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雪かき

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「まったく、気が利かないな。」


昼間に夫から電話があり、呆れ声でそう言い放たれた。
改めて私は、世間とずれており使えない人間であり、対人関係がうまくいかないのだと思う。
雪かきの頭が無かったのだ。雪の翌日、朝から外が騒がしいとは思っていた。しかし、こたつの中でぬくぬくうたた寝しており、夫からの電話で目が覚めたのだ。


「まさかとは思うけど、駐車場の雪かきってどうした?」


「-!」


しまったと心の中でつぶやいている「間」によって、何もしていないことがばれた。そして、電話口でぼろくそに言われた。仕事先で苛つく夫の表情が目に浮かび、思わず身が竦んだ。
言い訳になるが、運転をしない私にとって駐車場の雪かきを怠るとどうなるかなんて想像がつかないのだ。そもそも、エントランスの雪かきすら忘れており、これには流石に非常識だと自分の頭を叩きたくなった。
受話器を置き、急いで身支度をする。ニット帽にマスクとダウンで完全防備。今更、雪かきをしに出て来た「使えない主婦」という看板を下げて行くのだから、誰とも会いたくなかった。
恐る恐るエントランスへ行くと、やはり主婦の群れ。小さな子供達を遊ばせながら、少しの男性ー初老か定年したようなーが混じって、大きなスコップを持ち雪かきをしていた。
素敵ママの下の子がいたが、今日はパパと一緒。ご主人が休みなのか、彼女の姿は無かった。
主婦の群れは、酒井さんやその他子ども会で何度か見掛けたことのあるような女性数人と自治会の顔の利く主婦ら達。その横を会釈しながら通り過ぎた。誰も、私に向かって声を掛けない。
楽しそうに雑談をしながら、スコップを動かしている。

駐車場へ行くと、我が家の車とその周りだけが雪に埋もれていた。数人、雪かきをしているようだったが、もう終盤なのかすっかり車は綺麗。
恥ずかしい思いで、必死になって車の雪を払う。ドサッとバンパーから大量の雪が落ち、自らの体に掛かる。
必死になって、雪を避けていると、突然遠くから怒鳴り声が聞こえた。


「ちょっとちょっと!!うちの車に掛けないでもらえますか!?」


眼鏡を掛けた小太りの女性が、物凄い形相でこちらに向かって歩いて来た。


「折角、朝いちでやったのに!お宅のところの雪、こっちに寄せないで!!」


「ごめんなさい…」


何度も頭を下げ、泣きたい気持ちでいると、女性は満足したのか鼻を鳴らしそのままその場を後にした。
まだ雪かきをしている数人の視線が痛い。きっと、非常識で頭の悪い女だと思われているだろう。いい年なのに、何も出来ない役立たずの主婦だと・・
穴があったら入りたい、そんな思いで雪を掻く。前へ倣えで、駐車場の奥にある雪の山まで掻いた雪を持って行く。
恐らく、皆、そこに雪を集めて山にしたのだろう。しかし、我が家の駐車スペースからは、明らかに遠い。あそこまで、一体何往復すれば良いのだろうか。


山へ行くのに、人がいない隙を狙って運ぶ。あんなに派手に怒鳴られた後で、笑顔で挨拶なんて出来なかったし、挨拶された方も戸惑うと思ったからだ。
おずおずと、タイミングを見計らいながらの雪かきは、想像以上に時間が掛かった。一人、また一人と残っていた人々が帰宅し、私一人になってからようやく本腰を入れて作業し始めた。 なんとか形になる頃には、汗もびっしょり。腰はぎっくりになるのではと思う程に痛かった。

再びエントランスに戻ると、すっかり雪かきを終えて子供達を遊ばせる主婦らの姿が見えた。その中に、素敵ママがいた。重労働は夫に任せ、井戸端会議だけの参加らしい。
私に気が付くと、笑顔で手を振ってくれたのでこちらも振り返し、彼女の取り巻きー、先程まで雪かきをしていた女性達に向かっても会釈をした。しかし、誰一人、笑顔で応えてくれることは無かった。


ー誰アレ?ここの住人!?何も手伝わず、何へらへらしてるの?


そんな声が聞こえてくるかのようだった。
家に戻り、昨日、雪がふぶいていた頃のゆったりとした気持ちはすっかり消え失せていた。現実に引き戻され、雪解けと共にまた憂鬱な日常が始まるのだとため息が出た。




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