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砂のお城

「ママ~、まいこちゃんから貰った~」


子が嬉しそうに持って来たのは、ディズニーランドの袋。クリスマス柄だ。子はすぐに中身を取り出し私に見せると、興奮した様子でまた子供達の輪に戻って行った。
貰ったのは、可愛い缶に入ったお菓子とプリンセスのボールペン。独身時代、私も好きで行っていたので大体分かるが、6~700円くらいのものだろう。夢の国は土産代も夢価格だ。まさに現実的な金の国。


「あの、お土産頂いちゃって、ありがとうございます。」


輪になって話しているまいこちゃんママに近寄り、おずおずと話し掛けると、今日はご機嫌なのかにっこり笑って返してくれた。

「いえいえ~、大したものじゃないけど。」

他のママが口々に言う。


「でも、確かハロウィンも行ってたよね、学校代休のあの日。まいこちゃんちってランド頻度高過ぎじゃない?」


「そうかな~?子供が喜ぶし私も好きなの。だって可愛いじゃない、ミッキー。パパもうちは結構好きでね、子供生まれる前からデートでよく行ってた思い出の場所でもあるの。」



「もしかして、パパにお城の前でプロポーズされちゃったりとか?」


「えー、やだぁ。そんなのある訳ないじゃない。でもそれに近かったかなぁ?」


輪にどっと笑い声が起きる。私も話し掛けてしまった以上、その輪から出るタイミングをなくして愛想笑い。頬の筋肉が早くも疲れてきた。Yさん達との輪にいる時は、こんなに疲れることはないというのにー


「ランドも値上がりしたもんね。ミラコスタとか一回泊まってみたいけど、うちはいつも日帰りで帰って来ちゃう。」


小太りだがお洒落な気の良さそうなママが言う。


「うちは毎回ミラコスタだよ。」


まいこちゃんママに自慢が入る。皆どう思っているのだろう?自慢に聞こえるのは私だけだろうか?一度も行ったことのない、いや、子を連れて行ったことのないディズニーランド。

「ひょえ~、ミラコスタに毎回?セレブだねぇ。で、年に5回は行ってるんでしょう?すごーい。」


また気の良さそうな小太りママが言う。心底驚きを隠せないところに安心感が持てる。すると、その隣にいたママが挑戦状を叩きつけるかのごとく口にする。


「うちもね、ランド大好きで年間パス持ってるよ~。うちの実家千葉だから、戻ったついでにふらっと2時間くらいランドに寄ったりして。ご飯だけ食べに入場することもあるんだ。」


「えーいいないいな!!1人8万くらいするよね、家族分買うなんてセレブ~」

小太りママが今度は千葉ママに食いつく。まいこちゃんママはちょっと悔しそうだ。なんだか仲良さそうに見えたのに、水面下では見栄の張り合いをしているように思えてしまいちょっと面白かった。


「OOちゃんママの家もランドとか行く?」


突然まいこちゃんママが私に話し掛けて来て心底驚いたが、馬鹿な私はつい口からでまかせの嘘をついてしまった。



「ええ。まいこちゃんち程じゃないけど、たまに行きます。うちはパパが土日仕事が多くて。だから子供と休みが合わないのであまり行けませんが・・」


あくまでも、金がないだとか夫が行きたがらないからという真実の理由は伏せて、しかしある意味後半部分は本当のことだ。しかし、何故連れて行ったこともないのに、嘘をついてしまったのか。話についていこうと出た出まかせか。もしも子に問われたらー
すると、最悪なことに子が私達の輪に走り寄って来て言い出した。


「ねえ、ママーOOもディズニーランド行ってみたい!!」


ギクリとし、冷や汗がぶわっと出て、体中がカッカとして来た。まいこちゃんママの顔や他のママの顔を見ることは出来なかったし、頭の中はパニクってその場しのぎの嘘に嘘を重ねる。



「えー、行ったこと忘れちゃったの?あ、でも最近は行ってないしね。子供って小さい頃だとすぐ忘れるから折角連れて行っても損した気分ですよ。」


白々しい嘘ー
子はきょとんとした顔をしながらも、それ以上追求せずにまた子供達の方に戻って行った。


しかし、まいこちゃんママは容赦なかった。


「うちのまいこ達は、2歳くらいに連れてったことも覚えてるよ。だって、ミッキーとの写真とかアルバムあるし。家族でお出掛けした写真とか見せたりしないの?」


意地悪だ。明らかに。
千葉ママにプライドを傷つけられた腹いせに私を使った。そう思えてしまうくらいに彼女の声はどこか無機質で冷たいものを感じた。


「色々な子がいるからねーアルバム見てもすぐ忘れちゃう子もいるよ。うちの子もそう。」


小太りママが助け舟を出してくれたことで、その場はなんとなくおさまった。


時間になり、皆お開き。
それぞれのママ達に会釈をし、子を連れて自宅に向かう帰り道、


「ねえ、ママ。やっぱりディズニーランド行ったことないよ。行きたい行きたい!OOだけだよ、行ったことないの。なんで連れて行ってくれないの?」


土産に貰ったというプリンセスのペンをいじりながら、子は駄々をこねる。私はそれまでの緊張感が解けたことと、まいこちゃんママに晒し者にされそうになったことへの怒りとでつい子に八つ当たりをしてしまった。


「OOはね、なんでいつもママ達の話に入って来るの!?子供は子供達でおしゃべりしてて!OOだけだよ!ママ達は大事なお話してるのに邪魔しに来て。ママ恥ずかしかった!!」


「いつもじゃないよ。ママ、他のママ達とお喋りしてるの今日が初めてじゃん。」


子の生意気な口答えに、ギリギリまで溜まっていたコップから一気に水が溢れ出た。


「何!?その口の訊き方は!!そんな子はもう知らない!ママはそんな子といたくない!ママ、お仕事する!OOはこれからなんでも一人ですればいい。一人でご飯食べて一人で学校から帰って来て一人でお留守番して!」


子は私の怒り狂った表情にたじろぎ涙ぐんだものの、泣きはせずに代わりにとぼとぼ先を歩いて行ってしまった。その頼りなげな後ろ姿を見て、途端に罪悪感と愛おしさで一杯になり、外にいるというのに子の元に駆け寄り抱き締めながら謝った。


「OO。ごめん、ごめんね。ママが悪かった!ママ、ちょっとお熱あっておかしいみたい。本当にごめんね。」


しくしくと俯いていた子は、顔を上げると今度は声を上げて泣き始めた。


「ママ、お仕事嫌だ。お家にいて欲しい。OO、一人になるの嫌だ。」


ワンワン泣く子を抱き締めながら、私も涙が出て来た。こんなところを誰かに見られたらーと思ったが、11月に入り5時にもなると辺りは真っ暗、行き交う人々は、ただ泣く子を宥めている母親に同情的な視線を送るだけだ。


小さな嘘。しかし最低な嘘。砂で作られた城はいくら完璧でも、水を掛ければたちまち崩れ消えてしまう。
叔父譲りの虚言癖は、今も尚、時に顔を覗かせ私を苦しめ続けている。


































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