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夫の許可証

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ほろ酔い気分の夫の帰宅ー、今夜がチャンス。夫代休の夜、会社の飲み会に参加しても良いかどうか許可を得る絶好のー
私は夫に言いにくい相談や願い事をする時は大方、彼に酒が入っている頃を見計らう。しかし、その日の酒は種類が違った。夫にとって「付き合い」の酒ー、いわば、自分を出せない神経を使う酒だったのだ。早く月宮さんに返答しなくてはならないと焦った私は、それを見極める判断を誤った。


「職場で打ち上げがあって・・ついでに私の送別会もしてくれるって言うんだけどね、あなたが代休の夜に、OOお願い出来るかな?」


「・・・・・」


沈黙が続く。この沈黙は危険レベルでいったら5段階のうちの3だ。


「アンタ、一体何言っちゃってるの?職場の酒ってたかがパートでしょう?そんなん付き合う必要あるわけ?ったく、小さい子供がいる主婦にそんな話を持ち掛けるなんて、非常識な職場だな!」


私のことを「あなた」ではなく「アンタ」と呼んだ時点で、危険レベルは4に上がった。もうこれ以上、夫にこの話を持ち掛ける隙はなくなった。シャットダウンと言わんばかりに、夫はさっさと着替えを持ってシャワーを浴びに浴室へと消えて行った。




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ーやっぱり・・ね。


予想はしていたが、心のどこかでホッとしている自分もいた。正直、気心知れたメンバーで飲むわけでもない酒は、緊張するし気も進まないのが本音だった。しかし、変なところで真面目な私は、決定的に行けない理由がないことには、気分で断るなど到底出来ない。勿論、「夫に反対されたからー」などありのままの理由を月宮さんに伝えれば、私はモラハラ夫に飼われた意思の持たない主婦として、皆から憐れまれるに違いない。もう何日か後にはこの職場を去る私だが、しかし小さなプライドが偽の理由を作るのだ。


ー打ち上げの件ですが、平日は夫が遅くまで深夜残業の為、また小学校低学年の娘の預け先もない為、残念ですが参加出来そうもありません。送別会のお心遣い、嬉しく思いました。ありがとうございました。お気持ちだけありがたく頂戴いたします。ー


浴室から聞こえる、夫の雄叫び。取引先と飲んで、何か嫌なことを言われたのか?洗い桶を浴室の壁に叩きつける音も聞こえる。深夜1時過ぎだというのに・・苦情が来たらどうするのだ。しかし、夫のストレス発散が、私や子への暴力として解消される代わりならば、致し方ないと思えるのだ。

メールの文面を何度も読み、保存した。これは早朝送ることにしよう。
もしー、短期ではなく長期アルバイトとして雇われていたら、この飲み会は夫に頭を下げてでも参加していたかもしれない。何となくー、職場の人々の輪に時間がかかりつつも馴染んでいる未来の自分が見えたからー。それは、石さんの存在によるものも大きいけれど、それでも、もしかしたら私が長年求め続けていた「居場所」がそこにあったのかもしれないと思うと、気持ちしんみりするものがあった。

残すところあとわずか。職場の皆からしたら、ほんのわずかの日数お手伝いに来ていたパート主婦、記憶にも残らない人間かもしれないが、私にとってそこは大きな舞台だったのだ。その舞台から身を引く時、せめて清々しい笑顔で最後にタイムカードを押したいと思う私がいる。




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