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余裕ぶる人、出し抜く人

孤高の人は孤高の人だと思っていたのだけれど、久しぶりにばったり会った彼女は以前と印象が変わって見えた。スーパーへ行くまでの道で、一方通行の狭い通りがある。前方に知ってる顔がー、孤高の人だった。
ばっちり目が合い、咄嗟に会釈する。
抱っこひもがすっかり定着したその姿は二児のママそのモノなのだけれど、ニット帽にスウェットサルエルパンツ、彼女らしい個性的な柄のニットベストとそのスタイルの良さが、実際の年齢よりマイナス7歳程に見える。


「あ、久々ー。」


「こんにちは。」


相変わらず堂々とした風貌を前に、ついぎこちない笑顔になってしまう。私と対局にいる彼女、自信満々で人に媚びない、自立した女性。


「買い物?」


彼女が私に問いかける。そしてそのままなんとなく立ち話という流れになった。あまりにも久しぶりだったことで、話し掛けられた嬉しさよりも戸惑いの気持ちが勝つ。しかし、それを悟られないよう必死に笑顔を作り、彼女の問いに答える私がいるのだ。
こちらから何か話題を提供するとすれば、当り障りのない彼女の胸の中にいる赤ん坊のことー。素敵ママの時もそうなのだが、正直それくらいしか会話のネタが思い付かず、興味もないのにさもあるかのように振舞ってしまう。


「毎日忙しくて。時間が足りないんだよね。午前はこの子連れて色々付き合いもあるし、午後はレッスン入ってるし。こないだ取材も入ったんだけど、あまりにも忙しくて断っちゃった。タイミングが悪いのよ~。ベビーのリトミックもしないかって話が出ててね。あれもこれもで頭がパンクしそう!」


困る困るを連発しながらも、顔は充実感一杯に溢れている。多くから求められていること、そして選択出来る立場に自分がいること、スッパリ切り捨てられる余裕があることー、正直私にはただの自慢話にしか聞こえなかった。むしろ周囲にそれを吹聴することで、自分のアイデンティティを確認しているかのようにさえ思えた。
園にいた頃、彼女はもう少し黙々とした雰囲気があったし、確かに忙しさをアピールする癖はあったかもしれないけれど、今よりも大物感が漂っていたような気がする。
言葉にするのが難しいが、あえてするのならば、大型犬から小型犬に変わってしまったようなー、チワワが一生懸命忙しく吠えている、そんな印象を受けたのだ。そして、私が彼女の期待通りのリアクションー、


「うわぁ、大変ですね。忙しそう。」


「孤高さんがいないと成り立ちませんね。」


「皆、孤高さんを必要としているんですね。」


そんな言葉を投げかけると、満足気な顔をする彼女がいるのだ。


「ダンスなんてさ、元々はただの趣味だったんだけどね。今も正直好きなことしてるだけなんだよね。だからガツガツ仕事って感じになっちゃうと家のことも出来なくなるしさ。あまり手を広げたくないんだけどね~なんで声掛けられるんだろう。しかも今子供も手が掛かる時期なのにさ。」




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好きを仕事にー、誰しもが持つ憧れ。しかし、彼女はそれを「取捨選択」出来る自分に誇りを持っている。自分の意思で、好きな時に好きなだけ。今を生き急ぐ人々をどこか小馬鹿にしたようなー、それを証拠に、


「下の子のママ友連中がさ、復帰するのに必死でね。もっとゆっくりすればいいのにね。1年以上空くと仕事が無くなるってそんな会社、こっちから願い下げだよね。もっと自分を大切にすればいいのに。アップアップしてて、傍から見てて疲れちゃうよ。」


相手が私だからなのか?それとも本気でそれをそのまま下の子のママ友連中に言っているのかは分からないが、もしそうだとすれば彼女は大多数から反感を買うに違いない。

私や私の子の近況など全く興味がないのだろう、向こうからこちらに対しての質問は全くなく、一方的に会話を切り上げられる。私というただの通りすがりを通して、現在の自分がどんな人間なのかを確認し、大方満足したようだった。


「じゃあね!また~。」


軽い足取りで去って行く彼女。
彼女がいなくなった後、何故だか小学生の頃、少しだけ仲良くしていたクラスメイトの顔が頭に浮かんだ。
その子はいつも余裕ぶっており、テスト前になると、


「全然勉強してない~。昨日もずっとお兄ちゃんとスーパーマリオしてたんだよね。どうしよう~。」


そう大騒ぎしながらも、返却されるテストは満点だったことを思い出す。
そう言えば、クラスの女子から陰で嫌われていたー、そんな彼女。その言動が「鼻に付く」ことを、彼女は最後まで気が付かず、最終的にハブられていた。
孤高の人がそうだとは言わないが、ちょっとしたさじ加減で誤解を生みやすい、そんな人のように思えたのだ。




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