にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ
にほんブログ村 主婦日記ブログ 専業主婦へ
にほんブログ村 子育てブログ 一人っ子へ

アートな世界

スポンサーリンク





待ちに待った陶芸教室ー振替休日に行って来た。この日は園のランチ会でもあったので、もし子の耳に入ったとしても、うまくやり過ごすことが出来る。


サイトのアクセスを頼りに、都心の外れにある小さなアトリエへ向かう。騒がしい駅前商店街を抜け、狭い路地裏を通り小さなトンネルを抜けると、恐らくこれも手作りだろう、アトリエの名が書かれた木の看板が控えめながら立て掛けてある。呼び鈴を鳴らすと、中から若い女性が出て来た。


「はーい。」


「あの、今日予約してますOOです。」


「あ、はいはい。お待ちしてました。どうぞ~」


丸顔のほんわかした癒し系美人は、恐らくこのアトリエ主人の奥さんだろう。子と共におずおず中に入ると、既に先客が何人もおり騒がしい。賑やかな笑い声も聞こえ、少々気後れしたのは私だけではないようだ。子がぎゅっと私の手を握り締める。
通された部屋は、独特な臭いがした。恐らくこれが土の臭いなのだろうか?そして、ひげをたっぷり蓄えた長髪の男性ー、事前にネッ トで顔を見ていたお陰で、初対面とは思えず、気さくな笑顔をこちらに向けて来た。


「いやいやいやー、こんにちは!えっと・・OOさんだね?OOって呼んでいい?」


先生は、突然子に挨拶をしたかと思うと、呼び捨てで距離を縮めようという作戦なのか?子の表情は硬いながらも、頬はいくらか蒸気しているようだった。持参して来たエプロンと三角巾を付けつつ指定された席に着席した。子供は全部で5人。大人は私を入れて3名。いずれも親子で参加しているようで、私のように「付き添い」だけという大人はいなかった。


「えっと、OOさん!カメラ係お願いしてもいい?」


すると突然彼は、私を下の名前で呼んだかと思うと、「ただの付き添い」から「カメラマン」の役割を与えたのだ。驚きつつも、カメラを渡されると言われるがままに、私はシャッターを切り始めた。客を使うなんて・・と普通なら憤慨するところかもしれないが、正直ぼーっと1人で皆の作業を数時間眺めていなければならないのは気まずいと思っていたので、私にしたらむしろ有難い指示だった。
陶芸の先生は、土 の説明やアートの云々、器の奥深さなどを一通りレクチャーすると、とりあえず触ってみようとそれぞれに土を与えて好き勝手に触らせ始めた。


「まずは土と仲良くなること。土の声を聴くこと。語り掛けるんだよ。そうすると土も君たちの声に反応するし、互いがシンクロした時ー、それは唯一無二の作品になる。」


女性が急に鼻歌を歌い始めた。土に向かってなのだろうか?


「いいねいいね~、その歌声は土に届くから。楽 しい気分で触れば楽しい作品が出来るし、勿論悲しい時には悲しい作品が出来る。そしてそのどちらもそれは自分自身の鏡だからね、ありのままなんだよ。嘘さえつかなければね。」


いくらか自己陶酔しているように見える先生だが、彼と生徒をパシャパシャ撮ることに集中する。ファインダーから子の姿を覗くと、あれほどやりたいと騒いでいたというのに、どうして良いか分からず困惑しているようだった。周囲はアートな雰囲気漂う大人や子供ばかりで、それぞれが自分の世界に入っており、またその世界を恥じることもなく堂々としたものだ。既に形を作り始めている子供もちらほら出始めた。そんな周囲の様子に 、どうやら怖気づいているようだった。




スポンサーリンク





「OOは?土と会話してる?」


突然話し掛けられた子は、ビクっと肩を震わせる。


ー会話も何も・・ちゃんとどうするのか指示して貰わないと動けないんですよ・・


子の気持ちを代弁するも、小心者の私は心の中でつぶやくだけだ。抽象的 な言い回しではなく、きちんとした指示でないと子は動けない。いや、大体の子供達はそうではないか?ここに来ている子供達は、そもそもこういう場に慣れていることもあるのかもしれない。

先生が、他の子供の作品に口を挟んでいるのを確認し、カメラを撮る振りをして子に近づく。


「土をこねるんだよ。柔らかくして、丸とか四角とかに出来るようにするの。とりあえず叩いたりこねたり、周りの子達みたいに!」


こそっと耳打ちすると、ようやく子は土に触れ、手を動かし始めたのだ。周囲は先生に指示されなくても、どんどん土を形に変えて行く。母親達も、好き勝手に独特な壺や茶碗などを創っているようだ。ファッションも独特で、美大系というのか?太いターバンを頭に巻いて、大振りのピアスにアジアン風なフリンジカットソーにロングスカートだ。もう1人の女性もヘアスタイルが刈り上げで独特な雰囲気を持っている。幸い、どちらも友達同士で来ている風ではなかったので、そこは安心したところ。
子供達は、それぞれが兄弟で来ているようだったのが子には不憫に思えたがー

レクチャー は、正直凡人には良く分からない内容だったが、手書きで書かれた「こね方」や「土の扱い方」「手びねり」「ろくろの使い方」「ヘラの使い方」などは、きちんと子供にも分かりやすく、イラスト付きで解説されていたのでそれを見ながら子もなんとかお皿のような物を作り始めた。ようやく軌道に乗って来たと思ったその時、


ガシャーン!!!


突如、何かが倒れる音がした。場の空気は、和やかなそれから一気に凍り付いた。


スポンサーリンク


trackback

copyright (c) 隣の芝生 all rights reserved.

プロフィール

selinee

Author:selinee
FC2ブログへようこそ!

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR