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ポストカード

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雨に濡れた紫陽花ー
とぼとぼ歩く午前中、例の駄菓子屋を通り恒例の張り紙チェックを終え、コンビニで子が気に入りのロールケーキを買うと、そのまま真っ直ぐ帰宅せず被写体にカメラを向ける。
子の行事時くらいにしか活躍しない一眼レフ。しかし、整体の橋本さんとの共通項を一つでもという下心でシャッターを切る。
霧雨の中、傘の中からという悪条件での撮影は、しかし知人に姿を見られないだけ集中出来る。傘が無ければ、日がな日中一人でカメラを持ってぶらぶら近隣を歩くなんて出来っこない。誰かに見られたら恥ずかしいし、どんな顔をして挨拶をしたら良いのか分からない。
紫やピンク、まだ色付いていない白色の紫陽花のグラデーションに魅せられて、いつの間にか夢中になりファインダーからそれを覗く。
完全な自己満足の世界ー急に思い立ったのだ。外に出て写真を撮ろうと。
天気が悪ければ自宅に引きこもっているのが落ち着くし、いつもの私ならそうしているのだけれど、この日は何だか気持ちを無理にでも上げたくて外に出たのだ。
いつもと違うことーカメラの知識もない、オート機能でただ目についた物を撮るだけの行為だったが、それでも十分過ぎる程の充実感を与えてくれる。
前方に、私と同世代くらいの女性が通れば、何事もなかったかのようにカメラを背中に回し、顔を傘で隠して通り過ぎるのを待つ。私よりだいぶ年上の老人が、散歩がてらプラプラ歩いているのを見れば、なんとなく安心してまたシャッターを切ることが出来るのだ。


「こんにちは。綺麗ですよね。」


見知らぬ老人が話し掛けて来た。


「こんにちは。本当、綺麗ですよね。」



「写真の撮りがいもあるでしょう。」


「ええ、はい。」


たったこれだけの会話だが、心が浮き立つ。
今日、私がこうしてこの世に存在していることを認められているようなー、大げさだがそんな安心感に包まれる。


家に戻り、PCで撮った枚数を確認すると驚くことに80枚近くもあった。どれもこれも似たような写真。しかし、その中に自分でもまぐれかと思う程に綺麗に良く撮れた写真があった。
紫陽花に付いた雫が光を集め、キラキラ輝きを放っている一枚だ。
とても気に入り、思わず自宅のプリンターで印刷した。出来栄えに気を良くして、今度は裏が宛名面になっているポストカード用紙に印刷をしてみた。


「ポストカードにしたら売れるかも。」


嬉しくなってつい言葉に出てしまう。販売などする気は毛頭ないけれど、それでもそう思えるくらいに上出来だったのだ。その他にも10枚程ピックアップし、ポストカードにした。
ちょっとした時候の挨拶に使えるかも。
ふと、独身時代の友人の顔が浮かぶ。もう何年も連絡を取っていないし会っていない。彼女の誕生日は確か6月の雨降りの時期だった。


「お元気ですか?近所の紫陽花が綺麗でした。久しぶりに会いたいですね。」


ポストカードに一言添えて、彼女の元に出すのはおこがましいだろうか?
独身で、子宮の病気を抱えて子供を望めない彼女に、私からコンタクトを取ることは迷惑ではなかろうか?彼女との葉書のやり取りは、私からのが最後に2回程で途切れている。
迷惑かもしれない。彼女からしたら、安定している私。夫がいて子供がいる。働かなくても衣食住に困らず日々安穏と過ごしているーそう見えているだろう私。
私と接触すること自体、彼女の心に必要以上の負担を掛けてしまうかもしれない、しかしそう考えること自体が上から目線ではないか?


結局、そのままポストカードは外のポストに入れられることなく、ひっそりと引き出しに仕舞われた。しかし、残りのポストカードを麻紐に木のクリップで挟み、玄関先の廊下に押しピンで飾った。



「ただいまー!あ、ママ、これどうしたの?」


いち早く、子が気付いてくれた。


「ママがね、写真撮ったんだ。」


「すごい!綺麗、可愛い!こうして飾ると凄くいいね!」


子に褒められて、満更でもない気持ちになる。
お金が勿体なくて花が買えなければ、こうして外の花を写真に撮り飾ることで、暮らしは潤う。実際に咲いている花を眺め、それをカメラに収め、こうして飾り家族に喜ばれる。
3度も楽しめたので、得をした気分になった一日だった。
























































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