塾の面談へ。
子が受ける高校は、難易度的にも普通クラス。
私の僻みかもしれないけれど、どうでもいい生徒扱いをされている気になる。
トップクラスの生徒やその保護者に対しての対応との差を感じるのだ。
子のことも、果たしてどこまで把握しているのか?名前すら憶えられていないのでは?と感じる。
勿論、中学入学から入塾していた生徒と比べれば、関わった期間も少なく情もないのかもしれないけれど。
「で、高校からはどうしますか?」
と聞かれ、
「いったん、退塾します。」
夫からそう言われたのでそのままそれを伝えると、あっさりしたものだった。
しかも、面談が終わり、廊下まで出て挨拶もそこそこ、目の前を通り過ぎた生徒に駆け寄りえらく親し気に会話を始め、私達親子は置いてきぼり。
「あの子、うちの塾でトップだよ。」
子からそう聞かされ、なんだかモヤモヤした。まるで上客扱いのように、塾長の方からすり寄っていくように見えたのだ。きっと彼女は、この塾で出す今度のパンフレットに写真とともに掲載されるのだろう。「O×高校合格~〇〇さん」なんて。
そして、彼女の母親らしき女性が待合室にいたようなのだが、私に向かって話していた声のトーンより遥かに高い声で、
「いやー、びっくりですよ!ラストスパートでこんな上がるなんて!」
そして、生徒に向かって、
「もう寝てても受かるよ。あっはっはっは!!」
陽気な笑い声。
私達には、微妙なコメントを残していたのだ。
「まあ、残すところわずかですが。多分、大丈夫だと思います。」
多分ーというモヤモヤとしたワードを最期に終えたのだ。子も表情が曇ったように見えた。
夫が私の代わりにこの面談に来てたらまた違っていただろうなと、なんとも悔しいような感情を抱いた。
「は?40万!?」
先日あった、塾の面談。そこで提示された冬期講習費用を夫に伝えると、耳が痛くなるくらいのリアクション。
私だって、目が丸くなる程驚いたのだ。
そもそも、夫の指示で変えた塾。義姉推しの有名塾だ。しかも、個別。高いだろうと思っていたが、ここまでとは。
しかし、少しだけ考えた後に夫は観念したような表情で、
「ま、OOの人生が掛かってるからな。しょうがない。」
振込用紙を手に自室へ行くのかと思いきや、子ども部屋に入って行った。
少ししてから部屋を出たので何を話したのかと聞くと、なんと子に冬期講習の費用を伝えたらしい。耳を疑った。
「ちょっとそれはプレッシャーになるんじゃ・・」
「いや、必要なプレッシャーだ。俺も覚悟を持って金を払うんだから、OOも覚悟を持って勉強しろってことだ。いつまでも子どもじゃないんだしな。」
夫の行動、それは昔の実母を思い出させた。私はすぐに塾を辞めたけれど、その間、何度もどれだけ月に掛かっているのかを聞かされた。
「あんたにこれだけ掛けてるんだから、次のテストでは結果出しなさいよ。皆、欲しいものあんたの為に我慢するんだから。」
それはとてつもないプレッシャーだった。そしてそれに耐え切れず、私は勉強することを放棄したのだ。そこからみるみるうちに成績は下がり、両親の期待を裏切り、私は大学進学を諦めた。
子が、私のようにならなければいいけれど。この時期、無駄にストレスを与えるのはマイナスにしかならないような気がするのだ。
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子も夏休み。だが、手放しで喜んではいられない夏。
受験の夏だ。
夏期講習に合わせて、授業がない日も自習室へ通う日々。
実は、夏期講習のクラス分けテストの結果は散々だったのだ。下から2番目のクラス。
塾の面談でクラス分けの表が張り出されており、トップのクラスにスネオママの息子の名前を見付けて負けた気がした。
子は、仲良しと同じクラスになったことを喜んでおり、遊びに行くわけじゃないんだよと、つい説教したくなる。
夏期講習代だって、馬鹿にならないのだ。諭吉がポンポン飛んで行くし、段々とそれも麻痺してくる。夫は子の為ならと塾代については渋い顔をしつつ黙って支払ってくれるけれど、それは成果が出ること前提の話。
ちなみに夫にはクラス分けの結果については報告していない。夫が知れば面倒なことになる。また、母としての仕事を蔑ろにしているからだと責められることも否めない。
また、塾弁作りも大変だ。毎日の弁当作りなんて、幼稚園以来。こんな目に合ってこそ、給食の有難みを知る。栄養バランスの取れた安心のメニュー。子は、給食が好きではないけれど、それでも周りの目を気にしてそれなりに食べてくれる。朝晩ちゃんと作っているつもりでも、同じ人間が作るメニューは偏りがないとは言い切れない。なので、プロの管理栄養士によって考えられ作れらたメニューは、母親達を助けてくれる救世主だ。
夏は受験の天王山。子の将来を決める大事な時期。夫に言われなくても、出来ることを精一杯、そして精神面でのサポートは母として頑張りたいと思っている。
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そろそろ子の志望校を決めなくてはならない。
まだ薄ぼんやりとした希望しかなく、子が志望に上げている高校の偏差値は高望みと言いたいレベル。
塾の面談では、模試の結果から絞ったいくつかの高校を提示されたけれど、子は特に興味がなさそうで困る。
本人が行きたい高校に絞るのが良いのだろうけれど、それにしても自宅では勉強を頑張っている風には見えない。常にスマホ三昧なのだ。
「高校説明会とか、もう行った?」
昨晩、夫からふいに聞かれて戸惑った。まだ何も動いていないことを伝えると、呆れ顔。
「受験生の母親らしく、もう少し情報収集してサポートしないと。塾に入ってるからってそれで終わりじゃなくてさ。普通、もっと能動的に動くよ。あなた、仕事始めたっていっても丸一日外に出てる訳じゃないし時間はいくらだってあるだろう?」
パートといえど、私にとってはまだ慣れない仕事。というよりも、肉体的にも精神的にもかなりきつい。夫はそれを分かっていない。清掃パートの時もそうだけれど、主婦の片手間で出来る簡単パートという認識なのだ。
そして義姉らが子どもの為、受験の時期にどれだけ力を注いで来たのか、話聞かせた。夫に言われなくても知っている。長女も次女も、子どもの教育費については課金しまくりだったし、また子どもの学歴は行く行くは彼女らのステイタスに繋がるのだから、そりゃあ熱量も私とは違うだろう。それと一緒にして貰っても困る。私は、子と自分を切り離して考えたい。そうでないと毒親になるからだ。勿論、子のことは常に気に掛け見守っていくけれど、あまりにも過干渉な親になりたくはない。
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子の春の模試の結果が返って来た。
塾経由なのだけれど、微妙な結果。夫に見せたら、今は自分の仕事のことで頭がいっぱいなのか、興味の無い感じ。
夫は、子がまだ成績面で見込みがあった頃こそ小うるさかったものの、有名校に行けるだけの頭が無いと分かった時点で見切ったのか一切口出ししなくなった。よって、優秀な従姉妹のことを引き合いに出すこともなくなった。
どうせ女子だしーというところもあるのか、成績表を見ても、
「まあ、頑張ってるんじゃないか。大学に行きたければ高校から頑張ったっていいんだし。」
そんな風に子の前では寛大な言葉を掛けるようにまでなった。子は子で、一時の父嫌いの時期が抜けたのか、反抗期が終わったのか、まるで憑き物が落ちたかのように夫と普通に関わるようになった。しかも最近では、起業した父をリスペクトし始め、その仕事内容に興味すら持つようになった。
私と二人の時の会話では、
「まあ、いずれ俺の仕事を手伝ったっていいんだし。」
子の進学が上手くいかなかったとしても、いくらでもセーフティーネットはあるんだぞと言いたげだ。
だが、夫の仕事が本当に起動に乗りうまくいく保障なんてこの先無いし、そう楽観的でいられる神経が私には共感出来ないところだ。
塾の面談を控え、さてどの学校に絞ろうかと子に聞いたところ、曖昧な答えしか返ってこない。
「偏差値で決めるしかないでしょ。」
なんだか他人事。
先が思いやられる。