予定、キャンセル
春休み、実家へ行く予定はキャンセル。
実母がインフルエンザになった為だ。その電話があった時、心配より先に、行かなくても良い理由が出来たことに安堵した。
気が重かったのだ。
老いて行く両親に、親孝行。その一つに、孫の顔を見せること。
子供としては当然のことなのだろうけれど、長年積み重なった母に対する不満が爆発してからというもの、以前のように自分の気持ちを押し殺すことが出来なくなった。
予定していた日から一週間経ち、すっかり治った母から電話が来た。子の始業式前日。
電話を寄越したのが朝一番だったことから、「これから行くよ。」という言葉を母は期待していたのは分かっていた。それでも、敢えて気付かないふりをし、精一杯の親孝行は長電話に付き合うこと。
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「あんた達、春休みはどこかへ行ったの?」
「うん、お花見とか。色々。」
「なんだ。しけてるわね。旅行とか行かないの?」
駄目出しが始まる。
「OOもいるんだし、引きこもってばかりいないで外出たら?私なんて、普段から毎日出歩いてるわよ。」
ー誰と?どうせ、一人でその辺散歩してるくらいでしょう?
「本当、相変わらず地味な生活ね。私は無理。あんたくらいの時は、働いてたし忙しくしてたわよ。」
ーだから?じゃあその延長線にある今は?満足してるの?不満ばっかりの癖に。
「OOにも、もっと色々経験させないと。親のあんたが出不精だと同じようになるわよ。」
苛々したこともあり、つい、
「この間、スキー行ったし、経験はさせてるつもり。」
「え?誰と行ったの?」
「向こうの家族。」
「・・ふうん。」
気まずい空気が、受話器越しに充満した。
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- category: 実家
- 2018/04/07