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パンドラの箱

夫はまた仕事、雨だし外出するのも億劫で先程まで子と共にネットショッピングをしていた。
子供服、アウターをネットで安く手に入れられないかと思って見て回っていたが、子が欲しいというアウターは確かに可愛いがそのどれもが予算オーバー。
さて、どうしようか。

独身のある時期、金に困った事があるといったがつまりは借金をしていたということ。
仕事に追われ、人間関係に悩み精神的に病んだ時期だった。
ネットショッピングも今程認知されていない時代。

最初はただ物欲を満たす為だった。少ない手取りの中から欲しいものをあれこれ買った。
その頃は両親もまだ現役だったので、実家に入れているのはたったの3万。そして残りは全て自分の為の金だった。
見え張りだった私は、好きなブランドの新作が出ればすぐに飛びつきカードで買った。
給料日になると共に向かうのは百貨店。事前にチェックしていた服や靴を買いあさる。
給料日に金は振り込まれるが、その大半は数ヶ月前のカードの引き落としですぐにマイナスになるというのに。
まるで自転車操業のように、通帳残高はマイナスになったり少しのプラスになったりを繰り返していた。
段々残高を見るのも嫌になり、ある日ほんの出来心で消費者金融に手を出した。
1回こっきりーちょっとやってみようか。
遊び半分、手続きをするとすぐに審査も通り、現金を手に出来た時のあの高揚感は忘れられない。
まるで自分の口座がもう1つ出来たかのような錯覚に陥った。
簡単に金を引き出せ買いたいものが買える。
そして残高を気にする必要もない。
馬鹿な私は少し考えれば分かる事実から目をそむけ、レプリカの財布を手に入れたかのように気持ちも大きくなった。
雪だるま式に借金が増え、気がつくとその額は3ケタを超えていた。
夫と出会ったのもその頃。
結婚の話がチラホラ出始めて、初めて事の重大さに気がついたのだ。
それからがむしゃらに働き、Wワークもして借金は自力で返済出来た。
実家にはばれず、ボーナスも丸々貯金に充てたことで実家にまとまった金を置いて嫁に出ることも出来た。
ただ、結婚費用に関しては夫と折半出来るだけの金額に足りず、大半夫に出してもらったという負い目がある。


後出しジャンケンになってしまうが、そういう事情もあり夫に財布を握られている。
結婚してからは、夫から管理されていることで窮屈なところもあるけれど、その範囲でやりくりさえ出来ていれば文句を言われることもないし、また子が誕生したこともあり子の為の貯蓄も計画を持って出来ているように思う。



今年になり、内職をして自由な金がわずかばかり出来た。
それはパンドラの箱を開けてしまったようなもの。
ネットでワンクリックすると、早くて翌日には欲しいものが手に入る。
今はまだ本当に必要なもののみ購入しているつもりだ。
それでも夫に隠れて日時指定の宅配で届けてもらう。信用を失いそうになるのも怖いし、また金の出所をあれこれ詮索されるのも嫌だからだ。
しかし、たがが外れる日も近いのではないかと思うと不安になる。
自分自身をコントロール出来る自信がない。


あの頃、買い物をする行為と代償に自分が得ていたものは何だったのだろう。
買う服や靴ー、サイズもろくに確かめもせずに購入し、買ったままの袋の封を開けることすらせずにもう次に買いたいものを頭に思い描いて眠れなくなっていたあの頃。
買い物依存は更に進み、次第に買ったものは値札をつけたまま押入れにしまい込むようになった。
手に入れたことで味わう満足感、そしてまた新しいものを買うという行為。
まるで底なし沼にはまったような、ぽっかり空いた心を満たしたいような欲望。
おそらく、あの頃の自分の瞳は死んでいたのではないかと思う。
心、ここにあらずという感じ。




ここ数ヶ月、あの頃の感覚が少しだけ蘇りそうな気がして怖い。
ワンクリックで届く宅配物ー、先日購入した服が届き満足し、しばらく愛用するもまた溢れるように物欲が湧いてくる。
そしてまたたくさんのファッションサイトを徘徊している。




パンドラの箱を開けてしまったのだろうか。
ネットショッピングで目当ての品物をクリックしている時の自分の瞳は、あの頃と同じ虚ろな瞳をしているに違いない。



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