偽造うなぎ
土用の丑の日ー
我が家は夫がうなぎうなぎと数日前から五月蝿かったので、数日前から色々なスーパーのチラシをにらめっこ。
少しでも安いところを探したが、国産うなぎは2000円以上する。
生活費の値上げ交渉のチャンスかもしれないーそう思い、勇気を出して夫にうなぎなど買えないと伝えることにした。
「今貰ってる生活費だと、国産うなぎは買えないよ。中国産の小さいものでも厳しいんだけど・・」
それを聞いて、しばらく夫は黙り込み深い溜息をついた。
「やりくりがー」
そう言いかけた夫に畳み掛けるように、私も負けじと反論した。
「食べるかどうか分からないお弁当作って、夏休みになってOOもいるから昼代だって掛かる。それに食費3万は都内では無理。雑誌なんかでうまくやっている人は地方だったり実家が野菜や米をくれてるんだから。」
「もういいよ。外で食べてくるから!」
そう言って、実際昼に職場の仲間と食べて来たらしい。しかも部下達に見栄を張って数千円のうな重をご馳走までしたと言うから驚きだ。
「いやースタミナついたわ。あいつら小遣い制らしくって、嫁さんに尻に引かれて満足に昼飯も好きなもん食えないんだから可哀想なもんだよ。」
ビールを3缶空けて、気持ちよさそうに言う夫。
俺って気前のいい上司だよなと言わんばかりにー
正直ムカついて、翌日の夕飯にちくわの蒲焼をうなぎに見立て、私と子は夫の前でそれを食べた。
「なんだ?それ。」
「OOがうなぎ食べたいって言うから。でも買えないからちくわでうなぎの蒲焼の味付けしたの。」
「ふうん。」
「ねえ、パパは本物のうなぎ食べたの?いいなー」
子が夫にそう言うと、多少罰の悪い顔をしながら言い訳をしていた。
「パパはお仕事で食べたんだよ。」
夫は子に言われたことで、多少気まずそうに私達の丼をちらっと見ると、自分のおかずを黙々と口に運ぶ。ちなみにその日の夫のメニューは麻婆茄子だ。子は辛くて食べれず、麻婆の時は別メニューを出すようにしているのだ。例えば親子丼や豚丼など。
大体丼が多いので、イヤミを兼ねてちくわのうな丼風にしたのだった。
180円で2人前の土用の丑の日ー
正直、ちくわはちくわの味しかせずうなぎにはならなかったが、その雰囲気だけでも味わえたし夫に少しでも罪悪感を持って欲しかったので効果的だったかもしれない。
本物のうなぎーもう何年も食べていないけれど、ちくわとは違うと分かるのだからその味の記憶はしっかりと残っている。
子にも本物をいつか食べさせなければーそう決意し、在宅ワークを頑張ろうと思った日だった。

我が家は夫がうなぎうなぎと数日前から五月蝿かったので、数日前から色々なスーパーのチラシをにらめっこ。
少しでも安いところを探したが、国産うなぎは2000円以上する。
生活費の値上げ交渉のチャンスかもしれないーそう思い、勇気を出して夫にうなぎなど買えないと伝えることにした。
「今貰ってる生活費だと、国産うなぎは買えないよ。中国産の小さいものでも厳しいんだけど・・」
それを聞いて、しばらく夫は黙り込み深い溜息をついた。
「やりくりがー」
そう言いかけた夫に畳み掛けるように、私も負けじと反論した。
「食べるかどうか分からないお弁当作って、夏休みになってOOもいるから昼代だって掛かる。それに食費3万は都内では無理。雑誌なんかでうまくやっている人は地方だったり実家が野菜や米をくれてるんだから。」
「もういいよ。外で食べてくるから!」
そう言って、実際昼に職場の仲間と食べて来たらしい。しかも部下達に見栄を張って数千円のうな重をご馳走までしたと言うから驚きだ。
「いやースタミナついたわ。あいつら小遣い制らしくって、嫁さんに尻に引かれて満足に昼飯も好きなもん食えないんだから可哀想なもんだよ。」
ビールを3缶空けて、気持ちよさそうに言う夫。
俺って気前のいい上司だよなと言わんばかりにー
正直ムカついて、翌日の夕飯にちくわの蒲焼をうなぎに見立て、私と子は夫の前でそれを食べた。
「なんだ?それ。」
「OOがうなぎ食べたいって言うから。でも買えないからちくわでうなぎの蒲焼の味付けしたの。」
「ふうん。」
「ねえ、パパは本物のうなぎ食べたの?いいなー」
子が夫にそう言うと、多少罰の悪い顔をしながら言い訳をしていた。
「パパはお仕事で食べたんだよ。」
夫は子に言われたことで、多少気まずそうに私達の丼をちらっと見ると、自分のおかずを黙々と口に運ぶ。ちなみにその日の夫のメニューは麻婆茄子だ。子は辛くて食べれず、麻婆の時は別メニューを出すようにしているのだ。例えば親子丼や豚丼など。
大体丼が多いので、イヤミを兼ねてちくわのうな丼風にしたのだった。
180円で2人前の土用の丑の日ー
正直、ちくわはちくわの味しかせずうなぎにはならなかったが、その雰囲気だけでも味わえたし夫に少しでも罪悪感を持って欲しかったので効果的だったかもしれない。
本物のうなぎーもう何年も食べていないけれど、ちくわとは違うと分かるのだからその味の記憶はしっかりと残っている。
子にも本物をいつか食べさせなければーそう決意し、在宅ワークを頑張ろうと思った日だった。

- category: 財布事情
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- 2014/07/31