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アートな世界ー続き

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大きな音のした方を見ると、男の子達ー恐らく兄弟が、作業に飽きて来たのだろう、互いにじゃれ合い、椅子から転げ落ちたようだった。そして案の定、作りかけの作品がぐちゃぐちゃになっていた。それを見て、まずは自分の子供ではなかったことに安堵する。それから、心の余裕が出来て初めて、べそをかいている男の子に同情心を寄せる。先生は、一瞬面倒臭そうな表情をしたが、すぐに笑顔を作り、


「ほら!このぐちゃっとなったところもさ、なかなかいい味出てるよ!」


と、正直素人の私ですらフォローにならないのでは・・と思うような台詞を吐いた。今から作り直したとして、確実に時間オーバー。代金は時間制ではなく回数制だ。なので、時間オーバーすることは彼にとったらタダ働き同然だ。しかし、そんな先生の心など子供にとっては関係ない。


「これやめる。作り直す。」


男の子は、不格好になってしまった作業途中の作品をいきなりテーブルに叩きつけた。場の空気は気まずく、そして肝心のその子の母親は自分の作品に熱中するあまりに慰めの言葉も与えない。


「出来た~」


一番乗りだったのは、黙々と作業していたこの中では一番大きい女の子。小学校高学年だろうか。女の子らしい、花をモチーフにしたマグカップは大人顔負けの仕上がりだ。先生も、先程の不穏な空気を断ち切ろうと、しきりにその作品を褒め称え、痛々しい程に場を盛り上げようとしている。

続いて、その子の母親も完成したようだ。やはり、大人が作る作品だからか「守り」に入っているように見えた。何もしていない私が言うのもおこがましいが、しかし隙のない作品は、美しいが詰まらない。まるでのっぺりとした既製品。
次々に作品は仕上がっていく。終わった子供達は、隅の休憩スペースで奥さんが出してくれたお茶菓子をいただいているようだ。残るは、我が子と先程やり直した男の子。男の子は苛々しながら、土を叩きつけ、丸め、しかし先程のように上手くいかないことで焦っているようだった。子もその空気に伝染したのか、いくらか焦りが見えている。休憩スペースで、楽しそうに喋っている親子にチラチラ視線をうつしながら、同じ所を何度も何度も指でなぞっている。


「終わらないぞー。」


先生が、どちらに向けて行ったのだろう、余計に焦らせるような言葉を掛ける。子は少々パニックになっているように見えた。


「お、OO。なかなかいいね。この場所何度も指ですっただろう?これは先生でも出せない曲線だ。子供の小さな指でしか作れない、世界に一つだけの形だね。」


褒められたことが分かると、子は照れ臭そうな満更でもない表情を浮かべた。私まで嬉しくなった。先程までこの先生に対して、少々うさん臭いような疑わしい気持ちがあったのだが、それもこの一言によってすーっと消えて行った。我ながら単純だと思う。




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「これでいいや。」


子も作品を完成させ、男の子もほぼ同時に終わったようだ。しかし、正直投げやりな感じの作品で、最初に作っていた物の方が数倍も良かった。私はカメラの中に収めていたデータのプレビューでもう一度彼の作品を見直した。作り途中だったが、ダイナミックで創造的なそれは、正に芸術的だった。


ー惜しいな。このオブジェ、子供じゃないと出来ないけれど、子供でもなかなか思い付かない形。1度見たら、インパクトが強くて忘れられない。


余りにもインパクトが強く、しばらくその子の最初の作品が残像として心に残っていた。一方、子の作品は、親から見てもまあまあの出来で、しかし本人には言えないけれど、「まあまあ」の域を超えていないある意味無難な作品に思えた。それでも、愛する我が子の作品は何物にも代えがたく、素晴らしいものに変わりはないけれどー


最後にそれぞれの作品に付ける釉薬を決めて、その日の作業は終了となった。帰宅まで15分程だが、私達親子も休憩スペースで先生を囲みお茶菓子をいただいた。共に参加した母親が気さくに私達に話し掛けてくれた。もう一方の母親もだ。第一印象から周囲にいないタイプの2人なので、話すのに躊躇したのだが、彼女らがタメ口だったのと一期一会という気持ちから、私もリラックス出来たのだろう、気が付くとタメ口で返していた。なぜなら、私は彼女らよりも明らかに年上のようだったからだ。
もう少し時間があればママ友になれたかな・・とスケベ心が湧いたが、私達はそのまま連絡先など交換せずにさよならした。

それから後日ー、なんとなく開いたHPを見て愕然とした。こんなことはあってはならないのでは・・目を疑う出来事があった。




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