にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へ
にほんブログ村 主婦日記ブログ 専業主婦へ
にほんブログ村 子育てブログ 一人っ子へ

一歩前進

終業式が終わり、いよいよ明日から夏休みだ。
1学期最後のお迎えは、やはり誰とも会話をせずに終わった。
ちらちらまいこちゃんママの方ばかり見てしまう自分が嫌だった。
視界の隅に入る彼女とボスママ達の群れ、華やかな笑い声に気持ちが落ち込む。
盆踊りでは心が弾んでいたから、尚更。
最近のまいこちゃんママのお迎えは遅めで、ボスママ達より後に来る。
だからすぐに取り込まれてしまうのだ、私の入り込む余地などない。


しょんぼり降園しながらも帰りは子とスーパーに寄り、60円でセールしているソフトクリームを買い食いして気持ちを立て直した。
甘いものを食べると、緊張していた脳みそが柔らかく溶けるようで心地よい。
そうだー明日からは自由だ。
夏の空は1年の中でもひときわ高くて、底抜けの解放感がある。




するとまいこちゃんママから先日の酵素ダイエットの事での質問メールがあった。
お迎えの時に聞こうと思ったらもう帰られたようだったからーとの出だしのメール。
初メールだったので、とても嬉しかった。
こちらから送るにも、何をどうネタにしようか考えているうちに時が過ぎていたし、夏休みに入ったらお誘いメールをしようかと思いながらも勇気が出ずにいたものだから。
昨日ナインティナインが出ているバラエティ番組を観ていたら、やっぱり酵素はダイエットに効くという情報を得たらしく私が飲んでいるサプリの名前を聞いてきた。
そんなメールのやりとりを数回。
雑談も交えて、なんかママ友って感じで久々に胸がときめいた。
馬鹿みたいだけれど、初めて携帯を持った時に片想いをしていた男子にメールを貰った時の感情に似ているようで胸がときめいた。
正直まいこちゃんママは今のままで十分スリム、痩せる必要なんてないのになって思う。




日本盛の酵素サプリは、私は持病の為に摂取しているのだけれど、あれほど落ちなかった贅肉がとにかくもう削げ落ちてしまうのではないかと思うほどの激やせっぷり。
汚い話だけれど、便秘も解消し一日に数回出る時もあるからお腹はいつでもすっきりしているのが分かる。
アトピー持ちだった吹き出物が多い肌も、まだ一ヶ月なのに痒みもなくつるつるになり化粧乗りも抜群だ。
今は毎食後ではなく朝と夕食後のみに減量している。
一ヶ月摂取したところで4キロも痩せたのは驚きで、私に無関心な夫でさえ、

「あれ?なんか痩せた?」

と聞いて来たのだ。
薄着になる季節、今年の夏はノースリーブが着れて嬉しい。
二の腕が一番痩せにくくてコンプレックスだったのだが、サプリで健康になれて綺麗になれるのだから得した気分だ。
一応日本盛のHPのUREを送ろうかと思ったけれど、それだけでは親切ではない気がして、一袋お裾分けしようと思い立ち定期購買の申し込みもした。









きちんとした会社のサプリだから安心だし、何より酵素ドリンクと違いサプリだから飲みやすい。
最近は子にも飲ませているのだけど、成長期の子に野菜をふんだんに取らせたくても食べ物からでは限界があるので助かる。
夜泣きが酵素サプリを与えてから無くなったので、調べて見たら安眠効果も酵素にはあるとのこと。
睡眠薬を与えるのは抵抗があるけれど、体に良いものを与えてしっかり睡眠を取ってくれたら成長の助けにもなる。


サプリを渡すことを口実にと思い、ランチをしましょうとメールをした。
引かれたら嫌だなと思いながらも、ちょっとお裾分けということで。
すぐにまいこちゃんママは、申し訳ないしお金を払うと申し出てくれたけれど、多くストックがあるしお試しで数日分だから遠慮しないでともう一押し。
メールの向こうで、本当に申し訳無さそうにしている彼女の表情が浮んで、ちょっと重いかも・・と後悔していたところに、絵文字入りの「ランチ行きましょう!」メールが。
ものすごく嬉しかった。

自宅にあったお気に入りの雑貨屋の買い物で使われていた小さな洒落た紙袋に入れて袋口をマステで留めた。
後は負担にならなければいいのだけど。

夏休み、彼女との関係が一歩前進したらいい。
子にとっても最後の幼稚園の夏休み、同じ幼稚園のお友達との思い出も一つでいいから作ってあげたい。





関連記事

裏側にいるストレス

同じ棟の素敵近所ママが息子さんを連れて大きなトランクをガラガラ引いてバス停に向かうところに遭遇した。

「暑いねー、こんにちは。OOちゃんは?」

「こんにちは、まだ幼稚園なんだ。来月から夏休みだよ。」

「えー、遅いね。うちは先々週からだよ。もう限界。」




「旅行か何か?」

「ううん、これから実家。」

「実家ってどこまで?」

「大阪なんだ。丸々一ヶ月いるつもり、旦那はこっちで仕事だけどね。」

「いいねー、羽伸ばせそうだね。」

「うん、この子預けて地元の友達とガンガン遊びまくるよ。普段のストレス解消しにね。親も喜んで孫と遊びたがるし私は楽出来るし一石二鳥だよ。OOちゃんママ達は帰省しないの?」

「うん、うちは予定ないな。」

「そうなんだー、あ、バス来た。じゃあまたね、楽しい夏休みをね!」


素敵な女優っぽいラフィア編みの帽子に、白ベースの寒色系の爽やかな花柄パンツに真っ白なトップスは透かし網の素敵なニット。本当にいつも雑誌から抜け出した様なスタイルで憧れる。
ウェッジソールの今年っぽいサンダルがまた隙のないコーディネートを完成させている。
上品なクリアで涼しげなバングルやスタッズでキラキラしている細いウエストに巻かれているベルトなどが本当に洗練されていてモデルさんの様。
ジロジロ見るのは失礼だと思うけれど、つい美しすぎて目を奪われてしまう。

私はというと、今日は先日ネットで購入したばかりのまだ新しいチュニックワンピにキラキラサンダルなのだけれど、どこか垢抜けない。


笑顔で手を振りバスに乗る彼女達を見送り、重い買い物袋のひもが食い込んだ自分の手首は真っ赤になっていて彼女の涼しいバングルがつけられていた華奢な手首を思い浮かべる。

ああ、また比較してしまった。そんなことをしても空虚なだけだ。





実母は裏表が激しい。
本当は他人の目や評価をものすごく気にする性格だ。
それは私と同類なのだけれど、表向きでは「気にしない体」を装っている。

夫がいない時を見計らって、電話をしてくる。
夫がいそうな休日には携帯に電話を掛けてくる。
そうしてこそこそすることになんとなく罪悪感があるのか、夫が電話に出ても話すことが無いからと言う。
別に会話をせずとも、挨拶だけでも良いのにと思う。
それを突っ込めばまた、夫の愛想の悪さを一方的に責任転嫁し出すことは承知だから面倒なこともありスルーしてる。

夏は帰省する予定は無い。
金も無いし、夫を置いて数日家を空ける事は帰宅後の夫へのご機嫌取りを思うと更に面倒であり疲れること。
ならば、子と水入らずで2人いつもと同じように過ごしていた方が気楽でもある。
しかし、ある諸事情があり我が家に実母が来なくてはならなくなった。
その諸事情は向こうの用事だということもあり、こちらの予定を聞いてきた。
母は車の運転が出来ないので父の運転で来なくてはならない。そして父の都合がつく予定は夫の休日とかぶりそうでもある。
それまでも、我が家に遊びに来る時は夫が仕事だということを事前に確認し、それから来ていたのだからもう5年も夫とは対面もしていなければ電話で声すら聞いていない。
今更どの面下げてという感じ。

私もこの険悪な関係をどうにかしようと過去に試みたことがあったが、こちらが夫を無理やり連れ立って何かの用事に実家に寄ろうとすると、やれ体調が悪いだ予定があるだとかで断られて来たのだ。
夫も実母が苦手なこともあり、毎回避けられているのを承知でありながらもなんとなく行かなくてもよい口実にほっとしているようなところもある。
それなのに、

「あちらのお母さんは癖があるな。」

などと言うし、私も本心ではそう思っているから言い返せずだんまりなのだ。
母は気性が激しく、夫や義母の悪口をたいして会って話したことも無いのに私に会う度にまくしたてる。
本来、娘の私が夫や義母のグチを吐いてそれをなだめるのなら話は分かるのだが、結婚式くらいしか会ったこともない、あとはお中元やお歳暮のやりとりだけの義実家の悪口を重箱のすみをつつくようにまくしたてるのはいかがなものかと思う。
義姉達の容貌についても「ブスのくせにゴテゴテ飾り付けて若ぶって成金さんだ。」なんて言う。
3女については「行かず後家のインテリ女」なんてあだ名をつけていて絶句した。私もここでは色々呼び名をつけて記述しているので同じ穴のむじなかもしれないけれど、だから匿名にしているし一切身元がばれないよう細心の注意を払っている。
しかし、母は私に近しい義理家族の悪口を言い続けるのだ。会う度に必ず。
お中元の品物が口に合わないから殆ど残して近所に配って疲れたーだとか。
年賀状の葉書の字が汚かったーだとか。
そういえば、私が小学生くらいから似た様な場面に何度も遭遇した。
父方の親戚の悪口ー
お中元がバーゲンの品物で値段を調べたら安かったーだとか。
祖母は何も出来ない母親で、毎回鯵の開きで馬鹿の一つ覚えーだとか。
コップが茶渋だらけで汚くて、だからあの家でお茶を飲みたくないーだとか。
叔母はまるで水商売のパーパーだーとか。
数え上げたらキリがない程、父に言えない手前娘の私一人に全て裏側を見せて来た。
私はただ、子供ながらに同調する事が唯一母を助けることだと信じてひたすらうなずき一緒になって父方の親戚の悪口から自分の祖母に対する母がそう言えば喜ぶような悪口を次から次へと口にしたのだ。

祖母や叔母が病気で死に、裏側のドロドロをあてつける対象が減ったことで、今度は結婚した娘の夫方の親戚にターゲットは絞られたのだ。

夫の事もあれこれ言われすぎて、私自身も夫に対しては色々あるのでここでは省くがそれを聞く度に心に暗い陰が落とされるのだ。

子が言語を話すようになってからは、子がいる前ではやめてと言ったのに止まらなかった母。
子にとっては父親なのだ、それを頭ごなしに否定されたり馬鹿にされたりするのは精神的に私達親子にとっても良くないこと。
だから夏休みは帰省しない。
何日間も彼女の裏側にいるのはこちらの精神もボロボロに疲労してしまいそうだから。



自分の行動を省みず、動かずに幸せを待ち続け、それが叶わないと周囲のせいだと言い不平不満ばかりぶちまける。
そんな大人にはなりたくないーそう思うのと同時になんとなく母と同じようなルートを辿っているような感じをおぼえる時がある。
そして母にもっと親孝行をしなくてはとの焦りもある。
母の孤独や寂しさを理解し、娘として包容しなけれなならない時期に来ているのではないか。
しかし、目の前の自分の事に一杯でなかなか実現出来そうもない。
だから、月に幾らかの金銭を渡すことで今はどうにか自分の心を安定させている。

今月の送金も終わった。
それに対して一言、「大変なところ気を遣わせて悪いね。」とのメールがあった。
そのやりとりが、今の私達親子でいう「絆」という形なのだ。






関連記事

空っぽの財布と予定

ピンポーン

佐川急便からヤマトの宅配便が日常的に届く我が家。
買い物は、ネットのポイントを使って購入する方がお得だから日用品の多くも楽天などを使っている。


夫宛の小包も頻繁に届く。
主に私服や体を鍛えるグッズ、何が入っているのかは分からない。
多分また新しい、たいして着ない服が入ってるのだろう。


私は夏用の服は既にネットで先日購入してしまったので、今月は我慢の月。
しかも今月はネット収入もあまり期待出来ずだ。
役員を引き受けてこうなることは分かっていたけれど、それと同時に今まで冷めた目ではりきって役員をしている方々をカヤの外から眺めているだけだったので、その大変さと苦労が分かっただけでも勉強になったと思う。

勿論、仲良し同士でお茶会目的にと参加しているメンバーもいるかもしれないけれど、それでも時間は確実に取られるのだから。



今月の生活費はもうゼロだから、勿論自分の口座から少しずつおろして使っている。
だからとても質素な二人ご飯。
しかも今日から夫は泊まり出張なのだ。

朝は塩にぎりのみ。
夫は空港のラウンジでモーニングでもしようかと言っていた。
もう腹も立たないー諦めてるのだ。諦めた方が楽だし、期待するとそれを裏切られた時の脱力は半端無い。

財布が心もとないと、家の中にこもっているしかない。
暑い中プールでも、と思ったけれど数百円で食費に回せる。
来月は少しくらいレジャーをと思っているので、今月は何が何でも節制だ。


今、プリキュアのスタンプラリーがローソンで行なっているので、これを毎日少しずつスタンプすることが私達親子のレジャーだ。
何も買い物をせずにスタンプだけ押すのは気が引ける。
なので、達成して商品(シール)と交換をお願いしにレジに行く際は、格好つけて要りもしないおにぎりを購入してしまった。
前列の親子が、シールと交換する為に台紙を持って弁当やアイスやジュース、メンチカツなどを購入していてなんだか自分達が貧相に思えた。
子の分だけ、1個のおにぎり。
ランチの足しにー
そして気がついた、朝もおにぎりだったっけ。

お金が無いとどうやら思考も停止するらしい。


しかし、交換出来たシールに喜ぶ小さな笑顔と、台紙に並ぶキャラクターのスタンプを見てはしゃぐ姿が私の丸まった背中をしゃんとさせた。













関連記事

双六

夏休み前の数週間は「午前保育」になる。
今週も午前の日が数日続いて、ランチ時間に待ち合わせなので殆どの仲良し親子グループがランチに出掛けて行くのを目にして落ち込んだり。
今日も、まいこちゃん親子はボスママグループの親子と談笑の流れでランチに行った感じ。
やはりその現実を目にすると一抹の寂しさがよぎるけれど、だからといってあの輪に入りたいかといったら御免でもある。
それに、毎日のように親子でランチをする金銭的余裕は我が家には無い。
ちなみに今日のランチは、冷凍していた作り置きのお好み焼きにそうめんとりんご。私一人だったら確実にそうめんだけで済ますけれど。

他の幼稚園は続々と夏休みに入っているというのに、この園は珍しく月末まで保育がある。
正直休ませてもよいし、帰省する人々は既に休みにしているのだけれど、子と二人で長い夏休みを持たせる方法があまり無い。

お菓子作りやお絵かきや工作、ゲームやすごろくやトランプにオセロ。
二人きりだと順番もすぐに回ってくるし、いまいち盛り上がりに欠ける。
お友達を呼べれば、もっと盛り上がるんだろうけれど。
またまたマイナス思考がぐるぐるしそうで、それを振り払う為に色々遊び方を考えた。
で、すごろくを作ってみた。


大きな模造紙に、ますめを書いて内容は面白く。
勿論、子にも内容を考えさせてゲームに反映させるのがミソ。
自分も作成に参加した「双六」は、それだけでも盛り上がる。
例えば、あるますに止まったら「フラフープをする」「でんぐり返しをする」「ブリッジをする」「カタカナの練習1ページする」などのちょっと罰ゲーム的な内容に。
ちなみに、カタカナ以外は子が考えた内容。

またあるますに止まったら「アイスを食べる」「せんべいを食べる」「スマホのゲーム1回出来る」などのご褒美的なこと。
スマホのゲームは、やはり子が考えた内容。見事にこのますに止まらずくやしがっていたけれど。
またまた、「さるの真似をする」「プリキュアに変身する」「先生になって絵本の読み聞かせ」「おじいさんの真似をする」など子供が面白がりそうなものだとか。
そして自分も楽はしたいから、「もやしの芽をとる」「野菜を洗う」「お米を研ぐ」「洗濯物をたたむ」などのお手伝い的な内容も入れると時間稼ぎにもなっていい。

そんな大きなすごろくを作り、A4サイズの紙に大きな〇を描いてその中に1から6までの数字を等分した場所に描いたら、ペンを中心に置いて倒れたところが進むますの数になる。

驚いた事に、親子でものすごく盛り上がり今日の午後はすごろくで終わったくらい。
お手伝いゾーンは、なぜか私ばかりに当たり結局いつもと変わらないことが子供には大うけだった。


お金をかけなくても、親子二人きりでも、その気になれば色々楽しめるものだ。
手持ち無沙汰だからといって、テレビを見せっぱなしにしたりゲームをさせっぱなしにしたくは無い。



手作りの双六には「ふりだしに戻る」は無い。
前向きに行こう。












関連記事

盆踊り

園の盆踊りで、何が憂鬱かと言えば終わった後の写真撮影だ。
先生とのツーショットを撮った後に、各自好きな子供達が集まり写真を撮り合う。
去年は誰からも声が掛からず、こちらからも声を掛けられずにそそくさ自宅に戻った。
引越したばかりで顔見知りもいなかったし、数ヶ月経ち、でクラスでも浮いている存在の親子だと薄々思い始めた時期でもあって声を掛けてからの反応が怖かったのだ。
帰宅して、お友達と撮りかったと言いながら泣く子を必死でなだめて自分も泣いた。

今年は、せめてまいこちゃんと撮れたらという思いで、気合を入れて園に向かった。

子は買ったばかりのブルーの浴衣に頭にはお花をつけて上機嫌だ。薄いグロスも唇に塗ってやると何度も鏡で自分を眺めては嬉しそうにしていた。
私も久しぶりに着た浴衣に、本当なら心躍りたいところだったけれど憂鬱な気持ちの方が上で足取りは重かった。

園に着き、子はやぐらの方へと消えて行きクラスの皆と踊り始めた。
私は急に手持ち無沙汰になり、カメラを構えて子を追った。

しかし、デジカメ越しにいつの間にか子ではなく、群れる母親達を追っていた。
楽しそうな輪。浴衣だからか、親同士で写真を撮り合うはしゃぐ群れ。
役員仲間も、私の知らない母親達と楽しそうに談笑している。
雑踏の中、ふいにまた孤独感に襲われた。

ふとやぐらの方を見ると、ボスママの息子が輪から離れてべそをかいている。
ぽつんとクラスから離れ、クラスの中ではスネオママの子やその取り巻きの男子達がボスママの子を見て笑っている。
ボスママの子に自分が重なり、胸がきゅっと苦しくなった。
ボスママの方を見やると、息子がそんな目に合っていることにも気がつかず群れの中心で大笑いしている。
声を掛けてやりたいー
そんな思いがふつふつわくのと同時に、私をいつも避けているボスママの子だから関わりたくないとの気持ちの間で心が揺れた。

親は親、子は子。
分かってはいるけれど、私が話し掛けたりしたらまたボスママが嫌な顔をするのではないかとの思いもある。

自分の子が、仲良くクラスの列に並び踊っているのを認めた次の瞬間、思わずボスママの子に駆け寄っていた。

「どうしたの?大丈夫?」

私が優しく話し掛けたことで余計に悲しくなったのか、大泣きするN君。
事情を聞くと、スネオママの子ーK君が女の子の列に並べと言ったそうだ。
なぜなら、N君は男の子だけれど甚平ではなく、浴衣で園に着ていたから。
勿論浴衣といっても男の子用のもの、でも他の男の子は甚平だったから余計目立ったらしい。

「N君の浴衣、男っぽくて格好いいよ。だってほら、男の子の色でしょう。ピンクや赤じゃないしお花の柄でもないし。女の子のお洋服とは全然違うよ。」

そうなだめながら先生の所に連れて行った。
先生に事情を話し、先生がK君らの所に行き言い聞かせをしたらN君はようやくクラスの輪に入って行った。

自分の中で、少しだけ今日ここに来て良かったと思えた。
子のことは大切だけれど、いつでも自分と子の2人で完結してしまう園生活に寂しさをおぼえていたから。

盆踊りが終わり、先生とのツーショットを撮り、他の子達は仲良し同士で写真撮影を始める。
今年も誰からも声が掛からないー皆既に群れになっている。まいこちゃんママはボスママ達の群れと写真を撮り合っている。
子が言う。

「Mちゃんと撮りたい。」

正直カードゲーム以来、Yちゃんグループとはもう関わるのは御免だった。
でも今年は子の為に頑張るのだと気合を入れたのだから、ここは母としての踏ん張りどころ。


「あの、Mちゃんと写真いいですか?」

「え?うちですか?あぁ、どうぞ。」

Mちゃんのママは困惑したような表情だったが、意外にMちゃんがにこにこしながら子の手を取り、

「OOちゃん、撮ろうー!」

とポーズを取る。
するとYちゃんやOちゃん、Kちゃんらも入って来て5人の女の子達がカメラにおさまった。

「私真ん中ー!」

とYちゃんが乱入して来たが、一緒に撮ってくれることが嬉しかった。
ただ、他の母親達が私の子が入って来たことでカメラを向けてくれなかったのは悲しかったけれど。
母親達が後ろで談笑している中でだったけれど、皆のカメラ目線をいただけたのは大きな収穫だった。
子に、思い出が詰まったアルバムを作ってやれることがやはり嬉しい。

「ありがとうございました。」

親子達にお礼を言い、さあ帰ろうかと門へ向かうと声を掛けられた。


「OOちゃん、一緒に撮ろう。」

振り返ると、まいこちゃん。そしてまいこちゃんのママがその後ろで手を振りニコニコしていた。
涙が出そうなくらい嬉しかった。

やぐらの前で、まいこちゃんとまいこちゃんの妹と子の3人で写真撮影をした。
勿論、まいこちゃんのカメラにも同じ風景が納まった。
子の写真が、他の家庭のアルバムの1頁になるのかもしれないと思うと、妙に感慨深かった。
3人共可愛い浴衣、それだけでもすごく嬉しかったのに、


「よかったら、親子で撮りましょうか?」

まいこちゃんママが申し出てくれたのだ。
親子で浴衣の写真ー
園で初めてかもしれない、親子写真。
勿論、それまでも業者が撮ってくれた親子写真はあったけれど、自分のカメラでは初めてだったのだ。

その後、まいこちゃんママにも親子写真を撮りますよと申し出たけれど、既に撮ったとのことだった。

色々あった盆踊りだったけれど、疲れたけれど、いつの間にか最初の孤独感は無くなっていた。
何もかも駄目だなんてことは無いのかもしれない。
何か行動を起こすことーそれによって良くも悪くも現状は動向する。
悪く見えたものも、良く見える時があると信じたい。

倒れそうになるー
一歩足が出るー
また倒れそうになるー
もう一歩足が出るー
気がつくと歩行している、

足取りが重くても、ゆっくりでも、人生を歩みたい。

「楽しかったね。」

子が私を見上げ笑顔で言う。

「うん、楽しかったね。」

心から答えられる自分がいた。






関連記事

祭りの準備とお気に入りサイト

休日も役員仕事。
とはいっても園ではなくて自治会のだ。
疲れた、本当に疲れた。
夜の集会なのだが、子連れで行くと自治会のおばさまに舌打ちされるのが関の山。
都合よく夫が今週末は休みだったので、子無しで行けた。
しかし、じっと座って会長やおばさま達の井戸端会議を聞いているのは疲れた。
集会所は9時までの貸切だったのに、10時過ぎたから帰宅すると子はもう寝ていた。
夫はビールを飲みながらテレビとケータイ。
ちゃぶ台には空いたビール缶が5本。

夏に行なわれる祭りの準備、主に自治会からは屋台を出すのだが、委員の中でも私は若手で大人しそうな女性ということで面倒な役回りが集中的に振りかかって来た。
断れるだけの勇気も無いし、きっと足元を見られているのだろう。
会場設営から屋台の焼きそばの下ごしらえ、自宅で野菜を前日切ったり茹でたりの作業。
年寄りは足腰悪いからという理由で、朝いちからの会場設営は参加せず。
力のある男性陣と、女性は私と副会長とその取り巻き達だけだからますます気が重い。
子を理由に断ろうとしたら、副会長が、


「去年、妊娠中で3歳の子がいるOOさんも色々してくれて助かったわ~あの人は本当フットワーク軽いから。」

と当て付けのように言って来たのだ。
首を縦に振るしか無かった。

園の役員仕事もあるし、夏休み前だというのに夏休みのお祭りや夏休み後の役員仕事だとかで頭がいっぱいでキャパシティーオーバーだ。

少しでも充実させようと夏休みリストを作って、少し前からお気に入りのクーポンサイトを隈なく調べて応募するのが今の癒し時間。
このロカポンはあまり知られていないけれどとてもお得で、とある貧乏サイトで知ったのだけれど、無料で登録出来て格安のチケットだとかクーポン、お食事券や無料お試しチケットなどが手に入るのだ。










使い方もとっても簡単、無料登録したら毎日昼頃に更新される無料お得クーポンをチェックして、気に入った物があれば申請すると携帯にクーポン付き画像が送られて来る。
今話題の「共有購入型クーポンサイト」、地域密着型なので、住まいの都道府県をチェックして検索すればその住まいに合ったクーポンがリアルタイムに表示される。
まだあまり知られていない分、お得な情報も一杯。
夏休み、ちょっと贅沢な食事だとか体験をしたい人にお勧めのクーポンサイト。
とにかく無料で携帯一つで登録出来て、決済から支払いまで出来てしまうのが有難い。
店に行けば、メールで送られて来たクーポン画像を提示すればいいだけなのだ。
化粧品や日用品などの無料サンプルはこちらでゲット、節約している主婦の方々は生活費も浮くからへそくりも出来るかもしれない。
我が家は夫が家計簿とレシートチェックしているので無理だけれど。

現実逃避にクーポンチェック、占い気分だけれど。
ちょっといいものが見つかれば気持ちも上がる。

よし、これで来月は美味しいものを食べに行こう。
少しモチベーションが上がってきた。






関連記事

笑顔のベクトル

昨日は子の浴衣を買いに久しぶりに家族でショッピングモールへ行った。
夏休みに入ったこともあり、小学生やら幼稚園生やら連れた家族でいっぱいのフードコート。
その日の昼は、自宅で焼きそばを食べてから行ったのでフードコードは通り過ぎるだけ。
子の浴衣を買い、私の浴衣もイオンで買おうと思い少しの間夫に子を任せて一人時間を貰った。
選んだのは濃紺ベースの浴衣、地味だけれど紺効果か安っぽく見えないのが気に入った。

しばらくして待ち合わせ場所に行くと、二人ともそこにはいない。
携帯に電話を掛けると、遠くからゆらゆら揺れる風船とおもちゃ屋の包みを持った子、そしてカキ氷のアイスクリーム。
夫が子に買い与えたらしい。



「パパに買ってもらったー!」

満面の笑みの子。
夫は子には甘く、せがまれると何でも買ってしまう弱いところがある。
私が子に何か買おうとすると、

「勿体無いんじゃない?」

とケチをつける。
先日は、子が好きなパンを買おうとパン屋に寄ろうとしたら、

「スーパーのパンでいいだろう、子供だし分からないよ。」

と言い止められた。勿論子がいないところで。
多分、その場に子がいてせがんだりでもしたらホイホイ買っただろうに。


誕生日でもクリスマスでも無いのに、7000円近くするたまごっち関係の玩具を買い与え、それにプラスでアイカツを3回やらせたらしい。風船はプリキュアのもので、1500円くらいするらしい。

子は勿論大喜びで、パパにすっかり懐いている。
私はそんな子の笑顔を見るのが嬉しい反面、なんだか複雑な気持ちだった。
なんだか妙な感覚だった。

嬉しそうにする子に対してのもやもやした気持ちなのか、それとも夫に対してのもやもやなのか、どちらにせよ気持ちは良くなく、そんな自分を持て余しさえした。


普通だったらー
子が喜ぶ姿に、夫婦で一緒に喜べるのが健全なのだろう。
それが出来なかった自分に、どこか欠陥があるように感じた。
子に対しての嫉妬ー
夫に対しての嫉妬ー
「嫉妬」と書くと尚更不健全だけれど。

私はどちらに対しても、心の底では笑顔のベクトルを自分に向けて欲しいと願っているのだ。
そんな時、私は妻でも母でもなく、一人の女になるのだ。






関連記事

オメガの時計と浴衣

園のお祭りでは子供達は浴衣を着るが、母親達も任意で着ても良い事になっている。
去年は勝手が分からなかったので、子だけに浴衣を着せて参加したのだが、私服の私は見事に浮いていてなんだか恥ずかしかった。
なので、今年はプチプラでも良いから子に便乗して自分の浴衣も購入しようと思っていて夫に相談してみた。


「OOの浴衣が小さいし買おうと思うんだけど、母親も浴衣が必要だっていうから買ってもいいかな?」

夫の機嫌が晩酌で良くなっているのを確認し、聞いてみたのだがうまくいかなかった。


「浴衣なら姉さんの借りれば?わざわざそれだけの為に用意するのも勿体ないし。OOのは仕方ないけど。」

夫は私の為にどうしても金を出したくないらしい。
今までもそうだった。

結婚式のドレスも義姉のお下がり、私に金が無かったのだから仕方が無いけれど正直デザインは古かったし、サイズも合わず寸足らずだった。
そして、子を身ごもった時のマタニティウエアやその他諸々も義姉のお下がり。

子が生まれた時は、袋一杯の男の子用赤ちゃん服のお下がりが実家に送られて来た。
実家の母は、

「馬鹿にしてる、うちが貧乏だと思って。普通は金を包むもんじゃないの?」と怒り狂っていた。

お下がりが悪いというわけではない、ただ、もし私が自分の衣類や子の衣類をお下がりとして人に渡すとしたら、それなりに綺麗に洗濯をして分別し、人に譲れる綺麗なものを渡すと思うのだ。

黄ばんで薄汚れたくちゃくちゃの肌着、パンツもまっ黄色のほころびた物。
義実家は金持ちの割りに、成金上がりで妙にケチ臭いところがあるのだ。
義姉達は自分達の子には、新品のブランドものを着せて綺麗にクリーニングをしてママ友に譲っているというのに、義妹は身内だから気を遣わないこともあってなのか、譲ってくれるその殆どがリサイクルショップでも引き取って貰えそうもないものばかりなのだ。

浴衣は流石にお下がりは無いからか、借りるということになるかもしれないけれど、そのお礼もまたせねばならずそれは私の小遣いからということになる。
ならば、安い浴衣を自分で購入した方が気楽だし得に思えてきた。


「いいや、私のお金で買うから。」

「あ、そう。」

夫は私の目も見ずにケータイをいじる。
そしてつぶやいた。



「このオメガ、ボーナス出たし株の配当金もかなり出たから買おうかな。」

夫は金の掛かる趣味は無いが、時計だけはこだわりがあっていくつもブランドの時計を持っている。
オメガだけでも既に3つあるというのに。
使うと傷を付けるからーという理由でショーケースに入れて眺めているだけ。


そんなお金あるなら浴衣くらい買ってくれてもいいのに・・

声にもならない言葉を心でつぶやく。


つぶやきは、所詮声に出した方が叶うのかもしれない。
私のように、飲み込んでしまうつぶやきは、誰にも気付いてもらえないばかりか元々無かったものとして宙に浮く。
宙に浮いた言葉は、蒸気となり自然消滅する。

そして、忘れた頃に雨となるのだから始末が悪い。


関連記事

ダンスオーディション結果

毎年恒例、キッズダンスコンクールのオーディション結果が発表された。
センターはさなちゃん。予想通りの展開だった。
予想に反していたのが、センターのサイド、つまり2番手の位置なのだがわが子が選ばれた。
もう一方はスネオママの子。

発表リストが掲示板に貼られ、その日のお迎えはいつも以上に大賑わいだった。
いつもはスルーされる私も、何人かのママ達に話し掛けられた。


「おめでとうございます、OOちゃん練習も上手でしたもんね。」

会長グループの敬語ママだ。この人は誰にでも丁寧で礼儀正しい話し方をする。


「おめでとうー、OOちゃんのダンス写真任せて!」

ふわふわママはアルバム委員になってから、普段の送迎にも一眼レフを首から提げてパシャパシャ撮っている。
失礼かもしれないが、ふと林やパー子が頭に浮んだ。


「ちゃんと踊れるかどうか・・でも本人張り切っているみたいです。」


役員になってからも、特段送迎での自分の立ち位置は変わらず、やはり一人佇んでいるのだがその日は自然と話し掛けられたのが嬉しかった。


ボスママの群れと孤高の人が高らかに笑い合う。
スネオママが一際甲高い声で、孤高のママに言う。


「さなちゃんの迷惑にならないようにしないとー、本当うちの子まぐれだから。」

孤高の人は、笑いながら言う。


「さなは自分の事でいっぱいだから隣がどうとか気にしないし。」

一瞬群れの中で奇妙な「間」が空いた後、どっと笑いが起きた。
さすが孤高の人、思ったことはあまり考えず口に出すようだ。


「普段から私のダンス見て真似してるし、習い事の方も本格的でしょ?幼稚園のダンスなんてお遊びと思うみたいでかえってやる気が起きないみたいなんだわ。」

こちらがハラハラするような発言、頭の中でぐちゃぐちゃ考えて何も言えなくなる私には羨ましい性格だ。

先生に、うちの子が何故サイドに選ばれたのか聞いてみた。
するとこんな答えが返って来たのだ。


「毎朝登園すると、OOちゃんだけいつも教室の隅で振り付けの練習してるんですよ。他のお友達が遊んでいても。本当にダンス好きみたいです。でも一番は、ダンスが苦手なお友達に一生懸命教えてあげていたところなんです。目立つ立ち位置だからこそ、他の子と一緒に皆で踊っているんだって感覚を持っていて欲しいので。」


すごく嬉しかった。
一人っ子ということで、兄弟との関わりが無いからこそお友達との関わりは他の子より劣る部分があるのではないかと危惧し続けていた。
一人っ子だから我侭ー
一人っ子だから目立ちたがりやー
一人っ子だからみんなとうまく遊べないー
世間で一人っ子が多くなった今でさえ、そのような偏見を耳にすることがあるのだ。


以前さなちゃんが他のママ達に言われていた「可哀想」という言葉もある意味偏見だ。


孤高の人は颯爽と群れるママ達より一足早くさなちゃんを連れて帰って行った。


「明日からまた仕事で2泊3日で京都だわー忙しすぎて大変。1日24時間足りなさすぎ。早く小学校になって欲しいよ、学童あるしね。じゃあまた明日ー」

笑顔で彼女が去った後、ひそひそ群れが何か言い合っているようだった。
スネオママの口から、

「・・・・・うざいしー」

というような台詞が聞こえた。誰の事を言っていたのかは想像でしかないけれど。
私はその頃、いつも通り一人ぽつんとしながらも心の中で余計なお世話であることを思っていた。

いつでも自信満々な感じの孤高の人、時に鼻に付くときがあるのだ。
忙しい忙しいという台詞、私がまだ勤め人だった頃やたらと忙しぶる先輩がいたっけ。
必要以上にキーボードをカチャカチャ叩く音がオフィス内に響いてた。
そして、なぜか彼が「忙しい忙しい」と口に出す度に、その間仕事が落ち着いている私達は居心地が悪かったのだ。

「何かお手伝いすることありませんか?」

勇気を出して尋ねるも、笑顔で返ってくる台詞は、

「サンキュー、でも無いんだな。しかし俺が休んだらこの部署どうなるんだろー」

と満足気な得意顔だった。
彼は私ら同僚の間で、「わらじ」と呼ばれていた。
まるで何足もわらじを履いているかの様な大変っぷりだったからだ。

孤高の人は、時たまあの頃の先輩と同じ様な表情をすることがあるのだ。
そして、残された専業主婦である私達は、なんとも居心地の悪いようなあの頃の私ら同僚と同じ様な表情をしているのだった。






関連記事

夏休みリスト

昨日は役員ランチだった。
体調が悪いのと、お金が無いのと、他メンバーの裕福な暮らしぶりを見聞きしているうちに更に具合が悪くなった。
打ち合わせが終わればすぐに帰宅したかったのだが、なんとなくお迎えまでその場にいないとならない雰囲気。
私自身、いてもいなくても周囲はさほど気にしないのだろうけど、

「じゃあ私はこれで。」

と声を発する勇気が無かった。


この夏休み、バレーママは家族でハワイらしい。
セレブママも毎年ハワイで夏休みを過ごすらしく、現地で会おうかなんてお互い盛り上がっていた。

他のママ達も、北海道旅行だったり沖縄旅行だったり色々予定があるようだ。




また比較しても、いちいち落ち込むだけ。
夏休みの楽しいことをリストアップしてみる。



〇園の送迎が無くなる

〇子とプールに行ける

〇貯まった小遣いで初ディズニーに行こうか検討中(夫には懸賞でチケットが当たったと言って)

〇近所のお祭りに参加(自治会役員なので焼きそばやおもちゃやゲームなどの無料チケットが貰えるのだ)

〇引越し前のママ友親子と遊ぶ予定

〇アイカツのイベントに参加予定

〇丸ごと大きなスイカを買って来て、フルーツポンチパーティー

〇隣街の花火大会

〇流しそうめんの機械(義実家からいただいた)を使って楽しいランチ

〇電車のスタンプラリー



気が付くと10個も挙げられた。
我が家のささやかな楽しい夏休みがもうすぐやって来る。
子も私も、思う存分楽しむ時は楽しみたい。
カードトラブルから、子はやはりYちゃんらとうまくいってないようで、ポツンとしている事が多くなった。
時々まいこちゃんとさなちゃんのグループに入れて貰ったりしつつ、最近は自由遊びになると他クラスの知らない子達と遊んでいる。

すごいな。

わが子ながら、その柔軟性に心底感心するのだ。
自分が輝ける場所を自ら見つけ、楽しむこと。
与えられた環境が苛酷であったとしても、その場に居続けグチグチ悩む母親と違い、すぐに切り替えて他の環境を手に入れるそのパワーが眩しくもあり、その逞しさに胸がきゅっと締め付けられる。


最近は夏休み前ということもあり、ダンスの練習が半端無くこの炎天下の中行なわれている。
役員仕事の合間にちらっと覗くと、そこにはいつも家で甘えたがりの子の表情とは違う、凛とした姿があったのだ。


そうだ。
リストにもう一つ付け加えよう。



〇子にダンスを習うこと



子が一生懸命に打ち込んでいるダンスー私も踊れるかな。
夏休み中、子が練習する横で私も一緒に踊れたらきっと楽しいだろう。
物覚えも悪いし、運動能力も全く無い私だけれど、子が教えてくれるダンスなら楽しくやれるかもしれない。



教えるばかりではない、子からは教わる事も多くなって来たと感じる最近のこと。




関連記事

面倒な雑務

昨夜、結局夫と子は泊まりになった。
私は久しぶりの一人時間に心身共にリラックス、しかし夜遅く夫から電話。


「お中元手配した?」


すっかり忘れていた。役員のことやら子のトラブルで毎年のことだと言うのに頭から抜け落ちていた。
夫は電話の向こう側でうんざりしたような声、そして見栄張りの夫はテレビの口コミだとか老舗のものだとかとにかく有名なものを送りたがる。
急いでネットで調べてこの店の商品にした。
世界緑茶コンテストの最高金賞、農林水産大臣賞、ためしてガッテンだとかのテレビ番組でも紹介されているお茶だから夫も文句は言うまい。
モンドセレクションだとかに弱いのだ、彼は。

お中元用として生活費用口座に夫が予算を入れているので、私はそれを計算して予算内に収まるよう商品を選び、夫がリストアップした住所に送る作業をしなくては。














見栄張りの夫は、お中元ひとつ送るのにもあれこれ口うるさい。
上司や同僚、また後輩やそれ以外の女性職員にまで送るのだから出費もかなりのもの。
それに義両親にも送れと言うし、兄弟にも。
一体いくらかかるのかと思うけれど、その分の予算はしっかり口座に振込みされるのだから私も妻としての役割を果たさなければ。
そして実両親には私から気持ちの商品券をお中元に。

嫁に行って初めてのこの時期、

「私の時は自分の両親にもお中元やお歳暮はお金で送ったものだよ。勿論お年玉もね。
あ、別にあんたはあんたのやり方があるからそうしろって言ってるわけじゃないんだけど、それが常識だってお母さんは思ってるから。」


そんなこと言われたら、送らない訳にいかないのだ。
実親にも気を遣う。


さて、そろそろ夫と子が帰宅するのでお昼を用意しなくては。
そして明日は役員会、ランチが非常に苦痛だ。







関連記事

カードトラブル

子供のトラブルに親はどこまで介入するべきなのか、まだ分別がつかない年頃ならある程度は必要。
しかし、行き過ぎるとたちまちそれは「モンスターペアレント」となる。
だからといって穏便に済ませようとすれば、そこに親子間のしこりが残ることもある。


最近、園から帰宅するとアイカツのカードを取り出し、一枚一枚自分の好きなコーデに並べ替えたりして嬉しそうにしている我が子。
私はというと、ここ数日体調が悪く送迎以外はソファーに横になって子の相手をしている。
家事も適当、夫も今月に入り、毎日残業続きで夕飯は要らない日々。
夏場で弁当を食べる気がしないとのことで、作らなくて良くなった。
外でざるそばという気分らしい、この時期は暑いけれど家事が一つ減るだけでも気持ち的にかなり楽だ。
2人分だと食費が一段と安く済む。昨夜は冷凍してあったカレーをお腹一杯食べて満足。
買い物に行かずに今日も冷蔵庫の残り物で、麩と豚肉で豚丼にしようかと思う。

話は戻るが、アイカツにはまっている我が子。
アイカツをやり出した途端、園で遊ぶ仲間がまたちょっと変わって、最近ではどうやらYちゃん達のグループに入れてもらえているようだ。
私の時代にもあったけれど、ゲーム機を持っているか持っていないかで友達の輪に入れるかどうかが決まったり、悲しいけど現実。
今はDSが友達付き合いの壁になるという話をどこかで聞いた。


そして先日、子がレアだかプレミア?だかのワンピースの絵の描いたカードをYちゃんに見せてと言われたから手紙に入れたいと言い出した。
この間、休みの日にカードゲームをした時に排出されたものだ。
基本、カードやおもちゃは保育中に園に持って行くのは禁止、しかしお手紙に入れるのは大丈夫なのだ。園児達はシール交換などもお手紙の中でやり合っている。
貸すだけと言うけれど、なんとなくトラブルの匂いがしてやんわり手紙だけにしとくよう伝えた。
子はしぶしぶだったけれど諦めたように見えた。

そして昨日、お迎えに行くと子が号泣。
少し離れたところにYちゃんやMちゃんがいて、何やらごちゃごちゃ言い合っている。


「どうしたの?何があった?」

子に尋ねると、

「貸すだけって言ったのに!」

Yちゃんに向かって泣きながら言う。
Yちゃんは、

「そんなカード入って無かった!」

お互い言い合って、子は泣いているのでなだめていたらYちゃんママがやって来た。
Yちゃんがママに何やら説明している。
しばらくして、Yちゃんママが私に話し掛けた。


「なんだか、うちの子にOOちゃんがお手紙くれたそうなんですけど、入っていたのはお手紙だけだって言ってるんですよね・・」


「入れたもん!キラキラのレアカード入れたもん!見てたじゃん!嘘つき!!」

子がYちゃんに向かって泣き喚く。


「嘘つきはOOちゃんだもーん、ねー。」


Yちゃんが取り巻きのMちゃんらとニヤニヤ笑い合いながら頷き合う。
幼児でも女の子グループ特有の、湿っぽい空気感。
嫌な光景。
Yちゃんママの取り巻きママ達が、少し離れたところからひそひそこちらを見ているのが視界に入る。
本当に嫌な光景だ、ここもあちらも。


しかし、私は実際カードを封筒に封入するのを見ていないし、トラブルの元になるから手紙だけにしなさいと言ったし・・子が入れたつもりになって自宅にあるのだろうと思いとりあえずYちゃん親子に謝った。


「多分うちの子の勘違いだと思うんです、嫌な思いさせてしまってごめんなさい。帰って言い聞かせます。
Yちゃん、OOが怒ったりしてごめんね。ほら、OOもそんな風な言い方したら嫌がられるよ。」


それでも子は泣き続けることをやめなかったので、半ば引きずるように園を出た。

「Yちゃん嘘ついた!OOのカード取った!!わーん!」


暑さと疲れと、体調が悪いこともあり、全く泣き止まない子に帰り途中怒鳴ってしまった。


「だから!ママは手紙に入れるなって言ったでしょう!あんたが悪い!!」


私は滅多に声を荒げることがないこともあり、子は驚いたのか目を丸くし、続いて怯えたような表情になるとたちまち顔が崩れしわくちゃになりながら、

「ごめんなさーい、ごめんなさーい!」


と泣き出した。
私まで泣きたくなった。
自宅に戻り、やはり子が貸したと言い張るワンピースのカードは出て来なかった。
私もきちんと確認すべきだった、もっと強く言い聞かせるべきだった。
適当に家事をしながらやんわり注意したところで、まだ6歳なのだー誘惑が勝つこともある。
子の目をしっかり見て注意出来なかった自分自身にも非を感じ、子に申し訳無い気持ちになった。

どのカードが無くなったのか、子にネット検索をしながら聞いてみるとそれは確かにキラキラしていて特別な雰囲気のあるカードだった。
怒鳴ったことを後悔し、ネットで買ってあげようと思い楽天で検索するとその価格にめまいがした。
2000円もするのだ、100円で手に入れたカードが。
2000円あれば、何日分の食費になることか。
購入するのも馬鹿馬鹿しくなり、また本当に貸したとしたらと思うと胸の中がざわざわした。

そして、また翌日からこのことがきっかけでYちゃん達とうまく行き掛けた関係が悪くなるかもしれない子のことを不憫に思った。

ーもしも本当にYちゃんに取られていたら?借りたカードが欲しくなり嘘をついていたとしたら?
ー子の勘違いや紛失では無く、最初からカード目当てで遊んでくれていたとしたら?

どちらの子供も嘘をつくなんて考えたくなかったけれど、次から次へとマイナスの感情が湧いてくる。
たかが6歳の子供が、カードが欲しいが為に嘘をつくとしたら・・そしてそんな想像をする自分が恥ずかしくもあった。

あれは、落としたということにしよう。
そう、最初から手元に無かったということに。


自宅に戻り、まだべそをかく子をぎゅっと抱き締めた。


「さっきは大きな声出してごめんね。OOはお手紙にカード入れたんだよね。Yちゃんに貸したんだよね。ママ見て無かったれど信じるよ。
でも、ママとのお約束は守らないと駄目だよ。お約束破ってカード入れたから、神様がお手紙の中のカード持って行ってしまったの。
それから、Yちゃんは嘘つきじゃないよ、お友達の事そんな風に言ったら悲しいよ。またゲームしに行こう、ね。」


なだめると、子は落ち着きを取り戻し小さく頷いた。
神様がーなんて子供だましの嘘はいつまで通るのだろう。
小学校に行ってもきっと同じ様なトラブルはあるだろうし、もっと複雑なものになっていく。
親の介入も、園にいる時と違い一切目の届かないものになっていくことでしづらくなる。
子を信じるという行為は、親が子を守る絶対条件だけれど、そこからどう行動を取るかが難しい線引きでもある。

ぼちぼち流れてきたランドセルのCMを眺めながら、もう1年を切った小学校入学のカウントダウンに少しだけ鬱々とした気分になった。






*****


まいこちゃんママとのアドレス交換、祝福のメッセージありがとうございました。
しかし、ご覧の通りこのゴタゴタで特に進展ありません。
メールを送りたい気持ちはあるのですが、毎日送迎で会うので何をどうメールしたらよいのかさっぱりです。
夏休みに入ってから、お誘いのメールをしようかなと思っています。



鍵コメさんへ

今まで暖かいコメントを下さったというのに悲しい思いをさせて御免なさい。ただ、どうしてもそうする必要があるのです。子供の為にも自分の為にも。いつか病気を治して離婚を考えています。
一つの手段なのです。

もう一度、御免なさい。



関連記事

アドレス交換

コメント、一つ一つ読まさせていただきました。
私の受け取り方というか、明らかに不快なものについては削除していますが最近はそれも殆どありません。
激励というか、こんな見解もあるのだなとか、心配して下さった上での厳しさを含むコメントについてなどは承認しています。
確かに、ストレートにぐさっとくるご意見もたまにありますが、心がこもったものだと感じたものについては承認しています。
ネットの世界なのでちょっとの行き違いから不快感を与えてしまうのではないかとナーバスになっています。
承認ボタンを押すだけで、誰かが不快な気持ちになるのならコメント欄を設けるべきではないのかな。。とか。
ただ、誤解されたくはないので、ここで私の気持ちだけ明らかにしておきたいと思いました。

承認しているコメントは、全て「感謝」の気持ちで押しています。



昨日の記事についても色々考えさせられました。

友人とは社会人の時に一時距離を置いていました。勿論宗教の関係でです。
私のことを思っていてくれるのも分かっているし、本当にその宗教に入れ込んでいて熱心なのも分かります。
ただ、きっぱり断っても断っても勧めて来る・・仕舞いには私の弟にまで勧誘して来ました。
障害が完治すると言って。
その際、病床で寝込んでいる弟を無理やり選挙会場に連れて行こうとしたのです。
さすがに私もぷちんと何かが切れる音がして、数年間音信不通だったのです。

ひょんなことからまた再会し、やっぱりフィーリングが合うし楽しいし、宗教さえなければ本当に親友になれるのではと思います。彼女も私が入信したらもっと私と仲良くなれると言ってくれました。
きっぱり断り、それでも彼女が連絡をくれること、それが嬉しいのかもしれません。
ただ、やはり会う度に何かとその手の話は絡んで来ますが。
みなさんからのアドバイス通り、今の距離感が丁度いいのかもしれません。
選挙については、過去に一度投票しないと言ったら、子を授乳している深夜に何度も電話着信があったことで少し怖気づいています。
洗脳というか、票集めのことになると常軌を超えた行動を取ることもある彼女なのです。
普段はとても良い友人なのですが。
またあのような事があれば、夫に交友関係を断ち切れーと言われかねません。
家庭を持った今だからこそ、私の交友関係も私だけのものではなくなるのが現実のところです。






*********************



持病が悪化した。
この暑さのせいもあるのだが、先日病院に行くと検査が待っており、その数値の結果は思わしくなかった。
医療費も馬鹿にならず、どうにかならないものかと医師にすがると酵素が体に良いと勧められた。

持病をネットで調べている中でも、酵素がその症状を抑えるとある。
早速ネットで購入、いい感じ。











芸能人も酵素でダイエットや美肌を保っているらしく、ヘタな美容液を使うならサプリで体の内側からアンチエイジングした方がいいかもしれない。

3日でぽっこり出ていたお腹が平らになったのも、デトックス効果かもしれない。

ちなみに、この3日の私の食事は、

朝・・・酵素、おにぎり、味噌汁
昼・・・酵素、弁当のあまり
夜・・・酵素、玄米ご飯一杯、メイン肉か魚、副菜、フルーツ、納豆、味噌汁

ダイエットよりも、持病を治すための食事メニューなのだが、プラス酵素の効果なのか急激に2キロ弱痩せた。
ちょっと痩せすぎて怖いので、毎食ではなく朝と晩だけにしようか検討中。


そんな酵素の話を今日のお迎えでまいこちゃんママにしたら、ものすごく食いついて来てくれた。
彼女はダイエッターらしく、今でこそスレンダーな体型だが、元々太りやすい体質で若い頃は70キロもあったらしい。
産後もまた70キロに戻り、必死のダイエットで20キロ以上痩せたとのことだった。
芸能人がダイエットで酵素ドリンクを作って飲んでいたりと今話題のようで、世間に疎い私だけど色々調べた有益な情報をまいこちゃんママに伝えられて嬉しかった。


そして、その流れでやっとアドレスを聞くことが出来た。
心臓はバクバクしたけれど、かなり自然にアドレス交換出来たように思う。
今日はスネオママやボスママが、上の子の小学校行事で延長保育にしておりお迎えにいなかったのも運が良かった。




外は暑いし体は不調気味だけれど、今日はとてもいい日だった。
蝉の鳴き声もどこか笑っているように聞こえた。



















関連記事

票集めの道具

選挙前になると必ずかかってくる電話がある。
高校時代の友人で、唯一学生時代から続いている親友と私は思っている。
年に1回会えれば良いほうで、年賀状などのやりとりさえ行なっていないし、頻繁にメールを送ったり送られたりもしていない。

彼女は唐突に電話を掛けて来る。
私には絶対マネ出来ない行為だ。
古い友人に何年ぶりに電話やメールを掛けることで、いちいち相手の反応が薄かったらどうしようだとか、最悪自分を忘れられていたり迷惑がられたりしたら嫌だなと思うと、電話帳の懐かしい名前を眺めては勇気を出せずにディスプレイ画面を閉じる。

ライフスタイルの変化によって移り変わる人間関係。
結婚したか独身か、子供を持っているか持っていないか、遠方に嫁いだか地元に滞在のままかー仕事を続けているか専業かー
20代から30代、40代と女性には多くの分岐点があって、その分岐点をどう曲がるかによって、周囲との繋がりがどう影響するのか決まるところもある。


私は幼稚園ママという分岐点を曲がり、今とても悩める鬱々としたトンネルの中をさまよっているけれど、旗から見たらそれさえ羨ましい状況だということもある。



電話をくれた友人は、私のライフスタイルがどう変わっても年に最低1回は電話をくれる貴重な存在だ。
こんな私を必要としてくれるとさえ思う。
あることを除いては。

彼女はある宗教の熱心な信者だ。
選挙前に活発に活動しているといえば誰もがお分かりだろう。
彼女が幼い頃、火災で自宅が全焼被害にあったことで両親が救いを求めて入信したのがきっかけで一家信者となったらしい。
カミングアウトは高校卒業してからだった。
彼女とは学生時代から、なんとなく波長が合った。
私と正反対で、活発で行動的。大学に進学してからは様々な海外留学を経験して世界を飛び回り、各国から絵葉書を送ってきてくれた。
私はポストに届く絵葉書を眺めては、遠い僻地にいる彼女を自分と重ね合わせ、共に海外にいる錯覚を味うことが出来た。
一人で思い立ったら行動するーそんな私には無い行動力が彼女には備わっている。

今、彼女は独身だけれど、バリバリのキャリアウーマンだ。5ヶ国語を流暢に使い分け、貿易会社に勤めている。
1年の半分は海外生活。
そんな彼女が週末に帰国したらしく、成田から電話があったのだ。


私はというと、久しぶりに気のおけない友人からの電話着信で高鳴る胸が押さえられず、思わず第一声の「もしもし」が震えてしまったというのに。
彼女は、まるで昨日も教室で雑談したばかりというような口調で、

「明日暇?」

なんて聞いてきたのだ。
ラッキーなことに、夫は恒例の娘だけを連れて実家に遊びに行く日だったので、私はフリーだった。

「うん!」

ママ関係の疲労から、一瞬でも逃れられるオアシスのように感じ即答。
翌日は持っている服の中でも一番のお気に入りの、リネン風のレースブラウスにブラックのサルエル風パンツ、それにネットのバーゲンで購入した夏用の帽子をかぶり、普段はつけないネックレスをつけて池袋に向かった。
私の中で、一番のお洒落コーディネート。



彼女が指定した店につき、そわそわして時間より15分も早く席に座るとアイスコーヒーを頼む。
一杯650円のアイスコーヒーは、主婦の私にはとてつもなく高級ドリンクだけれど、今日は仕方が無い。


しばらくすると5分遅れで到着した彼女。

「よ!元気?」


久しぶりに目にした友人は、ロングだった髪をばっさり切って、緩やかなパーマに艶のあるカラーが似合っている。耳元はシャネルロゴのダイヤのピアス。
シルクの真っ白なブラウスに、大ぶりのビジューネックレスがキラキラ光る。ネイビーのタック入りパンツにエスニックのビーズ模様が繊細なクラッチバッグを手にした彼女は相変わらずお洒落で素敵、それでも彼女のエキゾチックな顔立ちの中の表情には学生時代のそれとは変わらないあどけなさを残してるのだ、いつでも。
そんなお洒落で美人な彼女と一緒にいると、私までハイクラスになったような感じ。
いつもの物陰で一人、鬱々と孤独な時間を過ごしている自分から逃れられた気分になった。



それからは久々に近況報告。とはいっても殆ど彼女の仕事の話。
彼女は今、あるプロジェクトリーダーをしておりそれがうまく行きそうなこと、彼氏は相変わらずいなくて恋人募集中だということ、そろそろ子供をどうするか考えて卵子の凍結だけしておこうか、独身だけれど高齢で結婚して子供を希望した時のことを思うと、少し焦りがあることーだとかを話してくれた。
包み隠さず、親が病気を患っていて借金があることだとかも打ち明けてくれた彼女に、私はつい心が緩んだのか自分のことを洗いざらい話してしまった。
いつものようにー昔のママ友と話すように、演技をするつもりだった。
でも、彼女が自分の成功している部分だけではない、苦労している部分も正直に打ち明けてくれた事で、胸の奥のつっかえが取れたのだ。



「ママ生活は順調?なんか疲れてるようだけど大丈夫?」


この問いかけにー、私の顔色を心配してくれる人がいるのだという嬉しさに、全てを打ち明けてしまった。



彼女は、私の悩みをくだらないと一蹴することもなく、うんうん頷きながらしっかり聞いてくれた。
そして一通り、涙ながらに洗いざらい夫の事や幼稚園での孤独感、実母への気持ちをぶちまけると、


「辛かったね。」

そう言ってくれたのだ。

ああ、私のことを解ってくれる友人が一人でも目の前にいる。
確かに、目の前に存在しているのだ。リアルに。
涙が止まらず、鼻水でぐちゃぐちゃになる顔。タオルハンカチを顔に当てていると彼女が鞄からごそごそ何かを取り出して目の前に置いた。



「子育てママは何かと悩みがあるよね、そういうママ達の目線にも立って私達は政策を考えてる。これ、読んでみるといいかも。」

差し出されたのは、一冊の薄っぺらい冊子ー「OO党は実現をお約束します!」と書かれたパンフ。
そして、署名リスト。
涙でぼやけて書面に何が書かれているのか解らなかったが、彼女に言われるがまま署名した。
それを受け取り、満面の笑みの彼女を見られる、それで良かった。


それからは、私の悩みに共感してくれながら、随所にその党とその宗教のPRを始めた彼女。
その最中にも、彼女の携帯はメール着信音が頻繁に鳴る。
2回ほど電話もあり、それが仕事の電話や友人では無く、宗教仲間からの電話だということは彼女の話ぶりで分かった。


(相変わらず忙しいんだな。)


さっきまでのテーブルを挟んで向こう側にいた「親友」が、「セールスガール」に見えて仕方なかった。
そして、感情を露に、自らの悩みをぶちまけたことを少し後悔し始めた。





そして、帰り際には、


「今年もよろしくね、OOの清き一票にいつも助かってるんだ。」

そう言って、手を合わせ拝む真似事をされた。
颯爽と人ごみに紛れる背中に、次は誰の票集めに向かうのかなとぼんやりした頭で思う。


私は毎年投票しない。
どこに投票したらよいのか分からないから。
それでも、彼女には嘘をつく。
それで彼女が喜ぶのならそれでいい。

そうすることによって、年に1回でも私宛ての電話着信が鳴るのなら、それでいいのだ。
そう言い聞かせている。







*****


お休み中も拍手やコメントありがとうございました。
逃げてしまった自分の卑屈さに自己嫌悪で、それでも肯定してくださる方や励ましてくださる方の暖かいメッセージが嬉しかったです。

毎回自分の嫌な部分、情けなさやずるさ、そしてひねくれた気持ちや恨めしい気持ちをこちらに綴ることが出来るのも応援してくださる方々のお陰です。

「それでいいんだよ。」

そう言ってもらえること、私は幸せものなんだなって思います。
本当にありがとうございます。
今週は猛暑になりそうですね、皆様もしっかり水分補給して、体調を崩されないようにして下さいね。
では、今日はこれから久しぶりにプールへ行き、嫌な空気を洗い流して来ようと思います。











関連記事

仕事後の至福

先週半ばは会長宅にお邪魔した。
突然メールでの呼び出し、家事もそこそこに場所を聞き訪問。
手土産にジュースとお茶菓子を持って。
会長宅は、さすが地元民なだけあり、とても大きく趣があった。
部屋も子沢山に思えないほど生理整頓されており、出来る人は外でも家の中でも完璧なのだな、と呼び出され掃除もせずに散らかしっぱなしの自宅を後にした自分を恥じた。

送りついでに私以外のメンバーは全員既に集まっており、既に出来上がった輪に入る。
決めたのは、卒対の役割り分担。
学期始めに決定しているクラス毎の係りに対して、詳細にこれからの流れを説明する機会をもうけなければならないとのこと。
例えば、アルバム係りだとか余興係りだとか。
20人程度の前で、説明する作業を夏休みに入る前に行い、夏休み中もそれぞれがおおまかに準備出来るよう取り計らうのだ。


ボスママがかったるそうに言う。


「司会はさ、声がでかい人がいいってー」

そう言いながら笑いつつ派手ママを見る。

「あんたの方が声でかいから!」

どっと笑いが起きる。

私は一緒になって爆笑することも出来ず、だからと言って真顔でいるのも浮いてしまいそうなので、無理にひきつった笑顔を作った。
結局ボスママと派手ママで説明をすることになり、説明集会の流れや書類をどうするか打ち合わせした。
私も何かやらなくてはー気持ちが焦り、それを見透かしたかのように会長が私に話し掛けた。


「あなた、パソコン出来る?」

「あ、はい。入力程度なら・・」

「じゃあ資料作って来てくれる?」

「あ、はい。」

不安ながらも、有無を言わせない雰囲気がそこにあり、決してそれは意地悪くというわけでもないのだが、首を縦に振らなければ途端にその場の空気が悪くなる気がしたのだ。


「明日までに作れる?明日のお迎えまでにとりあえず資料だけ配布したいから。」

そう言われて、一体何をどう作ったらよいのかちんぷんかんぷんな中、打ち合わせで必死にとったぐちゃぐちゃなメモを見る。
これを一体どうまとめたらよいのか、漏れもあるかもしれない・・
イメージが全くわかない。


「雛形もらうといいですよ。」

隣に座っていた華奢ママが優しく声を掛けてくれた。


「去年のやつ、残ってるでしょ。」

セレブママが、綺麗に施されたネイルを触りながら言う。

「そうだね、OOさん初めてだもんね、うちらもう慣れちゃっててごめんごめん。」

そう言いながら会長はUSBを手渡ししてくれた。

「日付だけ変えればいいと思いますよ。」

華奢ママが笑顔でアドバイスをしてくれた。
ボスママは相変わらず私と目を合わせようともしてくれなかったけれど、とりあえずメンバーに数人でも相談出来そうな人がいることが心強かった。


自宅に戻り、USBから雛形を起こし、日付を変えて多少の文面も変えた。
何度か手直ししていたら2時間以上かかっていた。
深夜帰りの夫の帰宅時間になってしまったが、どうせ起きていなければならないので丁度良かった。

翌朝送りを済ませ、いち早く園内の職員室にあるコピー機を借り、人数分のプリントを作った。
このような事務作業に慣れていないので、普通の人より何倍も時間は掛かってしまったが、なんとか期限内に終わらせることが出来たのは達成感。

集会室で封筒に出来上がったプリントを封入する作業は、他のメンバーも手伝ってくれた。
それを持って、クラス毎の先生に父兄への配布をお願いして業務終了。

「お疲れ様ー。」

私以外はランチに行ったようだったが、私はやり遂げた達成感の方が強く寂しい気持ちより清清しい気持ちでいっぱいだった。


こんな自分でも役に立てたー
その日は心も軽く、自宅に戻り適当に済ませた家事をやり直し、子の為にホットケーキでカップケーキを作った。
以前作ったらとても喜んでくれたのだ。

やる気スイッチというヤツは、どうやらやらなければならないことが達成した時押されるらしい。
ドミノ倒しのように、一つ思い切ってドミノを倒すことが出来れば、綺麗に次々と倒れていく。
それはもう、小気味よくリズミカルに。

いつもはしない雑巾掛けや窓拭きもし、部屋が綺麗に整えられる頃にはオーブンから甘い香り。
出来上がったカップケーキは、以前のより更に上達しているように思えた。

お気に入りのコーヒー豆で淹れたコーヒーと焼きあがったばかりのカップケーキの一人ランチは最高だった。














関連記事

アイカツデビュー

この休日、夫はまた仕事だったこともあり子とショッピングモールをプラプラ。
今アイカツとやらが流行しているらしく、子も園のお友達の影響を受けてか興味深々。
それまでもやりたがっていたが、プリズムストーンを集めていたし、同じようなものならカードよりキラキラしているストーンの方が可愛いじゃないと言い聞かせて来た。

しかし、とうとうデビューすることに。
きっかけは先週、まいこちゃんがくれたお手紙に封入されていたカードだった。
それが「アイカツ」のものだったのだ。
お手紙には、「だいすきなOOちゃん、まいこのたからものあげるね。」と書かれていた。
私はよく分からないのだが、それをありがたく頂戴し、お返事にストーンかシールを入れてあげたらと子に提案した。
しかし、子は「アイカツじゃないと駄目なの!」と珍しくダダをこねた。
金曜は大嫌いな予防接種も頑張ったし、週末は例のごとくどこも行かないし・・
引っ張り続けてプリティリズムをやらせたところでいつかはアイカツにはまるのであればもう避けられないのかな、と思いこちらが折れる結果となった。


ショッピングモールに行く前も、アイカツが出来ると知ると子は率先してお手伝いをし、まさにカードゲーム目当てなのは目に見えていたけれどそれも子供らしく微笑ましいと思うのは親馬鹿な私。


軽く自宅で袋ラーメンを食べ、散歩がてら駅前へ出掛けた。週末なのでたくさんの人でごったがえしていた。
そしておもちゃ売り場の一角、いつも立ち寄るプリティリズムの台には子より少し小さな女の子が一人だけ。
あとは2台に増設されたアイカツの台に幼稚園年長くらいから小学校高学年の女の子、それに私より少し若い女性などが子供もいないのに並び長蛇の列をなしていた。

子は興奮し、まいこちゃんからもらった赤いリボンをつけている主人公?と思われる子が載っているスカートを持ちそわそわ前の子がゲームと格闘する様子を身を乗り出して見ていた。
プリティリズムと何が違うのかよく分からないけれど、とにかく今大人気のようでバンダイも数年後には50億の売り上げを見込んでいるらしい。

ようやく子の番、出て来たカードは靴だった。
まだスカートと靴だけしかないので、ゲーム中のコーデは肌着のようなトップスでちょっと可哀想だったけれど子は大喜び。
ゲームが終わると、もう一回だけとまたごね出した。
たまにだし、今月はライター内職でそれなりに稼げたしいいかなともう一度後者に並ばせ順番を待った。
次に出たのはとても綺麗なキラキラしたカードだった。
ドレスかワンピースのようなもので、後ろにいる女の子が「すごい!」と羨ましがる声がした。
そのワンピを着用してダンスすると何やら点数が上がるらしく、子も大喜びだし私もこんなに喜ぶのならプリティリズムにこだわることもなかったかなと思ったりした。

約束は二回ということで、名残惜しそうにする子に言い聞かせゲーム台を後にした。
そして昨日、お迎えの時にまいこちゃんのママにカードと手紙のお礼をした。


「ありがとうございました、まいこちゃんの宝物、うちの子すごく喜んで早速昨日ゲームしに行ったんです。」

「いえいえ、でも迷惑だったかしらとも思って。まいこがどうしてもお手紙に入れたいと言うものですから。」


そんな会話をしていると、ボスママがやってきた。
役員の話かな?と思って会釈をすると、私をスルーしてまいこちゃんママに親しげに話し掛ける。
まいこちゃんママも途端にくだけた話し方になり、たちまち私の居場所は無くなった。

なんだか居心地が悪くなり、会話も私の知らない内容だった為逃げるように挨拶しその場を後にした。

「それじゃあ、また。」

まいこちゃんママは笑顔で会釈してくれたが、最後までボスママはスルーだった。
役員会でも目を合わせてくれないし、やっぱり私のことが気に入らないのだろう。

月曜からトーンダウン、子との帰り道にまたダブルパンチ。


「まいこちゃん、Yちゃんのお家に今日遊びに行くんだって。MちゃんとKちゃんもいるんだって。いいなぁ。OOも行きたい。
なんでOOはいつもお家でママと2人で遊ばなくちゃいけないの?ねぇ、なんで?」

涙を浮かべる子をなだめるように、スーパーに行きアイカツグミをおやつにと2つ購入した。
一番いけない、物を使って子をなだめようとするのは。
頭では分かっていても、子の涙に対する罪悪感を消し去りたかった。

「アイカツグミのカード、まいこちゃんに貰ったのと交換の分1枚ともう1枚はOOの分ね。」

「うん、わーい。何が出るかな?」

「だめ、お家で開けようね。」

玄関に入り、制服を脱ぎ着する間もなく子は封を開ける。
よくないよな、とまた思う。
でも、カードを見て瞳を輝かせる子を見ると、自分の縛りが解放された気になる。
それが一時のものだとしても。

たった二日でアイカツのカードは貰ったものと合わせて8枚になった。
馬鹿な私は2枚と言いながらも、子に内緒でこっそり他に3枚買ったのだ。

戸棚の奥に、またすぐに使うであろう免罪符のように、3枚のカードをひっそりと眠らせている。










関連記事
copyright (c) 隣の芝生 all rights reserved.

プロフィール

selinee

Author:selinee
FC2ブログへようこそ!

月別アーカイブ

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR