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バザー寸止め

図書館で借りてきた「人生がときめく片づけの魔法」ー一気に読み終えたら断捨離熱がヒートアップした。
それに伴い園でのバザー間近。


不要なものをあれこれ出し、そのどれもが売れそうもない代物だった。
お中元などにいただいたタオル類はいつもありがたく頂戴し使用しているし、新聞屋からの洗剤やラップなどもきっちり使用。
バザーにブランド物の食器やら雑貨を出すなんて勿体無いと思ってしまう性分だ。

それでも、園のママ達は紙袋一杯に新品同様の品物を出す。
私は去年に引き続き、粗品レベルの粗末な雑貨と、今年で子も園生活最後ということで唯一お古が認められている園の夏用グッズを出した。
一人当たり10点出さなければならず、役員達にチェックされるのでヒヤヒヤしたが、今年もなんとかセーフ。


実は、倉庫の中に夫もきっと忘れているであろう古酒が何本か眠っており、ブランデーやウイスキー、また日本酒だったのだがバザーに出そうか迷っていたら、ふとオークションでいくらくらいで売れるのだろうかと調べてみたところぶったまげた。


夫が貰って来た酒でも、倉庫行きのものは要らないものなので料理にでも使うよう支持されていたのだが、正直ブランデーなどは使い道がない。
それもあって、バザーに出そうと思い温めておいたのだが、価格を知り寸止め。
色々と調査し、以下のサイトに買取してもらおうかと思う。









お中元やお歳暮でよく貰うお酒、しかし好みもあるので全く手を付けないことが多々ある。
我が家には、高価な金や宝飾関係のものは殆どないけれど、酒も売買出来るというところは盲点だった。
我が家にある「レミーマルタン」、嬉しいことにかなりの臨時収入になりそうだ。
しかし、元手は夫絡みのものなので家庭の食費に還元しようと思う。
この週末も、すき焼きが食べたいという夫と共に買い物に出掛け、アメリカ産の1パック500g入りで980円の切り落とし牛肉を買うことが出来ず、国産の霜降り牛100g1050円の肉を500gを買う羽目になった。
機嫌が悪い夫を更に怒らせるのも嫌だったので、黙って財布から金を出したが実はへそくりからだった。
給料日前で、金の催促をするのは気が引けるし、今それを告げるタイミングではないような気がしたのだ。


しかし、大失態。春菊を買うのを忘れて結局良くなりかけた夫の機嫌は最悪の状態になった。
またリベンジしなくてはならない。





しかしいつまで夫の顔色を見ながら生活をしていかなければならないのか。
先日病院の待合室で読んでいた雑誌に、「夫源病チェック」というものがあり、見事殆どに当てはまった。
夫に生活費を上げてくれるよう何度も頼んでいるが、いくら機嫌が良い時にレシートを見せても「やりくりが悪い」の一括。
そして、独身時代の貯蓄から私がやりくりをしている事実を何となく知っているからもうそれが当たり前になっている。


そういう腹いせもあり、夫の不要である酒をバザーで出したことにしてこのサイトに売り払ってすっきりしようと思う。
面と向かって言いたいことが言えないことー、世の夫婦はどうなんだろう。
やはり、血の隔たりは果てしなく遠い。








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パンドラの箱

夫はまた仕事、雨だし外出するのも億劫で先程まで子と共にネットショッピングをしていた。
子供服、アウターをネットで安く手に入れられないかと思って見て回っていたが、子が欲しいというアウターは確かに可愛いがそのどれもが予算オーバー。
さて、どうしようか。

独身のある時期、金に困った事があるといったがつまりは借金をしていたということ。
仕事に追われ、人間関係に悩み精神的に病んだ時期だった。
ネットショッピングも今程認知されていない時代。

最初はただ物欲を満たす為だった。少ない手取りの中から欲しいものをあれこれ買った。
その頃は両親もまだ現役だったので、実家に入れているのはたったの3万。そして残りは全て自分の為の金だった。
見え張りだった私は、好きなブランドの新作が出ればすぐに飛びつきカードで買った。
給料日になると共に向かうのは百貨店。事前にチェックしていた服や靴を買いあさる。
給料日に金は振り込まれるが、その大半は数ヶ月前のカードの引き落としですぐにマイナスになるというのに。
まるで自転車操業のように、通帳残高はマイナスになったり少しのプラスになったりを繰り返していた。
段々残高を見るのも嫌になり、ある日ほんの出来心で消費者金融に手を出した。
1回こっきりーちょっとやってみようか。
遊び半分、手続きをするとすぐに審査も通り、現金を手に出来た時のあの高揚感は忘れられない。
まるで自分の口座がもう1つ出来たかのような錯覚に陥った。
簡単に金を引き出せ買いたいものが買える。
そして残高を気にする必要もない。
馬鹿な私は少し考えれば分かる事実から目をそむけ、レプリカの財布を手に入れたかのように気持ちも大きくなった。
雪だるま式に借金が増え、気がつくとその額は3ケタを超えていた。
夫と出会ったのもその頃。
結婚の話がチラホラ出始めて、初めて事の重大さに気がついたのだ。
それからがむしゃらに働き、Wワークもして借金は自力で返済出来た。
実家にはばれず、ボーナスも丸々貯金に充てたことで実家にまとまった金を置いて嫁に出ることも出来た。
ただ、結婚費用に関しては夫と折半出来るだけの金額に足りず、大半夫に出してもらったという負い目がある。


後出しジャンケンになってしまうが、そういう事情もあり夫に財布を握られている。
結婚してからは、夫から管理されていることで窮屈なところもあるけれど、その範囲でやりくりさえ出来ていれば文句を言われることもないし、また子が誕生したこともあり子の為の貯蓄も計画を持って出来ているように思う。



今年になり、内職をして自由な金がわずかばかり出来た。
それはパンドラの箱を開けてしまったようなもの。
ネットでワンクリックすると、早くて翌日には欲しいものが手に入る。
今はまだ本当に必要なもののみ購入しているつもりだ。
それでも夫に隠れて日時指定の宅配で届けてもらう。信用を失いそうになるのも怖いし、また金の出所をあれこれ詮索されるのも嫌だからだ。
しかし、たがが外れる日も近いのではないかと思うと不安になる。
自分自身をコントロール出来る自信がない。


あの頃、買い物をする行為と代償に自分が得ていたものは何だったのだろう。
買う服や靴ー、サイズもろくに確かめもせずに購入し、買ったままの袋の封を開けることすらせずにもう次に買いたいものを頭に思い描いて眠れなくなっていたあの頃。
買い物依存は更に進み、次第に買ったものは値札をつけたまま押入れにしまい込むようになった。
手に入れたことで味わう満足感、そしてまた新しいものを買うという行為。
まるで底なし沼にはまったような、ぽっかり空いた心を満たしたいような欲望。
おそらく、あの頃の自分の瞳は死んでいたのではないかと思う。
心、ここにあらずという感じ。




ここ数ヶ月、あの頃の感覚が少しだけ蘇りそうな気がして怖い。
ワンクリックで届く宅配物ー、先日購入した服が届き満足し、しばらく愛用するもまた溢れるように物欲が湧いてくる。
そしてまたたくさんのファッションサイトを徘徊している。




パンドラの箱を開けてしまったのだろうか。
ネットショッピングで目当ての品物をクリックしている時の自分の瞳は、あの頃と同じ虚ろな瞳をしているに違いない。



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ネット依存と占い

雨の日々、外出の予定がなければ自宅で引きこもる。
雨だから、家の外から楽しそうな未就園児達の声や若い母親達の声も聞こえないし、聞こえるのは工事中の機械音としとしと降る雨の音だけ。


普段はコーヒー党なのだが、今日は暖かいミルクティーの気分。150円で買った1リットル牛乳をマグカップにたっぷりと注ぎ、レンジでチンして別にお湯を沸かして紅茶を淹れる。この茶葉はお客様用として購入している高価な缶入り紅茶。普段は業務スーパで購入した安いティーパックなのだけれど、気持ちが落ちている時は自分の為だけに毎年大晦日に購入している1缶2000円程の茶葉を使うのだ。
夫はお茶をあまり飲まないが、年末になると大晦日のデパ地下に行きたがりあれこれ余分なものを買い込みたがる。
勿論お歳暮などの残り商品ー缶詰や油のセットなどが通常価格より安く売られているのはお得ではあるが、元値が高いのだからそうお得な買い物でもない。
しかし、年末は毎晩のように忘年会で気分の良い夫の財布は紐も緩むのが恒例のこと。それに便乗して、普段では手が出ないジャムやクッキーなどの嗜好品もここぞとばかり買ってもらうようにしている。


缶入り紅茶はお客様用前提だけれど、我が家にお客様は年に数回あるかどうか。そしてそのお客様は身内であることが殆どだ。
引越し前のママ友に声を掛けても、こちらが向こうに伺うことは快くしてくれるのにこちらに来るのは面倒なのか3回誘ってその3回都合が悪いと断られた。なので、さすがに4回誘うことには躊躇して会いたい時はこちらから出向くようにしている。



まいこちゃんママを自宅に呼ぶべきかー、昨日からそんなことばかり考えている。
礼儀としては、1度呼ばれたのだから呼ぶべきなのだろう。
しかし、何かがひっかかる。最近の彼女の言動に対しての不信感というか妙なわだかまりもそうだし、これ以上距離を詰めても別の悩みや縛りが出て来るような気がしてならない。
本能的な防衛反応が働いているのかもしれない。

誘ってもないのに誘うことを妄想しているだけで、どっと疲れてしまい今日は朝から何もしていない。
一応朝食と、今日もおかず5品以上の弁当を作ること、そして子の送迎の義務を果たしたら力尽きた。
洗濯も掃除も食器洗いもせずに朝からこうしてパソコンをいじっている。


ネット依存だと思う。
あるサイトのネット依存度チェックをしてみた。する必要がないくらいネット依存であることには違いないのにその設問で落ち込んだ。


Qーあなたが一日でネットに費やす時間は2時間以上?


Qーあなたが朝起きてまずはじめにすることはスマホをいじること?


Qー毎回巡回するサイトは10以上?


Qーブログを持っている?


Qーネットと繋がらない一日に耐えられる?


Qーラインやフェイスブックで友達と繋がってる?


Qーネットを通じて新しい友達が出来た?



これらの設問に、下の2つ以外は全て丸を付けた。
そしてネットにこんなにも依存しているというのに、リアルに友人が出来たり繋がったりなどの出会いが全くといってない事に愕然とした。

元彼のフェイスブックや奥さんのブログをこっそり見たり、見ず知らずのどこに住んでどんな顔をしてどんな声をしているのかも知らない、私にとってはテレビ画面の芸能人となんらかわりない距離感の一般市民が綴るお気に入りブログを閲覧したり、またお悩み掲示板を読み込んで自分に暗示をかけたり。
気分転換には雑誌をめくるようにファッションサイトを覗いて仮想ショッピングをしたり。


ネットに依存し過ぎて、自ら毎日を消えていく泡のように実感のないものにしている。
まだ子や夫がいるだけ、少しは人間らしい生活が出来ているが、もし一人だったらどうなってるのだろう。
一人ならば、まだ社会と繋がっていられたような気もする。
そしてどちらが自分に合っていて正解なのかは一生分からないこと。



寝つきが悪かった昨晩は、ネットで無料姓名判断をした。
女性は苗字が変わるーそして結婚前と結婚後で全く違う結果が出た。
結婚前の姓名では、人間関係は「温和・柔軟・円滑・信頼・誠実」と診断されたというのに、結婚後は「孤立・自滅・虚無・心弱・トラブル」というような結果だった。
何となく腑に落ちたような気がする。
占いには若い頃はまり、タロット占いや手相などの本格的なものから動物占いやキャラクター占いなど姓名からのおもしろ占いなるものなど多岐に及び手を出したが、最近はご無沙汰していた。
占いも、はまるとお金が掛かるものだし当初は敬遠していた。
しかし、以前働いていた職場の駅前でよく当たる人気占い師に酔った勢いで金を払い手相を占ってもらった時に、驚く程的確だったことから色々な占いにはまったのだ。



今、お金が十分にあったら間違いなく占いに投資するだろう。

何かにすがりたい、そんな思いを抱えながら日々くすぶっているからだ。
とにかく現状を脱したい気持ちなのだ。
まず直近に占いたいことーそれはまいこちゃんママを自宅に呼ぶべきか否か。こうした具体的な占いはやはり無料占いの中では不可能だ。
占い相談にお金を払うのはバカバカしいと思う人は多いだろうけれど、金を払う分彼らはとても親身に相談に乗ってくれるカウンセラーのようなものだ。それに付随して何らかの能力を使ってよりよい人生へと導いてくれる。
いつか、自由な金を手に入れたらー、今後の人生をじっくり占って貰いたい。


















ちなみに、動物占いで私は「狼」だ。
一匹狼になりきれていない、中途半端な寂しがり屋の狼だ。

























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物欲とブラックな気持ち

物欲が湧くのは健康な証拠だ。
何事にも無関心になる時、それは精神的に病んでいる時。
そして、今私は物欲に苛まれている。


子のダンスも本番に向けてブラッシュアップしているところ。
役員仕事のついでにちらっと教室に寄ると、子供達の練習風景を見ることが出来た。
こういう時、面倒な役を引き受けている特典が与えられたように思えて嬉しい。
廊下でこっそり練習を見ていたら、まいこちゃんママと遭遇した。お互い一人だったこともあり、気安い感じで挨拶して来る彼女。
正直先日のもやもやはまだ抜けない思いだったが、ここは大人の対応をすべきところ、笑顔で挨拶し返した。


「まいこがクレヨンの赤が切れたって言うもんだから。買いに来たの。今日は役員?」


「ええ。今日は配布資料作成の打ち合わせで。これ、宿題。」


ワードを何とか使えることで少しは役員仕事に貢献出来ている。雛形とメモが書かれた用紙の入ったファイルを彼女に見せた。


「すごいね。私PC全然だから。尊敬するー。」


「いや、全然すごくないです。雛形のファイルをちょいちょいって加工するだけだから。毎年中身のスケジュールを書き換えて、内容自体は同じだから。」


「それでもすごいよ。ファイルって意味も良く分かんないし。フォルダの事?ごめんね、本当機械音痴で。」


そう言ってはにかむ彼女は、決して悪い風には見えなかった。
素直で感じが良くてー、それでいてとっつき易い。


しばらく二人で子供達の練習風景を眺めていた。
すると、


「いきなりこんな質問って何だけど、OOさんって服とかどこで買ってるの?」


「え?あー、殆ど通販です。」


その日は先日お気に入り通販で購入したワイン色のゆったりニットを着用していた。
肌寒くなって来た時期、ゆるっと着れて暖かく、案外ざぶざぶ洗濯しても大丈夫で重宝している。
ボトムは普通のスキニーパンツだ。
ニットは洗濯ネットに入れれば普通洗いをしても大丈夫なので使い勝手も良い。


「そのニット、可愛いね。」



そう褒められて驚いた。
何の変哲もない、シンプルなニットだというのに。むしろ彼女が身につけているデニム生地のワンピとグレーのツイード柄ダウンベストの方が素敵だ。素直にそう褒めると、途端に彼女の顔が曇った。



「このジャケット、無印O品で買ったんだけどね、N君ママに真似されちゃった。」


「・・・・・」


「あの人、私が持ってるものいつも素敵ーとか言いながらどこで買ったか聞いて来るんだけどね。数日経つと同じもの着て来るの。困るんだよね。なんか気持ち悪い。」


N君ママとはボスママの事だ。
そういえばー、この日の役員集まりで、ボスママはこのダウンジャケットを着ていたような気がする。色合いは茶系だったような気がしないでもないけれど、確かに同じようなものだった。


「私、ブランド物があまり好きじゃないから、ジャーナルとかアローズで小物とか買うんだけどね、それもこれまでに真似されたの。正直引くよね。ブランドだったらかぶっても仕方ないと思うけど、このトートもいずれ真似されるよ。今朝どこで買ったか聞かれたもん。」


そう言って、ハラコ素材の一部分がレオパード柄になったトートを私に見せた。
確かに素敵なバッグで、私もいいなと思ったがそれを真似したいとまでは思わなかった。



「他のママ達も薄々気がついてても何も言ってくれないし。しかも私の方が真似してるって思われてるかも。だって二人きりの時に色々聞いて来るんだよね、ちょっと嫌らしくない?」


同意を求められたが、曖昧に笑い返すことしか出来ずにいた。
丁度そこでお昼のチャイムが鳴り、買い物に行かないとと言い彼女と別れた。
まだ話し足りないような表情の彼女だったが、それでも笑顔を作って手を振ってくれた。


しかし、同日のお迎えでは目も合わせてはくれなかった。
そして、彼女はいつものように群れの中で楽しそうに笑っていたが、今朝着ていたダウンベストはブラックウォッチのストールに変更されていたのだ。
ボスママはしっかりあの色違いのダウンベストを着用しているのを見た。


彼女には悪いが、少し笑えた。

どうせなら、仲良く同じ格好で同じ群れの中楽しくやればいいじゃないの。
意地悪な私はそんなことを思った。



しかし、彼女にニットを褒められた事で、妙に気持ちが高揚してもっとセンスの良い格好をしたいと思うようになった。
物欲がそうしてフツフツと湧くと、その日はずっとネットサーフィンでアウターや冬小物を色々と見て回った。
買い物かごに入れ、また出してを繰り返す一人遊び。


結局購入までに至らなかったが、その日は妙に愉快な気持ちだった。




















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友人からの葉書

送迎で、誰ともしゃべらず目も合わず一日が終わる瞬間ー支えになるもの、それが自分宛の手紙。
ポストに届く殆どは、不動産のチラシやダイレクトメール、夫の仕事関係の書類。
これからはそれに喪中葉書が加わるだろう。




この週末、友人から葉書が届いた。
古くからの友人で、結婚し出産してからはめっきり会うこともなくなったがこうして年に数回連絡をくれる。
結婚したばかりの頃、それまでと同様彼女と仲良くしていたら夫が酷くヤキモチを焼いた。
彼女からの着信に舌打ちをし、彼女と出掛けた日は機嫌が悪く数日間口を利いてくれないという有様だった。
ママ友とは違う、夫と出会う前の私を知っている友人は、妙な独占欲が強い夫にとってけむたい存在であるようだった。
彼女と数年前に電話をしていたら、夫がどんどんリビングで機嫌が悪くなっていく様子が目に入り心ここにあらずの受け答えをしていた私に、彼女は何となく状況を察してかそれからメッキリ電話やメールを寄越さなくなった。


彼女は私よりも少し年上でお姉さん的存在でもある。結婚はしていない。
旅先からのその葉書を、夫に見られないようさっと隠した。
数少ない交友関係だというのにこそこそしなくてはならないこと、当初はそれに戸惑い落ち込んだりもしたが今ではそういった感覚さえ鈍くなっている。


夫が入浴中に、隠していた葉書を取り出しじっくり読んだ。
それはたった5行の彼女の近況さえもよく分からない旅先からの葉書で、しかしその字面から生き生きと過ごす彼女の様子が見て取れた。
そして、その小さな葉書いっぱいには彼女の見慣れたイラストが描かれており、横に添えられた5行の言葉に胸が詰まった。
心の奥の敏感でやわい部分を直接触れられたようなー


独身という人生を選択した彼女ー、子供を作らないという人生を選択せざる得なかった彼女ー
契約社員をしながら、お金を貯めてはこうして一人旅を計画し実行してる彼女。
正直、心の中で寂しい人生だなって彼女を哀れんだ時期もあった。
自分だけの為に働き、自分だけの為に金を貯め、自分だけの為に消費していく人生。
人様の人生にあれこれランクをつけるのはナンセンスだが、それでももう少し違う人生が彼女にはあるのではないかなんて思ったりしていた。
それくらい、彼女は私から見て才能のある人なのだ。


彼女の趣味はイラストで、それに簡単な言葉を書いて路上で販売する事。
美大を出て、就職がうまくいかず私が働いていたアルバイト先に取り敢えずツナギで入って来たのが出会い。
並行して就職活動をしていたようだったが、彼女の才能を認める企業に出会えず、気がつけば彼女と春夏秋冬3度を共に職場で過ごした。
ウマが合った。
何より、互いに沈黙でも自然だった。
歳の近い姉がもしいたら、こうだったのかなと思ったりもした。
仕事休みの時は、彼女の路上販売先まで冷やかし半分差し入れを持って行き、そこで店番を任されたこともあった。
今で言う副業だが、画材代や場所代、また色々な雑費で儲けは殆どないようだった。両親からはいい加減にちゃんとした仕事をーそう言われアルバイトが3年経った頃に小さな不動産屋の契約事務社員に転職した。


彼女とはもう何年も会っていない、どうしているだろう。
こちらから電話やメールをすれば良いことなのにそれが出来ない。
なんとなく、彼女の立場に立つと出来ないのだ。
彼女が以前私に放った言葉、


「あなたは何でも持っている、私からしたら完璧な人生ね。」


若い頃、子宮の病気で手術をし、子供を産めない体になった彼女。
それから男性と距離を置いて付き合うようになり、そのどの交際も長続きしない。
そして、一人が気楽だからと彼女は彼女の殻に閉じこもるようになった。
反対に、トントン拍子に結婚が決まり、子を出産して安定した生活を送っているように見える私は、彼女にとって「昔友人だった人」にすぎないのかもしれない。年に数回葉書を交わすだけの。それ以上でもそれ以下でもないー


女同士は難しい。
ライフスタイルが目まぐるしく変わる、それにうまく適応出来る人間が女であることに向いているタイプなのかもしれない。
私は結婚し、子供を産んだけれど、いつもどこか枠からはみ出たような心もとなさを抱えているような気がする。



今朝もまた、送りの母親達の群れの外でそんなことを思う。
まるで外国語のラジオを聴いているような、そんなけたたましくも全く馴染めない音に耳を塞ぎたい衝動に駆られる。

そして置かれた環境は全く違えど、同じようなリズムを奏でる彼女からの葉書が、心にすっと馴染み浸透していくのだ。
彼女の癖のある文字を指でなぞると、あの時ありのままでいられた空気を肌で感じる事が出来た。









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夫の船着場

「これ、もう一度やり直し。」


そう言って朝一番、アイロンをかけたはずのワイシャツを渡された。
昨日の夜にしっかり糊も効かせてプレスしたはずなのだが、近頃仕事のストレスがたまっている夫は何かとこういうことでうさ晴らしをする傾向がある。

「え?どこがダメだった?」


「言わなくちゃ分からない?」

そうして大げさに深い溜息をつくと、裾の少しのよれの部分を指さした。
どうせズボンにインするのだから、くしゃくしゃになる部分だ。
しかし、逆らったところで夫はますます不機嫌になるし、そもそも私が最初からきちんとやれば文句を言われなかったのだから仕方ない。


「ごめんなさい。やり直しておきます。」


夫はクリーニングアレルギーだと言いながらクリーニングを嫌がる。
スーツやコートも自宅で丸洗いを強要する。
そしてその仕上がりを逐一チェックし、あれこれ文句をつけてくるので自宅の本棚には「ホームクリーニングの手引書」なるものが何冊か揃っている。
本当はケチってるのだ。以前、ワイシャツをクリーニングに出すのなんて主婦の怠けだと言っていたことがあるし、またこの金額で昼飯が食えるとかなんとか言っているのを耳にしたことがある。
で、アイロンがけは結婚してから私の仕事の一つなのだが、一番神経を使うと言っても過言ではない作業。

夫のこだわりは神経質で気分が大半を占めているからタチが悪い。
この頃のように、仕事がうまくいっていない時は歴然だ。同じことをしても機嫌の良い時では絶対スルーだというのに。


夫の機嫌がおさまるまでは、朝食もぬかりなくせねばならない。
間違ってもトーストなんて出すのは御法度だ。絶対に味噌汁と一汁三菜の和定食。
それでも今日は味噌汁がうすいだの、熱すぎるなどの小言があった。



朝一で消耗すると、それが終わって休む間もなく子を園まで送迎しなくてはならない。
そこでも神経をすり減らし、疲労困憊。
自宅に戻るとどっと疲れが出てもう一度布団を敷いて横になるという始末だ。
機嫌が悪い夫がこの週末は休みだったため、どこにも出掛けないというのに本当に疲れた。
ずっと自室にこもって子と遊ぶわけでもなく、それでもご飯の時に呼びに行くとぶつくさ文句を言いながら出てきては出した食事にケチをつける。
子に対しても生返事ーしかし子に当たるということがない点については胸をなでおろしている。
子もなんとなく察していてか、そういう時期の夫には絡まない。




「専業主婦はいいよな。」


出勤間際、玄関先で言われた一言がまだ心に残っている。
それに対し、反論する気はないけれどなんだかとてつもなく悲しい気持ちになった。
しかし、ぐっとこらえて笑顔で送り出した。


私が私のテリトリーの中でもがくのと同時に、夫も夫のテリトリーの中で必死にもがいているのだろう。そしてそれは食っていく為の生活がかかっているのだから、私が思う以上にどす黒く荒い波の中なのかもしれない。


妻として出来ることは、船着場でひっそり待つことだけ。
ただただ無事に今日も生還してくる夫を、そっと受け入れるということだけだ。




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おばあさんとの会話

今週もなんとか過ごせた。
人付き合いは相変わらずで、もう園生活も残すところ半年を切ったこともあり頑張り過ぎても空回り疲れるだけだと思うようになった今日この頃。

検診は単独で行くことになりそうだが、昨夜はネットで同じような体験談をいくつか読み込み「大したことではない」と思い込む訓練をした。

ー大したことではない。


私は子供の頃から繊細で、小さな事にあれこれ気を揉む性格だった。
仲良くなった友達からは「優しいね」と言われ、教師からは「真面目だ」と言われ、バイト先の店長には「気が利く」と褒められた。
勿論そう褒められるようになった過程として、神経を必要以上にすり減らし、胃に穴が空く程の細心の注意を払っていたという事実があるのだが。
それでも表向きはにこにこしていて、根アカとまでは言われないけれど「感じが良いお嬢さん」だとご近所のおばさま達やおじさま達の評判だった。


彼らが今の私を見たらどう思うだろう。
きっと私だと気がつかないだろうし、スルーされることは確実だ。
しかし、昨日はそんな遠い昔のことを思い出す出来事があった。



子が遊び足りず、一旦自宅に帰ると団地の周りで自転車の練習をすることになった。
すると、あの新聞を褒めてくれた近所のおばあさんが両手に大きな買い物袋を下げて歩いて来るのが見えたのだ。


目が合うと、目を細めてこちらに向かって挨拶をしてくれた。

「こんにちは、お買い物ですか?」


「えぇ、駅前までね。いつもは宅配なんだけれど、天気もいいし気分転換。でも失敗しました。やっぱり慣れないことすると駄目ね。」


「お手伝いします。」

彼女の返事を聞かないうちに、彼女が持っていた荷物を受け取っていた。
後から思えば、少しばかり行き過ぎた行動だったが、拒否されることもなくお礼を言われたのでほっとした。


「どうもありがとう、オタク、本当にいい人ね。」


いい人なんて言われたのは何年ぶりだろう。心がぽっと暖かくなり、このおばあさんの役に立ちたい!と妙なくすぐったい使命感まで湧いてきた。
たかが買い物袋を持っただけで、なんと大げさなのだろうと自分が可笑しい。



「自転車の練習しているのね。ちょっと見て行ってもいいかしら?」


通りのベンチにおばあさんは腰を掛けて、それから荷物は隣に置いてくれと言われたのでそうすると荷物の中からごそごそと何かを取り出した。

袋詰めされたヤクOトを3つ取り出し、私と子の分として手渡してくれたのだ。



「ちょっと休憩、お茶しましょう。」


練習中の子を呼び、3人でベンチに腰掛けいただいた飲み物を飲んだ。
小さな小さな容器に入ったその飲み物は、乾いた喉を潤すのと同時に何か別の所にある乾きまで潤してくれたようだった。
世間話をし、最近の台風のことだったり夕飯は何にしようかだったり、またおばあさんの好きなテレビの話や本の話、私は殆どそれを聞くだけだったが、素直にすべての言葉が胸に浸透し、そして驚いたことに心底楽しかった。
勿論年配の方相手だから気を遣うところがあるけれど、それは園ママ達といる時との気遣いとは全く違う種類のもので、優しい語り口調とリズムに包み込まれるような安心感をおぼえた。
そして、また新聞のことをあれこれ聞かれそれに答えた。
スクラップにしてくれていると聞き、本当に嬉しかった。
おばあさんにとって、私の存在が微々たるものであっても必要なものであるように感じたし、そして私にとってもそれは同じ思いだった。
なんとなく気持ちが通じるというのはこういうことなのかもしれない。
全く世代もライフスタイルも違う、自分の親以上の年の差がある彼女に対し、もっともっと仲良くなりたいという気持ちが芽生えたのだ。


「私、なんだか久しぶりに人としゃべったような気がします。家族以外でこんなに気持ちが満足することってなかったから。」

おばあさんは私のその言葉に驚くこともなくにっこり微笑みながら、


「オタクは素直なお嬢さんなのね。主婦って誰もが孤独を感じるものよ。どんなに一つ屋根の下大所帯で暮らしていても。孤独じゃない主婦はいないし、真面目に何でも頑張ろうとすればする程女は孤独を感じやすい生き物なの。女性は母親と繋がってるへその緒を切った瞬間から孤独への修行が始まってるの。肩の力をふっと抜いてー、それも難しいと感じることは人生にはつきものだけれど、自分を労わる気持ちを大切にして、それが回り回って周囲の人達を大切にすることに繋がるからね。
そしてね、寂しいと感じることは悪いことじゃないのよ。感じなくなった時にはもう手遅れなの。寂しさは人を強くするし、そして優しくもする。暖かい人間は孤独を知っている人間だということを忘れないで。」



そんな風な事を語ってくれ、一息ついた彼女は立ち上がると私が手伝うという言葉を丁寧に断り、


「また会いましょう。私も若い方と色々話せて楽しかったわ、ありがとう。」


そう言って小さく会釈して去って行った。
しばらく子と彼女の背中が小さくなるまで見送っていたが、彼女の姿が見えなくなっても胸の奥は暖かなままだった。
そういえば、私と子が飲んだ空き容器がいつの間にかなくなっていた。
きっと彼女が持って行ってくれたのだろう。


さりげない気遣いに、おばあさんの優しさと包容力を感じた一日だった。















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就学児検診の通知

就学児検診の通知が届いた。


そこにはこれから通う小学校と集合時間が記載されており、親子で行くも検診中は別行動だとのこと。
途端に暗い気持ちになる。


昨日は台風だった為、11時登園だった。
短時間保育だったこともあり、その多くのママ連中はランチからのお迎えで、ひっきりなしにその話題で盛り上がっていたー、就学児検診もランチ集合してから皆で連れ立って行くのだろう。
勿論、私は誰からもお声が掛かることはない。
まいこちゃんママはボスママ達と待ち合わせていくのだろう。
単独で行くのはきっと保育園出身の親子くらいかもしれない。
もしくは学区外ー


学区外に行けたら、環境もがらりと変わり私も以前のようにキラキラとしたママライフを送れるかも。
一度貼られてしまったレッテルを払拭することは難しく、結局役員を頑張っていてもそれなりの顔見知りは出来たものの、「それなり以上」には発展しない。
ただ、他のクラスのママ達が会釈をしてくれるようになったのが進展。



「おつかれ!」


お迎えし、園庭で遊ぶ子をぼーっと眺めていると突然声を掛けられた。
孤高の人だった。
驚いたが、気持ちがぱーっと明るくなり笑顔で挨拶をし返すことが出来た。


「こんにちは、久しぶりですね、今日はお休みですか?」

「うん、ちょっと体調不良でね。休暇もらったの。」


一瞬ーもしかして二人目?なんて勝手に想像し複雑な気持ちになりつつも、珍しくワンピース姿の彼女の腹部をちら見してしまった自分を恥じる。



「就学児検診だね、もう小学生だよ。」


「はい、そうですね。さなちゃんは何時集合ですか?」


「うちは13時。昼食べたらすぐ行かないとね。」





うちの子と全く同じ時間だったので、彼女から一緒に行こうと誘ってはくれないかとスケベ心がのぞいた。






「うちの子も13時なんですよね。同じですね。」



これが精一杯の誘ってアピールだ。勇気を出して自分から誘うことが出来ず歯痒いが、なんとか彼女から声を掛けてはくれないかとリアクションを待つ。
今のところ彼女は誰かと待ち合わせしている様子もないし、自然の流れでそうはならないだろうかと。



「あ、そうなんだ。じゃあ向こうで会うかもね。」



しかし、帰って来たのはあっけなくもドライなリアクションだった。
それに対して、全く気にしてない風を装いながらもへらへら笑う自分がいた。
あのダンスを教えるというお誘いから一向に進展がなかったことや妙な焦り、そして今しかない!という無理やりな思い込みで更に彼女に詰め寄った。



「あの、ダンスー都合のいい時うちの子に教えてもらえませんか?」


「え?あぁ。でもOOさんって忙しいんじゃない?いつも皆そう言ってるよ。」



ー皆?忙しい?誰が?

頭が混乱しうまく呼吸が出来なくなる。それに追い打ちを掛けるように、



「OOさん働いてるんでしょう?いつも送りは一番だし、帰りも結構すぐに帰ること多いらしいし。なんだかいつも忙しそうにしてるから。」



確かにー、園庭では送り迎えのママ達の空気にいたたまれず、すぐその場を後にすることが多い。
それは忙しいからではなく、持て余すからだ。
持て余し、その状態を誰かに見られてあれこれ思われることが嫌だからそそくさと立ち去るのだ。
本当ならば、子の為にも園庭でおしゃべりをして楽しそうにしているママになりたい。
無駄話をしながら、たまに子の様子を見つつ、子には門が閉まるギリギリの時間まで思い切り遊ばせたい。
そしてその流れから公園に行ったり、また誰かのお宅にお邪魔したり招いたり、そんな付き合いが出来たらどんなに子は喜ぶだろう。
罪悪感からか、自分の体調が良い時には週に1~2度は園庭で遊ばせているが、それ以上の日数は精神的に限界だ。
だから、買い物だとか病院だとか何かしらある風を装い、まだまだ遊びたい雰囲気の子を引っ張り連れて帰る。
きっと、その様子を誰かが見て尾ひれ背びれつけて噂話にしたのだろう。



「ええ、実はちょっと働いてるんです。それもあって忙しくて。」


しかし、次に口から出たのは思いとは反した嘘だらけの台詞だった。
それからどんな仕事をしてるのだとか色々と聞かれそうになる空気を遮り、またいつものように忙しい風を装い孤高の人にさよならの挨拶をし、楽しそうに遊ぶ子の元へ行き手招きをする。


「帰るよ、もう時間がないから。」


「えー。嫌だ。」


「駄目、早くしないと!」



時間はたっぷりあるし、早くする必要もないというのにまた親の都合で子を振り回す。
子は納得のいかない表情をしながらも、遊んでいた子供達にさよならをすると私の手を取り素直に門へと向かった。
心の中でごめんね、と謝りー、そしてちらっと孤高の人を見るとYちゃんママ達と楽しそうに手を叩いて笑い合っている。



ばっかみたいー


本当に自分は大馬鹿だーそして嘘つきだ。
情けない思いで、駐輪場へ行き子を荷台に乗せ園を後にする。
ふと前方に目を落とすと、自転車のかごの中でカラスの羽が一枚くるくる行ったり来たりを繰り返していた。










































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遠のいた親近感

引きこもりカテゴリーではないけれど、とあるカテゴリーのブロガーさんが書くブログを読むのが毎日の日課だ。
彼女も私と同じく子供が1人、年中の男の子だ。
一昨年からそのブログの存在を知り、自分と同じようなことで悩みながらも日々を楽しく過ごそうと頑張っている彼女に勝手な親近感を抱いていた。

彼女の息子さんが今年、2年保育で幼稚園に入った。
入園前は近所付き合いもうまくいかず、公園に思い切って行ってみたもののうまく馴染めず、精神安定剤を飲みながらそれでも支援センターに通っていたようだった。
しかし、その支援センターで彼女の息子さんが他の子を怪我させて以来、また密室育児が始まったようだった。
それからというものの自宅に引きこもり、精神的に鬱病もわずらい通院しながら家事と育児をされていた。
酷い時には、まだ独身の妹さんが泊まりこみで子供の世話をしに来てくれているようだった。
実母さんとは折り合いが悪く頼れないらしいが、それでも頼れる妹がいるという姉妹関係が羨ましかった。
ガーデニングが趣味らしく、建てたばかりの家に花を植えては写真を撮り、それを記事にしていた。
ご主人は単身赴任で、女性関係で色々と不信感もあるようで、私とは種類が違うが夫婦関係もあまりよくなく子供を頼りにしているところも同じ。

私と違う唯一の点は、彼女は金銭的に困っていることはないようで、部屋のインテリアや食器や雑貨などはとてもハイセンス。
ブログ村のインテリアカテゴリーに属していたら、きっと上位ランキングするのではないかと思う。
そんなお洒落で素敵なセンスを持つ彼女、花が大好きで可愛らしい雰囲気の彼女ーそんな一見魅力的な彼女もママ友がおらず、日々苦しんでいるようだった。
今年から入園した園では、年少グループの母親達が幅を利かせているようで途中入園組は少数。私も去年はそうだったから彼女の気持ちが痛いほど分かる。
入園したてのランチ会の翌日は数日寝込んでいたようだった。
そんな彼女を密かに応援しつつ、まるで自分を見ているようだった。
孤独感に苛まれるとそのブログにお邪魔し、そして共感しながらさっきまであったはずの孤独感が和らいでいるのだ。
まるで、彼女のブログは「駆け込み寺」のような存在だった。


そんな彼女のブログがここ数週間更新されていなかった。
心配だったがコメント欄も閉じているし、それでも毎朝毎晩チェックした。ちょっとしたストーカーのようだな、そう思いながらも彼女のブログを覗くことがやめられなかった。

そうしてこの間、「誕生日」(ブログ特定されると困るので、題名はそのままではありません)という題名で記事が更新されていた。待ち焦がれていた更新。胸が高鳴った。
息子さんの誕生日かな、そう思い記事を読むとどうやら彼女自身の誕生日だったらしい。
アップされた記事の写真何枚かには、プレゼントと思われる様々な品物があり、そのどれもが色とりどりで華やかだった。


彼女の誕生日ー


ママ友がおらず、寂しい。
孤独だ。登園拒否気味だー、行事が怖い。
精神科で薬を貰って来た、1日中布団の中だ。
そんなことをつらつらと綴っていた彼女。
しかし誕生日にはこうして祝ってくれる友人がたくさんいたのだった。
ロク〇タンのギフトセットだったり、多肉植物のオリジナルな寄席植えだったり、可愛い北欧風のかごに詰められたお菓子や雑貨、素敵なマグカップ、そして綺麗な花束の数々。
ママ友からではないにしても、彼女の生きてきた所々で知り合って来た友人達はこうして毎年彼女の誕生日を祝ってくれるのだ。
それに輪を掛けて、ご主人からは素敵な一粒パールのネックレスをプレゼントされていた。
パソコン画面にうつるキラキラが眩し過ぎて、途端に胸が苦しくなった。


ー十分幸せではないか。


もやもやとする気持ち。
人の幸せを妬む、嫌な自分。
勝手に自分と同じ境遇だと、ただパソコンを隔てただけの世界から垣間見える私生活を全てと捉え、そしてそれにはまり込み勝手な親近感を抱き、そして何の前触れもなく突き放されたようなー


「こうして自分の誕生した日を祝ってくれる、そんな友人や家族がいることを忘れてはならない。感謝です。」


そうブログは締めくくられていた。
なんとなく裏切られたような、そしてどうにもこうにも切ない気持ちになり、気がつくとパソコンを閉じていた。
そして、それからは彼女のブログから遠のいている。
怖いのだ。
彼女が幸せになる日も遠くない。
きっと、次の更新にはママ友が出来て、家にお邪魔して招いて、それからランチやホームパーティーをして。
あれほど誕生日を祝ってくれる友人がいるのだから、ママ友が出来るのも時間の問題だ。
応援していたはずなのに、結局私は彼女が幸せになるのが怖いのだ。


人の不幸は蜜の味ー


結局自分はそんな闇を抱えて生きている。
そんな蜜を舐め続けていても、乾いた喉は潤わないということを知りながらも。















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加齢と健康維持

昨日は通院先の病院で、年に数回の検診の結果を貰ってきた。
結果は良好ではあったのだけれど、数値が良くないものもあり、帰りの図書館で色々と食事療法だとか生活習慣の見直しをしようと調べ物をして来た。
その中で、「玉ねぎ健康法」というものがあり、去年ブームにのって自宅で玉ねぎをミキサーなどでつぶしてから氷にして食べることにはまった時期があったが、やはり面倒になり1週間も続かなかったというその健康法についての書籍を読み漁った。
私は血糖値も持病の関係から異常に高く、勿論薬でコントロールしているのだが無理をするとたちまち調子が悪くなる。
夫が毎食味噌汁を飲まないとダメな人なので、私も飲んでいたところ途端に血糖値が上がったので夫の体も心配なのだがやはり体質なのか、夫の健康診断の結果はいたって正常だ。

このままずっとこの調子では、きっと二人目を妊娠し出産するのは無理だろう。
年齢もどんどん上がって最近焦りが出て来ている。まずは自分の体を万全の状況にし、それから家族計画を考えなければならない。

糖尿病やガン予防、また骨密度を増やす役割や脳や心臓を健康にするという玉ねぎには「ケルセチン」という成分が入っており、アレルギー体質も緩和出来るそうだ。例えば花粉症などのアレルギーにも効能があるという。















ハウス食品が今月から販売しているこのサプリ、玉ねぎの臭みもサプリなら全く感じることもないしなんといっても食品メーカーが出しているものだから安心出来る。
サプリを購入するとカレールーもおまけでついてくるという特典付き。




加齢と共に弱くなりつつある身体を、健康に長持ちさせるために出来るだけのことはしていきたいと思う。
次の検診の結果次第で、やはり二人目を考えたい。
少しでも数値を正常値に戻し、考えるというステージに上がりたい。
今のままではリスクが高すぎる。





今日も夫は仕事。1日暑くなりそうだが子と一緒にこれから買い物がてら公園にでも行こうかと思う。

























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不自然な彼女

今日は通院日。
午後をまたぐので子は預かり保育にした。
預かり保育料がこの園はばか高く、なかなか気軽に出来ないのが悩みの種。
もう少し安かったらちょくちょく利用出来て子も喜ぶのに、我が家の財布事情でそれは無理な話だ。


病院は昼からなので少しだけのんびり出来る。
なので、気持ちを安定させる為にこうしてブログを書く。


今朝、送りに行くとまいこちゃんママがおり、挨拶から先日お邪魔したお礼を言おうとしたのだけれど隣にスネオママがいたからなのか、彼女の様子に違和感を感じた。


「おはようございます、先日はー」


「おはようございます!あ!そうだそうだ!まいこー!!」


と物凄い勢いで教室のまいこちゃんを呼びつけ何やら話している。
彼女の隣にいたスネオママが不思議そうな顔で彼女を見た後、ちらっと私を一瞥するがすぐに自分の子供の靴を靴箱から取り出し何やら子供に向かって語りかけていた。

まいこちゃんママのその様子ですぐにぴんと来た。
知られたくないのだ。
私を自宅に招いたこと、個人的に会っていたことを。
それを悟り、早々に先生に挨拶をして園を後にした。
なんだか胸元がざわざわし、面白くないような、そしてあぁやっぱりなという気持ちー、その後彼女はずるい人だと思った。

私は彼女にとって「恥ずかしい存在」なのだろう。
周囲には、園で挨拶と少しの立ち話を私とすることで「誰にでも対応を変えない良い人」を演じたいのだ。
しかし、群れから抜けることは避けたいので私個人と付き合っていることがばれて彼女も「変な人」というレッテルを貼られるのが嫌なのだ。


彼女のあの不自然すぎる慌てぶりは、私をどんどんネガティブな感情へと導く行為だった。
朝、雨上がりの清清しさは一転し、途端にまとわりつく湿気のようなマイナス思考が次から次へと私の心を支配する。
器の大きい人ーっているのだろうか。
誰にでも態度を変えない人っているのだろうか。
利害関係なくしての人付き合いはきっと子の年齢くらいからなくなっていき、段々と計算しながら人間関係を築き上げていくようになるのかもしれない。



通院日、今日は終わったら時間もあるので例の図書館に行こうかと思う。
あの場に行くと癒されるし、孤独感はたちまち薄らぐ。
あそこは自宅とはまた別の「私の居場所」だ。
同じような仲間が本の世界で羽を伸ばしているーそう想像すると心安らぐ。
傷つき汚れた羽が、羽ばたきたくなる気持ちを再び呼び起こしてくれると信じている。










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オセロ

まいこちゃんのお宅にお邪魔した。
予想通り、それは素敵なお宅だった。
子は大喜びではしゃぎ回り、出窓に飾られている高価そうなキャンドルだとかオブジェだとかに触ろうとするので壊してはしまわないかとヒヤヒヤした。
手土産はとても喜ばれた。正解だったのだーそう思い安堵した。

リビングはとても広く、家具も高価で雑貨も素敵で、まるでインテリア雑誌の1ページを眺めているような感じ。
ダイニングの壁はペールグリーン、子供部屋はピンク色の壁とカラフルで明るいお宅だった。
家具はおそらくヴィンテージだろう。素敵だと褒めると、なんとパソコン机は英国の医療台を改造しているとのことだった。
雑貨も可愛らしく、さすが女の子2人がいるお宅という雰囲気なのに、そこに子供っぽさや乱雑な感じはなく統一感があり、絵本の収納も表紙を見せる収納でまるでお洒落なカフェのよう。

子供達にと、お菓子が配膳されたのだが、そのトレイは動物柄の可愛らしいメラミン素材のもので北欧アーティストデザインのものだと聞いた。
はりねずみやりんご、ライオンなどぱっきりとした愛嬌のあるお皿にお菓子は載せられ、子もしきりに「可愛い!可愛い!」と大喜びだった。


私に出されたお茶も、インテリアブログで何度か目にしたことのある葉っぱが絵付けされたカップアンドソーサーに淹れられており、アールグレーの風味が抜群に美味しかった。



雑談はスムーズに進んだ。
酵素サプリを続けて2ヶ月で3キロ痩せたことにお礼を言われたりしたことについては、ボスママの例の一件がありもやっとした気持ちになったが、棚にある可愛らしい瓶に酵素サプリが補充されているのを目にしたら、本当に定期購買にして彼女自身が購入した分を分け与えたのだと思い、彼女に対する不信感が払拭された。
雑談は楽しく、私も久しぶりに声を上げて笑った。

まいこちゃんと子も秋のダンスコンクールの踊りの振り付けを、音楽をかけながら何度も何度も練習したりアイカツカードで遊んだりしているようだった。
和やかなムードが流れ、ああ、やっぱり人とこうして話すのっていいなと思っていた。


すると、彼女がボスママ宅でのホームパーティーに参加した時の話をし出した。
それまでの高かったトーンが少し下がり、次第にこれはグチなのか?と思える内容のあれこれを私にぶちまける。
彼女の家で持ち寄りパーティーをした時、1品だけでポテトサラダとかでいいよと言われ、実際行ってみたらメンバー全てがメインとサブのおかずを持って来ていたーだとか。
周囲はスペアリブやら煮込みやら手作りパンやラザニアだとかの1品とマリネ系サラダだったり手作りデザートを持って来ていて、ポテトサラダだけだった自分はみじめだったこと。
そしてそのポテトサラダに箸をつけるものは殆どなく、自分ばかりが箸を運んで嫌な気持ちになったこと。
何て答えたらよいのか分からず、ただふんふん聞いているだけしかなかったが、あの輪で楽しそうにしていると思っていた彼女は実際そうでもないことが分かり、それで私をはけ口にしているのだと知ると途端に残念な気持ちになった。


嫌なら抜けて一緒にいようー


もし私がランドセルを背負っていた頃ならばそう告げただろう。
しかしそんなことを言う勇気もなく、


「気にし過ぎだと思いますよ。小さい子がいるし準備も大変だと気遣われたのかもしれないし。」

と当たり障りのない返答をした。
釈然としない表情の彼女は、夏休みは彼女らとキャンプに行き疲れたーだとか、ランチも定例になって欠席しずらい雰囲気ーだとか、きっとボスママやスネオママがこの事を知ったら途端にはぶられるだろう内容を私に吐き出す。


全て吐き出した後ですっきりした表情の彼女は、

「また時間ある時話聞いてね。」

とすっかり信頼しきったような顔で笑顔を作った。
私はただ聞くだけだったけれど、なんだか心の奥に引っかかるものを感じた。
とても良い人ーそう思っていただけにいつも一緒に楽しそうにしているメンバーのグチを他人に話せるという神経も疑うところがあったし、そしてその対象が私というのも私が人間スピーカーでもなく、またそれを流せるママ友もいないということを知ってのことだ、そう思うとなんだか虚しくなった。
彼女にとって、私の存在は「王様の耳はロバの耳」と言えるツボなのだ。

彼女はオセロで、私は彼女の黒も白も知ってしまった今ーなんだかひどく消耗しているのだった。












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手土産の中に見栄

昨夜はドキドキしていてうまく眠れなかった。
まいこちゃんママのお宅に招かれたのだ。
天にも昇る気持ちだった。
今週の早帰りの週、一旦それぞれ自宅でランチを取ってからの2時くらいから会うことになった。
初めてのお友達宅訪問に、わが子の喜ぶ顔を想像するとワクワクする。
しかし、直前までは内緒にするつもり。
喜ばせておいて、突然どちらかが体調不良でキャンセルになってしまう事もありうるのだ。
慎重にならなくては。

あれから手土産を何にするか、そればかりを考えていた。
スーパーで子供の喜ぶお菓子類でいいのか、それとも初めての訪問なのだから畏まったお茶受けがいいのか。
インテリアブログカテゴリーのママさん達を参考にすると、洒落た土産を持参しているようだ。
また、迎える方のテーブルセッティングなんかもすごい。
まいこちゃんママの服装やセンスからすると、きっとこんな感じなのかなと勝手に想像して萎縮する。
引越し前のママ友の家も素敵なお宅だったので、私はお呼ばれの度に背伸びをして、ネットでキャスのクッキーなんかを購入して持って行ってたっけ。
そういう感じでよいのだろうか・・

とにかく誰かの家にお呼ばれすること自体、この園の中では初めての出来事なのでどう準備したらよいのか分からない。
まさかミニブーケなんか持って行ったら引かれるだろうか。
でも・・
嫌われたくないし、付き合ってみたらすごくいい人って思われたい。
本当はいい人ってレベルでは挽回出来ない。すごくいい人にならなくては。
やっとつかんだチャンスを無にしたくない。


結局ネットで引越し前のように、可愛らしいムーミンの硝子ボトル入りのココアビスケットを購入した。
空き瓶も使えるし、イケてるママ達の間では北欧ブームだから、ムーミンなら間違いないだろう。
1500円は痛い出費だが、これも投資。

手土産を考えるだけで、昨夜は携帯からずっとネットサーフィンをしていて就寝は2時を過ぎた。
折角夫が定時に上がれて、早く眠れる貴重な日だったのに勿体無いことをした。
今も色々段取りを考えるだけで頭がふらふらする。



もっと気楽に、手土産がスナック菓子でもいいじゃないー
何を格好つけているの?
そんなんだから、人付き合いもうまくいかないのよ。
背伸びし過ぎると、元の姿勢に戻った時に世界がより一段と小さくなってしまうんだから。
何度もそれで失敗してるじゃないの。
まだ分からないの?


遠くから、過去からなのか未来からなのか分からない自分の声が聞こえた。










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ママ友が欲しい

ママ友が多いタイプには、ある種の共通点があるように思える。

その1つは、雑談力ー
これが優れている人は、群れの中心人物になれるかもしくはその相方として不動の位置を築くことに成功しているように思う。
雑談ー、役員会に顔を出すようになって、尚更その力のなさを実感する。
ボスママは、やはり「雑談力」に長けている。
ワイドショーネタから健康ネタ、噂ネタに生活の知恵ネタ、主婦向けの人気雑誌の見出し欄に書いてあることは全て彼女の頭に網羅されているのではないかと思う程。
そういった雑談力があるのは、ある種の才能なのではないかと思う。

私はママ友がいないから、よく「ママ友がいなくて悩んでいます」的な掲示板を時々閲覧するのだけれど、悩み主の中にも「雑談が苦手というかくだらない話が続かないし、つまらない」などとぼやいていたりする人もいる。
ネットだから気が大きくなるのか、ちょっと上から目線的な感じ。
中身がないくだらない話ーすら出来ない自分はどうなのか?と私ならば思ってしまうのだけれど。

また、ふわふわママのような「人懐っこさ」を兼ね備えているタイプもママ友が多い。
「知り合い」から「友人」へ移行するハードルが低いのだ。
気が合うと感じたら、良い意味で相手のココロの裏を探ったりせずにずかずか入る。しかし土足ではなく、きちんとスリッパを履いて。
きちんと見るところでは人を見ているのだ。
自ら友人だと認定するハードルを高くするのは、実は臆病だから。
こちら側が友達だと思っていても、相手からすればただの知り合いーそう知った時の罰の悪さに耐えられないから。
プライドが高い私は、引越し前そんな風に自分をがんじがらめにして来た。
心を許せるのは数人のママ友ー他にもきっとママ友らしき人はいたのだけれど、勝手に自分から予防線を張っていた。
で、そういう性格が災いしてか、今の環境ではポツンである。


楽しそうに集まる母親の群れー子供同士を遊ばせながらその時間を持て余さないように集まる彼女達。少しでもその不毛な時間を盛り上げようと甲高い声をあげて、あの独特なトーンでくるくる変わる話題についていこうとする彼女達。
そして、そういったくだらなく中身がないと思われがちな話題提供を、次から次へと発信出来るボスママのような人って実はすごい才能の持ち主なのではないかと思う。
今は専業主婦だけれど、そういった才能は何かの仕事で発揮出来るはずだ。
例えば営業だってー、最初から売込みを意識して押せ押せモードだと相手は引くし、圧倒されてしまう。
しかし、相手の心を読み取り引きつけるような話題提供をし、楽しませリラックスした後であればどうだろう。
結果は明らかだ。
ボスママの雑談を聞きながら、先日はそんなことを考えていた。

くだらない中身のない話ー、特に当たり障りのない話を、さも面白おかしく膨らませて会話に繋げることは実はとても難しいこと。
それにとびきりの笑顔と会話のテンポも加えたら、最強の話し家だ。
話術に長けている人ー羨ましいけれど私はきっとどう努力してもそういった人間にはなれそうもない。そしてそれをしようとすると空回り挙動不審になることは知れている。
だから、私はせめても「聞き役」として自分の立ち位置を確保出来たらー、そう思うのだ。


「今週、暇な日ある?」



昨夜届いた一通のメール、まいこちゃんママからである。
先日モールで会った時は、敬語だった彼女。メールはまたタメ口に戻っていて混乱する。
夏休み以来、殆ど話していなかった彼女から何故そんなメールが来たのか分からず、どう返そうか悩んでいる。
会うことを悩んでいるのではなく、彼女に引かれたり嫌われたりしないような、軽くて感じのよい返信をどう打ったらよいのかと悩んでいるのだ。

やっぱりママ友が欲しいー
しおれかかっていた欲望が頭をもたげる。
飛び上がって喜びたい衝動を抑えながら、慎重に一文字一文字メールを打つ。


何度も読み返してから送信ボタンを押すと、それまでがんじがらめだったもう1人の自分までもが電波と共に解放されたようだった。











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風呂場からの雄叫び

今日は役員会。
とても憂鬱。
朝、送りに行くとふわふわママが運動会のお礼と先日撮った写真のデータを借りたいとの申し出。
まだ写真の整理もしていなかったし、PCに落としてもいなかったので焦る。
それなのに、ええかっこしいの私はまた必要以上に気を遣い、

「あ、お迎えの時に渡しますね。」

なんて言ってしまった。
役員会は例のごとくまたランチ前。
それまでにデータの整理、使えそうな写真のみピックアップしてSDカードに落とす。
落としたついでにブログをこうして書いている。
洗濯も掃除も食器洗いもしていない。やる気が出ないしもうすぐ出る時間になってしまい今から洗濯機を回しても脱水まで時間が間に合わないからだ。
こんな時、要領の悪い自分に嫌気がさす。
写真の整理を始める前に洗濯機を回しておきさえすれば良かったものを。
ふわふわママに頼まれて、帰宅すると途端に焦り小パニックに陥ってすぐさまPCを開けたのだ。
役員会の約束時間までに全てを終わらせなければーそう思うと余計に焦り、誤ってデータを削除しそうになったりして大パニックだ。


昨夜は夫にスイミングのお伺いを立てたものの、タイミングが悪かった。
ビールを出しても、仕事で疲れているのか「イラナイ」と言われ、食事の進みも悪かった。
それなのに、つい気持ちが盛り上がっていて夫の心を推し量ることが出来ず、自分の気持ちばかり押し付けてしまったのだ。
しかし、私の懇願に対して夫は冷めた顔で「NO」と言う。
その理由は、これから寒くなるしインフルに感染したりする可能性もある中でスイミングなどしても無駄だと言う事。風邪を引いて休んだ分の授業料の事とか考えてる?と聞かれて、目からうろこだった。
確かにこれからの時期、体調不良に陥りやすい。特に子は風邪などの季節病に掛かりやすく、去年も年末から2月頃までちょくちょく休んだ。
暖かくなってからでも良いではないか、そう思い直しまたの機会にすることにした。


昨夜の夫は仕事のストレスなのか、風呂場でずっと独り言を言っていた。
独り言は夫の癖で、何か悩み事がありそうな時や苛立っている時、仕事上でプライドを傷つけられるような場面に出くわすと顕著に現われる。


シャワーの水音に混じり、しばらくブツブツと長い独り言をつぶやいていたかと思うと、

「うぉー!!うわぁー!!!」

と雄叫びが聞こえるのだ。シャワーの音にかき消されない程の大きな雄叫びに、どこか尋常ではないものを感じ身震いがする。
新婚時、始めてそれを聞いた時は怖さよりも不安を感じ、直接本人に何故叫ぶのか聞いてみたことがある。
しかし、


「え?叫んでないし。独り言なんて言ってないけど。」


と毎度のように返答され、いつしかそれについて尋ねることもなくなってしまった。
知られたくないことなのか、それとも本当に何かが乗り移って本人も叫んでいる自分に気がついていないのか。
後者だったら余計に怖い。


私はそうはなりたくないからこうして思いやストレスをブログにぶちまけている。
しかし、形は違えども夫と同じようなことをしているのだろう。
結局のところ、似たもの夫婦なのかもしれない。


気がつくと役員会まであと30分。
動悸が朝から止まらず、実はビールを一缶飲みながらこれを書いている。
家事もせず、小さな事に気をもんで朝っぱらから酒をあおっているなんて、子が知ったら哀しむだろう。
しかし、緊張を少しでもほぐす為ー今の私にはなくてはならないものなのだ。

缶もすっかり空いてしまったので歯磨きをし、これから家を出ることにする。


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体験スイミング

「よかったら、OOちゃんも体験してみたら?」


そう言って渡されたパンフレットは、ここら辺では有名なスイミングスクールのもの。
たまたま買い物帰りにバッタリ会った同じ団地の素敵ママが、以前私が子供に習い事をさせたいと話していたのを覚えていてくれ会った時にでも渡そうと携帯していてくれたのだそうだ。


「うちの子も最初は顔すら水につけられなかったの。でもね、もう今ではクロール20メートル出来るようになったんだよね。教え方がやっぱりうまいのよ、あそこ。」


「へー、すごいね。うち習い事1つもしてないから何かはさせたいなって思いながらもう幼稚園も終わっちゃう感じだよ。」


「え?1つもしてないの?OOちゃん何かやりたがったりしない?うちなんてあれこれやりたがってさ、空手とサッカーも今年になって始めたよ。」


「すごいね。うちも何かさせないとなー。」


素敵ママにすごいねーとしか返せず、自宅に戻り貰ったパンフを眺める。
確かに子は、Yちゃんがスイミングをやるからやりたいとかなんとか言っていた時期があった。
その時私は、金銭的なことを心配するよりも個人的な心配事ばかりが頭をかすめていた。
スイミングは基本、親が送迎して子が泳ぐ間は見学する。そこにはまたあのママ集団の群れがあるだろう。
仲良しがいれば楽しいだろうけれど、いなければ園で味わう疎外感をまた別の場所で味わうはめになる。
それが嫌で、子がやりたいと言うのを夫に反対されたことも後押しとなり聞き流してしまっていた。
夫は金銭的なことで、習い事なんて勿体無いししなくてもよいと思っているのだ。
私は個人的な感情で、習い事なんてしなくてもよいのでは・・と心が傾いている。
しかし、それでよいのだろうか。
子がやりたがる事、何がやりたいのか好きなのか、分からなかった子供時代の自分。そして母に促されるまま行動して来た自分が今どうなったのかを思った時に、幼くても「何かしたいこと」がある小さくてもキラキラした気持ちに希望と夢を与える事が出来るのが親の甲斐性なのではないかと思った。



体験に行けば、きっと子はやりたいという気持ちを抑えられないようになる。
ひとまず夫ともう一度習い事について相談し、それからスイミングの話を持ちかけてみよう。
一月5000円の月謝、きっと夫は出し渋るだろうけれど、なんとか説得して解決案を見出そう。


「スイミング、やってみる?」

子に問いかけた時の、驚きと興奮と喜びが混じった彼女のまなざしを想像すると、まだ決定してもないのに思わず顔がほころぶ。
どうか、夫を説得出来るようにー、今夜は夫の好物とビールを用意しなくてはならない。





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秋支度と愛用品

10月に入るというのに、まだ台風の切れ端が残る日々。
雨が降るにつれ、段々寒さも増してきた。
今朝も雨ー、どうかお迎えの時間まで雨でありますようにと願う。
家族以外と会話がないのは安心と同時に寂しさもあるけれど、金曜の役員会のことを思うと憂鬱過ぎて逃げ出したい気分。
このままずっと家の中で引きこもっていられたらどんなにいいか。
月曜の疲れをまだ引きずっている私。
そんな私を慰めるように、秋の長雨は優しく静かに降り注いでいる。


10代の頃から冷え性で悩んでいた私、これくらいの時期になると足元からの冷えは大敵。
持病も、冷えによって悪化する事が多い。婦人病や鬱などの病も、結局のところ冷えが原因であったりする。

3年前くらいから、冷え取りを心掛けている。
これは、以前雑誌や新聞などにもブームとして取り上げられた健康法だけれど、ブームにちょっと手を出したら辞められなくなり今はもう定番と化している。

5本指ソックス、材質は「絹」。
そして重ね履き。

基本は、「絹」「綿」の順番に。
絹の5本指ソックスの上に普通の綿のソックスを重ねると良い。
履き続けていると靴下に穴が開く。足裏に空いた穴ーその部分(ツボ)が体で最も一番悪い場所。
私もやはり、持病と関係する場所の穴が開いた。
最初に穴が開いたのを見た時は達成感を感じ、本当に嬉しかった。
穴が開くということは、要するに足裏から「毒素」が排出されているということ。
デトックスによって、体に悪い養分が蓄積されにくい体作りを可能にする。正しい循環を手に入れられるのだ。
私は、酵素サプリでだいぶ腸内環境が整えられたけれど、更に冬場はこの冷え取り法を追加して体調を整えていくつもりだ。






足元が冷えていると上半身に熱が集まり、ぼーっとのぼせたりして体調不良を起こしやすい。
足元を温め、上半身を涼しくさせることで理想的な頭寒足熱状態を保つことが出来るのだ。靴下は消耗品、しかしそれで体が健康になり医者要らずになれば安いものだ。

以下のサイトの靴下は本当にお勧め。
インナーも欲しいけれど、迷い中・・
さぞかし暖かいのだろうな。
取り合えず、今期用の靴下何足かと子にも家用に何足か買い足そう。
子供は風の子ーとは言うけれど、これから寒くなり最も体調管理に神経を使う時期になる。
健康な身体に出来るだけ生み育てることが親の使命でもある。













冷え取り靴下を始めると、まず急激に「体の異変」を感じるので注意が必要だ。
この異変は、体のどこかに痛みが出たり熱が出たりするもので個人差はあるものの、体内の毒が出ているという証拠だ。このことを「好転反応」と言う。
私の場合、始めてから1週間で歯痛が出た。
歯痛の好転反応はやはり持病に関するものだったので、本にある通り痛いのは我慢し続け冷え取りは続けていた。

病院では数ヶ月に何度か胃カメラを撮るのだけれど、冷え取りをし始めてから少しずつその症状は治まって来ている。
それ以外では、不順だった生理が規則正しくなった。

先日妊娠した従兄弟も、本来は生理不順でしかも子宮に少し歪みがあり妊娠しにくい体だと婦人科で言われていたというのに、独身時代から私の勧めで習慣にしてきた冷え取り靴下健康法のお陰か、結婚してからすぐに子供を授かれた。
やはり、不妊にも冷え取りは効くのだそうだ。





絹の靴下は、私のような金がない人間からすると高価なもの。
しかしシルクのパジャマや下着を買う余裕はなくても、靴下ならば手の届く価格。
なのでこれからもずっと続けていこうと思っている。



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表情筋の酷使

表情筋が筋肉痛だ。
普段使わない場所を酷使すると、たちまち痛んで終いには頭痛まで生じる。
一晩寝たというのに、今朝もまだかすかに残る痛み。



運動会の振り替え休日は近くのショッピングモールに出掛けた。
子と2人、お昼を済ませた後に買い物がてらのぞく店内。平日ということもありいつもは多くの人でごった返している店内も空いており快適だった。

子が本屋に行きたがり、見るだけねと約束して子供の絵本コーナーに行くと、見覚えのある後姿。
まいこちゃんママだった。

「まいこちゃーん!」

と、子が先に気がついて走り寄り、まいこちゃんママもこちらを振り返り私達親子に気がつくとにっこり笑って挨拶をしてくれた。
あまりにも自然な笑顔だったので、先日目を逸らされたのは私の被害妄想だったのかもしれない。


「こんにちは。」

「こんにちは。お買い物?」

「ええ、はい。買い物がてら寄っただけです。」


「K君も来てるんですよー」



うわっと心の中で思う。K君とはスネオママの子供だ。私が一瞬嫌そうな顔をしたことにまるで気がつかず、彼女はスネオママの方に向かって手を振り、

「OOちゃんも来たよー」

と笑い掛ける。
まいこちゃんママの手前か、スネオママもぎこちない笑顔で一応私の目を見て挨拶をしてくれた。
私も同じく挨拶を返すと、妙な沈黙。
その沈黙を破り、まいこちゃんママが話し始めた。
私は殆ど上の空で、ただスネオママの気配ばかり気にしていた。スネオママはまいこちゃんママとしか殆ど視線を合わさずに楽しそうに会話をしている。
3人でいても、殆ど空気の状態なので早々に引き上げたかったが、子供達は盛り上がっておりまたK君のお姉ちゃんやまいこちゃんの妹など交えてブロックコーナーに行ってしまった。
スネオママは塾の話をしだし、それから習い事の話をしだした。お姉ちゃんはまだ2年生だというのにもう割り算まで塾で教わっているらしく、それでも出だしが遅すぎたのでK君には入学と同時に費用が掛かっても塾に行かせるなどと息巻いていた。
私は愛想笑いで頷くのに精一杯ーまいこちゃんママと仲良く話すその様子から、どうやらモールには待ち合わせして来たらしいことも分かった。
休日に気軽に会える関係なのだな、そう思うとまた寂しさがじわじわと湧いてきた。しかしそれよりも早くこの場を立ち去りたかった。




「ママー!アイカツの本買いたい!」

K君のお姉ちゃんが、800円以上もするアイカツブックを持って来た。それに習うかのようにまいこちゃんやわが子も同じ冊子を持って来てねだる。


「もー、しょうがないな。じゃあ自分で買っておいで。」

そう言うと、スネオママはシャネルの財布から1万円札を子供に渡し、さっさとレジに行きなさいというようなしぐさを手でする。

「まいこも欲しいー!」


「幾らするのこれ?ああ、じゃあこれでお姉ちゃんと一緒にレジに行って来なさい。」



同じく財布から千円札を取り出しまいこちゃんに渡す。
勿論、わが子も期待するかのような目で私を見上げる。
しかし、財布にはその日の夕食代千円ぽっきりしか入っていなかった。その雑誌を買えば残り200円。200円では何も買えない。
自分の小遣いは自宅に置いて来てしまっているし、ランドセル貯金をしていることもあり無駄に使うことは許されない。可哀想だが、また今度ねー、そう言って子から雑誌を取り元の場に戻した。
ふと子を見下ろすと、涙を浮かべレジの方を見ていた。
レジではK君のお姉ちゃんとまいこちゃんが早速袋から雑誌を取り出し、付録のカードを覗こうとしているところだった。
まいこちゃんママ達に挨拶をしようとそちらを見遣ると、勝ち誇ったような表情のスネオママと目が合った。
毅然とした態度で子にどうして雑誌を買わないのかを説明すれば良かったのだが、本音では金がないから買えないという事実ー、それを彼女には見透かされているような気さえした。


「それでは、私達はこれで。」

会釈をすると、

「OOちゃん、また明日ね。」

と2人が子に向かって手を振った。
子は母親達にバイバイ、とつぶやいてからまいこちゃん達に向かってバイバイをしようとしたが、レジ横できゃあきゃあ子供達が盛り上がっているところを見てまた涙ぐむ。
まいこちゃんは本に夢中で気がつくわけでもなく、仕方なく子がK君にバイバイを言いにいくとK君はこれみよがしにポケモンの本を持って、

「ママにこれ買ってもらうんだよね。」

そう自慢した。
また思い出したかのように涙ぐむ子の手を引っ張り、早足でその場を立ち去りスーパーへ向かった。
ただ愛想笑いしただけ、会話らしい会話はせずに聞いていただけ。相槌しかしていなかったというのに疲労困憊だった。情けないことに、彼女らと別れた後も顔面は引きつり続け、頭がガンガン鐘を打つように鳴り響いて止まなかった。
気を取り直し、子に向かって話し掛ける。



「今晩、何が食べたい?」

「今度っていつ?」


「え?」

「アイカツの本だよ!ママ、今度って言ったじゃん。」


「あ?そうだっけ。じゃあ何か頑張った時ね。」


「ママの嘘つき・・」



最後の台詞は聞こえなかったことにしたけれど、正直ショックだった。

適当にたしなめようとするけれど、年長になった子にその適当さが効かなくなりつつあることを知る。
1000円以内で食材を選ぶー、気がつくとカゴの中にある商品は値引きシールしか貼られていない。レジに並び、ふとレジ横の鏡にうつる自分と目が合った。その顔はものすごくやつれており、先程彼女達の前で無理して作った笑顔の名残に出来たほうれい線がくっきりと目立ってよりいっそう何歳も老けてみえた。









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