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祭りの後ー続き

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写真撮影をしていると、子供達の神輿をかつぐ音が聞こえた。
もうジュースのテントに戻る気もせず、人混みを掻き分けてそちらへ行く。立派な神輿を肩に、ねじり鉢巻きを額に巻いた子供達が声を上げながら近づいて来た。
子が見えた。後方だが、なんとか神輿に触ることが出来たようだ。後ろに回り込み、シャッターを夢中で押した。
素敵ママの子、R君の姿も見えたので、更にシャッターを押す。そして、手にしているデジカメが私物でないことに気付いた。
これは、Eちゃんママの物?それとも子供会の物?持ち主が分からない分、満遍なくシャッターを押す。
まだ体の小さな1年生から、すらっと背の高い6年生まで、顔見知りの子もそうでない子も関係なく、視界に入った子供達の写真を何枚も撮った。
しかし、Eちゃんママのカメラだったら「余計なお世話」だ。
あくまでも頼まれたのは店舗の写真。記録用の写真だ。しかし、普段は働かない直感が働く。これは撮るべき写真だとー確認して、もし「余計なお世話」だったのなら、データを削除すれば良いだけの話だ。
おべっかを使う訳じゃないが、Eちゃんの写真も意識的に撮った。我が子の活躍している写真を見て、喜ばない親がいる訳がない。むしろ、感謝されるはず。
一通りの店舗を回り、片付けまで撮影することもなくなったので、写真の確認もしようとジュースのテントに戻った。丁度、EちゃんママとDちゃんママ、それに6年生ママ一人が店番をしていた。


「すみません、一通り撮影したのですが。先程子供達のお神輿が回って来たのでそれも撮ってみたんですが・・必要ないですか?」


Eちゃんママが一瞬何か言おうとしたところ、


「え!?撮ってくれたんですか?嬉しい!うちの子、今年6年で最後だから、お神輿担ぐの見たかったんだけど、こっち担当になっちゃったから見れなくて。お父さんは仕事だし、写真頼める人もいなくって諦めてたの!嬉しい!!」


6年生ママが、顔を綻ばせて喜んでいる。


「神輿、来たの?ちょっと見に行きたい!」


DちゃんママがAちゃんママを誘うように声を掛ける。Eちゃんママは、困ったような表情をする。


「あの・・私、今暇なので、店番しますよ。」


「え?本当!?」


「はい。」


「いいかな?」


Dちゃんママが、Eちゃんママを上目遣いで見ながら許可を求めた。Eちゃんママは、しょうがないな~という風に、二人が店を外すことをOKした。
それから、私と6年ママとEちゃんママ3人で店番をすることになった。4時過ぎという中途半端な時間ということもあり、客はそれ程来ず暇だった。
6年ママも、最後だからとEちゃんママに頼み込み、少しの時間神輿を見に席を外してしまった。そして、一番苦手な彼女と二人きり一つテントの下というシチュエーションになってしまったのだ。




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沈黙は続いた。その静けさにびくびくしている私に反し、Eちゃんママは実に堂々としていた。しかし、一切こちらに話し掛ける様子はなかった。
次第に、何故私はここまで彼女に嫌われなくてはならないのだろうと腹が立った。そして、私がびくびくする必要もないのだと思い直す。今、このテントは一対一。ある意味、フィフティ―フィフティーだ。


「先程の写真は、大丈夫だったでしょうか?」


思い切って、もう一度質問をした。6年ママが遮ったことで、話が宙に浮いていたからだ。


「別にいいんですけど、私が頼んだのは店舗の写真であって、神輿ではないので。」


「じゃあ、削除しますか?」


「・・・・・」


「このカメラ、どなたのですか?」


「それは、子供会の物です。」


ーなんだ、Eちゃんママのじゃないのか。その答えに安堵する。そして、Eちゃんママの物だったらという答えを用意せずに尋ねた私は、一か八かの賭けに出た自分に、少しだけ強くなったと心の中で自画自賛した。


「今回、子供達の保護者の殆どが作業していて、自分の子達の神輿姿を見れてないと思うんです。写真を撮れなかった方もいるかもしれません。なので、子供会から販売とか出来たらと思って。」


「そうですか。分かりました。でも、その手続きは誰がするんですか?アイデアを出すのは簡単ですけど、処理をするのは面倒なんですよ。仕事している方もいるし、余計な作業増やさないでって皆口に出して言わないけれど、思ってるんですよ。」


やはり、私の思い付きは余計なことだったのだ。
Eちゃんママは、それだけ言うとまたむっつりと黙りこくった。こういう時に限って客は来ない。他のメンバーも戻って来ない。


「余計なことをしましたね。あなたがそう言うなら削除します。」


そう言えたら、どんなにスッキリしたことだろう。しかし、実際の私はただ押し黙り、項垂れているだけだった。
そして、Eちゃんの写真なんて撮らなければ良かったと思った。彼女からすれば、「小さな親切、大きなお世話」なのだから。




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