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お姉さん

今日も、公園へ。
昨日と同じ時間帯。日中はまるで夏日のように暑く、紫外線が怖いので日傘を持って行く。
到着すると、既に先客。針金さんだ。日傘をさし、リネンのワンピースを着てる彼女は、まるで初夏の女神のように全身から優しい光を放っていた。

「こんにちは。」

「あぁ、お疲れさま。」

針金さんの隣にしゃがみ込む。仔猫が気持ちよさそうにうたた寝しているところだ。そして、彼女は手にブラシを持っていた。


「ノミ取り、してあげようかなって。ちょっとしてたら寝ちゃった。」


「気持ち良かったのかも。」


「座りましょうか。」

「はい。」


二人、並んで古いベンチに腰掛ける。日差しは強く、気温はどんどん上昇している。
遠くから、学校のチャイムの音が聞こえた。のどかな時間ー、ゆっくりと、時が流れている。

「もう、ここ長いんですか?お子さんは?」

こちらからは何となく聞けなかった、プライベートな質問。彼女の方から投げて来たので素直に答える。こちらも質問しようか迷っていると、

「うちはね、息子が一人暮らし。」

「え!お子さん、大きいんですね!」

その驚きは、本当は子どもがいたという点なのだけれど。てっきり子どもがいない夫婦だと思っていたので、そうではない事実にただただ驚いた。
そこからは、不思議だ。何となく、お姉さんが出来たような気になり、自分の身の上をペラペラ聞かれてもいないのに話し始めた。
主に、我が子の悩み相談。
同世代ではない、子どもの世代も違うーその距離感が、丁度良いのかもしれない。
話しやすい人。こんな私にそう思わせる針金さんは、天才だ。








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