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なくしたネックレス

昼下がりー子と宿題をしているとチャイムの鳴る音。
インターホン越しにDちゃんの姿が見えた。
玄関ドアを開けると、遊びに来たとのことで年長の妹も連れて来ていた。昨日は末っ子はついてなくホッと胸を撫で下ろす。取り敢えず家の中に入れてDちゃんママにメールをした。


「こんにちは。今Dちゃんが妹ちゃんと遊びに来ましたが、家に入れてもいいですか?4時には帰宅させるようにします。」


すると、5分も経たないうちにDちゃんママから返信が来た。


「すみません、よろしくお願いします。いつも手ぶらで行かせてすみません。帰りは送って下さらなくて大丈夫です、今度は我が家にも遊びに来て下さいね^^」


感じの良い、顔文字の入ったメール。しかし具体的に誘ってくれる気配はない。今度とは一体いつなのだろう?いずれは子を勝手にDちゃん宅に行かせようかと思いながらも、私の性格上相手の予定も聞かずに押し掛けさせることが出来ずにいる。
それなのに、胸の内ではモヤモヤしたものが相変わらず居座っており、Dちゃんママに対して歯痒い気持ちもある。
しかし、その思いを振り切るように自分に言い聞かせる。呼ばれたら呼び返すーそうしなければという思いのまま自分だってまいこちゃん親子を自宅に入れることはなかったのだから、回りまわって来ただけのことだ。


子は大急ぎで宿題を終わらせると、おやつを食べたいと騒ぎ始めた。
先日習い事で貰った菓子を適当にひとつの皿に入れ、麦茶と共に子供達に出した。


「いただきまーす!」


子供を預かるといっても、女の子でしかも年長と1年生だからとても楽だ。部屋も汚さないしトラブルもない。末っ子が来るとやはりあれこれトラブルが発生することもあり目を離せないが、上2人だけならば他の部屋ー夫の書斎などのドアを開ける様子もなく、女の子遊びは怪我をするようなリスクもないので目を離していても大丈夫そうだ。
なので、子供達が遊んでいる間、私は夕飯の下拵えをしたりワイドショーを観たりとのんびりしていた。


「OOちゃんのお母さん、あれ触ってもいい?」


Dちゃんが窓際に飾ってあるネックレスホルダーを指差した。
私は基本それ程多くアクセサリーを持っていないのだけれど、お気に入りのいくつかは独身の頃から愛用しており、ネックレスは全部で5つ、冠婚葬祭用のパールに一粒ダイヤのネックレス、それから働いている頃のボーナスをはたいて買ったカルティエのピンクゴールドのネックレスに、夫から結婚前に貰ったティファニーのネックレス、そして元彼から貰ったいまだ捨てられないイニシャルネックレスー

それらの5つを木の枝をモチーフにしたホルダーに掛けて窓際に飾ってある。
普段それらをつけることはあまりないのだけれど、ちょっとしたお出掛けなどにさらっとつけたり、また窓越しの光に反射しながら風に揺られてそれらがキラキラ光る様子を見るのが好きでもある。


Dちゃんに触って良いか聞かれ、正直戸惑ったが子供相手であってもなかなか断るのが苦手な私は少しならとOKサインを出した。


「キラキラしてて綺麗~」

そう言いながら、ホルダーに掛けられたネックレスを恐る恐る触っている。
子と妹は和室でアイカツごっこのようなことをしているようだった。
キッチンからお湯の沸いた音が聞こえ、そちらに行き火を止めて元に戻ると、Dちゃんは皆のいる和室に戻ったようだった。
なんとなくほっとして、私も夕飯の下拵えを始めた。
4時になり、声を掛けてDちゃんと妹を自宅近くまで送った。
送らなくてもいいと言われていたけれど、何かあったら後味が悪い。なのでDちゃんらが遊びに来た際には、散歩がてら子と共に送ることにしているのだった。
彼女達が自宅の玄関に入るところを遠くから見届けて、私達も帰宅した。

その日の夜ー、夫が早帰りをすると突然電話を寄越したので大急ぎで夕飯を作り、家族団らんをし、久しぶりに夫と子が一緒に風呂に入っている間、開いていた出窓の窓を閉めて何気なくネックレスホルダーを見ると、5つあったはずのネックレスが4つになっていることに気が付いた。
そして消えてしまったネックレスはイニシャルネックレスだった。
元彼から貰った、大事な思い出一杯のネックレス。私のイニシャルに小さなダイヤモンドが施されている華奢だけれど存在感のあるネックレス。
心臓がバクバクし出して、それから頭に血が上り、周辺をくまなく探すが出て来ない。
必死に今日の記憶を呼び戻してみても、思い当たる節がない。
強いて言えば、Dちゃんがネックレスに興味を持っていたことと、少しの間料理をする為に目を離していたあの時間。でも、Dちゃんはすぐに和室に戻っていたではないか。
それでも、もう自分の中でDちゃんが盗んだという確信が捨てられず、そう思えば思う程やり切れない思いと本人に問い正したい気持ちーでも到底そんなことは出来るわけがないという気持ちも入り混じり、頭の中は大パニックに陥った。
夫と子が風呂から出て、そわそわと落ち着き無い私に、普段私のことなんてさほど眼中にない夫さえどうしたのかと聞いて来た。
それには答えず、昨夜は殆ど眠れず朝を迎えた。
大事なネックレスを盗まれたとしたらー、とてもくやしいしでもそれを子供達の手に届くところに置いていた自分にも落ち度があるということは分かっている。
しかし、そんな泥棒をもう家に上げることも出来ないーそして子と遊ばせることも。
事情を知らない子は、もうDちゃんと遊ぶなと言ったらきっと泣き喚くだろう。
しかし、実際この目で見たわけでもない曖昧な確証でDちゃんという子を悪い子だと決め付けるのは良くないに決まっている。でも、やっぱりホルダーに掛けられていたはずのネックレスを紛失したという事実を前に誰かのせいにするしか納得のいく方法がなかった。
よりによってーあのネックレス。
まだ夫から貰ったティファニーが失くなったのなら諦めもついたかもしれない。それでも夫にそれが見つかればややこしいことになったけれど。
それくらい大事な物を何故あんな場所に置いていたのか、自分の馬鹿さ加減に呆れ、無意識に噛んだ下唇からは真っ赤な血が滲み鉄の味が口の中に広がった。






























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