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夫の船着場

「これ、もう一度やり直し。」


そう言って朝一番、アイロンをかけたはずのワイシャツを渡された。
昨日の夜にしっかり糊も効かせてプレスしたはずなのだが、近頃仕事のストレスがたまっている夫は何かとこういうことでうさ晴らしをする傾向がある。

「え?どこがダメだった?」


「言わなくちゃ分からない?」

そうして大げさに深い溜息をつくと、裾の少しのよれの部分を指さした。
どうせズボンにインするのだから、くしゃくしゃになる部分だ。
しかし、逆らったところで夫はますます不機嫌になるし、そもそも私が最初からきちんとやれば文句を言われなかったのだから仕方ない。


「ごめんなさい。やり直しておきます。」


夫はクリーニングアレルギーだと言いながらクリーニングを嫌がる。
スーツやコートも自宅で丸洗いを強要する。
そしてその仕上がりを逐一チェックし、あれこれ文句をつけてくるので自宅の本棚には「ホームクリーニングの手引書」なるものが何冊か揃っている。
本当はケチってるのだ。以前、ワイシャツをクリーニングに出すのなんて主婦の怠けだと言っていたことがあるし、またこの金額で昼飯が食えるとかなんとか言っているのを耳にしたことがある。
で、アイロンがけは結婚してから私の仕事の一つなのだが、一番神経を使うと言っても過言ではない作業。

夫のこだわりは神経質で気分が大半を占めているからタチが悪い。
この頃のように、仕事がうまくいっていない時は歴然だ。同じことをしても機嫌の良い時では絶対スルーだというのに。


夫の機嫌がおさまるまでは、朝食もぬかりなくせねばならない。
間違ってもトーストなんて出すのは御法度だ。絶対に味噌汁と一汁三菜の和定食。
それでも今日は味噌汁がうすいだの、熱すぎるなどの小言があった。



朝一で消耗すると、それが終わって休む間もなく子を園まで送迎しなくてはならない。
そこでも神経をすり減らし、疲労困憊。
自宅に戻るとどっと疲れが出てもう一度布団を敷いて横になるという始末だ。
機嫌が悪い夫がこの週末は休みだったため、どこにも出掛けないというのに本当に疲れた。
ずっと自室にこもって子と遊ぶわけでもなく、それでもご飯の時に呼びに行くとぶつくさ文句を言いながら出てきては出した食事にケチをつける。
子に対しても生返事ーしかし子に当たるということがない点については胸をなでおろしている。
子もなんとなく察していてか、そういう時期の夫には絡まない。




「専業主婦はいいよな。」


出勤間際、玄関先で言われた一言がまだ心に残っている。
それに対し、反論する気はないけれどなんだかとてつもなく悲しい気持ちになった。
しかし、ぐっとこらえて笑顔で送り出した。


私が私のテリトリーの中でもがくのと同時に、夫も夫のテリトリーの中で必死にもがいているのだろう。そしてそれは食っていく為の生活がかかっているのだから、私が思う以上にどす黒く荒い波の中なのかもしれない。


妻として出来ることは、船着場でひっそり待つことだけ。
ただただ無事に今日も生還してくる夫を、そっと受け入れるということだけだ。




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