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転送

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実母に誕生日プレゼントを送り、2か月が過ぎた。
お礼の電話も手紙もなく、しかし送付した際、ネットで宅配会社の追跡番号をチェックしたら「お届け済み」となっていたので、物はきちんと届いているはず。

日に何度か、あの日のやりとりを思い出しては暗い気持ちになる。私の人生を全否定されたー、いくら親子であっても言って許されることとそうでないことがあるのだ。

買い物から帰宅し、いつものようにダイレクトメールや不動産広告をポストから取り出す。そして、その色とりどりの中に1通の見慣れない封筒があるのを確認し、胸がドクンと波打つ。
それは、見慣れた筆跡だったからだ。独特なー、字は性格を表すというのが頷ける、どこか余所行きな回りくどさと隙を与えない緊張感を持ったプライドの高い字。
母からだった。
はやる気持ちで玄関ドアを開け、しかし、心を落ち着かせる為に、あえて買い物袋から食材を冷蔵庫に移す。目の端にある桃色の封筒に心奪われながら。
そして、冷めた作り置きのコーヒーをレンジで温める。その間、色々と妄想する。


ー今更だが、お礼の手紙だろうか?母もよくよく言い過ぎだと反省したのかもしれない。


ーもしかしたら、謝罪の手紙かもしれない。面と向かって謝れない、しかし、いつもすぐ折れるはずの娘からは、一向に電話がない。寂しさに耐え切れなくなり、ようやく行動に出たのか?

この2通り、それ以外に思い浮かぶはずもなかった。そして後者だった場合は、すぐさま電話を掛け直す心積もりでいた。なんてことはないー、いつも通りのご機嫌伺い。弱くなった母に対する同情心がそうさせるだろう、こちらが優位に立った上でのご機嫌伺いは、それだけで気持ちを搔き乱されることなどないはずだ。それは、冷静さを伴う。




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ソファーに腰掛け、温めたコーヒーを一口啜ってから、慎重に封筒を開ける。中身まで破らないように・・すると、予想に反して中身は葉書が1枚。それを見て、愕然とした。
それは、同窓会の案内だった。先日、電話があった幹事の旧友からの・・そう言えば、彼女に結婚してからの住所を知らせていなかった。なので古い名簿から住所録を引っ張って来たのか?それにしても、分からないのならまた電話で聞けば良いものを・・いや、もしかしたら数人の幹事で作業分担をしているのかもしれなかった。

封筒の中身をさぐる。しかし、それ以上何も出て来なかった。手紙どころかメモさえない。本当の意味での「転送」だ。そして、何とも言えない喪失感が私を襲う。苛立ちとは違う、不快さと息苦しさを連れてー。

母は、どんな気持ちでこの葉書を寄越したのだろう。電話の1本も掛けずに、そして近況のメモなどを入れることもなく「用件」のみ果たした母の心の中が知りたかった。
沈黙の時間が積もれば積もる程、私達は拗れて行く。そして、それを願っていたはずなのに、私はまだこうして母に期待をしてしまう。


―お母さん!お母さん!気付いてよ!

ーお母さん!私を見てよ!本当の私を見て!

ーお母さん!私、お母さんに愛されたい。ただ、黙って抱き締めて欲しいんだ。


いつから私達親子の間に「損得勘定」「駆け引き」「勝ち負け」が生まれてしまったのだろう。それは、子供の頃からのような気もするし、結婚してからのような気もする。
そもそも、私が母と同じく「女」に性を受けたその瞬間から、それは宿命とされているのかもしれなかった。




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