙っているはずだったのだが子が実母にぽろっとこぼしたことによりばれてしまった。


「いいわね~、お気楽で。」


そう言いながら、もっと嫌味の続きを言いたい風な母だったが、孫の手前言葉を飲み込んだのだった。
そういう訳で、旅行中は実家への土産に頭を悩ませた。何を買おうかー
母が喜びそうなもの。乾物やつくだ煮などご飯のお供になるようなものも良いけれど、海に近い場所だったので、魚介類が喜ぶかもしれない。
観光を終え、義両親や義姉達もぞろぞろと土産屋へ。
義姉や義母は、綺麗なガラス細工に魅了されていた。ガラス細工で有名な土地ということもあり、多くの作家の作品だけではない、若い女の子達が喜びそうなアクセサリーも販売されていた。


「これ、可愛いじゃん。」


ピアス売り場で義姉達がはしゃいだ声を上げていた。周囲の客層は、10代~20代。なので、痛いおばさん達が浮かれているようにしか見えない。
私はとっとと実家用土産を買う為に食品売り場へ行きたかったのだが、姪っ子や子もお揃いのストラップを買うだとかで店内を何周もぐるぐる回り、時間はどんどん過ぎて行った。
男性陣は、外で煙草を吸ったりビールを飲んだりと気ままに待っていたので、彼女等が費やす時間も気にならないようだ。 私だけ苛々を募らせていた。


「これ、買って~」


そう言って、子が持って来たストラップは2500円もした。それは、トンボ玉で出来ていたからだ。ストラップなんて500円くらいだと思っていたので却下。だが、姪っ子は買うという。


「なかなか来れないんだから~」


次女は笑いながら私を窘める風に言う。土産代として夫から預かった金は5000円なのだ。その中に、会社への土産と自宅用も含まれる。ストラップに2500円も使ったことがバレたら面倒だ。


「いいわよ~おばちゃんが買ってあげる。」


そう言うと、次女はさらっと子からそのストラップを受け取り、さっさとレジへ支払いに行ってしまった。


「ありがとうございます・・」


借りが出来てしまったことに、気分が重くなる。




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ようやく義姉達の買い物が終わった。配送手続きやら何やら込みで、2時間は取った。
その後、限られた時間で食品メインの土産屋へー


「OOさん、ちょっと子ども達見ててくれる?」


義母や義姉達がまさかの子ども丸投げ状態で、店内に入ってしまった。子ども達にかき氷でも食べさせておいてと義母から5千円を貰った。
また、ここでも1時間。私だって色々見たいのに・・義母が早目に切り上げ、私に自由時間をくれたけれど、20分程度。
男性陣も合流し、そろそろ別の場所へ行きたいと言い出したことで、慌てて商品を選ぶ。なので、満足のいく買い物など出来なかった。実母の不満げな表情が頭にチラつく。
予算もまったく足りないし、虎の子足しても配送料だとか色々計算すると損をするだとかー、あれこれ考え過ぎて優柔不断に迷ってしまう。
結局、どこにでもあるような日持ちのする菓子程度を買っただけ。しかも、夫の職場用と同じもの。海産物を買おうと思っていたけれど、選ぶ時間は殆ど無かった。
そして、子ども会の役員メンバーにも土産を買っておくべきだったと気付いたのは、帰りの車中。実家にも義実家にも気を遣い、ほとほと疲れ果てた旅行だった。




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今日の写真






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今日の写真









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サザエさん症候群

人より一日多く休みを取っていた夫が、今日から出勤。
前日の、サザエさん症候群といったら酷いものだった。
生活リズムは普段から乱れているが、日頃の睡眠時間を取り戻すかのように、予定が無い日は正午まで寝室でようやく稼働し始めるのが午後2時~。
夜になれば、たっぷりと時間を掛けて晩酌をし、午前様を過ぎてもダラダラソファーに寝そべり深夜テレビを観ながらスマホ片手に延々と飲み続けるのだ。
盆休み、流石にツーリングへ行くことは無かった。この猛暑の中で長袖長ズボンになるのも気が進まないだろうし、そもそも仲間も帰省したり旅行へ行ったりで忙しかったのだろう。
暇になった夫は、私と祭りへ行ったり実家と旅行へ行ったり。そうでなければ、一人で日中ふらりとどこかへ出掛けていったりと気ままな夏休みを過ごしていたのだ。


「はぁ~、明日から仕事か。行きたくねえな。」


ため息と大きなひとりごとは、私に向けられる。何と返したらいいか分からず、曖昧な笑顔を返すと、皮肉な笑顔を更に返された。


「あなたはいいよな、毎日が夏休みで。」


「・・・」




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予想通りの台詞にげんなりする。私だって、仕事ではないけれど、日々ぐうだら楽しく過ごしている訳ではない。むしろ、夏が終わりこれからのことを思うと憂鬱で仕方が無いのだ。
既に、子ども会ラインや卒対ラインのトークは活発に動き始めている。
夫や子のように、毎日外に出ている訳ではないけれど、頭の中では毎日出勤しているのと同じくらい、私の脳内はそれらに支配されているのだ。
要するに、切り替えが出来ない。
そんな私の心中など露知らずの夫は、子の前で私がいかにお気楽な身分なのかということを吹聴する。子は、夫の言葉を鵜呑みにする。
こうして刷り込まれた情報は、母を見下す行為に繋がるということを、夫は分かっていないのか?


「はぁ~めんどくせぇ。」


結局、休み最終日までリズムが治ることもなく、今朝は睡眠不足でフラフラになりながら出勤した夫。朝食も、二日酔いもあってか殆ど手を付けないままだった。
子と再び二人になり、ほっとする。亭主元気で留守がいいとはよく言ったものだ。




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  • category:

  • 2019/08/20

隔たり

たった一泊二日の旅行。
だが、疲れた。義実家との旅行だからだ。

とことん、彼らとは気が合わないことを実感したし、このように旅行へ何度行ったところで埋められない溝がある。
それは、血の繋がりだけではない、もっと別の隔たり。

私の場合、義両親というよりは義姉達の存在が重荷だ。言いたいことを言い放ち、私は常に蚊帳の外。
たまに絡んで来たと思えば、不快感を与えられるだけに他ならない。
こうした存在が、自分と同世代だということ。それだけ残りの人生、長い時間関わり合わなければならない事実を思うと、気が重いのだ。

例えば、これから子の進学だったり将来に向けて、保証人になって貰う為に頭を下げたり。また、一人っ子にしてしまったことによる従姉妹との関わりの濃さ。
これを断ち切ることなど、出来るはずもない。

結婚とは、家族と家族が繋がること。今更だけれど、それを実感している。




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タイムカプセルの行方

同窓会があったことを伝えるラインが入った。かおりからだ。
結局、私は気乗りもしないので参加しなかった。あの輪の中で馴れ合いになっていく自分をまったく想像出来なかったから。
何十年も経てば、あの頃とは状況も違うし、皆大人になっているしーそう思ったけれど、実際はそうでもなかった。
根本的なところは変わっていないし、ああいう会に参加する人達は、「現状に満足」しているのだ。「今」を聞かれて、堂々と答えられるだけの肩書を持っていたり、そうでなければ物事を深く考えることの出来ない、能天気なお気楽人間なのだ。
私が前回参加したのは、夫が勝手に「〇」を付けたから。意地悪な夫は、私が困窮する姿を見ることに快感を得ている。家庭内でさえ、圧倒的に自分より下の人間を見ることで、彼なりに心の安定をはかれるのだろう。




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かおりから写真が送られて来た。だが、どれも心に響かなかった。初恋の人がいる訳でもなければ、親友がいる訳でもない。
私が参加したところで場が白けるだけだ。会費をがっぽり取られ、愛想笑いをし、マウントされ続ける。ただそれだけのことなのだ。
ただ、ひとつだけ気になることがあった。タイムカプセルだ。確か、あの代の時、学校で周年行事の一環で校庭にタイムカプセルを埋めた記憶がある。
大人になったっ自分への手紙ー、それともう一つ食べ物以外の宝物。その宝物が何だったのか思い出せない。思い出せないことが引っ掛かる。
喉の奥に魚の小骨が引っ掛かったような、そんな感覚をおぼえた。




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タイムライン充

うざい、ただただうざい。
卒対メンバーになったことで、また繋がってしまった。タイムラインを覗けば、スネ夫ママの更新頻度にげんなりする。
アイコンがちょいちょい変わることもうざいが、夏を満喫しまくっています!的な投稿が毎日のようにアップされるのは、更にうざい。
見なければいい、ただそれだけのこと。だが、見てしまう。大嫌いなのに、見てしまう。この心理は何なのだろう?自分でもよく分からない。

スネ夫ママは、とある国を旅行中だ。浮かれるのも無理はない。この間の祭りで、ボスママらの輪にいなかったのも、国内にいなかったからだ。




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異国の地ではしゃぐ子ども達の様子。動画まで。夫婦のツーショットも盛りだくさん。
それに、友人夫妻が在住しているらしく、豪邸?とも思われる自宅に招かれてパーティーしている様子もアップされていた。
スネ夫ママがドレスアップしている姿に、「いいね!」が30件近く押されていた。まるで、芸能人・・・

タイムラインの投稿は、業者のDMに紛れて殆どがスネ夫ママで埋め尽くされた。間違えて、「いいね!」を押しそうになり焦る。

この、黒い気持ちの正体が何なのか自分でも分かる。それは、ママ友やパートだけの世界ではない、外の世界さえ充実している彼女を羨む気持ちだ。
そして、その充実を見せ付けられるだけならまだしも、常に彼女の存在は不快感。私と目が合えば、見下したような表情。そんな女の幸福が、許せないのだ。




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女だけの墓参り

母と子と三人で、墓参りへ行って来た。
父は、体調のこともあり留守番。弟も、バイトがあるというので今回は来なかった。
車が無いので電車とバスを乗り継ぐものだと思っていたけれど、当たり前のようにタクシーを呼ぶ母。
タクシー代のことを思うと頭が痛かったが、これも親孝行だ。
実家の最寄り駅まで子と電車で向かい、そこで母と落ち合った。


「暑いわね~。ちょっと買い物してから行くわよ。」


そう言って、花屋へ。一際ゴージャスな花を選ぶ。財布を出そうとモタモタする母を遮り、千円札二枚を店主に差し出す。


「あぁ、後で払うわ。細かいのが無くて。」


「・・・」


タクシー乗り場へ行き、車に乗り込む。電車とバスで行けば、数百円で済むのだが高齢の母を連れてなので仕方が無い。これも、必要経費と思うことにした。
墓地に着き、空が曇って来た。台風の切れ端の影響で雨に降られるかもしれないと覚悟していたけれど、この調子ならなんとかギリギリセーフだろう。
日は照っていないのに、蒸し暑くシャツは汗でべったりと張り付き気持ち悪かった。バケツにたっぷりの水を入れ、墓石へ。
墓は、荒れており、まずは掃除。草むしりや泥を箒と雑巾で掃う。母も途中まで一緒にしたけれど、気分が悪くなって来たというので休ませ、子と二人で整える。
子は、祖母である母の前で反抗的な態度を取らない。妙に素直だ。母である私が顔色を伺いあれこれしている様を、物心ついた頃から見ているのだ。誰が強くて弱いのかを知っている。


「OO、ありがとうね~」


母は、上機嫌だった。買って来た花を入れ替え、墓石にたっぷりの水を浴びせる。
ぴかぴかになったので、線香をあげる。


「でも、雨が降るからまた汚くなるわよね。」


「・・・」


なぜ、こう水を差す発言をするのだろうか。だが、それが私の母なのだ。もう、諦めた。
墓参りが終わり、その後は軽くランチをした。ちょっと豪華に、デパートの屋上でとんかつを食べた。


「ここは払うわ。」


会計時、タクシー代や花代のことを思い出したのだろう、母が財布を取り出した。今までなら、それも遮り私が出していたのだけれど、今回はその言葉に甘えることにした。
言われるがままにしている私に、母も微妙な顔をした。


「ご馳走様。」


一言そう言って、母の横を通り過ぎ店を出た。会う度に新しい服の母。そんなに余裕があるのなら、たまにはいいだろう。




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「ちょっと、見たいものがあるのよ。」


そう言って、ジュエリーコーナーへ連れていかれる。


「これ、素敵よね。」


18金のネックレスを指す。すぐに店員がやって来て、ショーケースから取り出し母に差し出す。鏡の前、うっとりしながら母は値段をさりげなく見る。


「安いわね!3万円?」


イエローゴールドのネックレスだ。店員は、母の言葉を見逃さずぐいぐい押す。結局母はそれを購入した。まるで、八百屋でキャベツを買うかのような即決ぶりだった。老後の資金は大丈夫なのだろうか?不安がよぎる。


「予算、5万は見てたのよ。」


「・・・」


「あんたも、もう少しちゃんとしなさいよ。なんか貧乏臭い。結婚してから本当、安っぽいのばっかり身に付けて。女の子の母親なんだから、身綺麗にしなさいよ!」


「・・・」


娘としての仕事を終え、母と別れて電車に乗り込む。


「ばあばって・・」


「何?」


「何でもない。」


それ以上、子に追及する気力は残っていなかったけれど、何となく言いたいことは分かる。子も、私と同じような感情を母に持ったのだろう。




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夫の隣で

先週末の祭りは、約束通り夫と二人で行った。
夫は、自転車で行くことなど頭にないらしく、電車を使う。ビールを飲むので車は却下。
子は、友達と行ったので、会場で鉢合わせするかもしれないと思った。

電車の中から、予想以上の混雑に恐れおののく。夫とはぐれないよう、目で背中を追い続ける。
会場に到着し、既に夕暮れ。祭りばやしや人の騒ぐ音に、夏の夕暮れの切なさをおぼえる。
感傷に浸る私をよそに、夫はずんずん屋台へ歩き、ビールを買い、ぐいっと一気に喉に流し込む。


「あー!うめぇ!腹減ったな。焼きそば食いたい。」


「買ってくるね。」




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夫の要望に応えるべく、焼きそばの屋台へ。列が長くうんざりする。屋台の並びの奥は、ちょっとした芝生になっているのでそこでレジャーシートを敷いて屋台で買ったものを飲み食いしている人々が多い。
ぼーっとそちらの方を眺めていると、孤高の人がいた。それに、ボスママ・・
焼きそばの列に紛れるように身を隠しながら、もう一度そちらの方を見る。スネ夫ママはどうやらいない。何となく見知った同学年の親が数人。何繋がりだろう?
幼稚園でもなさそうだし、習い事か何かだろうか?5人くらいの母親で楽しそうに飲み食いしていた。そこに、子ども達の姿は無い。
土日の家族水入らずの時間、家族よりも楽しい集まりということなのだろうか?私には理解出来ないけれど、どこか羨ましい気持ちもあった。
ママ友ーではなく、もう友達なのだなと。

焼きそばを二つ買い、自分の分に飲み物も買った。本当はビールを買いたかったのだが、夫の手前なんだか遠慮してしまう。
すごすご夫の元に戻ると、夫は手に二つビールを持っていた。


「飲むだろう?」


買ってしまった冷たいペットボトルを鞄に入れて、夫からビールを受け取る。普段、飲むことなど殆どない生ビール。クリーミーな泡を口に含むと、尖っていた心が丸くなる。
相変わらず、外でも夫との会話は皆無だったけれど、浴衣姿で行き交う人々を眺めながら食べる焼きそばは格別だった。
脇に寄せられた紅しょうが。孤高の人を思い出す。彼女のように自分を持つ人。私は、焼きそばにもなれなければ紅しょうがにもなれない。
何者にもなれない。ただ、隣にいる腹の出た横柄な夫の妻であり、子の母である。でも、それでいいのだ。酔いが回れば、そんな風に自分自身を納得させることが出来た。




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  • 2019/08/14

あの頃

青春時代に戻りたくなったら
その頃に出会った人と会えばいい
その頃、よく行ってた場所に行けばいい

しばし

今を忘れて懐かしんで
思う存分後ろを振り返ろう

また、前を向いて歩く為のエネルギーに変わるのなら






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盆の仕事

8月も、もう三分の一が過ぎる。だが、祭りのプレッシャーから解放された今は、リラックス状態が続いていた。
盆には、義実家との旅行があるので憂鬱だけれど、自分が仕切る立場ではないのだから大したことはないと言い聞かせている。
ゴミ捨ての際、素敵ママと会った。祭りが成功したことを労う言葉になんだか救われた気がした。トランクを車に運び入れていたので、社交辞令にどこへ行くか聞いた。


「一足先に実家に帰るの。旦那は後から。私と子どもだけでね。」




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相変わらず、活き活きとする彼女に、人知れず悩みなどあるのだろうか?と思う。同じ人間でも、同じ間取りの団地に住んでいても、人が違えば何もかもが違うのだ。
そういえばー、夫の実家の墓参りはしているが、自分の実家の墓参りはご無沙汰だということに気付く。気付いてしまったら、なんだか胸がざわざわし始めた。
気になると居てもたってもいられず、つい実母に電話をする。そして当たり前だが、こんなに暑い時、病み上がりの父を連れて行けるはずなどないと言われてしまった。
暑いからといって、グダグダしている場合ではない。そうだ、墓参りに行こう。電車で行ける距離なのだ。子が友達と予定を入れていない日を確認すると、心が決まった。




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ソフトクリーム

子が友達と約束の無い日ー、午前中は家でがっつり宿題をしたので、そのご褒美も兼ねて午後からショッピングモールへ出向いた。
しかし、外は灼熱。自転車で行くことにぶつくさ言う子。
友達との約束では、ほいほい自転車に乗って行く癖に、私とだとすぐに甘えが出る。
汗をだらだら流しながら、モールへ到着。昼ご飯は食べて来たので、プラプラとウィンドショッピング。
いつものように、アイスコーヒーが無料で貰える気に入りの店へ。甘めのアイスカフェオレの入ったカップを手に、子とぐるぐる店内を物色する。


「これ、美味しそう。」


つい目に付く珍しいレトルトやお菓子に心奪われる。
特に買い物はせず店を後にすると、多少の罪悪感は残るけれどそれも慣れた。
今度は、子が行きたいという文房具店へ。イラストを描く為の画材が欲しいと言う。
相変わらず、友達と漫画を描くことにはまっている子。だが、子が描く絵はやはり幼い。暑中見舞いが友達から届き、まるでプロ並みの女の子の画に驚いた。
彼女は、美術部に入ると今から決めているのだそうだ。




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フードコートに腰掛け、ソフトクリームを二人で食べた。


「入りたい部活とか、あるの?」


「美術・・かな。」


友達がいるからなのだろう。だが、下手でも絵を描くことにはまっている子を見ていると、それもアリかと思う。
授業以外の時間が、苦しいだけでは損だ。辛さの中に仲間との連帯感やこれぞ青春と味わえるうまみがあれば別だけれど、登校拒否するくらいなら少しでも楽な部活を選べばいい。
帰宅部だった私は、暗い学生時代を過ごして今に至る。そうした過去が今も人間関係を不得手にしているのかもしれない。
子には、そうなって欲しくない思いから、明るい学生生活を送って欲しい一心で、体育会系と思った時期もある。ダンスをしていた時期があるのだからーダンス部はどうだと勧めたこともあった。
だがー、それは親の思いであって子の思いではない。


「いいんじゃない?美術部。」


ソフトクリームを舐める子の表情が、嬉しそうに和らいだ。




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家族レジャー

暑い、とにかく暑い。
夫が代休の日、家族でプールへ出掛けることになった。夫が知人から無料チケットを貰ったからだ。
しかし、高学年女子の子どもとその両親3人ーというのは、こうも盛り上がらないものなのか。
周りは幼い子供達ばかり。子と同じくらいの年頃の子は、兄弟がいたりまた友達と来ていた。
私の水着は古臭く、市民プールで泳ぐ際の競泳用水着なので、恥ずかしかった。皆、まるで洋服のような水着。
しかしたったこの1度きりの為に、数千円出して新調するとまた夫にグチグチ言われる。それは避けたかったので、競泳用水着の上に、普通のTシャツをかぶることで周囲と同化しようと試みた。

当日、急な提案だったこともあり、冷蔵庫は空っぽ。なので、あり合わせのものであれこれ弁当を作った。
お握りと卵焼き、それに魚肉ソーセージ。明らかに足りなかったので、ポテトも挙げた。お握りは全部で7つも作った。
汗水垂らしながら、作ったお握りをアルミホイルにくるんだり、揚げたポテトをジップロックに入れていたら、


「買えばいいよ。」


面倒臭そうな顔で言う夫。普段、節約を強いる癖に、気まぐれなのか度々金遣いが荒くなるのだ。
文句を言われながらも、保冷バッグに弁当を入れて行った。
プールの中は、生ぬるかった。夫も子も、気持ちよさそうに流れるプールの流れに逆らうことなくぷかぷか浮いており、私も同じく。
昔買った浮き輪は、子にはもう小さ過ぎる気がしたけれど、だからといってレンタルする気にはなれなかった。
ただ、回りの家族が始終はしゃいだ声で和気あいあいと流されているのに対し、私達は個別にそれぞれ離れたところで浮かんでいた。家族ーだとは、誰もが思わないだろう距離感で。
せめてーと、子に近づこうとすると、すぐに離れてしまうのだ。
少し寂しい気もしたが、それでも家族水入らずで夏のレジャーをしているという実感は、私を満足させるのに十分な材料だった。
昼になり、夫と子の前で持参して来た弁当を出す。隣の家族は買ったのだろう、ラーメンやらカレーのいい匂い。この暑いのに・・と思ったが、子がポツリと口にする。


「ラーメン、美味しそう。」




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聞こえない振りで、お握りを一つ手渡す。もう一方の家族も、プール屋内の店舗で購入したハンバーガーやポテトにかぶりついている。
ジップロックのポテトを夫に渡したら、


「なんだ、これ?」


ジップロックに入ったポテトはすっかりしなびて小さくなっており、みすぼらしくなっていた。揚げたてで入れた時は、袋一杯になっていたはずなのに、しょんぼりしてカサがかなり減っている。
夫はポテトを手に取らず、子に渡す。子も、中身を見て手を付けずに私に返す。仕方なく私が食べる羽目になったポテトは、確かに冷たくぼそぼそして美味しくなかった。
300円払って、揚げたてを買うべきだったのかもしれない。
魚肉ソーセージを頬張りながら、


「これじゃあ足りないだろう。」


苛々とした足取りで、子と共にフードコーナーへ行ってしまった。しばらくして、ハンバーガーとポテトに炭酸ジュースを手にした二人が戻って来た。
一応、夫なりの優しさ?なのか、私にも要るかと聞いて来たけれど、こちらも意地になり拒否した。
夫と子は、ホカホカのハンバーガーと揚げたてのポテトに食らいつき、私は冷たいお握り2つと魚肉ソーセージとポテトを口に運んだ。家族なのに、別なものを口にしている夫と子を、どこか他人を見ているかのような気持ちで眺める。 余ったお握りは、仕方なしに捨てることになった。
午後は、波のプールへ。私は波打ち際で彼らが浮かぶのを眺めていた。今度は、私から彼らと距離を取った。水に浸かる足先が、太陽の光に反射してキラキラ輝いていた。




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未成熟親子

子が、毎日のように宿題を持って友達と会っているので安心していたが、蓋を開けると、殆ど手を付けていない事態が発覚した。
一応、ドリル的なものはところどころ終わっていたが、それ以外がまるきり。
読書感想の本も読んでいなければ、工作もまだ。自由研究にいたっては、私と一緒に図書館で本を何冊か借りたまま何も決まらずにいる。
8月に入り、10日を過ぎればあっという間に夏は終わる。
それが分かっているので、つい口出しをしてしまう。間際になり、焦って助けを求められても困るからだ。




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「皆はどうしてるの?」


「さあ。」


毎日のように友達に会っているのに、肝心なところは話していない。


「それより、今度のお祭りの焼きそばは500円するらしいし、他の屋台も高いみたいだから、お金頂戴。」


「・・・」


まるで他人事の子に、低学年の頃と変わらない部分をみる。成長したところは、体と反抗的な態度だけではないか。少しでも自立心が見られれば、ちょっと反抗的な態度を取られても仕方が無いかと流せるのだけれど。
未成熟ー今の我が子に当てはまる言葉。
苛々しつつも、金を追加で渡す。そうして、ついネットで自由研究のあれこれを検索してしまう。私も未成熟な親なのだ。




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誘い

祭り疲れの週明けー、子は早々におにぎり持参で児童館へ。
残された私は、洗濯が終わるのを待つうちにうつらうつらと朝寝してしまい、気が付けば11時半。
疲労感はまだまだ抜けない。

来週末にまた近所で祭りが行われるのだが、子は友達と行きたいと言う。もう、親と行動する年齢ではないのだと寂しく思う。
この間の祭りで夫は、結局焼きそば券を使わず、コンビニであれこれ買い込んで酒を飲んでぐうだらしていたらしい。
祭りの片付けなどで疲れ果てており、夕飯の支度など考えていなかったのに、何かさっぱりしたものが食べたいとごねるものだから、冷やしうどんに薬味たっぷりとかぼちゃの煮物を出した。


「週末、行くか。」


珍しく、夫から声が掛かった。最初、何を言っているのか理解出来なかった。
団地のエントランスにも貼られているポスター。自転車でも行ける距離のこじんまりとした規模の祭り。
夫は、そこに家族で行こうと誘っているのだ。
だが、子は既に友達と約束をしている。それを伝えると、


「キャンセル出来ないのか?」




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阿保なことを言い出す。好き好んで、友達と行く予定の祭りに、それをキャンセルして親と行くことなど有り得ない。実際、会場でバッタリ会ったらどう言い訳をするのだ?
パパとママと行きたくなってーなんて、幼児までの台詞だ。
そうして、夫の中で我が子はいつまで経っても成長が止まっているのだと知る。


「楽しみにしてるのよ、友達と行くの・・」


あからさまに渋い顔をしながら、新聞に目を落とす夫。


「じゃあ、二人で行くか?」


ーえ?


正直、予想外の台詞で驚きを隠せなかった。すぐに返答も出来ず、それに夫がまた苛つく。


「嫌ならいい。」


途端に不機嫌になる夫を止める為、


「行きましょう。」


条件反射なのか。つい夫の前、私はイエスマンになる。




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  • category:

  • 2019/08/06

捜索

神輿が終わると、子ども会として出店している屋台に寄る。

そんな中、新一年生の男の子が迷子になってしまった。しかも、そういう子に限っての保護者付き添いが無い。
集会所までは来ていたはずだが、また終わりの時間に向かえに来るということで私達に預けたのだ。


「どうする!?取り敢えず、アナウンス流して貰おう!」


会長が、すぐさま祭り本部へ行き、迷子のアナウンスを依頼しに行った。私達も、必死になって探す。熱さで朦朧としながら、声を張り上げる。
例の熱心な母親がそれを知ると、大騒ぎ。携帯を取り出しどこかに電話を掛けているようだった。
30分経ってもいない。子どもがいると思われる屋台も見た。流石にこれはまずいと、Hさんがその子の自宅に電話を掛け、母親が真っ青な顔をして祭り場所に来た。
ふと、近くのコンビニが思い浮かび、全速力で走る。あのコンビニは、あれくらいの男の子が好きなガチャが置いてあるし、漫画の立ち読みをしてる男子学生をよく見る。




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ービンゴ!!


「探したよ!何してたの!?」


びっくりした顔で、読んでいた漫画から目を離す男の子。


「お腹痛くて、トイレ行ってた。」


どうやら、トイレへ行きたかったようなのだが、用を足すと、今度はこの暑さの中戻る気になれず、漫画の立ち読みをし始めたら祭りのことを忘れてしまったらしい。
やれやれと思いながら、すぐに携帯で会長に電話をする。こういう時、ガラケーなのを面倒に思う。
ラインなら、子ども会グループにラインで投下すれば、すぐ皆に情報を共有出来るのに。
祭り場に戻ると、母親にこっぴどく怒られた男の子は、しかしどこか他人事だった。
何はともあれ、事故に繋がらず良かった。





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祭り本番

全身、筋肉痛。

夏祭りは、大成功だった。
当初、来ないと言っていた会長も、途中参加で助っ人に来てくれた。その他、お手伝いの保護者もずらりと来て、逆に人手がたくさん。
特に、新一年生の熱心な母親を率いるグループが、前のめり気味にあれこれ動いてくれたお陰もあり、祭りはスムーズに執り行われた。

自治会との連携も、Hさんが積極的に動いてくれたお陰でうまく行った。 私の仕事は、会長の代わりなんだーというプレッシャーは、いつの間にHさんがそのポジションについてくれたお陰で、薄らいだ。
恐らく、私に任せておけなかったのだろう。例えば、子どもが母親のお手伝いをして余計に時間が掛かるのなら、自分でやってしまった方が早く済むーそんな具合に。




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私のちっぽけなプライドなど、無意味だ。どうせ出来っこない。人には、向き不向きがある。ならば、私の「向き」って何だろう?と問われれば、答えに詰まってしまうのだけれど。
力仕事を頑張るしかなかった。
早朝から、屋台のテント組み立ての手伝いを黙々と行った。自治会だけでするというものだったが、例年、子ども会の役員の夫など、男手を必要とするもの。
皆、旦那が仕事だとか子供を見ているからという理由で無理だったし、私の夫は休みだというのにハナから手伝う気もない。ならばーと私が行うことになった。
ラジオ体操の件もそうだけれど、黙々と出来る、「間」のない作業が私には向いているのだろう。
人々を取りまとめたり、また引っ張っていくことなど無理なのだ。

集会所の冷蔵庫の中と、いくつものアイスボックスの中にあるジュースやアイスを運ぶ作業。神輿周りで疲れた子供達にそれを配布する作業などは、積極的に行った。
柄にもなく、大声が出た。


「アイスですよー!冷たい飲み物も、好きな物をお取り下さーい!!」


「OOさん、そんな声出るんだね。」


Hさんが、少し驚きながらも笑いながら声を掛けてくれた。




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本番

いよいよ夏祭り本番。
昨夜は緊張と不安でよく眠れなかった。

休みの夫は、役員の私の仕事など手伝う気などさらさらなく、明日は休みだからといって深夜遅くまで飲んでいたらしい。
朝起きると、テーブルの上には散らかったポテトチップスの袋や空き缶、それにハーゲンダッツ。
家に、嫁と娘がいれば、普通なら家族分買ってくるだろう。自分のことしか考えていないのだ。




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夫と子の二人分の朝食だけ作り置きし、洗濯もあさイチで済ませた。
昼は、子は祭りに友達と行くので屋台で食べるだろう。お金だけ渡して置いた。夫の分の昼は、腹いせに団地一世帯につき1枚貰える焼きそば券を置いておいた。
後は、自分でやってくれという思い。

今日も外は灼熱。熱中症だけは気を付けてー、頑張ろう。




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駿足カレンダー

とうとう8月に入り、カレンダーを捲った途端、日々の流れが加速していく。
あっという間に夏は終わるー毎年、感じること。

人生も同じだ。

父が退院したとの知らせ。子を連れて見舞いにでもーと思っていた矢先のことだった。電話ではなく、何故か手紙が母から来たのだ。
こういう時は、虫の居所が悪いという印。電話一本で済むものを、敢えての手紙。
私の声など聞きたくはないーという表向きのポーズからの、内心では早く電話の一本くらい寄越したらどうだというサインなのだ。
もう40年以上、彼女の娘をやって来たのだ。それくらい分かる。だが、どうも母は私のことなど分かってはいないらしい。これが、どれだけ我が子の心をえぐるのかということが。




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電話をしなければーそう思いつつ、子ども会の夏祭りで頭が一杯でそれどころでは無かった。
彼女からしたら、「くだらないボランティア活動」であるこの仕事。それが、どんなに娘の圧になっているかなど知る由もない。そういう娘に育ってしまったことさえ、彼女からしたらどうでもいいことなのだろう。
私は、失敗作なのだから。
彼女の中で、私は成功者になるはずだった。メディアに取り上げられるー、そうでなくてもバリバリと男を凌いでキャリアを磨く。
百歩譲って、並みの人生を歩んだとしてもー次男、三男と結婚した自由な娘と親子二世帯で暮らし、孫の面倒を文句を言いながら見る。
だが、、娘は一番なって欲しくなかった専業主婦になってしまったうえ、長男の嫁となってしまった。
自身の昇華しきれなかった人生のモヤモヤを当て付ける。そこからは何も生まれやしないのに。

それでも、日々は容赦なく加速していく。皆、平等に与えられた時間のはずなのに、不安が募る。
誰かの中で、自分の存在を美化させたい。それは、他人だけではなく家族に対しても思う気持ち。
限られた時間が少ない者に対してそう思うのは、自分本位なのかもしれない。
清らかな愛とは違う自己満足ーそれは、子どもとしての唯一の我儘に他ならない。




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主婦、夏休み無し

痙攣はまだ続いている。
そんな中、夫から嬉しくないお知らせ。
夏の予定は未定だったのだけれど、休みが思ったより長く取れることになり、家族旅行へ行こうと言い出した。
本来、喜ぶべきところなのだけれど、そうはいかない。
なぜなら、恒例ともなっている義実家同伴の旅行なのだ。




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何故、一言私に相談が無いのだろう?常に結果報告。
従姉妹と仲の良い子は大喜び。夏のイベントが一つ増えたのだ。子にとっては、両親と3人きりより楽しいに決まっている。
家族と行動するのも、詰まらない年頃なのだということも分かる。
だけれどー、我慢するのはいつも私だ。楽しいのは二人だけ。私だけ蚊帳の外。 仮病を使って行かないという手もあるけれど、後々義姉達からあれこれ言われることを思うとしんどくなる。

まだ詳細は決まっていないけれど、夏休みは主婦にとって休みではないー典型的な一例だと思う。




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