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晴れのち雨

晴れ女か雨女かでいったら、私は雨女だ。
外出したい時に限って雨が降り、家にこもりたい時に限って爽やかすぎる晴天。
予報が晴れだからと、気分良く自転車で隣街まで買い物に出掛けた時に限って、スーパーに到着した途端、どこから現れたのか黒々とした雨雲ー本当についていないのだ。

最初から雨だと分かっているのならば、心の準備も出来るし、雨具を携帯し濡れないようそれに備えることだって出来る。しかし、ふいうちの雨というやつは本当に胸糞悪いものだ。そして、そんな思いを先日味わうことになった。

子の新たな習い事、スイミングはいたって順調だった。やはりプロが教えるからだろうか?正しいフォームでクロールらしきものが出来るようにもなっている。ものすごい進歩。

危惧していた待ち時間は、素敵ママやFさんGさんの4人で過ごすことが定例になりつつあった。まだ、素敵ママ以外の2人には敬語を使っているが、それでも話し掛けられるばかりではなく、こちらからも学校のことだとか思い付く雑談を持ち掛けることが出来るまでになっていた。
「固定メンバー」というものはなんて居心地が良いのだろう。しばらく忘れていた安心感。引越し前以来といってもいいだろう。それ程に、私はそれまで自分を殺して日々子供関係を過ごして来たのだ。
ランチをしたり、お茶をしたり、一緒に買い物をしたり・・それが本来のママ友と呼べる付き合いなのだろうが、いまや私はそこまで高望みをしてはいない。ただこうして、会えば気軽に話せる関係、それが習い事のついでであっても、毎週1度はそういう時間を持てることが、日々孤独な時間を過ごす自分には大切なことなのだ。1週間のうち、家族以外ときちんとした会話が出来る、それがたったの1時間足らずであっても・・それでもそれが確実に確保されているというのは、心に安定をもたらす。いつどこで出来るか分からない立ち話とは違い、落ち着ける「居場所」なのだ。

Gさんが話すあれこれは、学校が違うこともありそのどれもが新鮮だった。授業から宿題、担任の質まで、私達の学校とはいくらか違うものがあった。これこそ「情報交換」というやつなのかもしれない。Gさんは、見た目スリムで黒髪ストレートが良く似合う色白で目の大きな秋田美人、小ぶりの邪魔にならない程度のダイヤのピアスをいつもしており、コンサバだがどこか垢抜けた雰囲気を持つ。しかし、素敵ママのような派手さがないのと、また顔に似合わずどんな話も面白ろ可笑しく話す為、親しみやすさがそこにあった。
Fさんは、物静かだが顔は広そうだ。スイミングでも素敵ママに負けず色々な人達から声を掛けられている。園時代の敬語ママを思い出させるーそんな雰囲気の人。聞き上手、しかし沈黙になれば率先して話題を提供する、大人の雰囲気を持ち合わせた落ち着いた人だった。子が1年の時、同じクラスだったことに気が付かないくらい、彼女は目立たなかった。いや、単に私が気が付かなかっただけだ。彼女の子供は男の子で、それもあり子と接点もあまりなかったのだから。

いつものように子を更衣室前まで届けると、メンバーが集まる固定席へと向かった。既にFさんとGさんが座っており、素敵ママはまだ来ていないようだった。


「こんにちは。」


「あ、こんにちはー。」


二人共、自然に私の為に席を開けてくれる、そんな些細な仕草さえ嬉しかった。彼女らにとって私がこの場に来ることが当たり前のこととなっている、そして私もーいつしか、スイミングの曜日は子の習い事メインではなく、自分自身プライベートを楽しむ曜日にさえなっていた。彼女らにとっては習い事の「ついで」であるのだろうが、私にとっては子の習い事が「ついで」になっているといっても過言ではない。
素敵ママが来るまで、3人で子供達の泳ぎを観察していた。Gさんは私の子を見つけると、学校も違うし関わりもないというのに色々と褒めてくれた。


「OOちゃん!まだ入ったばかりなのにすごいね。フォームも綺麗だし、すぐにうちの子追い抜かされそう。うちなんて幼稚園からやってるのにまだ赤帽子だよ~」


子の名前を覚えてくれ、そして褒めてくれる。それだけでGさんが大好きになりそうだった。Fさんも、そんなGさんの言葉を聞きながら笑顔で優しく頷いてくれる。
彼女らは、私を空気のように扱わない。きちんと人として接してくれる。それは、素敵ママのお陰であることも否めないけれど、それでもやっと出会いたい人達に出会えたような気がしたし、こんなことは初めてだった。そして、私も彼女らの前だと、苦手な複数であっても自然体でいられるような気がする。それはやはりFさんの存在も大きかった。
輪の中で、自分以外皆が皆お喋りだと、声を発するタイミングを失ってしまう。しかし、私のように物静かな人間が一人交じるだけで、その輪から置いていかれるという焦りは消えるのだ。焦りがなくなれば、口を開く間合いも的確に得ることが出来るし、また妙に空回った馬鹿げた発言をしてしまったり、どもったりということも少なくなる。良い連鎖は良い連鎖を呼び、人並みにコミュニケーションをはかることが出来るのだ。




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会話を楽しんでいると、背後に人の気配がして振り向いた。てっきり素敵ママだと思い、笑顔で振り返ったのだが、その隣にいる人物が目に入り途端に凍りつく。


「こんにちは!」


「久しぶり~!」


FさんもGさんも彼女と彼女の隣にいる人物に向かって笑顔で挨拶をする。その人物とはースネオママだった。スネオママは、一切私に視線を合わせることもなく、私以外と久しぶりの再会を喜んでいるかのようだった。しかし、確実にそれは私の存在を意識した行動だ。私の体は硬直し、それから作り笑いはぎくしゃくし、ただの一言も発することが出来なくなってしまった。スネオママもいつからか息子をこのスクールに通わせていたらしく、ここ数週間K君は風邪をひいたり手足口病にかかったりで泳ぐのは自粛していたのだそうだ。素敵ママとは1年の頃同じクラスだったことと子供同士が仲良しだった為に、自然と親しくなったのだろう。
固めつつあった地盤がみるみる間に崩れていくー、やはり、私に晴天は似合わないのだ。

彼女が来てからの1時間は、非常に長いものになった。ソファーは5人が座ることが出来ず、スネオママは立っていたのだが、見下ろされている感じが威圧感でしかなかった。会話は素敵ママとスネオママとGさんが取り仕切る。Fさんがいて安心していたのだけれど、しかしスネオママはFさんとも知り合いだったようで、下の名前にちゃん付けで彼女にあれこれ話し掛ける。その事実に、Fさんと自分との距離が一気に遠くなった気がした。
彼女が来たことで、私は途端に空気になった。頭の回転も早く、次から次へと話題提供するスネオママについていける者しか、その場の会話に参加することは許されなかった。いやー、そもそも彼女はハナから私に向かって話そうとしない。受け皿がないのだから、彼女の話に相槌を打つことさえためらわれる。

次第に私は彼女らの会話に無理して混じり、ぎくしゃくした笑顔を作り続けることに違和感を持ち始め、子供達が泳ぐプールに視線を落とすことに集中し始めた。あたかも子供の見学に情熱を注いでいるかのように、一番の関心事は子供の泳ぎであるかのようにー

実際は、耳をダンボにして彼女の話を聞いていたのだけれど・・

時間になり、女の子の親は私だけなので更衣室に向かうのも私だけだった。
無理やり笑顔を作り、最後までスネオママの方を見ることなく挨拶をするのが精一杯のプライドだった。彼女のご機嫌など取りたくない。無視されたのなら、こちらだって笑顔の安売りなどしたくない。
大人気ないが、それが自分を保つ必死の手段だった。更衣室へ行くと、子は見覚えのない女の子とふざけ合っていた。三角帽のタオルを頭に巻いて、小人達のようにはしゃぐ子供達を見ていると、妙な勇気が湧いてきた。


なるようになるー


自然に身を任せよう。一瞬、子のスイミングの時間をずらそうとさえ思ったのだが、そんな馬鹿げた考えを頭から振り払う。これは、試練だ。
ここを乗り越えなければ、これから先、社会復帰することだって難しい。世の中にはもっともっと嫌な人間がいるのだから。前向きな気持ちを無理やり持ちつつも、やはり帰りは彼女と会わないかと、バス停にその存在を確認する私がいるのだった。




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