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見ず知らずの男の子

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欝々な気分はやはり抜けないけれど、美しいものを美しいと思う心は捨てたくはない。
ひとり、お花見をして来た。
昨日は曇りがちだったものの、雨が降らないだけまし。本当は、午前授業で早帰りだった子と出掛けたかったのだが、子は子で久しぶりに放課後メンバーと遊ぶというのだからそれを遮るわけにもいかなかった。 新しいクラスにはまだ馴染めていないらしい。私と同じ。でも、私と違うのは、別の居場所を見つけているということ。
春休み中は放課後メンバーと遊べず、また私も彼女達の連絡先を知らないのだから仕方がないけれど、遊ぶ友達がいない子を不憫に感じていたのは事実だ。
なので、新学期が始まりこうして約束を取り付け、外に出掛ける子の様子は健全であり、母として寂しいよりも嬉しい気持ちの方が大きかった。

お花見スポットは色々あるが、普段から人が寄り付かないような寂れた公園に足が向かう。人恋しい癖に、人を避けてしまう自分の心理がいまだに理解不能だ。
しかし、桜が咲いていることもあってか、既に団体が公園内にいた。それは、障害を持った子供達と職員の団体だった。彼らは楽しそうに遊んでおり、しかし遊具が危険なこともあり職員が一人ひとり危ない目に合わないようにしっかりと付き添っている。 優雅にお花見ーという感じでも無かった。なんとなく場違いな気がして、公園内に入るのを躊躇ったが、しかしあまりにも桜が綺麗で、その美しさが私を引き寄せる。

一眼レフを取り出し、写真を何枚か撮った。
すると、私の太ももあたりを叩く誰かー小さな、でも4~5歳くらいの男の子が私を見上げて笑っていた。


「これ、どうぞ!」


満面の笑みで、拾ったのであろう桜の花を私に差し出す。




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「ありがとう!」


素直にそれを受け取った。何故だろう?この純粋なキラキラした瞳を前に、躊躇する理由など無かった。


「すみません・・」


職員らしき女性が、申し訳なさそうにその子の手を引っ張る。しかし、その子はその手を振り払う。


「ねえ。写真撮って~」


甘えた声で私にせがんだ。これには正直少しだけ戸惑った。障害がある子だからーではなく、見ず知らずの子を果たして勝手にカメラに収めてよいものなのかどうか分からなかったからだ。個人情報云々の厳しい時代、そのお願いだけは微妙なものだった。


「ねえ!ねえ!!」


なかなかカメラを持たない私にしびれを切らし、私のシャツを乱暴に引っ張りながら男の子はせがむ。段々と先程の穏やかだった表情から一転、怒りの交じったような顔つきになる。


「すみません!!」


職員が手を引っ張るが、更に強い力で振り払い叩く。もう個人情報がどうのこうの言っている場合でも無かった。


「じゃあ、そこのお花が綺麗だから・・先生と並んでね。」


割と、落ち着いて彼を誘導出来た自分に驚いた。素直に指示された場所に立ち、ポーズを決める男の子の写真を数枚撮った。すると、つきものが落ちたようにその子は満足し、途端に機嫌も直った。 付き添いの女性は、恐縮するように会釈をすると、そのままその子を連れて立ち去った。
残された私は、写したばかりの写真をプレビューで確認した。何となく、削除するのも悪いような、しかしそのままそこに残しておくのも違う気がしたので思い切って削除した。
ただ、削除してもあの男の子の曇りの無い満面の笑みは、今も脳裏に焼き付いて離れないでいる。桜の花に負けない美しさをその瞳の奥に見たからかもしれない。





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