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子ども会、くじ引き

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会長は、妊婦といっても4人目を腹に抱えている大ベテラン母だ。しかも、上3人は全て男の子。長男は既に高校生だと小耳に挟んだことがある。貫禄があり、どんとしている。
Dちゃんママや素敵ママらの下見グループは、既にお役御免と高みの見物。係がまだ決まっていない人は、8人。皆、それぞれ出来ない理由を上げる。


「私、下の子の幼稚園の役員もしているので、行事がかぶったりすることもあるかと思うので、ちょっと自信無いです。夜はまだ下の子も小さいし、家を空けるのは厳しいです。」


「えー、大丈夫だよ。私、上の子と下の子の役員しながら子ども会の書記も出来てたよ。」


気の強そうな母親が横やりを入れる。


「でも・・子供も持病のある子なんで、何かあったらその対応もしないとならないし・・・」


持病ーというキーワード。これには誰も突っ込めない。本人の持病であろうが子供の持病であろうが、そこまで親密では無い知り合いママに、突っ込んで聞くことなど出来ない。
ある意味、うまく逃げたのだろう。彼女はその一言でお役御免となった。


「私、正社で土日出勤も割とあるんですよ。なので、土日に行事が多い子ども会の仕事は、引き受けるのは難しいです。」


「そんなの、フルタイムで役員している人なんてたくさんいるよ。それ言ったら、誰も出来ないでしょ。」


Eちゃんママが冷たい視線を送りつつ、軽蔑したように言う。


「じゃあ、くじでいいんじゃないですか。」


他の誰かが時計を見ながら提案する。


「どうせくじをするなら、子ども会役員の経験者は外したら?」


余計なことを言う人物もいる。


「経験者は、大抵殆どの行事の手伝いしてるんだし。ピンポイントの係なら、普段あまりやってない人にして貰うのが筋なんじゃないですか?」


「そうですね。そうしましょう。じゃあ・・未経験の人、挙手して下さい。」


会長に促され、挙手したのは私ともう一人の女性ー、酒井さんだった。酒井さんが下見グループに入っていなかったのが意外で、素敵ママらと何かあったのだろうか?
こんな窮地に立たされながらも、他人の心配をする自分の余裕に、なんだか他人事気分だった。







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「今日、来てない人はどうするんですか?」


素敵ママが突然発言した。


「それこそ、この会に出席したOOさんや酒井さんで決めるのは、フェアじゃないと思うんですけど。普段あまりやってない人っていうのなら、そもそもこういう集まりに参加していない会員もくじの中に入れるべきでは?」


素敵ママが、天使に見えた。そして、やはりすごい人なんだなと思う。周囲から拍手が起こった。
そして、この会の欠席者で役員未経験ーそもそもこの会を欠席する=未経験なのだろうけれど、それを合わせると、くじの人数は10名にもなった。その中から2人。
心臓はドキドキし、脂汗が出る程。酒井さんは、涼しい顔で袋の中のくじを引く。この場にいない人の分は、代わりに会長が引く。そして、私の番。
紙を開いて、赤丸があれば「当たり」。皆の視線が自分に集まっていることを肌で感じ、顔が赤く染まっていく。


祈る思いで紙を開いたー


ー白紙ー


助かった。
良かったー、助かった。
胸を撫で下ろしたところで、酒井さんはどうなったのかと顔を上げると、皆が彼女に向かって拍手をしているところだった。


「では、よろしくお願いしますね。」


会長に笑顔を向けられた酒井さんは、しかし動揺するわけでもない、平然とした表情で、


「はーい、頑張りまーす。」


多少、ふざけた雰囲気で会長の代役を引き受けることを了承したようだった。そして、素敵ママと笑い合っているのを見て、下見は本当に彼女自身の都合が悪かったことでパスしたのだと知った。
負担の重い係に抜擢されなかったことに安堵しつつ、影の薄さが更に強まり、自分の居場所がますます無くなり焦るー、そんな矛盾した感情を抱く自分がうざったかった。





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