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久しぶりに外食しようと夫から誘われた。普通のファミレスだが、初めての店。正直ファミレスに期待はしていないが、子は初めて入るというだけで特別感が増すらしく、店内に通されてからメニュー表を眺め、ドリンクバーへ水を取りに行くまでどこか浮き足だった感じでいたのが微笑ましかった。

私も休みの日くらいは飯作りから開放されたかったので、夫からの提案は有難かった。外食は夫からの誘いだと大概彼のポケットマネーからだ。おそらく株か何かで少しの利益を得たのだろう。


「俺は・・デラックスステーキセットでサラダとスープ、あとビールもつけて。」


例のごとく、店で一番高価なメニューを選択する。ファミレスであってもどんな高級料理屋であっても。例えばファーストフード店であったらクーポンを使ってちまちま私が購入しているのを見ると、「貧乏臭いな」と嫌そうな顔をするのだ。
私はこの店で一番安いであろうトマトソースのパスタを選んだ。390円の品だ。子はデミグラスハンバーグセットとライス、それにデザートにパフェを頼んでいた。


「もっと好きなの頼んでいいからな。」


夫はご機嫌に言う。


「ママは?デザートは?」


「ママはご飯でお腹一杯になるからいいよ。」


「じゃあパパが頼もうかな。えーと、じゃあティラミスとコーヒーにしよう。」


付き合っている頃から、夫に奢られる時はいつもその店で一番安いメニューを意識的に選んでしまう私。なんとなくそうしてしまう。夫の顔色が変わるのが怖いからー金が掛かる女だと思われ捨てられたくはないー、しかしその結果、自ら安上がりな女になってしまったのだ。金を掛けなくても離れていかない都合のいい女にー


隣の席に新しい家族が座った。子供が3人で賑やかだ。ご主人が抱っこひもで赤ちゃんを抱っこし、奥さんがまだ未就園児であろう2人を子供用イスに座らせたりアウターを脱がせたりと忙しそうだ。
子は、注文が済みひと段落すると、年末夫と遊園地に行った帰りに買ってもらったたまごっちで遊び始めた。夫は一番先に運ばれたビールを片手にすぐさまスマホ。またツーリング仲間とラインなのか。
私も現実逃避するかのように、携帯ゲームをやり始め、ファミリーレストランにいるというのにこの家族はバラバラなことをしているのだなと切なくなった。

一方隣のテーブルでは、バタバタしながらも夫婦で楽しそうに会話をしていた。子供達ものびのびと兄弟であっち向いてほいをしたり、赤ちゃんをあやしたりしている。


「僕ね~ドリアも食べたいしハンバーグも食べたいしパスタも食べたい!!」

「僕も僕も~!」

「ママもケーキ食べたい~!」


そんな会話にご主人が嬉しそうに答えていた。


「お前らはともかく、ママまで食いしん坊だな。じゃあ皆で好きなの頼んで分けっこしようか?」

「さんせーい!」


賑やかな家族、笑い溢れるー羨ましい思いで隣を意識しながらゲームをしていた。店内は混雑しておりなかなか食事が運ばれて来ない中、いつ夫がイラつかないかとドキドキしていたら、やっと注文していたメニューが来たのでほっとした。


「デラックスハンバーグセットとライス、それにサラダとスープ、それにデミグラスハンバーグセットでございます。」


「・・・・・」


夫の顔色が変わる、それを見てすぐに私は気が付いた。メニューが違う。


「あのさ、俺ハンバーグなんて頼んでないんだけど!?ステーキって言ったよね?」



バイトの男の子がビクっとなる。ネームプレートには「研修中」の文字があった。


こんな時、私ならそのままハンバーグを食べる。一応間違いであったことは伝えるかもしれないが、それでも返品したりせず捨てるのは勿体無いしーそもそも夫のように喧嘩腰でクレームをつけたりはしない。


「申し訳ございませんでした!」


「あのさ、また作り直すんなら時間掛かるよね?このビール代はチャラになんない?」


頭のてっぺんからつま先まで真っ赤になった気がした。隣のテーブルの家族もこちらの様子を伺っているのか静かになってしまったようだ。


「え、、あの、それは・・」


「話になんない!店長は!?」


夫の急変に、子は驚いたものの自分のハンバーグを黙々と食べ始めた。しばらくして店長が謝罪し、しかしビールをタダにすることは出来ないと断られ、また夫がイラつきながら彼らをなじる。


「間違いは仕方ないけどさ、誠意が感じられないんだわ。つーかここから厨房見えるんだけどさ。パスタの茹で時間とっくに過ぎてるのに上げてないし、人が足りてないからこういう間違いするんじゃないの?ファミレスは早さで勝負でしょ、遅くてどうすんの?」


夫も今更引けなくなったのか、スマホしか見ていなかったというのに本当か嘘かよく分からないことでつっかかり始めた。店長は謝罪し続け、私ももう我慢の限界だった。そんな中で空気を読まないバイトの女の子がとびきりのスマイルで私の頼んだパスタをテーブルに運んで来た。


「ねえ。もういいから早く食べて早く出よう。」


私が意を決し声を掛けると、夫はその声を待っていたかのように頷き、もういいからという風に彼らに向かって手を振った。夫も言い出した手前、引っ込みがつかなくなっていたのだろう。
店内中が私達を注目しているようで、パスタの味など良く分からなかった。デザートまで2人が頼むものだから、それを食べ終わるまで穴があったら入りたいような気持ちだった。

夫はイライラしながら食べ終えると、すぐに私に金だけ渡して店の外に出て行ってしまった。会計に行き、バイトの子に金を払っていると先程の店長がやって来て、その店の割引券を再度謝罪しながら差し伸べた。
夫は外にいるので聞こえないよう、


「先程はお騒がせしてすみませんでした。もっと言い方があるんですけど・・嫌な思いをさせてしまって・・」


しかし、私の言葉を制止するように店長はまた頭を下げて、


「いいえ、こちらのミスですから。お客様に不快な思いをさせてしまったことお詫び申し上げます。ご主人にも宜しくお伝え下さい。」


そう言いながら深々と頭を更に下げる。
私もそれに釣られるかのように、頭を何度も下げて店を出た。


外で待っていた夫は、面白くなさそうに言う。


「なんであなたが頭下げてるの?OOの教育上悪くないのに謝るなんておかしいでしょ?」


子は聞こえてるのかトラブルに巻き込まれたくないからなのか、視線はずっとたまごっちに向けられているままー


「だって・・あんな言い方しなくてもー」

「あーあ!もうしばらく外で飯はいいや。気分悪い!!」


そう言いながら、スタスタ早足で先を行く夫の背中を追いかける気にもなれなかった。まるで子供ーいや、無邪気さがない子供は子供ではない。
ただの嫌な大人ではないか。
そしてそんな連れ合いを持つ自分だって、結局のところ傍から見たら同じ穴のムジナなのだろうなと溜息をついた。
































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