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花火大会ー続き

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会場は予想以上に混雑していた。
私と同じく、最後に夏休みの思い出を作ってやろうーそう思う親達が駆け込みで来ていたり、また年中夏休みのような学生達や若いカップルでそこらはごった返していた。
電車で行ったのだが、車内で夫は子に話し掛けるわけでもなくずっとスマホ。例の彼女とラインでもしているのだろうか?家族と出掛けている時くらい意識をこちらに向けて欲しい。私にとは言わないー、せめて子にだけでもと思うのは我侭だろうか?

私が指摘した通り、屋台は長蛇の列。夫もそれを見てバツが悪かったのだろう、取り敢えず場所だけ確保すると、すぐに買い物を買って出た。いつもなら私に行かせるところをだ。
そして、子と共に焼きそばの列に並びに行った。生ビールの屋台ももの凄い列になっていたので、少し戻ってコンビニに行こうかと提案するとすんなり万札を私に寄越してくれた。
コンビニもなかなかの混雑だったが、店内はエアコンも効いていて涼しいし、屋台で並ぶよりは断然マシだった。ロングのビールを5本に、子の為にオレンジジュース、そして殆ど売り切れて選ぶ余地もなかったのだが、コロッケを3人分念の為購入することにした。

シートを敷いて場所は取っていたので、ゆっくり買い物をしてから再びその場に戻ると、若い男性が4~5人私達のシートを隅に丸めて自分達のシートを縄張りのように広げようとしているのが目に入った。
コンビニ袋を片手に立ち尽くしていると、通りの向こうから夫と子の姿も見えた。夫も彼らの様子を見ていたようだった。彼が何かアクションを起こしてくれるだろうーそう思い見守っていたのだが、焼きそばを片手にただぼーっと突っ立っている。そして、彼らが何かを買いにその場を離れた途端、そそくさと場所取りをしていたはずの丸まったシートを回収し始めたのを見た。何か見てはいけないようなものを見てしまったような気がして、人混みに紛れるように元来た道を戻り、ゆっくりゆっくり歩いていると、携帯のバイブが鳴った。夫からだった。


「もしもし、俺。あのさ、場所取りしてたとこ、なんか分からないけどシートが風に飛ばされたみたいでさ。全然関係ないとこにあって。だからさっきの焼きそば屋のとこいるからそこに来て。」


それから5分後くらいに、今来たばかりだという具合に彼らのところに行くと、丸まったレジャーシートと焼きそばを持つ夫と暑さで既に疲れている子が突っ立っていた。


「いやー、まいった。場所はもうどこもなさそうだし、立ち見でも仕方ないな。」


「そうだね、どこら辺に花火上がるんだろうね。」


一応話を夫に合わせる。子は疲れた表情でたまごっちをしている。
土手近くの階段が少しだけ空いていたので、子と夫を座らせて私はコンビニ袋に入っているビールを夫に渡した。夫はそれを受け取ると喉を鳴らしながらごくごくと一気に飲み干した。
土手の下に、丁度私達のように場所だけ取って留守にしているのだろう、シートだけの空間があり、そこへドヤドヤと中国語だか韓国語だか分からないが、異国語を話す男女のグループが腰を掛けた。驚くことに、敷いてあるシートをどけることもなくあまりにもその場に自然に座ったので、彼らが取った場所なのだろうと信じて疑わなかった。
少しして、そこへ気の弱そうな男性と恋人なのだろうか?女性のカップルが来て、彼らに向かって何やらジェスチャーを加えながらあれこれ訴えている。外国人も負けじと言い返しているようだ。それを見た夫が、



「あんなの、一発怒鳴り返してやればすぐにどくのにな。気が小さそうだな、あの男も。」


ビールを啜りながらそう笑った。それを聞いて、夫の嫌な部分をまた見てしまい嫌悪感が湧いた。自分だって場所を取られて何も言えず、こそこそシートを回収していたクセに・・
花火が始まり、まだ彼らは言い合いをしていた。子はようやくたまごっちから目を離して空を見上げた。まだ明るい空に、大きな華が咲く。私は夢中でシャッターを切った。


「情けねえな。あれじゃ、彼女も幻滅だな。」


外国人は怒りながら自分達が腰を掛けていたシートを彼らに返すことでその場は治まったようだ。しかし、場所自体は彼らの元に戻ることはなく、カップルは釈然としない様でとぼとぼと土手を上がって来た。男性は最後まで声を荒げることはなかったが、しかし一所懸命自分らの主張をしているように見えたし、その行為は決して気弱な男性とは思えなかったのだが、夫からすれば「一発怒鳴る」ことこそが「男らしさ」だと信じて疑わないようだった。
夫は、いかにも気弱そうな店員だったり、また女性のドライバーには煽ったりと、強気の自分を演出したがる。しかし、勝てない勝負には出ないのだ。結局夫の方だって気が小さいのだ。

立ち見は辛かったが、それでも子は嬉しそうに花火を見ていた。夫はキョロキョロと落ち着き無く、ビール片手に周辺の様子を伺っている方が多かった。私は慣れないカメラで懸命に花火に向かってシャッターを押していたが、最後までちゃんと撮れたものは一枚もなく、


「そのまま見る方が綺麗だよ。」


子にそう言われ、ファインダー越しからしか花火を見ていなかった自分を恥じた。辺りはすっかり暗くなりクライマックスを迎えると、肉眼で見ているからなのか何なのか、感動なのか不安感なのか、泣きたいような気持ちになった。打ち上がる度に聞こえる歓声と拍手に一体感を得ることが出来ない、そんな自分自身の憂鬱さがそうした感情を呼び起こしたのかもしれなかった。


















































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