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経済格差

まいこちゃんママとランチをした。
隣街のスタバで待ち合わせ、私の方が予定より15分程先に着いたのでとりあえずブラックコーヒーのショートを頼み窓際の席を取った。
約束時間にまいこちゃんママは到着し、スコーンとトールの季節限定の飲み物を持ってこちらにやって来る。


「お待たせー、待たせちゃったかな?」

「いえ、今私も来たばかりだから。」


彼女は今日も素敵な装いで、襟元のビジュー付きファーが暖かそう。一見何の変哲もないように見えるボーダーワンピさえ高価なものに見える。
垢抜けている人というのは、何を着ても洗練されており一方私のようにいくら高価なものを着てもどこかイマイチというか決まらない人間というのも存在する。
きっと顔の造作やスタイル、立ち振る舞いによるものが大きいのだろう。

席に着くと、幼稚園の話や世間話ーそしてまたちょっとしたボスママの悪口というか愚痴が始まりぼーっと聞いていたら意見を求められた。
正直私はボスママと個人的な付き合いはしていないし、私もそれほど馬鹿ではないので彼女の欲しい台詞ー同意だったり一緒にボスママをこき下ろすような発言は一切せず、曖昧にぼかした発言でのらりくらりかわして行った。
私が暖簾に腕押しだと分かると、まいこちゃんママはボスママの愚痴を諦めたのか今度は姑の愚痴。
全国共通、嫁ならば誰もが頷く類のあれこれを語りだす。


「いつも旦那に色目使うの。自分の息子にだよ?胸元の大きい服着て谷間見せつけて。まいこがまだ赤ちゃんの時も私が母乳が出なくて悩んでたら、ばあばのおっぱいは大きいからママのよりミルクが出ちゃうかもよーとか旦那の前で言ったりして。すごいムカツク!」


「旦那が仕事中遊びに来た時も、ほぼすっぴんでおばあちゃんの顔で来たと思ったら旦那の帰るよコールが来た途端化粧し始めて。口紅真っ赤に塗ってさ、息子を恋人だと思ってるのか気持ち悪いったら!!」


彼女の愚痴はどんどん加速し、興奮して何かに取り憑かれたかのようなこちらが引くくらいの迫力になって行く。いつものちょっとおっとりした物腰の柔らかい彼女はどこかに消えて、これが地が出るということなのか。


私は殆ど聞き役で、それでもひとしきりしゃべると満足したのかランチへ行くことになった。彼女が予約したというフレンチの店。正直焦る。ファミレスくらいの金しか持ち合わせていなかったから。
急いでATMで金をおろして彼女の後ろをついていくと、ちょっとした住宅街の中にこじんまりとした可愛らしい建物があり、個人経営のフレンチレストランを営む店のようだった。
ランチもやっており、コースで3000円。正直専業主婦の自分にはありえない金額だったが「予約をして来たの。」と喜々とする彼女に向かってノーと言えるはずもなくおずおず店内に入って行った。
料理はどれもこれも美味しかった。特にメインの子羊のステーキは柔らかくて美味。デザートもプレートに三種ありチョコペンとソースで綺麗に皿に模様が描かれておりとてもお洒落。
ここぞとばかり、パンだけはおかわり自由だったのでたらふく食べてしまった。


「この店、結構好きでよく来るんだ。ディナーもなかなかいいよ。」


きっとディナーだったら家族で来たら2万以上は掛かるに違いない。ドリンクも入れたらもっとかもしれない。
普段ママ付き合いをしていないのだから、今回の3000円は「もしもママ友がたくさんいたら今月3回ランチしただろう金額」だと思い割り切ることにした。



ランチが終わり、彼女が行きたいという雑貨店へ。
ビンテージ物を扱う店らしく、皿1枚5000円。マグカップにしても。
彼女は北欧雑貨にはまっているらしく、色々とコレクションしているという。その店で1枚3000円もするフキンのようなものや、2000円くらいの小さな豆皿ー正直0が一つ多いのではないかと値札を見て驚いたーや、限定品のクリスマスモチーフのマグ2客、とにかく色々と買い物かごに放り込む。


「ねえ、これまいこに買おうと思うんだけどOOちゃんとお揃いにしない?」


勧められたのは小さなお花模様の靴下、マリメッコというブランドのもの。1足1500円もする。普段3足で600円の靴下を購入しているのだが、一体これ1足で何足買い足せるのだろう。
彼女は下の子用とまいこちゃん用の靴下を1足ずつ色違いで更にかごに入れる。
私は彼女から手渡された1500円の靴下を、元の位置に戻す勇気もなく手に持ったまま店内を眺めていた。
お金が溢れるほどあったらー、私だって欲しい。
お洒落な服、お洒落な雑貨、インテリア、興味がないわけではないのだ。過去インテリアコーディネーターを目指した時期もある。
興味はあるけれど、足を突っ込んだらたちまち破産する。それが分かっているから欲望を押し込んで普段見ないようにしている物たち。
しかし、現物を目の前にし、また躊躇なく欲しいものをあれこれかごに入れている彼女を見ていたら物欲がふつふつと湧いてきて止まらなくなってしまった。
素敵なティープレートが目にとまり、1枚1500円のものだった。とても可愛らしくランチョンマットの代わりにもなるし、また朝ごはんのパンをちょっと乗っけたりお茶菓子を乗っけるのに可愛らしく、家族分購入しようか本当に迷ったのだがぐっとこらえた。
結局子の靴下ー、それからこれは700円くらいでこの店では一番安いと思われるバターナイフを購入することに決めた。
靴下は、家族に内緒で高価なランチをしてしまった後ろめたさもあった。子と2人でちょっと美味しいものを食べれる金額だ。
それを思うとこれくらい・・という気持ちになった。
彼女は総額2万くらい遣っていたようだ。イヤラシイ話だがちらっとレジを見てしまった。
それから街をぶらぶらした後、子をお迎えに行こうかという雰囲気になると彼女は、


「ちょっと銀行に行きたいんだ。」

「一緒に行きましょうか?」

「いや、大丈夫。ちょっと長くなりそうだから。今日はありがとう、またね。」


そう言って大きな紙袋二つを抱えて人ごみの中消えていった。
おそらく園で一緒にいるところを誰かに見られるのが嫌なのだろう。
経済格差を見せつけられ、金を思わぬところで散財したストレスもありちょっと意地悪な気持ちが湧く。
子に、お土産の靴下を「まいこちゃんとお揃い」だということを声を大にして言おう。そして今日はまいこちゃんママとランチをして来たと。
子はきっと色々なところでその事実をしゃべるに違いない。
クラスのママがそれを耳にしたのを知った時ー、まいこちゃんママの表情がどんな風になっているのか見てみたい気もする、ブラックな自分が顔を覗かせた。










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バレーボール

この週末は久しぶりに夫が休みだったこともあり義実家に顔見せに行った。
次女家族が遊びに来ており、従兄弟がいることで子も楽しそう。夫も義兄と楽しそうにしており、いつもなら長女や三女もいることが多いのだがその日は留守で私と義母しか話し相手がいない次女は珍しく私の向かい合わせに座りお茶菓子を勧めながら話し掛けてくる。

「OOちゃんももう小学校だね、これからだいぶ楽になるよー働くの?」

彼女は義実家に子供達を預けて気ままに小遣い稼ぎのバイトをしている。
趣味の習い事もしているし、悠々自適だ。

「そうですね、主人と相談して色々決めていこうかなって。」

「役員とかならなければだいぶ楽だけどね。まあ働いていようが子供がいる限り平等に学校仕事は回って来るから。そうそう、私バレー始めたんだ。ママさんバレー。あれ始めたら結構練習とか普通に平日の夜からとかあったりで土日も大会とかでしょう。バイト減らさないとならなくなっちゃって。」


「こっちで夕飯食べることも増えたものね。」

義母がイヤミではなく、ちょっと嬉しそうな声で会話を挟む。


「だってー、まさかこんなハードになると思わなかったんだって。ママ友がいいダイエットになるからって軽い感じで誘うんだもん。」


聞くところによると、毎週平日の夜に1回は練習があるらしくその日は疲れてご飯作りどころではないので義実家での夕飯が恒例になっているらしい。

「OOさんはスポーツとかやらないの?」


「え、あぁ、運動は苦手なので。」


「ふーん、体動かすとポジティブになれるし楽しいよ。」


自分がネガティブなのをさくっと指摘されたような気がした。
バレーボールは運動音痴な私にとって一番嫌なスポーツ。勿論バスケやソフトボール、テニスなども苦手なのだが特にバレーは苦手。
あの四角い決められた空間の中で自分の役割を全うしなければならない。
学生の頃、体育授業の中の一貫で行われる球技大会のバレーボールで嫌な思いを何度もした。なぜか運動神経の良い目立つグループの中にくじで入れられて、彼女らは1位を取る気満々だったのだが私がいるお陰で賞を逃した。
サーブすら満足に打てず、私にサーブの順番が回るとチーム一同が嫌な顔をするー、そして見事期待通りにネットにボールが引っ掛かったり全く関係ないコースを外れた方向に打ってしまったりでサーブ権はたちまち相手側に譲ることになるあの瞬間の空気。
空気が凍るというのを肌で実感したあの頃ー

注目され、期待はされなくても「無難であることを期待される」とそれすらたちまちプレッシャーになりボールはへんてこな動きを持って宙を舞う。
それは現在も同じで、「普通」に振舞わなければと思えば思うほどそれはたちまちコースを外れて奇妙な行動だったり会話だったりを生じさせてしまう。
テレビでバレー観戦をするのは好きで、今回のバレーも勿論観ていたのだがやっぱり脳裏をかすめるのはあの学生時代のサーブをする時の恐ろしい緊張感。
サクサクとアタックを決められなくてもいい、レシーブだって私が打てないことをメンバーは知っているのだからポジション関係なく私の方に向かうボールは他の誰かが拾ってくれる。
しかし、サーブだけはそうもいかない。代わりがきかないのだ。
せめてサーブが相手側のコーナーに入ってくれることを願うハードルの低い自分は今も健在だ。



「バレー、楽しめる人って尊敬します。」


心から次女にそう言うと、照れたようなまんざらでもないような表情で、


「楽しめるってだけでね、メンバーの中では本当落ちこぼれなの。足引っ張りまくり。」


そう言う彼女はそれでも自分の居場所をきちんと見つける才能の持ち主なのだと思い、羨ましい気持ちだった。



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手紙に困惑

昨日のこと。
園から帰宅し子とおやつを食べている最中、思い出したように子が園リュックから可愛らしい封筒を取り出し見せて来た。


「まいこちゃんからお手紙もらったの。」


久しぶりのお手紙。
子は嬉しそうに封筒から手紙を抜くと、その中にはアイカツのカードやシールがたくさん入っており便箋にはしっかりした文字と絵文字まで使った小学生の女の子が書きそうな成熟した文章が並んでいて驚く。
数ヶ月の間に女の子というものはここまで成長するのだろうか、以前もらった手紙と比べると雲泥の差。


「これ、ママにってなってるよ。」


もう一枚の便箋には、大人の文字で「OOちゃんママへ」と書かれたものが。
まいこちゃんママがどうやら私宛に書いた手紙のようだった。
その手紙には、また会いたいというような内容と子供が保育中の平日で都合が良い日はないかという内容だった。
下の子は一時保育に預けるとまで書かれており、しかも今週中にお返事下さいとまで。
まいこちゃんママには一時なんとなしにモヤモヤした思いを抱えたこともあって正直嬉しい半面気が進まない思いもあったのだけれど、私に会いたいと言ってくれる人がいることの有り難さと思うと無下には出来ない気持ちもあった。
その日のうちにメールで返信をし、トントン拍子に会う日が決まり、買い物もしたいからと隣街のスタバで待ち合わせすることになった。
隣街指定ということは、園ママ達に私と会っている事を知られたくないのだなと少し卑屈な気分になった。
人と関わらないとこういう暗さが常につきまとい離れない。


約束をすると、何故か気持ちが高揚し気がつくとハナウタまで歌っていた。
いつものお気に入りネット店で服を眺めていたら、勢いでシャーリングブルゾンのベージュを買い物かごに入れてしまった。送料無料で4000円しないのはお買い得。
襟元のボリュームが大人可愛くてどんなボトムにも合いそうだ。
寒くなって来たからと去年まで着ていたH&Mのダウンを出したら生地が破れて綿が出ていたのだ。今週はライター内職も頑張ったので自分へのご褒美。
人と会う予定があると、いつも新しい何かを買ってそれを身につけて出かけたくなるのは実母と同じ血が流れているのだということをひしひしと実感する。
少々お金を使い過ぎたという思いもあるが、今月は夫も残業が多く職場で食事を取ることが多くなり、夜は軽めのお茶漬けを要望するようになってくれたのと、来月はほぼ飲み会ばかりの日程だから食費も確実に浮く。
家計も安定しているので後ろめたさは特にない。浮いた分でクリスマスや正月に予算を回せるという見通しがあるので気持ち余裕だ。

明日は休みー、子供が生まれた年のクリスマスに購入したニトリのツリーを出したのでその飾りを新しくしようと思う。ネットで色々調べたのだが、紙粘土を使ってクッキー型でクリスマスモチーフを型抜きしてスパンコールなど貼り付けてオーナメントを手作りするのも楽しそうだ。
明日はダイソーに行こうと思う。

さて、今週最後のお迎えー、やっぱり憂鬱だけれど金曜だから心なしか足取りは軽い。

















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ダンスコンクール

子の晴れ舞台となるダンスコンクールが開催された。
当日、園に集合してから観光バスに乗り込む。会場へは混乱を防ぐ為にも園単位で動くとのこと。
子は子で、保護者は保護者で専用のバスに乗るのだ。
子のダンスを観るのが楽しみ以前に、バスに乗り込むことを考えると前日は夜も眠れないくらい緊張した。
私の隣は誰が座ってくれるのか、それともまた一人だろうか・・
先に座っていた方がいいのか、それとも後から空いている席を探した方がいいのか、そんなことをグダグダ考えていたら、郵便受けに新聞が放り込まれる音が聞こえて朝になった。

子と園に到着すると、既に群れ。
大きな観光バスの入口前で各クラス毎に先生が点呼を取りながら園児を車内に放り込む。園児を預けた母親達はバスに乗り込むでもなく園児用バスの前でぺちゃくちゃおしゃべりをしている。
子は自分のクラスのバスを見つけると、一目散に走って行った。後から追いかけ先生に挨拶とお願いをしてからバスに乗り込む子に手を振り頑張ってねと一声掛けた。

そして、手持ち無沙汰になりながらも保護者専用のバスへ行くとまばらに後部座席の方の窓には既に保護者が座っているようだった。
私も恐る恐るバスに乗り込み、車内を見渡す余裕はなかったので真ん中より少し後ろの窓際を陣取った。
しばらくするとボスママ集団がぺちゃくちゃ大きな声を張り上げながら乗車して来て、入口付近でどこに座るだ誰と隣になるか大騒ぎ、居心地が悪くスマホばかり見てやり過ごしていた。


「補助席座っちゃったりしてー!」

はしゃいだ声のスネオママがけたたましい声を上げて一同の笑いを誘う。結局ボスママ集団はまいこちゃんママも含めて前方の席を陣取った。続いてふわふわママや役員関係のママ達が車内に入り、私の席の近くには本部役員関係が座った。

「ここ、いいですか?」

なんと私の隣に座ってくれるママがいて、あの感じが良い誰にでも敬語を話す「敬語ママ」だった。

「あ、はい、どうぞ。」


車中、敬語ママが当たり障りの無い会話をしてくれ、無言で気まずい思いをすることもなく楽しい時間が過ごせた。
とても良い人なのだ。ずっと前のランチ会でも助けられたような気がする。


会場に到着し、コンクールが開催されると母親達は我先にと我が子の晴れ舞台を観る為に身を乗り出し、席を確保し、双眼鏡やカメラやビデオを一斉に取り出し演目に集中した。
プログラムは最後の方だったのだが、よその園のダンスも可愛らしかったり大人顔負けのパフォーマンスだったりで観ていて全く飽きなかった。
いよいよ子の出番。
センターサイドを飾る晴れ舞台。心臓がバクバクしてきてこちらが卒倒しそうなくらいだった。
聞き慣れた音楽が会場に鳴り響いたのと同時に、子供達がわらわら登場してきてダンスの始まり。
子の表情は遠目でも少し緊張し固くなっているのが分かった。
この日の為にお化粧と髪もセットしてもらい、素敵な衣装をまとい大勢の観客の前でポーズをとる我が子は贔屓目に見ても可愛かったし、目立っていた。

ダンスが始まり、さなちゃんに引けを取らない程何かが乗り移ったのかと思うくらい堂々とした演技を見せた子。
硬かった表情は途端に笑顔を作り、ああ、私と似ない本番に強い子なのだと感心した。
5分足らずのダンスだったが全てを出し切り、拍手喝采ー周囲も感涙の中演技は終わった。
気がつくと私の頬も涙が伝い、掌が痛くなる程拍手を子供達に送っていた。

コンクールなので結果があるのだが、私は金賞を与えたいと思う。
毎日YOUYUBEで練習していた子ー、園に行く前に必ず踊ってから玄関を出ていた日々。園でも空き時間には自主的に練習していたくらいダンスに夢中だったらしく、そんな我が子が誇らしい。


その日の夕飯は、久しぶりに外食をした。
夫は仕事で観に来れなかったので、仕事帰りの夫と待ち合わせをし、久しぶりに都内で美味しいイタリアンの店で家族水入らずのお祝いをした。
何年ぶりのファミレスやフードコート以外の外食ー、夫は子を褒めちぎり私が撮った写真を確認画面で見ては子の頭を思い切り撫でていた。
1杯目のビールを飲んで気分の良くなった夫は、珍しくワインをボトルで頼み、私のグラスにもそれを注いでくれた。
子にはデザートに好きなドルチェを選ばせ、お祝いにふさわしくお店の人が小さな花火をつけてくれた。
この日、夫が金を出してくれ、カード払いだったのだが会計は1万を軽く越えていた。



「今日はありがとう。」

「お祝いだからな。よくやったよ、堂々としてさすが俺の子だよ。」

「パパ、美味しかったね。」

「ああ、また来ような。」


最近忘れかけていた家族団欒の時間も過ごすことが出来、満足のいく週末だった。

















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似たもの同士

実母から久しぶりに電話があった。
メールはちょくちょくあり、何となく会いたさそうにしているのは見て取れたが、役員仕事や通院や毎日の家事育児で手一杯、母の愚痴を聞くだけのキャパもなかったのでやんわり断り続けていた。
メールだと埒があかないと思ったのだろう、不意打ちの電話。


「なんだ、いるじゃない。」

「あ、うん、そろそろ出掛けようかと思っていたところ。」

適当に切り上げたく嘘をついたがおかまいなしで話は続いた。
愚痴の殆どは、父方の親戚関係と近所付き合いについてのことで、「私はこう思ったからこう言ってやった!」など自称竹を割ったような性格である自分はお腹に思ったことをためられない裏表のない性格だからと、正論を相手にぶちまけ清々したというような事を一気にまくしたてる。
相槌を打つだけの私に、多少は物足りなさを感じながらも友達がいない母は私をこういう時に友達代わりとして使うところがある。
女性特有の「共感」と「称賛」を求めるのだ。

母は、父型の母に似てきたと最近思う。
母が大嫌いだった祖母。
5人兄弟の末っ子で、甘やかされ何も出来ない祖母ー、子供だけは5人も生んで家事や料理が苦手で無趣味な祖母。
友達もおらず、祖父が亡くなってからは毎日テレビをぼーっと眺めては画面の中のタレントに向かって独り言を言い続けていた人。唯一植物を育てることだけは好きだった祖母宅の庭には、様々な花が咲き誇っていた。
それを見るにつけては、ああはなりたくないと言っていた母。
無趣味で、花を育てることしか能がなくて、友達もいない寂しい人だとーあの頃母は悪態ついていた。
嫁の悪口を小姑に電話でいいふらすことしか楽しみがないとも・・


そして現在、母もそれに近づいていることに気がついてはいないのか。
母は年老いてからは面倒だと人付き合いも殆どなくなり、ベランダに大小多くの植物を育て始めてそれにはまり、

「植物は裏切らないし手を掛けたらそれだけ綺麗な花を咲かせて楽しませてくれる。」

なんて言うようになった。
毎日の日課はベランダの植物の水遣り、そしてたまに人寂しくなると娘の元に電話を寄越してああだこうだと一方的な愚痴を吐く。


祖母と違うところは、見栄を張るところだ。
金が無いと言いつつも、衣服や食べ物、ちょっとそこまでの1泊旅行ですらビジネスホテルなどは貧乏臭くて泊まる気になれないと、一流ホテルに宿泊したがる。そこで1杯500円もするミネラルウォーターを飲みコース料理を頼み、数十万使う旅行が彼女にとっての「旅行」なのだ。

そして、数十年先の自分を見てしまうところもあり、気分が沈む。
嫌いな部分や苦手なところー、それはその中に自分を見てしまうから。
そしてもうすぐやってくる母の誕生日ー、本来楽しみながらプレゼントを選ぶのが娘の姿だろうけれど、義務と苦痛でしかない。
そしてそう思ってしまう親子関係が悲しくもある。
普通って何だろうー一体どこでものさしが壊れてしまったのだろう。







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年賀状写真

今日は役員仕事も買い物などの用事もなかった為、天気もよいというのに一日中家にこもりきりだった。
子を送り、一通りの家事を済ませたらまだ10時前ー、さて何をしようか。
図書館やプールへ行くまでのパワーもないし、色々と考えた挙句にまだ早いかもしれないが来年の年賀状の準備でもしようと思い立ち、去年の年賀状の束を出してみた。
その殆どは夫の会社関係のもので、私宛のものは両手に余る程。
「年賀状1枚の間柄」すら少ない自分には本当に魅力がないのだなと改めて思い知らされる。
そんな毎度の自己嫌悪に陥りながらも、1枚1枚他人の年賀状デザインを眺めながら今年の年賀状をどのようにしようかあれこれイメージを膨らませた。

毎年我が家は家族写真を半分のコマに、もう半分を子だけの写真のレイアウト。夫は年賀状に関してもあれこれ口出ししてくるのだけれど、いわゆるチェックをするだけで事前準備からその他もろもろは全て私任せ。
ダメ出しされながらの修正を何度かして、作り上げるのが我が家のスタイル。


夫の会社関係の年賀状も、その殆どが家族写真や子供だけの写真で、そして目につくのは複数子を持つ家庭の年賀状ばかり。特に子と同学年くらいの子がいる家庭には必ずといってよいほど兄弟がいて、3人家族はまだ子供が赤ちゃんだったり未就園児くらいの子という現実。
ふとすると、すぐに隣の芝生を眺めている自分がいてもやもやした感情に苛まれる。
気を取り直し、年賀状の写真選びをすることにした。
今年撮った子供の写真はすぐに何枚かピックアップ出来たのだけれど、家族3人の写真が1枚もないことに気がついた。毎年なんだかんだと何かの行事やお出掛けに1枚くらいは誰かに頼んで撮ってもらっているのだが、今年はそういった写真が1枚もない。

あと残り2ヶ月ちょっと、どこかのタイミングで撮らなくてはー
そんな思いに反して、これが我が家の現実なのにわざわざ年賀状の為に作り笑いをして幸せそうな家族写真を撮る必要性はあるのかと自問自答した。
誰の為に?見栄の為に?

幸せそうな家族写真入りの年賀状を送って来た知人が、その翌年には離婚をしていたことがあったなーそんな記憶がふと脳裏に蘇り口の中がまずくなった。


年賀状に写真を入れる行為自体が薄っぺらい幸せを他人にふりまく行為にさえ思えてきてなんだか全てが面倒になった。結局子の写真のピックアップで先に進まず年賀状作りはもう少し先に見送ることになったのだった。














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仕事終わりのコンビニスイーツ

いよいよ卒対委員の集まりも多くなって来た。
物事はより具体的に進み、そして段取りも見えて来た。
私の仕事は主に書類作成。正直集まりに参加しなくてもレジュメだけもらえれば作れる内容が殆どなのだが、だからといって欠席するのはあまりにも協調性に欠けるので渋々参加している。
昨日はアルバム委員を集め、進捗などの詳細の聞き取りを行った。
ふわふわママも参加しており、他のクラスの同係のママ達と和気あいあいとしているのを見ると楽しそうで人柄の良さを再認識する。

園内の会議室に行く前は今でも緊張する。
緊張してその日の朝は食欲も出ない。
雑談が苦手な私は、会が始まる前の雑談の中に身を入れる瞬間、どうにもこうにも尻込みしてしまうのだ。
昨日は対アルバム委員ということで、会議室はより一層賑わっていた。
会議の進捗は、そういうことが得意な派手ママ達が引き受けてくれるので助かる。役員内で確かに私は浮いているけれど、いじめられてはいないのが救いだ。

2時間も掛からずに会は終了し、そのままアルバム委員は引き上げて私達役員はその場に残った。
すると、ボスママが最初に口火を切った。


「なんかさー、もっと完成されてるかと思った。あれ絶対他のママから批判来るよー。委員の子ばっかりいい写真使ってとかさ。」


私もちらっと見たけれど、そんな風には思わなかった。それに、委員の子が確かに多少うつりの良い写真を使っていたとしても、それくらいの特権ーなのではないのかと思った。
全てを平等にーなんて無理がある。
それはお遊戯会にシンデレラを何人も作らなければならないのと同じくらいに。



派手ママも、

「うちらの時はもっと気を遣ったけどねー。最近は皆自分大好きだから仕方ないよ。」


取り敢えず、今後の作成の注意点を挙げた上の資料を配布することになり、それを私が作ることになった。
その作成案はかなり細かく、だったら初めからマニュアルとして配布しておけば良かったのにと思う程。
作成途中でこんなものを渡された彼女らから反発が来るのも目に見えている。

ー見えない反発

所詮、反発とはいっても直接的なものではなく陰口的なもので終わるというのが彼女らは分かっており、そういう思いが見え隠れした資料を作るのも本当に気が進まないものだった。

なんとか自宅に戻り資料作成、そして完成した。
嫌な仕事でも、役割が自分に与えられていることは嫌なことではなかった。


今日は出掛け帰りに自分にご褒美、コンビニでロールケーキを買った。
スプーンですくって食べるそれは、いつもスーパーで購入するものと違いなんとなく贅沢で美味しく幸せな気持ちになる。
今日のおやつに子は喜び、子供でもやっぱり美味しいものは分かるのだと思った。
普段は百均のおやつやホットケーキミックスを使った安くて手軽なおやつだけれど、たまに頑張った時のご褒美スイーツは、これからのモチベーションを更に高めてくれるなくてはならない存在だ。



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置いてきぼり

孤高の人が妊娠したー

最近の園ママ達のおかずネタだ。どうやら仕事もずっと休んでいるらしくたまに園に送迎に来ればすっぴんのワンピース姿。
その話を耳にしたのは役員会の時だった。
私はいつものように空気でいたから何か言葉を発したわけでもないけれど、なんだかふいに置いてきぼりをくらったような気になった。


「さなちゃんも喜ぶよー、なんだかんだでやっぱり大人しかいない家庭で育つのはね、ちょっと心配。」

「さなちゃんもお姉ちゃんになるって知ったら張り切るんじゃない?」

「うちも3人目頑張ろうかなーなんて!」

「一人っ子ってさ、やっぱりなんか微妙だよね~さなちゃんママみたいにバリバリ仕事してたりだったら分かるけど。」


背中が一瞬凍る思いだった、それは私に向けられたイヤミなのかとも思ったけれどそうではないらしい。
その発言は私のプライベートを全く知らない他クラスのママのものだったし、それでもなんとなく居心地が悪くてお尻がムズムズしてどうにもこうにも落ち着かない思いだった。



芸能人がまた妊娠報告ー
毎日のようにおめでたい話題がニュースを飾る。

置いてきぼりの境地だ。

この感情は今に至ったことではなくて、それぞれ人生の分岐点において味わって来たもの、そしてこれからも味わうだろうもの。


友達が結婚したー私はまだ未婚だ。

友達が妊娠・出産したー私はまだ未妊だ。

友達が正社員になったー私はまだバイトだ。


一方、

友達が彼と別れた。

友達が離婚した。

友達に子供が出来ない。

友達が流産した。

友達がリストラされた。



こんな時、真っ先に電話をして励まし、駆けつけて話を聞き、共に涙を流し悲しみを共有し合う。
その心の奥には正体不明の「情」で脳内は満たされて時に自己満足、そして共有から得られる絆が生まれたりする。


人の幸福を心から喜べることこそが清らかな情なのだろうけれど、喜び半分どこか置いてきぼりの感情が心を支配するのが人間の性なのかもしれない。
それが全くないという人間は、きっと全てにおいて満たされているかよほど心清らかな性質を持っているのだろう思う。


とにかく私は置いてきぼりだった。
そして自分が一体どうしたいのか、心の奥の奥底ではやっぱりもう一人子供が欲しいという思い。
そして確実に体はタイムリミットの警報を鳴らしている。



ただー躊躇する理由、それはたった一つだけ。
子供は欲しい、しかし「夫の子供」が欲しいというまっすぐな気持ちがないという事が問題なのだ。












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10月のライティング報酬

今月の個別ライティング作業・・・18362円

今月のランサーズのライター作業・・・3500円  
今月のランサーズの紹介料・・・500円

今月のクラウド(げん玉)のライター&入力作業・・・0円
今月のクラウド(げん玉)の紹介料・・・4936円

今月のブログミのライター作業・・・2500円
今月のブログミの紹介料・・・100円





合計29898円




















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今月は3万の大台届かずでした。
役員絡みの資料作成や自治会の新聞作りなど、すぐにキャパオーバーになってしまう私にはライティングの時間もあまり取れずでしたが、それでもこれだけ稼げたのは大きいです。


今月は楽天優勝のお陰でポイントも貯まりましたし、ダブルでげん玉にもポイントがついたので嬉しかったです。その分はお友達還元ポイントと合算しています。今回も登録して下さった方に感謝の気持ちです。


ランサーズも個別案件もぼちぼちという感じです。
少し中だるみもあったのですが、とにかく3日を空けない作業を心掛けました。


今月も頑張りたいと思います。












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売れ残りハンドメイド

ここ数日子が体調を崩してしまい園を休んだりでブログ更新もままならなかった。
ようやく子の具合も落ち着いたので、週末にあったバザーに参加することが出来た。
親の本心としては子の体調不良を理由に欠席したい気持ちが80%。
しかし、子はバザーの一貫で行われる縁日や屋台などの催しを楽しみにしており、前売り券も購入していたので多少具合が悪くても行きたい!とベッドの中で泣いていた。
そんな子の願いもあってか、当日にはすっかり元気になり欠席する理由もなくなったのだ。


夫はその日も仕事。最近は仕事仕事。
そして連日の飲み会、これは正直夕飯の手間が省けるので非常に助かるのだが、前もって教えてくれるのは半分もいけば良い方で。
残り半分は既に準備が済んでからの連絡、しかし仕事なのだから文句を言うわけにもいかず、ならばと翌日の弁当のおかずに回して楽をするようにしている。





バザーは大盛況だった。実は去年は自分が弱く、プリキュアの映画と引換に子に我慢させバザーを欠席したのだった。しかし今年は最後、またあのような後味の悪い思いはしたくないと思い、前もって自分を奮い立たせるために前売り券を購入したのだった。
その前売り券で購入したやきそばや綿菓子、この寒いのになぜかかき氷やフランクフルトなど喜んで子は食べた。
週末ということもあり、運動会同様父親や祖父母など、また近隣住民なども多く参加しておりいつものような孤独感はなく快適に行事を楽しむことが出来た。
子は一生懸命クラスの友達を探しているようだったが、とにかくものすごい混雑で見つけることが出来ず諦めたようでその様子を見て安心する情けない自分はやはり健在だった。
それでも、子は園で行う特別な祭りの雰囲気を楽しんでいるようだった。

バザー提出品10点のうち、強制的に1点はハンドメイドの品物を提出せねばならず、今年も不器用な私ながら頑張ってネットで調べて見よう見真似で「アクリルたわし」を作成した。
去年は巾着袋を提出したのだが、なにせ当日欠席したのだがら売れたかどうかは分からないまま。
まず、自分の1時間以上掛けて作った力作についている値札はどれくらいだろうと興味心がわいたので見に行った。

体操着入れやりかちゃん人形の洋服、また子供服や可愛らしいシュシュなどが色とりどりに可愛らしくラッピングされて販売されている。
シュシュが300円くらいで販売されており、少し胸が高鳴った。100円くらいの値札はついてるかな・・



しばらく探していると、子が、


「ママが作ったやつあったー!」

と見覚えのあるアクリルたわしを手に持ち手招きする。
頭のてっぺんからつま先まで真っ赤になる思いで子のところに行くとそれにつけられた価格はなんと10円。
綺麗にセリアで用意したシールや入れ物を使ってラッピングをして見栄えよくしたつもりだったのだが、やはり手作りの所詮はたわしだ。

販売している係の人々はそんな親子のやりとりに気が付くわけでもなく会計に大忙しだった。
アクリルたわしは他にも作成した人達がいるようで、可愛らしい動物だったりお花だったりと手の込んだものだった。
それらでも50円の価格だったのだから仕方ない。

それから園内を何周か回るうち、子がYちゃん達を見つけてしまい遊ぶはめになってしまった。
仕方なく置いてきぼりにされた私はその様子を遠目で見守り、スマホを見たりで時間をつぶした。
結局バザー終了時間ぎりぎりになり、Yちゃんグループが引き上げるのと同時に帰ることになった。
そしてまたあのハンドメイド売り場をのぞくと、大体の商品は売れており収益に繋がったようだ。
しかし、私が作成した例のたわしはぽつんとたわしコーナーに取り残されており、やはり華やかで可愛らしいたわしは完売。
なんだかぽつんと取り残された10円の値札がつけられたたわしに自分を見ているようで、いてもたってもいられなくなり気がつくと手にとって会計に並んでそれを購入していた。
さすがにそれだけも何なので、手作り子供用シュシュもカモフラージュに購入した。


そして、自宅に戻ると、自らラッピングした袋から丁寧にそれを取り出し早速キッチンに置いて使った。
もっとみじめで情けない思いがわいてくるのかと思ったら、案外それはなくてまるで嫁に出した娘が出戻りで戻って来たらこんな感情なのかもしれないー

そんな妙な思いでリビングを見渡すと、嬉々として可愛らしい手作りシュシュを使い不器用ながらも自分でポニーテールを作る子の後ろ姿に、ほのぼのとする日曜の午後なのだった。














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