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将来の夢

「将来は何したいの?」

従姉妹が子に聞く。
それに対して、子は分からないとつぶやいた。



週末の1日、夫は仕事、半休でバイク。
取り残された子と私は、休日出勤していて暇だという従姉妹の家に電車を乗り継ぎ出向いて行った。
この間会ったばかりなのだけれど、赤ちゃんは日々成長しており、すっかり新生児を卒業してマルマルとしていて愛らしかった。
従姉妹の家はオートロック付きのマンション、新築だ。ローンは相当なものだろうと思ったのだが、双方の親がいくらか負担してくれたのでそれ程大変でもなさそうだ。
部屋はまるでインテリア雑誌から切り取ったようなのに、赤ちゃんグッズもそれらを邪魔しないような木をメインにした物だとか、ナチュラル系の色合いで統一していることから、なんら産前とそれ程生活が変わったように見えない。
何よりー、自分が産後髪の毛振り乱してボロボロの部屋着姿でいたあの頃と比較すれば雲泥の差。
ヘアメイクもしっかりして、マネキュアも爪こそ短く切り揃えられていたがしっかりしてあり、今流行のミモレ丈スカートに可愛い短めニットを合わせていた。
子育て中にスカートを履ける生活は正にセレブそのものに思える。


「相変わらず綺麗にしてるねー。赤ちゃんのいる家とは思えないよ。」

お世辞ではなくそう言うと、従姉妹は嬉しそうににっこり笑った。
手土産は持っていったのだが、従姉妹も子の為に色々用意してくれていたのか、お取り寄せした菓子類がたくさんテーブルに並べられた。
普段滅多に食べられない高級チョコレートにクッキー、有名老舗のおせんべい、1本600円以上もする瓶入り果汁100%ジュース。
子は目をキラキラしながら喜んでそれらをたいらげた。あまりにがっついていたので、普段ろくな物を食べさせてない子だと思われたかもしれない。

お茶をしながら、冒頭の会話になったのだ。
何気ない、小学生に向けての普通の質問。せめて「アイドルになりたい。」「小学校の先生になりたい。」と言うかと思ったのだけれど、以外にも子の答えは「分からない。」だった。

「ママは何になりたかった?」

ふいにそう聞かれて、何も答えられないでいると、

「おばちゃんは何になりたかった?」

子は従姉妹に向かっても聞く。
それに対して、従姉妹はすぐさま答える。


「おばちゃんはね、もう小学校の頃からお薬渡す人になりたかったの。子供の頃から喘息で辛くってね。お薬飲むといくらか良くなって。お薬くれるお姉さんがいつも、おまじないしてくれたのが嬉しくてね。早く楽になりますようにってお薬と可愛いシールくれたの。それを集めるのが楽しみだったから嫌な病院も頑張って通ったんだ。多分そのお姉さんに憧れたからかな。あとは、おばちゃんのママは看護師なんだけどね、いつも女も男と同じくらい働かないと対等でいられないって煩く刷り込まれてたからかな。」


「ふーん、おばちゃんお薬くれるお仕事してたんだ。もう辞めたの?」


「うん、今はお休み。でも赤ちゃんがもう少し大きくなったらお仕事するかもしれないな。」

「おばちゃん恰好いい!OOもお薬渡す人になりたいなぁ。」


「え~、おばちゃん嬉しいよ、OOちゃんならなれるよ。おばちゃんの血が混じってるからね。ついでにおばちゃんのママは看護師さんだから、そっちの血も混じってるかもよ~。女の子はこれからの時代結婚してもずっと家にこもってたら駄目!」



そんな会話を2人がしている間、なんとなく胸がざわざわし出した。従姉妹は悪気は全くないのだが、もう少し私がいるのだから気遣って欲しかった。
そんなモヤモヤした気持ちでいると子が、


「ママはいつもOOが学校の間家で何してるの?」

と聞いて来た。
家のお仕事してるよと答えると、子は突然、


「おばちゃんみたいにお薬売るお仕事してもいいよ。OOが学校に行ってる間なら。」

と言い出した。
何ともバツが悪いような居心地の悪い思いで、その仕事は勉強をたくさんしてテストに合格しないとなることは出来ないと教えると、子はじゃあ何がいいの?と聞き出した。
まるで、冒頭の質問を子に返された気分。2人きりなら適当な返しが出来るものの、目の前で従姉妹がニコニコ笑いながら聞いていたので難しい。


「そうだね、OOがまだ小さいからママは家にいるの。お仕事し始めたらOOがお家に帰って来た時誰もいないけどそれで本当にいいの?寂しいでしょう?今は外に怖い人や色々な事件もたくさんあるし。だから、OOがもっと大きくなったら何になるか考える。」



子はその答えに納得したのか、歌を歌いながらアナと雪の女王のDVDを見始めた。
従姉妹はその後、その続きを始める。私はいい加減その話題から逃れたかったが、従姉妹も一時とはいえ専業をしている分、色々将来のことを考えるのだろう。
以前は働かず家にいるつもりと言っていたのに、いつの間に復帰をする方向で話を進めているようだった。


「子供の為にもしばらく専業でいようと思ってたんだけどね、ここ数ヶ月でやっぱり私には向いてないわ。ずっと家にこもりきりなのはきついし、ストレスも溜まっちゃって。旦那はあちこち連れてってくれて、お金も自由に使わせてくれるんだけど、それでもやっぱり自分で稼いだお金で自分の物を買う生活の方が私には合ってるみたい。どうしても、旦那に養ってもらってるって感じが自分には合わないんだよねー。」


「そうなんだ、資格もあるしいつでも復帰出来るんだからそんな焦らなくてもいいんじゃ・・」


「いやいや、資格あっても日々勉強だよ。やっぱり現場を何年も離れると勘がにぶっちゃうしね。この子が成人したら仕事と趣味に生きたいし、その為にも今立ち止まってることは後々長い人生の中で後悔する気がするんだよね。」

「なんか・・すごいね。」

「すごくないって。っていうか、今専業の方が珍しいんじゃない?私からしたらそれもすごいなーって思うよ。この先どうなるか分からない中で一馬力でやってくって不安じゃないのかなって。旦那と離婚したり病気になったりしたらアウトでしょ?大丈夫なの?」


従姉妹だからずけずけ言いにくいことを言うし、心配もしてくれている。
分かっているのだけれどカチンとする。



「子供の頃、お母さんがいなくて寂しかったから子供にそんな思いはさせたくないって言ってなかった?」


「うん、そう思ったこともあった。でもさ、子育て期間は最長でも20年、その後の人生も同じくらいあるとしたら、何を生きがいにしてくの?子供はべったりの母親を重荷に感じるかもよ。あんたのところだってそうじゃなかった?」


従姉妹と会う時、大抵母の愚痴をこぼしている。唯一母のことを知っていてその愚痴をこぼせる相手なのだ。
娘依存気味で、結婚からひと悶着あったことまで、従姉妹は全てを知っており、だからこのままでいくと私も子に対してそうなるのではないかと警告している。
再びカチンと来る。
それは、自分も心の片隅にいつもある恐れだからだ。母のようにはなるまいーそう思いながらもそれにどんどん引きずられているような気がする。
結局は似たもの親子なのだ。


従姉妹とは色々語り、ストレス解消になったのか、逆にある種のストレスが溜まったのか、それでも帰り際は笑顔で別れ、手土産のピオーネをぶらさげ帰路につく。
普段買えない高級果物、おやつに出たのを子がすごい勢いで食べたので冷蔵庫にあった物を持たせてくれたのだ。きっと普段から季節の果物を当たり前のように常備しているのだろう。
従姉妹は生活水準を落としたくないとも言っていた。
夫から貰う生活費で、思うように果物は買えないし野菜だって買えない。育ち盛りの子にピオーネって何?と聞かれた時に申し訳ない気持ちになった。
滅多に食卓に並ばないフルーツに子は大喜び。大切に数粒食べた。1回の食後に3粒ずつ、その宝石のような粒を口に放り込むと私も子も笑顔になる。
贅沢かもしれないが、これも食育なのだ。

OOが将来の夢を即座に答えられなかったのも、私が原因なのかもしれない。
はっとさせられながらも、数日もすればそのもやついた感情は消え失せていつも通りの平らな日々を過ごす私がいるのだろう。
カレンダーの10月の頁を捲りながら、師走に近づく速度がまた早くなったことに驚かされるのだ。


























































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