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隣のよしみ

日曜日。
休みだというのに、自宅チャイムが鳴る。夫の宅配だろうと思い玄関を出ると、針金さん。

「これね、実家からたくさん送られて来たの。良かったら皆さんで。」

そう言って差し出されたそれは、美味しそうな讃岐うどん。針金さんは、愛媛出身なのだ。

「息子に送ろうと思ったんだけど、要らないって言われちゃって。実家の母が色々送ってくれるんだけどね、今は夫婦二人暮らしだからなかなか食べきれなくて。貰ってくれたら助かるわ。」

「こんなにたくさん!ありがとうございます。」


我が家は3人家族だが、それでも一人当たり何食分もある。うどんをいただいたことも嬉しいが、それ以上に、隣のよしみ的な、彼女からの好意が伝わってきて嬉しくなる。


「あ、こんにちは。お休みのところ、すみません。」

いつの間に背後に立っていた夫に気付いた針金さんが、会釈する。

「あぁ、どうも。」

だらしないスウェット姿で、しかも不愛想な挨拶。自分に得になりそうな人間に対しては媚びへつらう夫は、どうでもいいと判断した人間には冷たい。

「こんなにたくさん、いただいたの。」

うどんが大量に入っている紙袋を夫に見せる。そうすれば、少しは愛想も良くなるのでは?と思ったのだが、やはり夫は夫だということを思い知る。


「はぁ、どうも。」


まるで、中高生男子のような受け答えに苛々した。私のメンツも丸潰れだ。

「じゃあ、また。」


そんな夫の失礼を気にする様子もなく、針金さんは真向いのドアへと吸い込まれて行った。


リビングに戻ると、夫はスマホをしながらソファーにくつろぎ、

「そばだったら良かったのにな。俺、うどんよりそば派だから。」


人の好意を無にする夫に、うんざりした。





弛む

持病の検査へ。検査代、7000円弱。
私自身、嗜好品を我慢する日々。洋服だって、底値バーゲンで手に入れるのが精一杯。
年頃の我が子には、流行りの服を買ってやりたいので、自分のものはやはり我慢だ。
それでも、医療費だけは削れない。そして、この医療費がなければどんなに楽になるか。今月だけで、1万越えなのだ。
パートが決まれば、こうした費用も自分持ち。勿論、携帯代やその他もろもろ自分持ち。そして、子の塾代を出せば、恐らく貯金なんて夢のまた夢だろう。
求人も、条件の良いものが並ぶ時もあれば、坊主の時もある。ここ数日は、そんな感じ。
4月に入り、恐らく、求人の波が引いたのだろう。そして、3末までに決まらなかった者は、社会に続くシャッターをぴしゃりと閉められた気分だ。
うまく波に乗れなかった者は、次の機会を逃さないよう、目を皿のようにして情報へのアンテナを張らなければならない。
だが、少々張りつめていた糸が弛んでいる。







オンラインランチ

Mさんとのオンラインランチ。
子は、部活の友達と映画を観に行ったし、夫は仕事。
なので、何の支障もなかったのだけれど、必要以上に緊張してしまった。
気心知れるかおりとのオンラインとは違い、ママ友(と呼んでよいのか?果たして・・)しかも、私は一切心開いていない彼女とのオンラインは、まったくリラックス出来なかった。

「やっほー!」

お洒落な自宅なので、背景も変えずにそのままにMさんは画面越しに現れる。私は、この家の中で一番整っている場所からのオンライン。
つまりは、夫の書斎だ。
夫は、在宅になったことで、あれこれオフィス仕様に部屋を改造した。金を掛けただけ、それなりに体裁は整っている。

「OOさんち、おっしゃれ~なんか、今時だね!後ろの壁紙も素敵!」

PC画面上、恐らく細かい部分は写っていないのだろう。よくよく見れば、お洒落でもなんでもないし、正直、貧乏臭い。
ホームセンターで買った、夫いわく、レンガ風の壁紙は、四隅が剥がれて丸まっているのだ。

「今日は、家族はいないしね。デパ地下テイクアウトにしちゃった。」

そういって、皿に綺麗に盛り付けられた、色とりどりの凝った惣菜を見せられる。なので、私も見せるしかない。
この為に、朝から仕込んだランチは、夜も食べられるようにとタンシチューだ。

「すっごい!美味しそう!どこのビーフシチュー?」

なぜか、自分が作ったと言えず、テイクアウトした風を装ってしまった。なんでこんなところに見栄を張ったのか、自分でもよく分からない。
朝からせっせと作った努力を知られるのも、なんだか恰好悪さを露呈しているようで嫌だったのだ。


お互い、ランチをしながらーというか、殆どMさんが話題を仕切る。私は、それに頷く。
時々、合いの手を入れる。

特に、実のある話はない。大泉洋の話も、興味がないけれど新作映画を観た彼女の感想を興味深げに聞く。


「ねえ!私、もう一回観たいの。今度、行かない?」


困ったことになってしまった。






9%ストロングの威力

実は、Mさんから再三連絡が来ている。


ーうち、来ない?

ーランチしない?


春休み前のこと。
そして、春休みに入ったところ、今度は、


ーオンラインランチしない?

彼女に不信感をおぼえ、大泉洋ネタにもスルーし、のらりくらりとかわしていたら、逆に彼女からのアプローチが強くなった。
なぜ、こんな私に執着するのだろうか?リアルでは、他人の振りをする癖に・・・


実は、なかなか仕事も思うように決まらず、私は私で人恋しい。昨日のスネ夫ママら目撃の件から、孤独感が強まっている。
夫はこの時期繁忙期で在宅より出勤が多くなり、子は子で、春休みに入った途端、毎日のように部活仲間とたむろしているようで、一人持て余していたところ。
かおりや引っ越し前のママ友、また、従姉妹のN恵も忙しいのか、こちらからラインするも素っ気なく、寂しく思っていたところのお誘いで、つい気持ちが揺らいでしまった。


ーいいよ。じゃあ、来週半ばくらいにしよう。


人恋しさに負けた。正直、Mさんのことはあまり好きではない。だって、私のことを蔑ろにしたのだから。それでも、彼女からの誘いは、無視することが出来ない。人を誘うことにどれだけのエネルギーを必要とするのか、また、拒絶された時のダメージを思うと、無下にすることなど出来なかった。
また、彼女からの誘いは、私のコンプレックスを覆い隠す甘い蜜でもある。客観的に、彼女は誰からも好かれるだろうキラキラママなのだ。常にママ友に囲まれているような、明るくて柔らかくて、愛されているママ。
そんな女性に求められている、もっと有難く思わなくては罰が当たるー、気が進まないながらも、彼女から誘われることに自己肯定感を得てしまう。

さらけ出してしまおうかー。逆に、思う。あの時、他人の振りをしたでしょう?と突っ込んでしまおうか。それでも繋がれば、本当の親友になれるかもしれない。

9%のストロング3缶目の私。何でも出来る気がするのだ。


居酒屋充

夫がツーリング仲間でもある後輩数人を、自宅最寄り駅に呼びつけた。
一杯やってくるからーと、ふらりと出て行って小一時間もしないうちに、家の電話が鳴る。

「スマホ、忘れた。店に持って来て。」

私と子は、軽い夕飯準備をし、さぁこれから食べようとフライパンの野菜炒めを皿に移そうとしたところだった。
指定された店へ行くと、夫は店前で待っており、中には後輩らがいるらしいが、特に紹介されたりすることはなかった。

「サンキュー。じゃ。」

あっさり店内へと消えて行った。なんとなく釈然としない心持で、店前に停めた自転車に乗り込もうとしたところ、私と入れ替わりに自転車を停めた女性と目が合った。スネ夫ママだった。
別に悪いことなど何もしていないのに、そそくさと自転車にまたがり逃げ去るようにすると、背後から、

「あ、来た来た~、先に店、入ってるね!」

スネ夫ママが私を通り越した先にいる女性二人に呼び掛ける。敬語ママとボスママだった。敬語ママと目が合った気がしたが、話し掛けられることが憚られ、気付かないふりで立ち去る。ボスママとスネ夫ママがその場にいなければ、挨拶くらいはしていただろうけれど。
夫も飲んでいる店で、彼女らも一杯やるのだろうか?なんだか嫌な予感がした。

それにしても、幼稚園時代からまだ続いている彼女らの関係性は、もうママ友の域を超えての親友なのかと思うと、羨ましい気持ちが湧く。夫に対してもだ。趣味の仲間と気軽に飲んだり食べたり、思い付くまま会うことが出来る仲間。そういう人が一人でもいたら、どんなにか心強いだろう。

なんだか切なくなって、帰り道、子と食べる為のコンビニスイーツを買い込んだ。これくらいの贅沢したって罰は当たらないだろう。














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