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同じ制服だっただけ

旧友とのランチは、不完全燃焼。
私は何時間でも大丈夫だったのだけれど、彼女の方は仕事の合間だったことで、限られた時間内での会食だった。
店は、彼女指定。キャリア女子と専業主婦とでは、金銭感覚も違う。一応、多めに用意していたのが正解だった。
都内の一角にある、お洒落なバルの店。ランチメニューも豊富。てっきり昼からワインでもと思って楽しみにしていたけれど、


ーあぁ、仕事か。


と、思い直した。
水で乾杯。飲んでもいいよと言われたけれど、


「子どもの習い事送迎もあるし。」


あたかも運転するかのように、見栄を張った。送迎というのは本当。共に、ピアノ講師宅まで自転車でついて行っている。自転車だって、立派な二輪だ。
最初、旧友に気付かなかった。見たことのない髪型だったからだ。ベリーショートといっていいのだろうか、元々目鼻立ちがはっきりしている彼女に良く似合っていた。
大振りの揺れるゴールドのピアスがキラキラ耳元で揺れていた。
食事が来るまでの間、近況報告をーと思っていたが、先手を打たれた。
即、目の前に出されたパンフ。布教活動の始まりだ。


「ごめんね!取り敢えずこれ。お子さん、まだ小学生だったっけ?でも高校になるまであっという間だよね。これ見て。高校の授業料無償化と大学では返済無しの奨学金の構築を公約に挙げているの。」


パンフに目をやると、だが条件付きだ。世帯収入さえ知らされていない私には、我が家がこれに該当するのかどうかさえ分からない。恐らく、夫の金遣いからいったら、該当しないだろうと思う。
上の空で、彼女の声だけが右から左に流されていく。
そして、他党の政策を非難し始める。彼女の声はどんどん大きくなってきて、隣のテーブルの女性が眉を潜める。なんだか恥ずかしくなる。


「分かった、読んでおくね。」


そう言って、パンフを受け取り、バッグに仕舞う。私は、こんな話をしにここに来た訳じゃない。




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「娘も、最近反抗期で。会話も弾まないしねー」


「あ、ごめん!」


彼女のスマホが鳴り響き、私の会話は宙に途切れた。電話の最中に食事が運ばれ、先に食べててというジェスチャーを残して彼女は外に出てしまった。
運ばれて来たサラダやパエリア、ステーキなどを皿に取り分ける。ぞんざいな扱いに腹が立ち、彼女を待たずしてサラダや肉を口に放り込む。美味しいはずの料理の味は、なんだか半減された気分。
旧友が席を立ったのは20分程度だったが、物凄く長く感じた。まるで一人で店に食事をしに来たようだ。いや、最初から一人で来た方が純粋に食事を楽しめたに違いない。
彼女が席に戻ってからは、なんだか話す気力も失せてしまった。彼女の方から聞かれて答える当たりさわりのない近況と、彼女自身の仕事の動向。正直、まるで興味の持てない内容だった。 それは、お互い様だろう。

私達は、長らく違う時間を生きている。遠い昔、同じ制服を着て同じ学校に通っていたという共通点。ただそれだけなのだ。
たまに会ったところで、気持ちが交差することはないのかもしれない。
都合のいい自分を作って、都合のいい理想を言い合うだけのー、それが、私達の関係性なのかもしれない。




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