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気の良い店主

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自分の住む街で、ぶらりと入れる行き付けの店ーそんなものがあったらと思う。
理想としては、モーニングを気軽に摂れる場所。一人で来る客ばかりで、店員達とも程良い距離感。少しの雑談くらいはあっても良いけれど、基本静か。それぞれが好き勝手にネットをしたりぼーっとしたり。
マスターがとびきり愛想良く、会話上手で面倒見が良い人柄なら言うことなし。むしろ、人が苦手ーそんな人達が集う場所だからこそ、マスターを通してなんとなく人と人との繋がりが出来ていく、そんな感じ。都合の良い他力本願だけれども。

ここ最近、名古屋発祥のモーニングを出す店が都内でも増えて来たけれど、実際のところ敷居が高い。どうせ送迎帰りのママ友連中や、仲良し夫婦、ゲートボール仲間などが常連なのだろうと思うと、一人きりで入る勇気などない。より一層、惨めで孤独な気分になるからだ。

孤立する老人達を救うべく、そういった店は孤独死や痴呆症を軽減する役割を果たしているのだと、いつかどこかの番組で目にしたことがある。しかし、実際ああいった店に出入りする老人は、元々社交的で自治会などの地域活動にも積極的に顔を出し、忙しく立ち動いている人々ばかりなのだろうと思う。


私は妄想するー


ポツンを集めたらどうなるだろうと。引きこもり達を集めたら、どうなるだろうと。
口下手な人間が集まれば、一体誰が主導権を握るのか?恐らく沈黙が続いて気まずい時間が流れるだけだろう。そこで、お節介な世話役が必要である。分け隔てなく人と接することが出来て、細やかな気遣いを提供出来るー例えばYさんのような人。彼女のような人が私達ポツンの仲介者となるのだ。
ポツンが集まれば、それでもやはり派閥は出来るだろう。もしかしたら「群れ」も出来るかもしれないけれど。どんなに良い人であっても、相性ありきの人間関係なのだ。




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ぼんやりそんなことを考えながら、図書館へ向かう。図書館の道すがら、いつからあったのだろう?よく見ないと気が付かない場所にこじんまりとしたパン屋があった。
お洒落でもない地味な出で立ちが自分と重なり、なんとなく親近感を持ってそのパン屋にふらりと入った。

店に入ると、奥は広い作業場となっており、小学校の頃目にした給食室を思い出させるような景色が広がっていた。店主はどこにいるのだろうか?探すが人の気配がない。なので、トレイを片手に取り敢えずめぼしいパンを物色する。アンパンマンやピカチュウのパンもあり、子供に優しい店なのだと更に親近感が湧いた。値段も良心的だったので、久しぶりにおやつになりそうなパンをいくつか見繕った。


「いらっしゃいませー!今日は寒いですね!」


突然、三角巾を頭に巻いた人の良さそうな、私よりも多少年上の女性が顔を出した。ドキっとしたが、


「本当、急に寒くなりましたよね。風邪ひかないように気を付けないと。」


咄嗟に返事を返した。店主は、私が喋り終えると、更に次々と話を持ち掛けて来た。私のトレイにピカチュウが乗っているのに気が付いたのだろう、子供はいくつなのか?アレルギーとかは大丈夫なのか?店主にも子供がいること、喘息持ちで大変だったことー

彼女にこれからどこかへ行くのかと聞かれ、図書館へ行くことを告げたら、パンを袋に詰めながらもずっと図書館ネタを提供してくれた。面白い司書がいること、なかなか予約した本が回って来ないと思い聞いてみたら1年待ちだったということー、どれもどうってことのない話だし、人によっては彼女のような接客を好ましく思わないかもしれない。しかし、私にはそれが心地良かったのだ。恐らく、隣街だということと、別に好かれなくても良い、一期一会の関係だという気楽さがそこにあったからー


「又吉の読みました?」


「ええ、結構面白かったですよね。」


会計が終わってからも、彼女は私に話し掛けてくる。いつ終わりにしたら良いのか、タイミングがつかめなかったが、話好きなのだろうーそれでも私のような詰まらない人間にあれこれコミュニケーションを取ろうとしてくれる彼女に好感が持てた。勿論、それは商売という利害関係があってのことなのだろうが、それでも私は嬉しかったのだ。

彼女から、いくつかお勧めの本を聞いたので、その日はそれを図書館で借りることにした。
次回、図書館へ行った時にまたこのパン屋に寄ろう。そこで、借りた本の感想を彼女に伝えられたらーそう思う。




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