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告げ口

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「ただいま~、ママ~、聞いて聞いて。今日ね、MちゃんがK君にキモイって言われてたから先生に教えてあげたの。」


K君は、私が苦手なスネオママの子供だ。園の頃から何かと目立ち、何事も卒なくこなす。スポーツも万能ながら成績も優秀でスネオママからすれば鼻高々の存在だ。


「え?どういうこと!?」


最近では、スネオママの存在も私の中からめっきり姿を消し平穏な日々を送っていたのだが、そういえば彼女の息子と私の娘は同じクラスだったのだ。授業参観などではその現実に嫌な思いをすることが多々あるが、小学校では行事自体が少ないこともあり、彼女の影はすっかりなりを潜めていた。
心拍数を上昇させながらも、子にチョコパイとオレンジジュースのおやつを与えつつ、その詳細を聞く。

要約するとつまりのところ、クラスでちょっと変わった女の子がおり、いつもひとりで遊んでいるのだが、その子に向かってK君は暴言を吐くそうだ。そして驚くことに素敵ママの子であるR君も一緒になってからかっているというのだ。
最近ではその暴言もエスカレートし、筆記用具をMちゃんから取り上げてはパスし合い窓の外に放り投げたり、また体育着を臭いといってゴミ箱に投げ入れたりしているという。Mちゃんは悲しい顔をするのものの、担任に気が付かれる程泣いたりはしないので、見るに見かねた子が直接それまでのあらましを伝えたようだった。
非情な親だがまず一番に気になったのが、、子が担任に言いつけた際、それをK君やR君が見ていたかどうかだった。そしてその答えは「YES」だったことに愕然とする。そして、言いつけた後に子がK君に嫌なことをされてはいないか心配した。それについては大丈夫だったので安心した。
内心、厄介なことになったなと思った。もうすぐ学年末懇談会もある。嫌でも彼女と顔を合わす。自分の子供が嫌いな親の子供にいじめについて言いつけられたことを知ったらどんな態度を取るのだろう。想像するだけでげんなりした。また、それまで関係性は良好だった素敵ママに対しても、R君が悪さをしたことを知りショックを受けると同時に、それを告発したのが私の子だと知れば良い気持ちはしないだろう。
そして、そんな風に自分のことばかり考えてオロオロしている母を持つ子は不憫だという感情もわく。本当ならば褒められることをしたというのにー


「ママ?怒ってる?」

余程私が怖い顔をしていたのだろう、子は顔色を伺うように下から覗き込む。


「ううん、OOは正しいことをしたよ。ただー、本当のことなんだよね?でもね、今度からは先生と2人きりの時に伝えた方がいいよ。」


「なんで?」


「・・・えっと、うん、OOもいじめられちゃうかもしれないから。」



半分は出まかせだが、もう半分は本当に思っていることだ。しかし、子は納得していないような表情で首をかしげながらジュースを飲む。


「Mちゃん、可哀想だった。泣いてなかったけど心の中では泣いてたと思う。だって先生の見てないとこで叩かれたりしてるんだもん。バイキンって笑われながら。」



それを聞くと、今度はMちゃんの親の立場になり胸が苦しくなった。Mちゃんの顔は知らずその親とも直接会ったことはないけれど、それでもなぜだか彼女ら親子を身近に感じる自分もいた。



「それは悪いね。R君もー、前はそんなんじゃなかったのに。K君がそうさせてるのかも・・」


つい、目の前に子がいるのを忘れて心の声が出てしまいはっとする。しかし、子はその声を聞いていなかったようで、視線はテレビ画面に向けられていたのでほっとした。
スネオママには元々嫌われているのだからまだいいけれど、素敵ママには悪く思われたくない。いや、その前に素敵ママのことだから、まずは自分の子を疑うはず。こちらは何も知らない振りで、向こうから何かしらアクションを起こして来るのを待つ方がいいだろう。


今後、この展開がどうなるのか気になりながらも、この件については担任と双方の親との間でなんとか収束して欲しいと願うほかないのだった。















































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平均の安心

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今朝は、朝から雨。
思う存分引き込めると、録画してあるDVDを流しながら、お気に入りのコーヒーを飲みながら、こうしてブログ更新をしている。私の一番ほっとする、大事な時間。
まだ、掃除や洗い物に手をつけてもいない。夫と子を送り出したら、途端抜け殻のようにベッドに倒れこみ、今になってようやく自分の朝食を取ろうと、もそもそと起き出したのだ。
買ってから3日目は経過している賞味期限あやふやな食パンとコーヒーだけの簡単な朝食。いや、もうこの時間だからブランチだ。


今の自分の幸福度は自身の中にあると常日頃言い聞かせながらも、やはり相対的に見てしまう私。しかし、世間が狭い私にとって、その相対性は正確なデータによるものではなく、周囲のわずかな知人やネット上の見知らぬ人々のみとの比較なので、かなり偏りがある。
ネットでは、自分が幸福だと確認出来るブログを閲覧する機会が多い。自分より金に困っているーだとか結婚出来ないーだとか、言い方は悪いが自分より大変な人々の愚痴を糧に、今日もまた、置かれた環境の中で頑張ろうという気が湧いてくるのだ。
しかし、私のブログ自体も恐らく多くの人々にとってはそんな対象なのだろう。最近では有難いことに閲覧者も増えて来て、嬉しい反面複雑な気持ちもあるのが本音。勿論、共感して下さる方々もおられるだろうが、私のようにこのブログを自分より下に見て安心している人が少なからず存在するのではないかと思ってしまう。

取り敢えずの平均ーそこに自分が位置していれば人は安心し、続いてその上を目指す。
結婚の次は子供、子供を1人産めば2人目、そして充実した子育ての日々、多くの交友関係ー。子の成長に伴い、成績だったりスポーツだったり積極性だったり。そして夫のキャリア、また自分自身のキャリアへと上を目指すにはパワーが要るし限界もある。ならば現状維持という選択ーしかしそれに満足するにはせめて平均の範疇にいるのだという安心感が必須なのだ。
ーあの人よりはマシー
という言葉に嫌悪しながらも、心のどこかでは敏感にそれを感じ取り、そして疲労した心は慰められている。


去年、アナ雪が流行り、「ありのまま」という言葉が至るところで使われたのも、そう思い込むことが現状を豊かなものだと錯覚させてくれるからーだと穿った見方をする。与えられた環境を楽しめる人はわずかで、それは元々それなりの生活を送っているのだろうな、とぼんやりした頭で思う。
外からは見えない苦しみだとかーはきっとあるだろうし、また人の辛さの感じ方や尺度は違うものだから、それを測ることは不可能だけれど、それでも私よりは恵まれているのだろうな、と思う。
人と比べることなどない、平均かそれ以上の安定を手に入れた人々は、簡単に自分を受け入れられるのだろう。もっと言えば、自分を好きでいられるのだろう。
どん底の状況からありのままを受け入れている、悟りの境地の人々を除いてはー

顔も体も、性格も、自分が嫌い。

そんな自分が家庭を持てて、子供を産めたーそれだけで、きっと別の角度から見たら「幸せな人」だと定義付けられるのだろうけれど。
そして、私は意地悪なことに、そう思ってくれるだろう人々のブログを徘徊し、今日も満足する。
我ながら、嫌な奴だと思う。しかしそれこそがありのままの私なのだということは否めない。





































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マラソン大会

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子のマラソン大会。
こういった行事が少ないのも小学校の特徴。幼稚園では月に何度もカメラを携え行かなければならないイベントがあったが、今となってはあっさりしたもので、最近は折角購入した一眼レフの出番も少ない。
また、仕事をしている母親は不参加なのだろう、来られる保護者だけの応援だったが、それでも全学年でのイベントだったのでそれなりに校庭には人がたむろしていた。


「こんにちは!!」


門をくぐり抜けるところで、Yさんが後ろから私に声を掛けてくれた。途端に胸が弾み、世間話をしながら校庭へと進む。あわよくば、このまま共に子供のマラソンを応援出来るかもしれないー、ポツンにならなくて済むという下心がわく。
視線の先には、スネオママとその取り巻き、ボスママやまいこちゃんママなど、相変わらず園時代のメンバーで固まっているのが見え、また孤高の人は、見知らぬ誰彼と楽しそうにしゃべっている。その後ろ姿には抱っこひものベルトが見えた。彼女も二児の母なんだな、と頭の片隅で思う。
Yさんと喋りながらも、私の人間観察は続く。折角話しかけてくれている彼女を前に、視線は忙しなく動く。生返事をしながら、しかし、横に人がいてくれる安心感は私を守ってくれる。
敬語ママは会長らと一緒、そして新たにPTA関係の人達も混合して大きな輪が出来ている。バレーママらもいる。素敵ママは、Dちゃんママやその他、近所以外で私の知らない人達の輪の中心におり、やはり目立つ存在感を放っていた。


「おっはよ!」

「これ頼まれてたやつー」


数人の母親達がYさんに話し掛けて来た。私の心臓はビクンと波立つ。隣でYさんは彼女らとわいわい話し出す。途端に、その輪から弾かれたように自分の居場所を失う。
Yさんは、すっかりそれまで私と話していたことを忘れたように、楽しそうにケラケラ笑う。私は何でもない風を装って、持っていた一眼レフのファインダーを覗く。
いつでもそうだ。引越し前のママ友がいた時の私もそう。
仲の良い友達と話していて、そこに知らない誰かが入って来ると、まるで自分は最初からそこにいなかったように存在を消してしまう。割って入ることが出来ないのは当たり前だが、また、入って来られても自分がお邪魔虫のような気がして、その場を離れるという選択をしてしまうのだ。
気を取り直し、覗いた先に見える我が子を撮るが、どうも集中出来ないでいるカメラワークは上手くいく訳もなく、何度シャッターを押してもぶれたりピントが合わなかったり。
そんなこんなで子供達はスタートしてしまった。
全学年といっても、距離はそれぞれ学年別なので、1年生が走り終わるのは一番始め。子は私を見つけると、その前を通り過ぎる時だけ張り切って2~3人抜いては抜かされるを繰り返していた。

最近忘れていたこの感覚ー

子供を見に来ているのに違うものを見てしまう、この嫌な感覚。
そして、子の写真は結局うまく撮れず、また子の走りも集中して見てやることが出来ず、ただただその場を立ち去る際、一言Yさんに挨拶をした方が良いか、そればかり考えていた。


そして、Yさんと私の間に出来たわずかな隙間に、誰かの父親が入ったところで、私の選択は固まった。
何も言わず、その場を幽霊のように去ったのだ。勿論、Yさんから呼び止められることもなかった。彼女は私を探してくれただろうか?いや、きっと私と一緒にいたことすら忘れてしまっただろう。誰からも好かれる太陽を前にすると、時に眩しすぎて目を逸らすしか出来ない時があるのだ。




























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誘拐

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全てを持っている彼女を見ていると、ぶち壊してしまいたい衝動に駆られるー



生理前だからなのか、朝から腰に鈍痛。こんな日に限って夫から買い物を頼まれており、重い腰を上げてショッピングモールへ向かった。
平日昼間のモールは、未就園児達とその母親達の群れが多く、フードコートなどはそれなりに賑わっている。ベビーカーを押しながら、ファッショナブルな若々しい母親達。私とは一回りも違うキラキラした彼女達がまぶしい。私が既に通った、人生のほんの一部分にすぎない育児を、これからがむしゃらに努めるのか、それとも難なくこなすのか。


「OOさん!」



トイレから出た時、素敵ママに遭遇した。赤ちゃんを抱っこひもで抱えていたが、今日の彼女もいつもと変わらず小奇麗だった。



「あれ?買い物?」


「ううん、友達とランチ。」


友達とはママ友だろうか、荷物は店に置いているのだろう、彼女の手にはタオルハンカチのみ握られていた。


「赤ちゃんいるとさ、トイレ行くのも一苦労だよ。」


「抱っこしてようか?」



何も考えずに出た言葉ー、そして意外にも彼女はすんなりと私の言葉に甘えたのだった。


「え?いいの?ありがとー。じゃあちょっと見ててくれる?」


トイレ脇のベンチに腰掛けると、一旦彼女の赤ちゃんを受け取った。彼女はにっこり手を合わせると、そのまますぐにトイレへ駆け込んだ。よほど我慢していたのだろう。



何年ぶりかに抱く赤ちゃんは、柔らかくてお日様のような香りがした。そしてふっと甘いミルクの香りも。目が合うと、顔をくしゃっとして声を出して笑った。思い切り抱きしめたい衝動に駆られた。
少々緊張し、背中はやけにまっすぐに伸び、ぎこちないせいだろうか、赤ちゃんはえびぞりのように、私の腕の中から抜け出そうとする。無防備な首の後ろのたるんだ肉が、たまらなく愛らしい。

可愛い赤ちゃん、たくさんのママ友、活発な長男、優しい育メンの旦那からは愛されており大切にされている。それなりの経済力、自由ー
全てを持っているだろう彼女に嫉妬心が沸く。いつもなら憧れだけのそれが、今日は精神的に鬱々としていることもあり、黒々とした感情に支配される。


傍から見れば、この穢れのないふわふわの生き物は私の子供だと思うだろうか?
もしこの場から連れ去ったら、彼女は慌てふためくだろうか?必死になって私を探すだろうか?
まだ、母親が彼女だとはっきり認識していないだろうこの赤ちゃんに、私を母親だと思わせるのはたやすいことのように思える。
誘拐しようかー、何も疑わず、他人に自分の子を預けられる彼女の鈍感さにさえ嫉妬した。自分に関わる全ての人間が善人だと信じて疑わない、そんな恵まれた環境にいる彼女ー


「ごめんごめん!ありがとうね~!」



はっとすると、目の前にはいつもの彼女がいた。とんでもない妄想をしていた私を知る由もなく、心から有難がる彼女の視線に耐え切れず、そそくさと挨拶をしてその場を離れた。
掌はびっしり汗で濡れており、なんとなく本屋で買いたくもない雑誌を購入し、自転車置き場に着いたところで夫から頼まれていたそもそもの買い物をし忘れていたことを思い出す。
すぐに店に引き返すと、反対側の通路に素敵ママとその友達だと思われる数人を見掛けた。そのどれもが知らない顔であることに、彼女の圧倒的な社交性を見せ付けられたようで愕然とする。
私とはかけ離れたその人格に、嫉妬すること自体お門違いなのだ。

誘拐したらー、今の私と彼女との幸福度は同じラインに並ぶだろうか。そんな妄想をする私は悪人であるが、実際のところの私は、平凡などこにでもいる主婦にすぎないのだった。







































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友達100人の幻想

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去年の今頃、入学準備をしながら子が歌っていた「友達100人出来るかな」の曲。最近になり、ショッピングモールのランドセルや子供用フォーマル特設コーナーなどでいよいよ流れて来出した。
私も子も、新たな出会いに緊張しながらー、そして少しの期待を持って正門をくぐったのが昨日のことのよう。あれからあっという間に1年経ってしまった。

子が机の上に広げていた自由帳を何気なくパラリと開くと真っ黒で、もうどこにも描く場所がないので新しいのを買おうと話し掛けるついでに、最近の学校はどうか聞いてみた。


「最近、学校は楽しい?」


「うん、体育と音楽は楽しい。でも休み時間はつまんない・・」


思いがけない台詞に驚く。子供なら、休み時間が一番楽しい時間だろうと信じて疑わなかったからだ。


「なんで?休み時間、いつも何してるの?」


「お絵かきとか折り紙とか。」


「誰と?」


「誰もいないよ。」


てっきり、OちゃんやPちゃんとうまくやれているのかと思っていた。放課後遊ぶ約束をしていたし、確かに先日はすれ違いが生じてしまったが、それでも学校内では仲良くしているのだろうと信じて疑わなかった。


「他の子達は?」


「外に行ったり、お友達と教室で色々遊んでるよ。」



「OちゃんやPちゃんは?」


「分かんない・・」



だから自由帳は真っ黒だったのだ。冬休み中に新しいものを買い、まだ2ヶ月程しか経っていないというのに。それに最近は買い物に行く度に色々な種類の折り紙を買わされていた。
一人で過ごす手持ち無沙汰な休み時間、そうやって子なりに暇つぶしをしていたのだろう。


「他にー1人の子いないの?その子に声掛けてみるとか・・」


「いないよ。1人の子なんて。」


「じゃあ、Oちゃん達に遊ぼうって言えばいいじゃん。この間だって遊んでたし。」


「恥ずかしいよ。」


「何が恥ずかしいの?1人は寂しいでしょう?勇気出して誘ってみなよ。」



つい興奮して、子に自分の意見を押し付けてしまった。子は、気乗りのしない感じでテレビ画面に視線を向けたまま無言になってしまった。
「1人きり」という言葉に異常に反応してしまう私。まるで1人で過ごすことが悪いことだと言わんばかりに。そんなことは断じてないし、1人で過ごせる強さを身につけるのも、これから先、成長するにつれて必要な力だ。頭の隅では分かっているし、また自分自身に対してはいつでもそれを正当化しているというのに、子に対してそれを当てはめて納得することはどうにも出来ないでいた。
幼い子供は友達たくさんと仲良く遊ぶことこそ健全ーだから、「友達100人出来るかな」なんて歌だってあるのだ。「友達ゼロでも楽しいな」なんて歌は存在しない。

私は1人でもいい。子にはたくさんの友達に囲まれて笑っていて欲しいと思うのは親のエゴだろうか?1人が好きな子ならいいのだーしかし子は友達といる時が一番生き生きとしているのを知っている。幼稚園の頃もそうだった。しかし、小学校に上がってから、なんとなくその形は崩れつつある。せめてー仲良しの子が1人でもいてくれたら・・
2年生でDちゃんと同じクラスになれればまた状況は違うだろうが、そううまくいくわけもない。低学年からなんとなくグループが出来てしまう、それが女の子だ。
やはり私の子だからだろうか?場にうまく適応出来ない。出来たとしても人の何倍も時間が掛かる。自分から積極的に声を掛けていくことが出来ない。しかし、待っていれば人が寄ってくる程の魅力が当人にない。
悲しいことに、私にとって子は一番であっても、他の子供達からしたらそれが当てはまるとは限らない。下手したら最下位かもしれないのだ。
いてもいなくても良い存在ーかつての私のような・・

子が、教室の隅で1人ぽつんと折り紙を折っている様子を想像すると、胸が痛んだ。どうしたらー
そしてどうにも出来ないことに気づく。自分の力でなんとかするしかないのだ。そういった力を養うこと、それも学びなのだ。学校は遊ぶ場ではない、学びの場。それは勉強だけではなく、人と人とのコミュニケーションだったり協調性、自立心を養う場でもあるのだ。
どうか、自分の力でなんとか乗り越えて欲しい。1人でも楽しめる力、1人から2人にする力、声を掛ける勇気ー

親である私が出来ること、それは子がリラックス出来る環境を常日頃整えること。笑顔で「おかえり」と言ってやり、好きなおやつを用意する。そして学校での出来事を聞いてやる。本人が話したくなさそうな時は、無理に問いたださず、さりげなく気分転換をさせてやる。聞き出せそうなタイミングを計らう。
そして、共に悩み共に解決の手立てを考えること。


子が少しでも友達を作るきっかけになるように、女の子なら好きそうな「リボン」の折り方をネットで調べて教えてやった。最初は難しかったようだが、何度も練習するうちに自分だけで折れるようになった。


翌日ー、子がにこにこ笑顔で帰宅した。


「みんながね、りぼんの作り方教えてって言うから教えてあげたの。可愛いって~」


特定の友達は出来ずとも、クラスで注目を浴びれたことが嬉しそうだった。ちょっとの自信になったようだ。
何でもいい、学校生活で上手くいくきっかけやヒントを与えること。親の私が出来る手助けはここまでだけれど、子の笑顔が少しでも増えますようにと心に願う。


































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万引き

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ーまるで、万引き犯ではないか。


母親の気を引きたいが為に、罪を犯す少年達と同じ。ただ、こちらを向いて欲しいのだ。
夫に対し、それまでこのような感情が芽生えたことはなかった。しかし、彼に特定の女性の影らしきものが見えた途端、それまで嫌悪感すら抱いていた私への過干渉が、恋しくてたまらなくなったのだ。
実際、ツーリングにはまってからというものの、以前に比べると金銭的な面においても私のプライベートに対しても、興味が薄れたように見える夫。
それまでは、冷蔵庫にちょっと見慣れないスイーツやジュースがあったり、また洗面台に新しい洗顔フォームがあっただけで、いつ買ったのか?いくらしたのか?追求したし、また実母に会った時などには頻繁に電話、何時に帰るのかしつこく聞いてきたり、異常な程の着信ーそれも、最近ではなくなり、むしろ代休にツーリングの予定が入れば、進んで実家に遊びにでも行くように促される。

夫の代休の朝は、遅く起きてくることが多いのでブランチとしてパン食になることが多い。平日は和食を好む夫も、休みの朝は特別だ。パンにコーヒーとスクランブルエッグやベーコン、サラダにスープでオンからオフのスイッチが入るのかもしれない。いつからか、パンを出しても文句を言われることがなくなった。
普段は買わない、ホテルマーガリンを買った。パンは、いつもの激安スーパーで買う1斤68円の物ではなく、パン屋で398円のものを。
ジャムは、以前から気になっていたケーキ屋で、チョコスプレッドと共に購入した。2つで1000円程。

それらを代休の朝、ツーリングにいそいそと出掛けようとしている夫の前に出した。わざとらしく、パン屋の袋から食パンを出すと、一瞬何か言いたげな顔をしたが言葉を飲み込んだ夫。
そして、テーブルに並べられたパンのお供には、やはり一言。


「こんなにたくさんどうしたの?誰かから貰ったの?」


いつもの私なら、嘘をつく。ママ友や実母からの頂き物だと。しかしその日は違った。


「ううん、買ったの。駅前のケーキ屋で。前から気になってて。一つ500円くらいのジャムだから美味しいと思う。」


一瞬、夫の舌打ちした音が聞こえた気がした。そして、一方でそれを期待している自分がいた。


「こんなちっさい瓶で500円か、ぼったくりだな。」


ケチをつけながらも、瓶の蓋を開けるとたっぷりとパンに塗る。たちまち瓶の中のジャムは3分の2になってしまう。そして、2枚目のパンには、チョコスプレッドを。ヘーゼルナッツ入りの物で、店一番人気の品だそうだ。
よほど美味しかったのか、文句も言わず3枚目のパンを食べる夫。この時点で、スプレッドの瓶の中身は3分の1になっている。子や私のことなど彼の頭にはないのだろう。普通は後に食べる家族への配慮があっても良いはずなのに。


「食費、余裕があるんだな。安心したよ。」


釘を刺すかのように私に向かって言う夫。こんな贅沢をしているのだから、後から追加の金を催促するなーということらしい。


「余裕なんてない。あと2000円もないからー今週中にお金おろしてきて。」


「は!?どうしたっ?計算出来なくなった?」


「そんなに節約っていうなら、ツーリングに掛かるお金減らしたら?」


売り言葉に買い言葉だった。
心臓はバクバクと口から出て来そうな勢いだった。



ドン!!!ーと突如、背後から衝撃音が聞こえたと思ったら夫が壁を殴っていた。脅しだろうか?これはDVになるのだろうか?直接殴られたわけでもないのに、恐ろしく震えが止まらなかった。
しかし怯える私をよそに、夫は苛立ちながらも出掛けてしまった。


ノートを開き、記述する。
こうした夫の立ち振る舞いを記したこのノートは、いざという時のもの。そろそろ1冊目も終わる。日付と行動、そして細部に渡る会話メモ。本当ならボイスレコーダーに録っておきたいのだが、いつどこで理不尽な物言いが始まるかは見当がつかず、いちいち準備も出来ないので今はこの方法に留まっている。


バイクの鍵を付けたキーホルダーに、見慣れない可愛らしいキャラクターが付いていた。とあるゆるキャラのもので、夫がそれを自分で購入するわけがない。恐らく例の彼女から貰ったのだろう。最悪お揃いの物かもしれない。妄想は徐々に膨らみ、私の行動をエスカレートさせる。
手帳のポケットに忍ばせたゆるキャラ。夫がいない平日昼間、部屋に忍び込みそれを見つけた私は、気が付くとキーホルダーからそれを引きちぎっていたのだ。
テレビでこのキャラクターが映る度、癒されるどころか憎らしい感情がわいて来るようになってしまった。

こうしてまた一つ、嫌いな物が増えていく。





















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通りすがり

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ネットでの通りすがりはお気楽なもんだ。顔も名前も持たない彼らは、好き勝手に気に入らない相手を中傷したり批評家になり最もらしいことを無責任に言い放ったり出来る。
しかし、リアルでの通りすがりはそうもいかない。ひとつ間違いを犯せば、途端に「おかしな人」とレッテルを貼られて針のむしろ、後ろ指を刺される。ならば、無難に綺麗に通り過ぎるーそれが大人の持つスマートさというやつだ。


午前中のこと、卵が先着100名89円だったので、急いで自転車を出しスーパーへ向かった。本当のところ言うとちょっとした下心があった。
Yさんに会えるかもー
何度か彼女にはそのスーパーで会っている。あれから転勤話はどうなったのか聞きたいし、そしてまたランチでも出来たらという淡い期待が募る。

「卵激安の時は必ずゲットしにO×スーパーに行くのよ。」

以前、そんなことを聞いた記憶がある。会えますようにー祈りながら回転扉をくぐった。
広告が出た日の店内は、午前中だというのに盛況だ。幼稚園の送りがてらに寄る母親達や、また朝仕事を終えた主婦達、病院帰りの老人達も多い。
まずはお目当ての卵売り場へ。まだ残量に余裕があった。たまに「本日広告の品対象の卵は完売しました」の張り紙を見ると、心底がっかりする。
と、その時、Yさんが目の前を通り過ぎた気がした。しかし誰かと話しながら。
完全に素通りだった、がっかりしたが気を取り直して肉のコーナーへ行き、乾物コーナーへ行くと反対側の通路からYさん達が歩いて来るのが見えた。対面する形だったし、もうどうしようもない感じだったので、重い足を前方へ動かしながらなるべく柔らかい表情を意識して声を掛けた。

「こんにちは。」

我ながら、うまく笑顔を作れていたと思う。

「あ!こんにちは~」

一点の曇りのない笑顔、彼女の表情はまるで晴天。その隣にいる女性は小さな子をおんぶしており、ママ友なんだろうー、とても親しげだった。その人にも出来るだけの笑顔で会釈をしたが、目を合わせてもくれなかった。彼女一人だったらちょっとした世間話でも出来たのだが、なんとなくお邪魔な気がしてそのままもう一度頭を下げて通り過ぎた。
Yさんも、とくに私に何か話し掛けるといったこともなかった。
もし、私がYさんに会うことを楽しみに店に来たのだと知ったら彼女はどう思うだろうか?気持ち悪がるだろうか?ストーカーだと思われるかもしれない。しかし、積極的なそれではなくあくまでも受動的な。
学生の頃、好きな人に告白出来ず、しかし自分の存在に気が付いて欲しかった乙女心。彼の視界に入るよう常に注意し、目の端で彼の姿を確認していた。
まるで片思いだ。そしてYさんは、あの頃私が片思いしていた彼のように人気者なのだ。いつでも私は高嶺の花に恋焦がれる。ハードルが高いのかもしれない。自分がいつまでも日陰にいるから、太陽のような人間に憧れる。

自宅に戻り、すぐに勇気を出してメールを出した。


「こんにちは!先程は偶然でしたね~卵ゲット出来ましたか?今度ランチでもどうですか?」


かなり勇気を出して入れたメールに、すぐ返信が来た。「RE;」という表題に少しがっかりしながらも、わくわくした気持ちでメールを開く。


「こんにちは~。さっきはどうも^^元気でしたか?今月は予定がびっしり詰まっていて。暖かくなった頃ランチ出来たらいいですね^^インフルエンザが流行ってますのでお気を付けて~」



曖昧な、「暖かくなった頃」という台詞に、それまであった勇気も期待もしぼむ。Yさんは人気者だ。役員やボランティアもしている。何かと忙しいのは本当のことだろうし、子供だって私のように一人っ子ではないのだから何倍も大変だ。しかしびっしり予定が入っているというのは本当だろうか?ママ友は一体どれくらいいるのだろうか?今朝会った、隣にいた彼女とはどんな関係なのだろう?ママ友を越えた友人なのか?毎日彼女のスケジュールは私のそれと比べたらさぞかし充実しているのだろう。こうして私のように、年がら年中一人黙々とPCでネットサーフィンをしたりなど、彼女の生活には考えられないライフスタイルだろう。
しかし、Yさんならもっと具体的な日時の返信をしてくれるかと思っていたので残念に思った。そして、そう思う自分に身勝手さを感じる。
自分からたまに行動したらこれだ。些細なことが気になり、そしてひとり疲労する。気持ちを切り替えようと、真昼間から熱いシャワーを浴び、ゆっくりと湯船に浸かった。試供品で貰っている高価なシャンプーとコンディショナー、特別な時用に取ってあるそれを使ってゆっくり地肌をマッサージしながら洗髪する。普段安物のシャンプーを使っているので、その高級感漂う香りにうっとりしながら目を閉じると、少し前まで感じていた焦躁感は消え失せ、リラックスした気持ちになっていった。

ー私は私、自分のペースだ。Yさんにはなれない。また3月初め頃に誘えばいいだけの話。

そう自分に言い聞かせれば、にこやかに挨拶が出来る相手がただ存在することに感謝出来るのだ。

































































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蜘蛛の糸

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ダンス教室まで子を送り、一旦外に出ようとしたところでまいこちゃんママと遭遇した。珍しく一人だったことで呼び止められ、ずるずると彼女の話に付き合うことになり、通りのスタバでお茶をすることになった。


「OOさんは働いてたりするの?」


突然の質問にたじろぎながらも、現状の自分をありのままに答える。その答えを待っていたかのように、満足気に頷くと、彼女は自分の話を始めた。

「私ね、今年から働くことになって。知り合いから誘われたんだけどね、前から興味あったことだから今楽しくって。」


そう言いながら、トートバッグの中にあるファイルを取り出し、パンフレットを目の前に差し出す。それは某有名メーカーの化粧品パンフレットだった。
聞くところによると、彼女の行きつけのエステ兼美容サロンで使用しているという化粧品のセールスをやってみないかと誘われたらしい。子供達が学校や幼稚園に行っている間で良くて、また出来高制なので勤務時間も調整出来るとのこと。


「子育てもひと段落ついたしね、特にこれといって資格も持ってないから一生専業主婦かなぁーって思ってたんだけどね、まだ40前だし、これからの人生まだまだ長いし、何か生きがいってやつ?あった方がいいかと思って。」



決して生活の為ではなく、あくまでも自分を高める為に始めた仕事だと言わんばかりだ。パンフレットには、私が普段購入しているファンデーションのおよそ10倍はするだろう価格の化粧品がずらりと並んでいた。


「下の子が幼稚園だと、毎日大変でしょう?」



社交辞令で尋ねると、何倍にも返って来る答え。朝は5時起きでお弁当と朝ご飯、その後ご主人とまいこちゃんを見送り、下の子にテレビを観せながら自分も化粧や着替えの身支度。下の子を園に届けてから出勤、一応2時までということでの契約らしいが、たまに残業もあるという。
定時で上がれた時は、そのまま下の子をお迎えし、自宅に戻り、まいこちゃんが帰宅するのを掃除、夕飯の下拵えなどをしながら待つ。まいこちゃん帰宅した頃、皆でおやつを取り少し休憩、その後習い事送迎、また自宅に戻り、風呂や夕飯を終えて、子供達を寝かしつけた後はその日の仕事のレポートを書くという。
事細かにこちらが聞いてもいないのに、一日のスケジュールを教えてくれる彼女。そして、さりげなくのセールスも忘れない。私の肌が疲れていそうだから、肌診断をしに家に来ないかと誘われた。曖昧な笑顔でその日は切り抜けたが、また誘って来そうな感じは受けた。


「今はまだ見習いだからね、10万も貰えないんだけどね。そのうち扶養も抜けられたらって思ってるんだ。控除もこの先無くなりそうだしね。」


彼女のキラキラした笑顔が眩しかったが、一方黒い感情も湧いてくる。



ー世の中、そんな甘くないよ。
ーノルマなんか絶対達成出来ないって。
ープレッシャーに負けて、すぐに辞めればいいのに。
ーお嬢さん育ちの彼女が、バリキャリなんてなれない。すぐに弱音を吐いて辞めるに決まってる。


黙々とどす黒い感情が胸を支配する。
要するに、私は彼女に対して良い感情を抱いていない、だからなのだろう、彼女が大失敗をするか思うような成績を上げられず苦しくなって辞めてしまうことを願っている。


ヨノナカ、ソンナアマクナイー


彼女の尻から伝う糸にぶらさがり、共に堕ちていくイメージを浮かべる。そしてそれは私の中の妬みと戸惑いを浮き彫りにさせるのだった。
























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友チョコに捨てチョコ

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土曜はバレンタイン、午前中、チャイムが鳴る。
玄関ドアを開けると、Dちゃん。どうやら「友チョコ」を子に持って来てくれたようだった。子は、特に何も用意していなかったので、可愛くラッピングされたそれを貰うと嬉しそうにしたものの、Dちゃんが帰宅した後に、チョコを渡せなかったことを後悔していたようだ。

夫に夜、手作りで渡すように材料とラッピングを用意していたので、午前中にそれを作り、急遽そのおこぼれをDちゃんにあげることにしたようだ。ちなみに、百均で購入したプラスプーンに溶かしたチョコを流し込み、アザランなどでデコったものだ。
買い物ついでにDちゃん宅に寄り、なんとか当日渡すことが出来て私もほっとした。
玄関先に出て来たDちゃんは、子にチョコを貰うと嬉しそうにしながらも、

「OOちゃんので9個目~」

と自慢し始めた。そしてわざわざ私達を呼び止めると、部屋から色とりどりの友チョコを持って来て見せびらかした。羨ましそうに見ている子、私ももう少し気を利かせて、事前に子の友達をリサーチして、友チョコ作りを促した方が良かったのだろうか?しかし反対に渡して困惑されるのもー、そう思うと何も出来なかった。


夫には、事前に購入したチョコと、子が手作りしたチョコを帰宅時にプレゼントした。休日出勤だったので早帰りーとはいっても夕方。一応バレンタインディナーとして、ビーフシチューを仕込んでいた。
事前に、子に吹き込んでおいたこと。


「パパ、会社からたくさんバレンタインのチョコ貰ってくるからね!帰ってきたら聞いてみな。」



勿論、ツーリング仲間の女性や、以前プラダのホワイトデーを渡した新人女性社員から何か貰ってはいないかと探るもの。ゴディバなどの高級チョコは怪しいし、またメッセージカードなどが入っているかもー


夫が帰宅し、子はバタバタと玄関まで迎えて早速、

「ねえ、チョコ貰って来た~?見せて見せて!」


とねだり始めた。
一瞬、夫が困惑した表情になったのを見逃さなかった。鞄から取り出したチョコレートはたったの一つ、それも、ひと目で義理チョコだと分かる、スーパーに置いてあるような物。
嫌な予感がした。
子は、それでもそのチョコを受け取ると嬉しそうにし、開けてもいいかと聞くと、包装紙を破いて中身を確認し満足したようだ。そして自分が作ったチョコと買ってあるチョコ二つを夫に渡すと、途端に彼の表情は和らいだ。


「すごいな、ありがとうな。」

そして、久しぶりに早帰りだった夫と子は、親子水いらずで風呂に入った。
私は、いてもたってもいられなくなり、夫の部屋に勝手に入ると、鞄をあさった。勿論、ばれないように形状記憶をして。
バッグの底には、思わず「ビンゴ!」と叫びたくなるような、綺麗にラッピングされたチョコが入っており、しかし、それはどの高級ブランドチョコでもなく、明らかに手作りだと分かるような代物だった。
夫が最も嫌う、他人の手作り菓子。
それが、大事そうに鞄の底に仕舞われている。自室でこっそり食べるつもりだろうか?途端に頭がカッとなり、それからの記憶は曖昧だ。ただ、覚えているのは、夜更けに夫がガサゴソ溜息をつきながら、自室でバタバタ何かを探している音だった。夫が探しているだろうそれは、今朝ゴミ収集車が回収し、持って行ってしまった。

明け方、なんとなく寝付けずに、元彼の奥さんのブログを読んだ。予想通り、バレンタインの記事。手作りのガトーショコラを、元彼と思われる、顔にスタンプをつけた男性が、嬉しそうに持って、こちらに向かってピースしている写真がアップされていた。

夫に渡した、私が買ったチョコは、手をつけられずにダイニングに置かれたまま。一緒に食べようと声を掛けることも、掛けられることもない。
今日も一人、夫と子が家を出て、静まり返ったリビングのソファーに座ると、疑惑により罪人になってしまった自分からの現実逃避でそのチョコを開封し、一気に6個も食べてしまった。
それは、甘いがどこか苦くて他人行儀な味がした。































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宙に浮いた指切りげんまん

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子が初めてクラスメイトと遊ぶ約束をして来た。
例の、子が仲良くなりたいと言っていたOちゃんだ。そしてそのOちゃんと仲良しのPちゃんも一緒だと言う。以前二人の仲に入れないと嘆いていたが、子供なりに頑張ったのだろう。私まで嬉しくなった。
待ち合わせはいつもの公園だという。待ち合わせ時間少し前に公園まで送り、Dちゃんらも別の子と遊んでいたので、二人が来るまで一緒に遊んで待つということで、私は自宅に戻った。
15分くらい経っただろうか、子が家に戻って来た。どうやら二人共来ないと言う。すっかりしょげた顔つきだった。


「約束したのに・・」


「本当にこの公園だったの?」


「うん、でも来なかった・・時間、間違えちゃったのかな・・」


そのまま諦めると思ったのだが、もう一度公園に行ってみるという。私も散歩がてら子と一緒に約束の公園にまでついていくことにした。
時計台の下で約束をしたと言っていたが、誰もいない。そして、Dちゃんらはどこか別の場所に移動したのかいなくなっており、過保護かもしれないが一緒に来て良かったと思った。
子が納得しないので、4時まで2人でブランコなどしながら待つことにした。日中はあれ程暖かかったのに、夕方にもなると冷たい風がピューピュー頬に当たる。もし私がいなかったら、一人でこの寒さの中、来ない友達を待っていたのかと思うと可哀想になった。

時計台の針が4時を指したところで、帰ろうと促した。
子はまだ諦めきれないように、辺りをぐるりと見回したが、それらしき人はいなかった。
そのまま帰宅するのも可哀想に思って、帰りがけにスーパーに寄ってシュークリームを買ってやった。店を出ると、自転車に乗った2人の女の子と目が合った。


「Oちゃん!Pちゃん!」


子が2人に向かって駆け寄る。何やら3人で話していたが、少しすると手を振って別れた。子はなんとなく落ち込んでいるようだった。


「なんだって?」


「OOとの約束忘れて、他の子と違う公園で遊んでたんだって・・」


「そうなんだ・・忘れちゃったのなら仕方ないね。」



まだ小学1年生。子供同士の約束は曖昧だ。きっと彼女達も悪気があったわけではない、自転車に乗って手を振る二人の表情に悪意は感じられなかった。
それでも、子が肩を落としているのを見ると切なくなる。こうした友達との関わりで色々なことを学んで行くのだろう。



「ゆびきりげんまんしたのに・・」


「残念だったね、OOはちゃんと約束守ってお友達を待っていたんだから偉いよ。それに忘れちゃったお友達のことも許してあげられたんだからもっとえらい。大丈夫、また約束すればいいよ。今度は忘れないでねって言ってさ。」



子はうまく自分なりに切り替えたようで、家に帰ってシュークリームを食べたいと笑顔になった。
約束を破られて悲しい気持ちーこうした経験はきっと優しさを育てると信じている。
































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受話器の置き方

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実母からの電話。
相変わらず、忙しいとアピールするも、その全てが「病院」という寂しい現実。自らカレンダーを埋めるが為に、不健康を装っているのではないかと疑うほどだ。
彼女との会話では、言葉のキャッチボールというものは存在せず、常に一方通行。そして、年を重ねるにつれて、それが年々酷くなって来た。
こちらから話を振ってもすぐに、

「-病院に来週も行かないとならなくて、歯医者もあるし忙しいわよ。あんたもしこっちに来ることがあったら事前に言ってね。お母さん忙しいから、こっちの都合考えてね。」

と、私は一度たりとも向こうの予定を聞かずに家に押しかけたことなどないのに言われる始末。
内向的な私と違い、社交的に見えた母。しかし本質では私と同等なのだろう。一人を選択しつつも寂しいのだ。父と弟以外との会話は、自分から外に働きかけないと得ることが出来ない現状。コミュニケーションが面倒と言いつつも、どこか満たされない。しかし、老人クラブなどに入会するだけの積極性はもう残っておらず、プライドの高い母は、そういったグループに属することさえ面倒だという一言で自尊心を守る。彼女が人と関わる理想像は、向こうから何度も何度も働きかけてくれて、しぶしぶ応じるーというものなのだろう。しかし、そんなうまい話が転がっているはずはなく、あったとしても宗教の勧誘くらいなものだろう。
そしてまた、お決まりの質問、義母の近況を聞いてきた。どうやら彼女に対抗心があるらしい。


「あちらのお義母さん達はお元気なのかしらね?」


気になるのなら、自分から電話を掛けて確認してみたらいいのにー。
しかし、正月に元気そうだったことや色々と忙しそうにしていることを伝えると、受話器の向こうで面白くなさそうな表情が見えた気がした。

「忙しいって言っても、一人で落ち着き無く動いているだけでしょう?まあ、向こうの家族になんか興味ないわ!どうでもいい。それじゃあ、明日も病院で忙しいから!」


そう言い捨てて電話を切った母にため息が出た。



一方、珍しく義母からも電話があった。
親戚から大量にイチゴを貰ったので、今度の週末取りに来ないか?という内容だった。夫の仕事のシフトでどうなるか分からないー実際のところツーリング次第だが・・と伝えたつもりだったのだが、なんとなく受話器を置くタイミングを失って、ただただ義母の話に耳を傾ける。
その大半は、やはり忙しい自慢だった。実母よりアクティブでセレブな義母は、孫の世話以外にも、スポーツクラブや習い事のテニス、また手芸やピアノ、ランチや地域の会合などで日々慌しくも充実させた毎日を送っている。
そして、孫を押し付けてバイトや友達との遊びに明け暮れている次女の愚痴を言い出した。それに賛同すると後々面倒なことになるので、愛想笑いをしながらただ聞くだけに徹していたが、


「あなたもこんないい天気の平日の昼間から、いつもこうして家にいるの?外に出ないと駄目よ、病気になっちゃうわよ。」


と、されたくもないアドバイスを受ける。


「そうですね、働くにもOOがもう少し大きくなって留守番など安心してさせられたらー」


「別に働くとかじゃなくて、OOが学校行っている間に好きなことでもしてみたら?お友達とスポーツしたり、習い事してみたりだとか。」



「・・・・・」



まさか、自分の息子が経済的DVに近い行為をしているとは予想もしていないのだろう、だからこんな台詞を嫁に向かって言えるのだ。


「そうですね、もう少し暖かくなったら色々始めてみようとー」



「あ、ごめんなさいね。ちょっとお友達が来たみたい、それじゃあね、今週末来ることになったら教えてね。」


受話器からもれる、弾んだ声は途端に通話終了の機械音に変わった。
なんだかこちらの電話もどっと疲労感がわいて、たちまちそれは不快感に変わった。


ツーと言えばカーと言う程、ぴたりとした会話を望んではいない。ただ、一方通行の会話は受ける側のストレスがたまるだけ。一方的に切られた電話の受話器を手にする虚しさは、自分の中で消化するしかない。しかし、人と人とのコミュニケーション、いくら近い存在であったとしても、それなりのマナーと思いやりがあると思うのだ。





















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コーヒーのある暮らし

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チョコレートが私の生活に欠かせないのと同じくらい、コーヒーも私にとってなくてはならない存在だ。

朝、起き抜けの白湯を飲んだ後にまず一杯、夫と子の朝食や弁当を作りながら、立ち仕事をしながらの一服。朝一に飲むそれは、寝ぼけた頭をすっきり目覚めさせてくれる。誰もいないキッチンで、ストーブの上のやかんの湯がコトコト音を鳴らしながら沸く音を聞きながら、弁当箱に種々のおかずを詰めながら、味噌汁のネギを刻みながらも、慌ただしい中だからこそ、一杯のコーヒーが私の癒しであり、ほっとする瞬間を提供してくれるのだ。


夫と子を見送り、洗濯や掃除など一通りの家事を済ませたら、今度は新聞を読んだりラジオを聴いたり、またブログを書いたりと気ままな時間を過ごす。その傍らには勿論コーヒー。我が家には近所のスーパーで購入した安いインスタントコーヒーと、ネットで購入している加藤珈琲店のものは飲みやすいので日常には欠かせない。時間のある時はドリップ、ない時はインスタントとその時々によって飲み分けている。



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気に入りの珈琲専門店で、直接足を運んで購入した、すこし値が張るコーヒーは、特別な時に飲む。だいたいが、嫌なことがあって落ち込んだ時に気持ちを切り替える為に飲むー、また何か頑張った時に自分へのご褒美として飲むのだ。

独身の頃、スタバやドトールなどのカフェへに寄るのは日常茶飯事のことだった。それを片手に職場まで通勤することが、ステイタスのように思えたのだ。まるでニューヨーカーになったかのように、都心の朝に溶け込む自分に酔いしれていたあの頃。
しかし、主婦となった今は、たまに付き合いで(といっても殆どがまいこちゃんママだが)口にする程度で、習い事などの送迎待ち時間や、一人図書館へ行く際に飲むものは、家で作ったコーヒーをステンレス製の保温マグに入れたものを持参する。
アツアツの飲み慣れたそれは、出先であっても家にいるかのようなリラックス感を与えてくれる、ほっと出来る精神安定剤のようなもの。
日中も、途切れることなく私のコーヒータイムは続く。
子が学校から帰宅した後に、宿題を見てやりながら、またおやつを一緒に取りながら更に1杯、そして、朝にたっぷり作った分は大体がこのタイミングでなくなるので、夕飯と風呂、そして寝かしつけを終えて、夫の帰宅を待つまでの間に、わずかな量だが夜用にドリップをする。カフェインが少なく胃に負担のないような深煎りの豆があればそれをセレクトし、部屋中に幸せの香りを漂わせながら、撮りだめたドラマを観たり、また読書をしたり、ライティングをしたりする。

豆は、鮮度を保つように、購入したらすぐに冷凍庫に保存する。そうすれば、いつでも新鮮なコーヒーを味わうことが出来る。

こうしてみると、一日にトータル5、6杯は飲んでいることになる。ちょっとしたコーヒー中毒者だ。気分によって、ブラックにしたり、たっぷりミルクを入れてカフェラテにしたり、泡を立ててカプチーノにしたり、また疲れた時にはチョコシロップを入れてカフェモカにしたりもする。
砂糖の代わりにはちみつを入れれば、まろやかでコクのある味わいに、ココアに入れるように数粒マシュマロを浮かべれば、寒いこの時期にぴったりの飲み物になる。
その他にもオレンジの皮を入れたり、バニラエッセンスを数滴足らすとそれだけでフレーバーティーになる。色々と試してみるのも面白い。
コーヒーを作る一連のこの作業は、私の心を無にしてくれる。そこに余計な雑念はなく、あったとしても、次第に香ばしい香りに癒されて、それはまるである種のアロマ効果のように、ささくれた気持ちを穏やかなものにさせてくれるのだ。

食器棚にある、数少ないマグーその殆どは自分の気に入りとは程遠い引き出物などで貰ったものだが、その中でも気分に合う物を選ぶ作業も楽しみのうちの一つ。
いつか余裕が出来た時に、少しずつ好みのマグも集めて行きたいと思っている。









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子供の頃は苦手だったコーヒー、どちらかと言えば紅茶に砂糖とミルクをたっぷり注いだミルクティーの方が好きだった。しかしいつからか、この苦さとコクの良さが分かるようになり、それはピーマンの美味しさが分かるようになったそれと同時期だったように思う。
そして今では息をするのと同じくらい生活の一部となり、私にとって、まるで気心知れた相棒のような存在なのだ。




















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離婚話

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私の中にある白いシャツは、これまでいくつものシミを作ってきた。
洗っても洗っても、それらのシミは完全に消えることはなかったし、糊の効いた眩しい程に明るい真っ白なシャツを着た彼女に完敗しつつ、憧れと背中合わせにいつでも劣等感が私を苦しめて来たのも事実。



昨日、約束通りに引越し前のママ友と会った。電車に乗る前までは、雪の心配も手伝って億劫な気持ちが大きかったが、久しぶりに味わう車内の空気感ー、平日昼間の電車内は、営業で移動中のサラリーマンや学生達、また小さな子供連れの母親連中や黄色い声を上げて笑い合う若いカップルなど、日々淡々とルーティンワークをしている専業主婦にとって、十分刺激的な日常がそこにはあり、いくらか高揚する。

待ち合わせは改札ー、珍しく時間前なのに彼女の方が先に到着しており、焦って小走りで近づいた。


「ごめんね!待った?」

「ううん、私も今来たとこ。元気だったー?」

「うん、ぼちぼち元気。」


軽く挨拶を済ませると、天気も微妙だったので以前夫と入ったこともある店でランチをすることにした。普段は彼女の方が主導権を握るのだが、今回は私に決めて欲しいと言われたからだ。待ち合わせにしても、いつもなら私の方が早く着き過ぎているくらいなのに、珍しい。


「ね、ワインも頼もうよ。」


彼女に誘われ、昼間から白のハーフボトルを頼み、二人でシェアした。ランチセットなので、サラダとバケットが先に運ばれ、それをお供に乾杯をする。たまに会う、気心知れたママ友とのランチ、贅沢な時間。
彼女は酒に弱く、少しすると顔が赤らみ色っぽくなった。色々話したいことがあったが、まずは彼女の近況を聞くことにした。

ー子供達は元気にしてる?

ーハンドメイドの仕事は順調?

ーご主人とは良好?


大体、毎回聞くのがこの3点、そしていつでも彼女はポジティブに、朗らかに、一点の曇りもない笑顔で、幸福な日々をさらけ出す。


ー子供達は元気、上は学校にもすっかり慣れてお友達もたくさん出来て、習い事もいくつも掛け持ちしてるけど全然へたれないし。毎日楽しんでるよ~スイミングでは鬼コーチに叱られながら飛び込み練習してるけどね、笑っちゃう。


ーハンドメイドはお陰さまでうまくいってる。で、以前から近所のママ友ら招いて色々イベントだとか教室の真似事してたんだけど、本格的に講師として支援センターだとか学校だとかに頼まれて。クチコミで広まって、今では扶養抜けたの。青色申告。だからこの時期、確定申告が面倒臭くって。


大体予想はしていたけれど、全てが順調そのもの。仕事も増えて、依頼をこなすのに精一杯、今はママ友らに手伝って貰って謝礼としてお金を渡したりしているらしいが、もっと規模を大きくして会社を立ち上げたいーというような、今の彼女にならすぐにでも手が届きそうな夢を語っていた。


趣味の延長ーそれが金になる、そして夢が実現するということ、また日々忙しいながらも、周囲のママ友や家族に支えられて、充実した日々を送っている彼女。


「大変そうだね、家のこともしないとだし・・子供達の世話とか考えたら自分の時間なんてないでしょう?」


「うん、毎日忙しいね。自分の時間を確保する為に始めた趣味が、仕事になった途端、ある意味自分の時間が無くなった感じ。矛盾してるみたいだけどね。オーダーが入って、期限までにそれを仕上げなければならないプレッシャーはね、やっぱりあるよ。自分の趣味だったら、好きな時に好きなだけしてればいいし、嫌になったら辞めてもいいし。でもさ、お客様相手の仕事でしょう?相手あっての自分だからさ、そこは自分の時間がどうのこうの言ってられないんだよね。納品前は徹夜ってこともあるし。」



「働くって、甘くないね。」


ワインを口に運びながら、どこか羨ましい思いの私。多くの人々に必要とされている彼女、ネットショップに作品を出したのをきっかけに、社交的な彼女はとんとん拍子に仕事の幅を広げ、今では毎月数十万程度の売上を得ている彼女、それに加えて講師というスポットライトに当たる場で活躍している彼女が眩しく、そして羨ましかった。











「ご主人ー、協力してくれてるの?」


運ばれて来たパスタをフォークでくるくる巻きながら、彼女の決まりきった答えを予想する。

ーうん、イクメン、カジダンだよ。彼の協力があるから回せてるー


しかし、彼女の口から出た言葉は予想外のものだった。


「離婚ー、するかも・・・」


持っていたワイングラスを落としそうになる。酷く動揺しつつ、次の言葉を待つ。


「まだ誰にも言ってないんだけどね。旦那の親が病気になってね、同居して欲しいって頼まれたの。家で出来る仕事なんだから融通は効くだろうって・・旦那にとって、私の仕事は主婦がやる趣味の延長で、家事育児の片手間のお遊びだと思ってて・・でさ、私頭に来ちゃって、去年稼いだ額包み隠さず旦那に打ち明けたらさ、旦那の態度が急変したの・・」


身を乗り出し、あれこれ聞きたい気持ちをぐっと抑える。興味本位に取られないよう、慎重に言葉を選びながら、あくまでも私は彼女の唯一の味方なのだと言わんばかりにその経緯を尋ねる。心の奥底で心が弾むのを悟られないようにー


何度か会ったこともあるご主人は、私が遊びに行った際も、手料理を振舞ってくれたりと彼女に協力的だった。彼女が仕事を始める前の専業主婦時代でさえ、仕事から帰れば、子供のお風呂に皿洗い、休みの日には洗濯掃除、料理などいつも彼女の力になっていた印象がある。
しかし、それは彼女が守ってやらなければならない存在だった頃の話だ。家にいながら、彼女が夫と同じまではいかなくても自立出来る程の収入を得られるようになり、そして、この先の見通しも明るく、このまま彼女が夢を実現し、会社を起こすーなどということになったのなら、彼の存在意義はなくなる。それまでの、守ってやりたい可愛い奥さんが彼の前から消えてしまうのだ。


「私がね、これから会社を起こそうかと考えているのに介護なんてやってられない!って言ったら彼の中の何かがぷっつり切れちゃったみたいで・・それまで手伝ってくれたことも、実は我慢してたとか言い出してさ。本当に私のことが好きなら、私の頑張り時を応援してくれてもいいのにー、なんか女々しいって思えてこっちも冷めちゃったよ。」



離婚ー、どこまで話が進んでどこまで本当のところなのか分からないが、今現在夫婦仲が悪い、ということだけは事実。そして、それを打ち明けてくれた彼女に対し、同情と安心感が綯交ぜになったような感情が湧いた。


全てが万事順調、そのバランスが崩れる瞬間を私は待っていたのだろうか?どこか優越感、そしてどこまでもポジティブな彼女の弱みを見つけ、私の中で一気に彼女との距離感が縮まった気がして嬉しかったのだ。



























































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潜在意識の罪

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夢を見た。
津波が迫る夢、自宅ではなく、どこかの民家に私と夫がいて、学校帰りの子を待っている、というものだった。
夢の中で、私は赤ん坊を抱っこしていた。生まれたばかりの新生児。おそらく私の子。
津波が来るぞー!誰かが叫ぶ。夫が帰宅しない子を迎えに行くと家を出ようとする。自分だけそこに留まることに恐怖をおぼえ、すぐ傍にいる他人に赤ん坊を預けて夫を追う。
夫と私、坂道を下るが、目前に津波が押し寄せ、どうすることも出来ず、夫と2人高台に逃げた。
子を置いて、逃げ切ったーそんな夢だった。
あれ程、私の生きがいは子で、子がいればそれでいい、子がいなければ私の人生なんてあってないようなものだと言い切っておきながら、潜在意識の中では自分を守ったのだ。


今朝の目覚めは最悪だった、そして、隣ですやすや眠る我が子を見て安堵したのと同時に、例え夢であっても我が子を見捨てたことが許せなく情けない思いだった。
夢の中での赤ん坊、それさえ他人に預けた自分。子を探すという名目の元だったが、結局子を助けられなかったのだから我が身を選んだことに他ならない。


最近、テレビをつければ最悪なニュースばかりが目に入る。きっとその影響だろう、ここ数日は眠りも浅く嫌な夢ばかりみるのだ。その中でも今日の夢は最悪な夢だった。夢の中で私は泣いていたのだろうか?もうそれさえ思い出せない。


何もないことの幸福ー


それを噛み締めて、今日も生きて行く。




























Sさん、いつも暖かな優しいメッセージありがとうございます。今日も穏やかな一日を過ごされますように。


seline









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放課後遊びの防犯ルール

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子が小学生になり、Dちゃんと仲良くなってからというもの、放課後になると我が家で一緒に遊ぶ日が続いていた。
しかし、あのネックレス事件があってからというもの、我が家にDちゃんを入れることが億劫になり、トラブルを遠ざける為に外遊びをさせていた。
主に、近くの公園で子供達は待ち合わせる。時間は4時と決めて、その頃合に子を迎えに行くことになっていた。その日も、子は帰宅すると、ランドセルを放り投げておやつもそこそこ、すぐに公園に行くと言う。しかし、いつもと違ったのは「お金」を持って来てとDちゃんに言われたというのだ。
嫌な予感がしたので、絶対駄目!と言うと、他の子が持って来ていたらどうするのだと聞かれて困ってしまった。実は、公園にはアイカツカードを持って行って交換などもしたりしていて、これまで何枚か紛失している。一応本人が大切なカードは事前に抜いて、最悪無くしても良いものだけを持って行かせているのだが、それでも釈然としない日々が続いていた。

お金以外の持ち物を持たせ、時間は4時ということで外に出した。4時になる頃、公園に迎えに行くと誰もいない。この公園は人がいる曜日や時間帯が明確で、死角になる時があるので正直怖い。
いつも迎えに来ているはずのAちゃんママ達もいない。誰かの家だろうか?Dちゃんのママは、下の子の面倒で忙しいのか、お迎えには来たり来なかったり。心配になり、即座にDちゃんママにメールをするがなかなか返信が来ない。公園近くのスーパーでお金を持って来た子達で買い物でもしているのだろうか?色々考えながらも、携帯の返信を待つが一向に来ない。いてもたってもいられず、時計の針が4時半になったことでDちゃん宅まで伺う決心がついた。

インターホンを鳴らすと、少しして間の延びた声が聞こえた。その奥から末っ子の泣き声が聞こえる。ドタバタと音がしてから玄関ドアが開いた。


「あ、こんにちは、突然すみません。あの・・Dちゃん帰って来てますか?」


「え?Dですか?今日はピアノですけど・・・」


心臓がドクンと波打った。


「OOちゃん、帰ってないんですか?」


「あの、今日はDちゃん達と公園で遊ぶからって3時に出て行ってー、4時にいつものようにお迎えに行ったら誰もいなくてー。」


「え!?本当に?他に誰と約束してるって言ってました?ちょっとDが今いないんで分からないから・・取り敢えず思い当たる所に電話してみましょう。」



そう言って、取り敢えず玄関先で待たせてもらいながら、Dちゃんママが何箇所かに電話を掛けるのを待った。何人か目の電話で、


「うんー、そう。OOちゃんと?公園で約束したらしいんだけど、え!?あ、そうなんだ。分かった、ありがとう!」


Dちゃんママの声だけだったが、その雰囲気から、子の居場所が分かったことが判明して心底ほっとした。


「OOちゃん、Eちゃんと児童館に行ったらしいです。まだAちゃんも帰ってないらしくて、Eちゃんママが言うには5時に児童館にお迎えに行くことになってるらしいです。」


「あ、そうなんですね、ありがとうございます!」


Dちゃんママに頭を下げ、大急ぎで児童館に向かい自転車を走らせる。最近では公園通いに慣れて来たこともあり、いちいち迎えに行く時間だとか場所だとか確認もしていなかった。暗黙の了解でいつもの公園ということにしていたのは私。子に逐一確認を怠っていたのも私、子も悪いが私も悪い。とにかく子の顔を見て安心したかった。
児童館に着くと、丁度子がEちゃんと身支度をしている所だった。少しして、Eちゃんママがお迎えに来たので挨拶をした。Eちゃんはちゃんと行く場所と時間を約束してから出て行ったのだろう。それに、Eちゃんの首にはキッズ携帯がぶら下がっていた。そしてふと気がかりだったお金のことを挨拶ついでに聞いてみた。


「先程はありがとうございました。あの・・今日って子供同士どんな約束になっていたんでしょうか?なんかお金を持って来るって話もあったようで、うちは持たせなかったんですが、買い物とかもう行かせてるんですか?」


「え!?お金ですか?初耳です。Eもお金は持って行かせてませんよ・・」


少々気まずい沈黙の後、


「今日Eは、はじめから児童館に行く予定だったんです。同じクラスのお友達と約束していたし、楽しみにしているイベントがあったんで。OOちゃんはそもそもEと約束してたんですかね?別の子と約束していたんじゃないですか?」


まずいー、お金を持って来させたのはEちゃんだという疑いを私が持っているのだと誤解させてしまった。Eちゃんママの美人だが、氷のような冷たい表情に気が付いた時は、もう遅かった。

「じゃあ、お先に失礼します。E、早くして。塾間に合わない。」


「はーい。じゃあね~」


「バイバーイ。」


後味の悪さと、それまでの緊張感が抜けたのとで子に対し憤りが湧いてきた。
児童館を出て、すぐに子を叱りつけた。


「駄目でしょう?勝手にいつもと違う場所に行ったりしたら。児童館に行くなら最初からそう言って!」


「だって、Dちゃんが公園で待ち合わせって・・」



「そのDちゃんは今日はピアノで来れなかったんでしょう?」



「うん、ずっと待ってたのに来なくって、そしたらEちゃんが通りかかって一緒に児童館に行こうって誘われたの。」


「お友達と約束して、もしいつもと違う場所に行くのなら一旦家に帰らないと駄目。約束した子が変わった場合もね!ママはずっと公園探したよ。心配したよ。そして時間だって4時までって約束なのにー」


「だって、忘れちゃったんだもん・・」


うなだれる子の手を取り、しかしこうして無事にここにいるという安心感で胸がいっぱいになる。もしもこの子に何かあったらーそう思う先に私の人生など存在しないのだから。


罰として、一週間は放課後遊びを禁止することにした。少し酷かもしれないが、子に恨まれようと何かあってからでは遅いのだ。そして、これからはきちんとしたルール付けで外出許可を出さなければならない。


1、待ち合わせ場まで私が送る。

2、遊ぶ場が変更になった時は、一旦自宅に戻りそのことを伝える。お友達には先に行って貰い、変更場所には私が送る。(しかし、一旦自宅に戻るその間、子は一人になるのでそれも心配)

3、お金は持たない、カード類などの交換はノーマルのみ、1枚に対して1枚、くれるといっても貰わないし、またはあげるのも駄目。大切なレアカードなどは持っていかない。

4、公園など外のトイレを使う場合は、必ずお友達と一緒に行く、逆の場合も然り。

5、知らない人に道を聞かれても、知らないと言い絶対に付いていかない。




挙げられるのは今のところこれくらい。そしてこれから先のことを考えると、他の子供たちのように、キッズ携帯を持たせた方が安心なのかもと思う。夫にまたその件は相談しようと思う。
小学生になったとはいえ、まだ1年生。しかも女の子だ。物騒な事件も多いし、過保護過ぎるくらいが丁度いい。
















































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事前のブルー

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引越し前のママ友とランチをする約束をした。

今年に入り、まだ手帳に自分自身の予定が埋まっていないことに気が付き、焦りから彼女にメールをしたのだ。子が幸いいてくれるおかげで、この引きこもり生活でもそれなりに人を関われている気がする。勿論、同じ母親というフィールド内において、そのレベルは底辺だけれど。
おそらく習い事、スーパーなどで知人に遭遇した際の立ち話、それらが中途半端にあるから焦るのだ。余計な情報が入って来過ぎる。誰彼とお茶したーだとか、誰彼のお宅に行ったーだとか、聞きたくもない情報。そしてそれを敏感にも察してしまう自分に心底うんざりするのだ。
新たな友達を作るのが難しいのならば、せめて既存の友達との関係を深めよう。その繋がりは、ライフスタイルの変化や物理的な距離によって途切れてしまうこともしばしば。折角の縁を失いたくはないのだ。
引越し前のママ友は、相変わらず忙しそうだったが、私と会う為に時間を作ってくれた。それが嬉しく、自分の存在価値を認められているような気がする。

待ち合わせ場所は、彼女の自宅寄りの自由が丘。下の子を1時間いくらかで預けると聞き、料金が発生するのは申し訳ないという私なりの配慮からその場を提案した。雑貨好きの彼女は、お目当てのお店にも行きたいと言っていた。久しぶりに会う自分の友達。ママ友と言えばそれまでかもしれないが、今いる場所ではそういった気心許せる友達がいないので、貴重な存在だ。
以前、彼女が私の為に作ってくれたマグにお気に入りのコーヒーを入れて、たっぷりミルクを注ぐ。おもむろに手帳を開き、シールを貼ったのが一週間前のことだった。



そして、それから10日程経ち、目前に迫った約束の日ー
いつもそうなのだ。
誰かとの約束は、その日が近づけば近づく程億劫になる。向こうからキャンセルしてくれないか、とさえ思う。相手には申し訳ないが、断る理由ー子が熱を出しただとか、を探してしまう。いつもこうなのだ。
会ってしまえばなんてことはない、実際その時を楽しく過ごせるし、帰りには清々しい気持ちにさえなる。しかし、前日前夜は心底延期にして欲しいと思うのだ。
一番幸福なのは、「約束」「予定」があるという事実。それが1週間ほど先なのがベスト。ワクワク感もそれなりにあるし、また私を必要としてくれている人がいるのだー会いたいと言ってくれる人がいるのだという余裕が私を守ってくれる。しかし、その満足感も、3日前くらいになると途端に面倒になるのだ。
そんな風に思う私自身が一番面倒な人間だというのに。

週間天気予報を見ると、更に雨のマーク。もうそれだけで憂鬱な気分に追い打ちをかけられる。そして身勝手なことに、向こう側から、何か急用でも出来て、延期を申し出てくれはしないかと心底願うのだった。






























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