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オンナトモダチ

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夫から録画を頼まれた。それは全く夫の嗜好とはかけ離れたドラマだった。夫は基本自宅でテレビを観る際、ニュースやバラエティ。たまにスポーツ番組を観るが、大体のところヤジを飛ばしたいが為に観るといった感じで、一緒に観ていると気分が悪い。
私も、今期のドラマはぽつぽつとそれなりに観ているが、しかしどのドラマもはまる程ではなく、なんとなく暇な時に流している程度。録画まではしていない。
私達は趣味嗜好が全く違う。それに、どちらかが合わせようともしていない。もうとっくの昔に諦めたことー
夫の残業はこの夜も遅くまで掛かりそうだったので、録画ついでにリアルタイムで観てみたら、以外にも面白いドラマだった。しかし、何故夫は突然こんなドラマを観たがったのだろう?明らかに、女性が好みそうなものだった。


その日、疲れて帰宅した夫が第一声に放った言葉は、「子の学校での様子はどうだったか?」でもなく、「夕飯のおかずは何か?」でもなく、「風呂は湧いているか?」でもなく、「録画はしたか?」だった。



「うん、しておいたよ。私もちょっと観てみたけどね、面白いね。毎週録画にしておいたよ。途中からだから再放送とかあればいいんだけど・・でも突然なんでこんなドラマ観たくなったの?」


素朴な疑問を投げかけたつもりだ。しかし、夫の表情が一瞬固くなったように見えた。


「別にー・・顧客でさ、この手のドラマ好きの女性がいるんだよ。売上に繋がるから一応。」


ネクタイを緩めながらそう言うと、そそくさと風呂場へ行ってしまった。
なんとなくー、直感が働く。珍しく風呂場に持参しなかったスマホが、ダイニングテーブルの上に置いてある。目に入った瞬間、ラインか何かか?バイブが鳴った。
見るつもりはなかった。液晶を表にしていたことで目に入ってしまったのだ。現に、スマホを私は少しも触ってはいない。



「今日の展開笑えたんだけどー!ほんとハマるわ~おっとネタバレしちゃいそう、まだ観てないよね?っていうか今日も残業お疲れ!」


心臓がドキンと鳴ったー名前を確認しようと液晶画面に近づいたところで、画面は真っ暗になってしまった。夫がシャワーを浴びる音が聞こえる。今なら画面をタッチしてもバレないだろう。少し、少しだけ。名前を確認するだけ。深入りはしない。自分にそう言い訳をしつつ、しかし何か越えてはならない一線を越えてしまいそうで躊躇する。
もたもたしているうちに、夫が私を呼ぶ声が聞こえた。


「おーい!シャンプー足りない!」


はっと我に返り、ストックしてあるシャンプーを取りに倉庫へ行く。心はモヤモヤしたままだ。一体誰だろう?思い当たるのはツーリング仲間だというあの女性。夫の身の回りで現在親しい女性といえば、彼女しかいない。それとも、以前ホワイトデーにプラダを渡した彼女だろうか?


浴室のドアを開けると、そこには髪に中途半端な泡をつけてうつむく夫の背中があった。顔は見えない。その代わりに、空になったシャンプーボトルを手にして私に向ける腕がこちらに伸びている。
夫の表情が見えないことで、いくらか勇気が出たのだろう、モヤモヤをすっきりさせたくて、口から思いがけず言葉が出た。


「ツーリングの人もそのドラマ観てるの?」


私が口火を切るのと同時に、勢いよくシャワーが流れた。私の精一杯の勇気は、あっけなくその音と共に流されてしまった。そして、二度も同じことを聞く気力はもう残っていなかった。
ドアを締め、詰め替え用のパックを捨てる時に、それがボディーソープだということに気が付いた。慌てて夫にそれを伝えようとして、思いとどまる。
どうでもいい、頭の先からつま先まで嘘つきの人間なんだ、そんな奴にわざわざ親切心を起こす必要なんてない。それにー、体裁だけの夫はシャンプーとボディーソープの違いすら分からない。パッケージが違うとすぐに気が付くくせに、中身には無頓着なんだ、いつでも。
それを証拠に、家での顔と外での顔は全く違う。私は夫からしたら、詰め替え用の安いボディーソープのような存在だ。ぞんざいに扱われ、垢と一緒に流される、ただそれだけのー

オンナトモダチー、その存在は浮気相手よりも恐ろしいものだと思う。
誰からも咎められない、法にも触れない、永遠の繋がりを可能にするものだから。































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