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危機一髪

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「これ、買ったの?」


最近になり復活した、夫の追及。
冷蔵庫に入っていたコーラ―だ。子は、炭酸が飲めない。それは、私用の飲み物だった。ワインの飲み過ぎで胃腸が重く、それを緩和させる為に飲んでいたものー飲み掛けのものだった。
ワインなどの酒類は、夫に見つからないよう戸棚の奥に隠してあるし、また空き缶や瓶なども、見えない黒い袋に何重にもしているので、ばれることはない。ばれるとすれば、夫がごみ箱を漁り、その何重にもなった袋を開けた時だ。
しかし、毎晩残業や飲み会で遅くなる夫が、そんなことをする暇が無いことは承知の上でしていることだった。


「うん、ちょっと気持ち悪くて。」


さすがに、いくら?とは聞いて来なかったが、明らかに嫌そうな顔をした。たかがジュースだが、しかし彼にとっては、余計なものらしかった。こういった子供のもの以外の嗜好品ー、余計なものは、チリが積もれば家計を逼迫させるとでも思っているのだろうか?
自分は好きなだけ飲食している癖に。コーラ―1本でそんな対応ならば、ワインなど隠れて飲んでいると知られたら、離婚届けでも突きつけられるのでは?と途端に心臓がバクバクし出した。
その残骸が無いか、キッチン周りに目を走らせる。たまにだが、ゴミ捨て前に、蓋のみ置いている時があった。


ー大丈夫、あれはもう捨てたはず。


しかし、自分の記憶が曖昧になり、夫がトイレに入った隙にごみ箱を覗く。何重にもなった例の黒い袋が目に付き、それがやけに目立つような気がして、その上に別のゴミを重ねた。分別も何もあったもんじゃないが、明日の朝にきちんと分別すればいいのだと思い直す。


「何、してるの?」


いつの間に夫が背後におり、飛び上がる程驚いた。


「ゴミ、明日の分、整理してたの。」


「今、出して来ようか?」


ーえ?何言ってるの?どうしたっていうの?家のことなんて普段何もしないあなたが、何言っちゃってるの!?もしかして、何もかもお見通し?


突然の夫の申し出に、動揺が隠し切れなかった。


「え?いいよいいよ、汚いし、お風呂折角入ったのに、いいから。」


「ちょっとコンビニ行くからさ、出して来るよ。」


「でも、夜から出すのはまずいから。」


「え?大丈夫だろ。よく見るよ。家帰る時、ごみ袋持った人とすれ違うこともしょっちゅうあるし。」


夫も、私が断ればムキになってか、引こうとしない。気まぐれだが折角の好意を妻に断られ、自分の立場を失うのが面白くないようだった。その証拠に、夫の表情から苛立ちを感じて思わず身がすくむ。
しかし、あの黒いごみ袋の中身が、何かの拍子に夫の目に触れたらと思うと、それこそタダでは済まされない。その恐怖と天秤に掛ければ、怖いものなど何もないように思えた。


「だからいいって!まだゴミも出るし、明日の朝行くから。普段家のことなんか何もしない癖に、一体どうしちゃったの?何かやましいことでもある訳?突然いい旦那ぶったって、日頃の勝手な行動が帳消しになる訳じゃないから!!」




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心の声は、やはり心の中に留まったままだった。声が出せない代わりに、


「ありがとう。でもね、こないだ自治会の回覧板の禁止事項にそう書いてあったの。夜にゴミ出ししている住人がいて困るって。見付かったら何か罰則があったような・・」


引き攣る笑顔と共に、すらすらと出る嘘八百。しかし、夫はすんなり騙されてくれた。


「そうか、なら仕方ないな。コンビニ行ってくるわ。」


そう言い残し、何かを買いに出てしまった。
夫が家の外に出たことを確認すると、急いで内鍵を閉めてから、ごみ箱の中にある黒い袋を取り出す。そして、それをそっくりそのまま段ボールに入れて、ベランダに出した。
一時の避難場所だ。瓶と缶の日まで、そこに置いておくしかない。部屋の中は危険過ぎる。ふと思い付いて、戸棚の中にある飲み掛けのワインをグラスにも注がずラッパ飲みした。
量にしたらほんの数口程度のそれだったが、その飲み方で我に返り、何かが乗り移ったようなー、自分が自分ではない、そんな気がして怖くなった。





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