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雪面の屈辱

まるで、つかまり立ちを覚えた赤ちゃんのように、ゲレンデの麓にあるネットの手すりにつかまりながら、斜面を横歩きで登る。
皆、どこにいるのだろう?上級コースだろうか?夫と子は恐らく初級コースだろうが、それにしてもへっぴり腰になりながら、恐る恐る歩く自分の姿を思うと無様で情けなかった。
また、この状況に似つかわしいド派手なウェアーも嫌だった。せめて、グレーだとか黒目の地味で目立たない恰好でいたかった。周囲からは滑稽な姿に見えているかもと思うと、一人、ホテルに戻りたい気分だった。


「ママー!」


子が夫と滑り降りて来るのが見えた。両手を挙げて手を振りながら滑り降りて来る。夫はその後ろから義父母とマイペースに降りてくる。手にはスマホを持ち、子の動画を撮りながらのようだ。 子は、私の元まで来ると、


「ママ、大丈夫?一緒に滑ろう。」


優しく声を掛けてくれた。なぜか、涙が出そうになった。まるで、親子逆転ではないか。 夫は、


「俺、あっち行ってくるから。」


そう言い残して、上級コースのリフト乗り場の方へ向かって行った。私のことなど目もくれずにーいや、こんな運動音痴な妻を持ったことが恥ずかしく、一緒にいるのも嫌悪感で一杯なのかもしれない。 マイナス思考はどんどん膨らんでいくばかりだ。




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背後から、甲高い笑い声が複数聞こえて来た。


「やだー!OOさんって、もしかして運動音痴!?」


「スキー、初めてだった!?うけるー!」


義姉達が、大笑いする。姪っ子や甥っ子も私の姿を見て笑っているようだ。というか、このゲレンデ中から笑われているような気になり、穴があったら入りそのまま冬眠してしまいたい気分だった。 末の義姉が一際馬鹿にしたような笑い声を立て、


「目立つ、目立つ!動画撮りたいー」


そう言いながら、私にスマホを向けた。頭からつま先まで震え、屈辱感で一杯だった。
こんなことなら、どうにでも言い訳して参加すべきではなかった。スキーなんて大嫌い、義家族なんて大嫌い。ゴーグルの下は、涙でぐちゃぐちゃだった。
出来ない人間の気持ちが分からない、心無い奴ら。そんな家族の元で育った情の無い夫。
子だけは、優しい。差し伸べてくれた手は、いつの間に私の手の大きさに追いついていた。それにつかまり、何とか表面上は精一杯の笑顔を保った。




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