授業参観
小学校初めての授業参観、子の学校での様子を知ることが出来るチャンスのひとつだ。
科目は算数だった。
算数といってもまだ足し算や引き算などの計算問題ではなく、数の概念を学ぶというもので就学児前でも殆どの子供が知識として得ているものだと思う。
担任は先日の家庭訪問とはまた違い、保護者達に囲まれての授業だからかいくらか緊張しているように見えた。
子供達も園時代の参観日とは違って、どこかしゃんとしているようで行儀良く椅子に座り落ち着き無く走り回る子は皆無だった。
子の席を見遣ると、私を探してなのかやたらと何度も振り返る。
少し遅れてしまったこともあり、教室のドアの近くにいたのでなかなか気が付かなかったようだった。
目が合い、小さく手を振ると嬉しそうに、そしてほっとしたように笑い黒板に体を向け直した。
母親達はこそこそ何かを話している群れから、授業の様子を集中しながら見ている人など様々で、やはりスネオママの群れはど真ん中を陣とっていながらもこそこそ何か話しては笑いを繰り返し正直目立っていた。
肩を叩かれ振り向くと、素敵ママだった。
「お疲れ、遅れちゃった。」
「今始まったばかりだよ。」
小さな声で返す。
「では、この答えが分かる人ー?」
担任が質問するとクラスの半数くらいの子供達がこぞって手を挙げる。
その中にはスネオママの子もおり、彼女の方を見てみるとどこか自慢気な表情をしていた。
「すごい、R君積極的だね。」
素敵ママの子も元気良く挙手していた。そして担任に指されると、答えを述べ正解を貰い嬉しそうにこちらにいるママを見ているのが子供らしく微笑ましかった。
それに対し我が子は手を挙げたいようなでも恥ずかしさが先行し思うように挙げられないようで、もじもじしながらも結局最後まで発言することはなかった。
園時代のようにはりきった姿を見ることは出来なかったが、これも成長の一貫なのだと思う。ただ静かに座って授業を聞いていられたことだけでも褒めてあげたい。
授業が終わると帰りの会、それから親子で帰宅という流れになったのだが、R君とスネオママの子が戯れ合って盛り上がりなかなか帰りの支度をしようとしない。
その様子を見て、素敵ママはR君のところまで声掛けに行ったようだ。するとそれに釣られるかのようにスネオママも子供の席に行き、そこでお互い挨拶をし合い談笑を始めた。
当初の予感は的中した。これをきっかけに彼女達が仲良くなるのではないかという思いで一杯になり胸の奥がざわざわした。そして何よりも深い仲になった彼女達が私のことを噂するのではないかという被害妄想まで膨らみ、そうなるとどうにも止まらず帰りの支度が既に整った子の手を引っ張り教室の外に出た。
帰り道ー、そんな妄想を振り払うように子に話し掛けた。
きちんと授業を聞いていられたことを褒めた。
「手、恥ずかしくって挙げられなかった。」
子は子なりに後悔が残ったようで力なくつぶやいたので、
「大丈夫、まだ1年生なんだもん。直に挙げられるようになるよ。ママも恥ずかしくて挙げられなかったことあるもの。それに今日はたくさんのお母さんがいたんだもの、しょうがないよ。」
お互い心にモヤモヤを抱えながら家路を辿る。暑かったので帰り道スーパーでバニラアイスを一つ買った。自宅に戻り半分こにしたアイスを小さなグラスに盛り付け、いちごとチョコポッキーを刺して簡単パフェの出来上がりだ。
疲れた頭を甘いものが癒してくれる、いつの間に子にも笑顔が戻り夕飯の支度を手伝ってくれるというので並んでキッチンに立った。
学校で積極的ではなくても、家ではこうして自発的にお手伝いをしてくれる子の気持ちを今は大事にしたいと思った。
2人で協力して作ったハンバーグはいつもにも増して美味しく感じた。






科目は算数だった。
算数といってもまだ足し算や引き算などの計算問題ではなく、数の概念を学ぶというもので就学児前でも殆どの子供が知識として得ているものだと思う。
担任は先日の家庭訪問とはまた違い、保護者達に囲まれての授業だからかいくらか緊張しているように見えた。
子供達も園時代の参観日とは違って、どこかしゃんとしているようで行儀良く椅子に座り落ち着き無く走り回る子は皆無だった。
子の席を見遣ると、私を探してなのかやたらと何度も振り返る。
少し遅れてしまったこともあり、教室のドアの近くにいたのでなかなか気が付かなかったようだった。
目が合い、小さく手を振ると嬉しそうに、そしてほっとしたように笑い黒板に体を向け直した。
母親達はこそこそ何かを話している群れから、授業の様子を集中しながら見ている人など様々で、やはりスネオママの群れはど真ん中を陣とっていながらもこそこそ何か話しては笑いを繰り返し正直目立っていた。
肩を叩かれ振り向くと、素敵ママだった。
「お疲れ、遅れちゃった。」
「今始まったばかりだよ。」
小さな声で返す。
「では、この答えが分かる人ー?」
担任が質問するとクラスの半数くらいの子供達がこぞって手を挙げる。
その中にはスネオママの子もおり、彼女の方を見てみるとどこか自慢気な表情をしていた。
「すごい、R君積極的だね。」
素敵ママの子も元気良く挙手していた。そして担任に指されると、答えを述べ正解を貰い嬉しそうにこちらにいるママを見ているのが子供らしく微笑ましかった。
それに対し我が子は手を挙げたいようなでも恥ずかしさが先行し思うように挙げられないようで、もじもじしながらも結局最後まで発言することはなかった。
園時代のようにはりきった姿を見ることは出来なかったが、これも成長の一貫なのだと思う。ただ静かに座って授業を聞いていられたことだけでも褒めてあげたい。
授業が終わると帰りの会、それから親子で帰宅という流れになったのだが、R君とスネオママの子が戯れ合って盛り上がりなかなか帰りの支度をしようとしない。
その様子を見て、素敵ママはR君のところまで声掛けに行ったようだ。するとそれに釣られるかのようにスネオママも子供の席に行き、そこでお互い挨拶をし合い談笑を始めた。
当初の予感は的中した。これをきっかけに彼女達が仲良くなるのではないかという思いで一杯になり胸の奥がざわざわした。そして何よりも深い仲になった彼女達が私のことを噂するのではないかという被害妄想まで膨らみ、そうなるとどうにも止まらず帰りの支度が既に整った子の手を引っ張り教室の外に出た。
帰り道ー、そんな妄想を振り払うように子に話し掛けた。
きちんと授業を聞いていられたことを褒めた。
「手、恥ずかしくって挙げられなかった。」
子は子なりに後悔が残ったようで力なくつぶやいたので、
「大丈夫、まだ1年生なんだもん。直に挙げられるようになるよ。ママも恥ずかしくて挙げられなかったことあるもの。それに今日はたくさんのお母さんがいたんだもの、しょうがないよ。」
お互い心にモヤモヤを抱えながら家路を辿る。暑かったので帰り道スーパーでバニラアイスを一つ買った。自宅に戻り半分こにしたアイスを小さなグラスに盛り付け、いちごとチョコポッキーを刺して簡単パフェの出来上がりだ。
疲れた頭を甘いものが癒してくれる、いつの間に子にも笑顔が戻り夕飯の支度を手伝ってくれるというので並んでキッチンに立った。
学校で積極的ではなくても、家ではこうして自発的にお手伝いをしてくれる子の気持ちを今は大事にしたいと思った。
2人で協力して作ったハンバーグはいつもにも増して美味しく感じた。



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- 2014/05/30