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物欲投影

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連日遊んでいた仲間も、両親の夏季休暇だろうか?ぱったり我が家のチャイムを鳴らすことが無くなった。
暇だ暇だを連発する子に辟易しつつも、べったり子と二人きり家で過ごすのも辛くなって来るのが本音のところ。
普段、引きこもりの母が家を出る機会を与えられるきっかけは、やはり子供の存在が大きい。そして、夏が終わればまた母は家族に取り残され、無味無臭の淡々とした日常が待っているのだ。


「ドリルの目途が付いたら、昼前から出掛けようか。」


「うん!行きたい!!」


「キャラクターショップが東京駅にあるから、遊びに行ってみる?ドリー、売ってるよ。」


「え?買ってくれるの?」


「皆持ってたし、欲しいんでしょう?いいよ。映画の時に買ってあげれば良かったよね。その代わり、今回は外でランチもお茶も無しでいい?」


「うん!いい!」


そうして、貧乏臭いかもしれないが、外ランチは無しということもあり、急いで残りご飯でお握りを3つ程作った。中身はこの時期で怖いので梅干し。水筒には氷をたっぷり入れた中に自家製麦茶。
ランチの後、ぷらぷら歩いて小腹が空くことを見越して、家にあったスナック菓子など。これは、先日の子供会で参加した子供達に配布された無料の駄菓子詰め合わせだ。
東京駅までの交通費とドリーのぬいぐるみ。予算は3000円内で。

ライター内職でせっせと貯めたポイントを先日換金したものがクローゼットにある。そこから念の為にと5千円札を抜き取り、子が完成したドリルにさっと目を通すと出発したのだ。

久しぶりの東京駅は混雑していた。夏の帰省ラッシュということもあり、想定内。そして、だからこその普段は行われていないイベント目当てでもあった。
活気づく土産ショップや雑貨店に、ついつい私もよそ見をしてしまう。
観光客だろう、中国人の群れがフリースペースで弁当などを食べていた。丁度席が二人分くらいは空いたので、子と共にそこに腰掛ける。バッグの中から少々潰れたおにぎりを取り出し、子に一つ渡した。


「いただきます。」


子は腹が減っていたのか、物凄い勢いでそれを口に放り込んだ。私も隣で同じものを頬張った。同じ様に昼食を取っている中国人の群れは、爆買いでもしたのだろう、大小異なる紙袋を幾つも広げ、スペースの殆どを占領していた。
一気に食べ終わり、子がすくっと立ち上がると、


「行こう!」


と私を急き立てる。私も口の中をもごもごさせつつも、騒がしいその場所にいることに嫌気がさしていたので立ち上がった。私達親子も、恐らく傍から見たら彼ら中国人の一部だと思われていたに違いない。




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早速ドリーの店へ行くと、映画に出ていた色々なキャラクターのグッズが所狭しと置かれていた。
子は、お目当てのドリーを見付けてそれをぎゅっと抱き締めると、しかしそれを元の位置に戻した。


「やっぱり、ドリーはやめておこうかな。」


「なんで?」


「まいこちゃん達の真似になっちゃうし・・」


3年生女子の人間関係は、親が思うよりも複雑なものなのかもしれない。しかし、子が本当に欲しいのはドリーだ。それは一番私が良く分かっている。


「別に、見せなければいいんじゃない?」


「でも・・外に連れて行きたいし。」


「うん・・そっか。」


「他の店も見ていい?」


そうして、リラックマやドラえもん、サンリオやポケモンの店も回った。サンリオの限定キティやリラックマの着ぐるみバージョン、それらを手に取っては悩みまた棚に戻すを繰り返す。
もう、家用にドリー、外用に他のぬいぐるみを買ってやりたい衝動に駆られたが、それは良くないと思い直す。
小1時間待ってもなかなか決められず、店を行ったり来たり。中国人観光客が、店内の大きなピカチュウのぬいるぐみの前で自撮り棒を使って記念撮影をしたりするので、尚更狭く息苦しい。
結局最終的に子が選んだのは、ポケモンGOにはまっていることもあってか私の知らないポケモンモンスターのぬいるぐみだった。ねずみ?のような目がくりくりした可愛らしいキャラクターで、しかし私なら限定の着ぐるみしたピカチュウを選ぶのにーと言いたいのをぐっと堪えた。


ドリーの店前で、名残惜しそうにドリーのぬいぐるみを見ている子の背中に、胸がぎゅっと苦しくなる。映画館に友達親子と行けなかった寂しい気持ちや、自分だけ欲しいぬいぐるみを手に出来ない複雑な思いを察すると、居ても立ってもいられなくなった。
子が、トイレへ行くというので外で待つその間、気が付くと私はドリーを手にレジに並んでいた。完全に予算オーバー、母親失格。しかし、私自身の心の虚しさが一気に満たされる。
子を通して、自己投影しているのだ。
ドリーが入った袋をバッグに隠し、明日の朝枕元にそれを置こうと思い付くと、心がほっこり温かくなった。
トイレから戻った子が、


「ドリーにもう一度触ってもいい?」


そう言って、再度ぎゅっとそれを抱き締めたのを見ると、更に子が笑顔になる明日を想像して嬉しくなってしまうのだった。




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