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おばあさんとの会話

今週もなんとか過ごせた。
人付き合いは相変わらずで、もう園生活も残すところ半年を切ったこともあり頑張り過ぎても空回り疲れるだけだと思うようになった今日この頃。

検診は単独で行くことになりそうだが、昨夜はネットで同じような体験談をいくつか読み込み「大したことではない」と思い込む訓練をした。

ー大したことではない。


私は子供の頃から繊細で、小さな事にあれこれ気を揉む性格だった。
仲良くなった友達からは「優しいね」と言われ、教師からは「真面目だ」と言われ、バイト先の店長には「気が利く」と褒められた。
勿論そう褒められるようになった過程として、神経を必要以上にすり減らし、胃に穴が空く程の細心の注意を払っていたという事実があるのだが。
それでも表向きはにこにこしていて、根アカとまでは言われないけれど「感じが良いお嬢さん」だとご近所のおばさま達やおじさま達の評判だった。


彼らが今の私を見たらどう思うだろう。
きっと私だと気がつかないだろうし、スルーされることは確実だ。
しかし、昨日はそんな遠い昔のことを思い出す出来事があった。



子が遊び足りず、一旦自宅に帰ると団地の周りで自転車の練習をすることになった。
すると、あの新聞を褒めてくれた近所のおばあさんが両手に大きな買い物袋を下げて歩いて来るのが見えたのだ。


目が合うと、目を細めてこちらに向かって挨拶をしてくれた。

「こんにちは、お買い物ですか?」


「えぇ、駅前までね。いつもは宅配なんだけれど、天気もいいし気分転換。でも失敗しました。やっぱり慣れないことすると駄目ね。」


「お手伝いします。」

彼女の返事を聞かないうちに、彼女が持っていた荷物を受け取っていた。
後から思えば、少しばかり行き過ぎた行動だったが、拒否されることもなくお礼を言われたのでほっとした。


「どうもありがとう、オタク、本当にいい人ね。」


いい人なんて言われたのは何年ぶりだろう。心がぽっと暖かくなり、このおばあさんの役に立ちたい!と妙なくすぐったい使命感まで湧いてきた。
たかが買い物袋を持っただけで、なんと大げさなのだろうと自分が可笑しい。



「自転車の練習しているのね。ちょっと見て行ってもいいかしら?」


通りのベンチにおばあさんは腰を掛けて、それから荷物は隣に置いてくれと言われたのでそうすると荷物の中からごそごそと何かを取り出した。

袋詰めされたヤクOトを3つ取り出し、私と子の分として手渡してくれたのだ。



「ちょっと休憩、お茶しましょう。」


練習中の子を呼び、3人でベンチに腰掛けいただいた飲み物を飲んだ。
小さな小さな容器に入ったその飲み物は、乾いた喉を潤すのと同時に何か別の所にある乾きまで潤してくれたようだった。
世間話をし、最近の台風のことだったり夕飯は何にしようかだったり、またおばあさんの好きなテレビの話や本の話、私は殆どそれを聞くだけだったが、素直にすべての言葉が胸に浸透し、そして驚いたことに心底楽しかった。
勿論年配の方相手だから気を遣うところがあるけれど、それは園ママ達といる時との気遣いとは全く違う種類のもので、優しい語り口調とリズムに包み込まれるような安心感をおぼえた。
そして、また新聞のことをあれこれ聞かれそれに答えた。
スクラップにしてくれていると聞き、本当に嬉しかった。
おばあさんにとって、私の存在が微々たるものであっても必要なものであるように感じたし、そして私にとってもそれは同じ思いだった。
なんとなく気持ちが通じるというのはこういうことなのかもしれない。
全く世代もライフスタイルも違う、自分の親以上の年の差がある彼女に対し、もっともっと仲良くなりたいという気持ちが芽生えたのだ。


「私、なんだか久しぶりに人としゃべったような気がします。家族以外でこんなに気持ちが満足することってなかったから。」

おばあさんは私のその言葉に驚くこともなくにっこり微笑みながら、


「オタクは素直なお嬢さんなのね。主婦って誰もが孤独を感じるものよ。どんなに一つ屋根の下大所帯で暮らしていても。孤独じゃない主婦はいないし、真面目に何でも頑張ろうとすればする程女は孤独を感じやすい生き物なの。女性は母親と繋がってるへその緒を切った瞬間から孤独への修行が始まってるの。肩の力をふっと抜いてー、それも難しいと感じることは人生にはつきものだけれど、自分を労わる気持ちを大切にして、それが回り回って周囲の人達を大切にすることに繋がるからね。
そしてね、寂しいと感じることは悪いことじゃないのよ。感じなくなった時にはもう手遅れなの。寂しさは人を強くするし、そして優しくもする。暖かい人間は孤独を知っている人間だということを忘れないで。」



そんな風な事を語ってくれ、一息ついた彼女は立ち上がると私が手伝うという言葉を丁寧に断り、


「また会いましょう。私も若い方と色々話せて楽しかったわ、ありがとう。」


そう言って小さく会釈して去って行った。
しばらく子と彼女の背中が小さくなるまで見送っていたが、彼女の姿が見えなくなっても胸の奥は暖かなままだった。
そういえば、私と子が飲んだ空き容器がいつの間にかなくなっていた。
きっと彼女が持って行ってくれたのだろう。


さりげない気遣いに、おばあさんの優しさと包容力を感じた一日だった。















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