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乗れない会話

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子供会で秋の行事があり、その準備のお手伝いに参加して来た。一応、任意なのだがー、しかし私が専業主婦で一人っ子親だということを認知しているだろう彼女らの手前、欠席するのは気が引けたのだ。
重い腰を上げ、集会場へ出向く。
ガラス戸を開けると、奥の部屋からぺちゃくちゃと楽しそうな雑談。それを耳にすれば、そのままUターンして自宅に戻りたくなる。
入り口でノロノロしていると、背後から、


「おはよう!」


素敵ママが声を掛けてくれた。救いの女神のような彼女。つい、ワントーン高くした声で彼女に話し掛けた。


「おはよう!あれ?髪型変えた?すっきりしたね。」


思い切りショートにした彼女。耳元にはダイヤの一粒ピアスがキラキラ輝いていた。


「うん、暑くってバッサリね。髪も乾かすの楽だし、もっと早くにカットすれば良かった~」


楽しく会話をしながら、部屋に入る。彼女と一緒なので心強かった。このまま流れに乗れば、違和感なく周囲に溶け込めるかもしれない・・・
彼女が座った隣にさり気なく腰を下ろす。彼女のとりわけ仲良しないつものメンバーは違う列のテーブルを陣取っていた。仲間がいようがいまいが、彼女は目に付いた席に座るのだ。
他の学年の母親達は、殆ど面識が無く、しかし素敵ママは既に顔見知りなのか親し気に声を掛けられていた。



「こないだのDVD、面白かったよ。今日忘れちゃったんだ。次会う時でもいい?」


「あー、全然いいよ。しばらく見る予定無いし、なんなら年明けでも。」


相変わらずのフランクさで周囲を和ませる彼女。私達の席は6人テーブルで、私と素敵ママを覗く4人のうち一人は、夏の祭りで共に係だった6年の保護者だった。
しかし、全く彼女と目が合わないことで、挨拶しそびれてしまった。勝手に一人、気まずくなる。


「ooちゃんのとこの先生、どんな感じ?」


素敵ママが、私に話し掛けてくれた。嬉しくなってそれに答える。正直、担任の印象は良くも悪くもだが、なんとか自分なりに話を盛ったつもりだ。
お愛想かもしれないが、それに彼女は笑って応えてくれた。
見た目、気の強そうな人が、担任の出す宿題量の話をし出した。素敵ママはその人と知り合いなのかどうなのか微妙な線の敬語とタメ口の混じった言葉で、


「塾行ってる子からしたら、それはストレスですよねー。塾だと宿題も結構出るの?」


すんなり会話に入る。私はまた、一人取り残される。他の人達も、二人の会話に絶妙なタイミングで参加する。いやー、タイミングなど図っていないのかも。
何も考えず、ぽんぽん思い付いたことを口にしているだけなのかもしれない。
そして、タイミングばかり考えている私にとって、開始からたった5分足らずで出来上がったこのテーブルは、既に激流並みの勢いを持った流れに感じられ、もう飛び込む勇気など持てないのだった。

お手伝いは、少しの内職的な手作業だった。皆が和気藹々と楽しく雑談すればする程、私の作業は悲しいくらいにはかどった。
皆が一つ作り上げる頃、私は三つも仕上がっているーそれはそうだ。黙々と手を動かしているのだから・・・

解散の流れがまた難しく、一応役員から終わりの号令が掛かる。しかし、盛り上がった場はそこから動かない。私だけが手荷物をバッグに入れ、腰を浮かす。
せめて挨拶だけでもーと思い、素敵ママを含む同テーブルの人達に一声掛けた。その日、私が初めて彼女らに掛けた第一声だった。


「お先に失礼します。」


「お疲れさまでしたー。」


「お疲れさま~」


素敵ママのにっこりした残像が、目の裏にしびれるように焼き付けられた。






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