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取り残されたような

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馬鹿みたいな話しだが、この時期になると朝の情報番組からお昼の番組ー夕方のニュース番組まで、新たにリニューアルされたものが多く、メンバーは入れ替わり、装い新たに活気づいている様子がテレビ画面越しに伝わる。
そういった小さな変化にさえ、なんとなく取り残されたような気持ちになり落ち込む私は病的だろうか?

昼を食べ終え、子と共に少し足を伸ばして大きな公園まで花見に行くことにした。自転車置き場に行くと、同じく花見に行くのだろうか?レジャーシートやお弁当が入っているらしい大きなバスケットを荷台に乗せてあたふたしているサカイさん親子に出会った。
子の学年も全く違うことから接点も特になく、見掛けるのは数カ月ぶり。同じ棟の住人であっても生活リズムが違えば会うことも殆ど皆無なのだ。


「こんにちは。」

「あ、お久しぶりです。暖かいですね。」


サカイさんの方から挨拶をしてくれたのでほっとする。向こうが気が付かなければ、こちらも気が付かないふりでそのまま通り過ぎようとしていた自分を恥じる。


「どこ行くの?」


子がサカイさんに話し掛ける。久しぶりだというのに、子は臆することない。


「お花見行くのよ。」


「お友達と行くんだ~」


これくらいの小さな子は、お友達と遊ぶことを自慢したがる。一瞬、子がどんな気持ちになるか焦ったが、年下の子相手には何も感じなかったようだったので安心した。
軽く会釈をし、そそくさその場を離れた。すると、今度はエントランス前に車を停めて、荷物を運び込んでいる見慣れた姿があった。
素敵ママだった。
大きなワゴンには、既にR君と見慣れない同じ年頃の男の子数人が乗っている。また、2人のママさんらしき人達も。


「R君ママ~!」

子が珍しくカジュアルな服装に赤ちゃんを背負ってバタバタしている素敵ママの方へ、こちらが止めるのより先に空気を読まず話し掛けに行ってしまう。



「あら、OOちゃん。こんにちは。」


仕方なく、私も笑顔で右手を上げる。
素敵ママは忙しい中でも、社交辞令の会話を子にとびきりの笑顔でしていたが、さすがに時間を取らせるのは申し訳ないので、子に嘘をつく。


「ほら。早くしないと!お店しまっちゃうよ!」


お店とは屋台のことだ。毎年花見の季節、私達が出向く公園には控えめながらも焼きそばやお団子、綿菓子やじゃがバタなどの屋台が桜並木下に並ぶのだ。



「じゃあね!バイバイ!」

子は慌てて自分の自転車にまたがると、私の方へ走らせる。


「R君達もお花見行くんだって。幼稚園の時のお友達と。」


大阪ナンバーの黒のワゴンー、素敵ママの友人の車だろうか?後部座席には大きなプーさんのぬいぐるみが飾られていて、その賑やかな雰囲気に気後れする。


「さ、行こう!」


気を取り直し、隣街の大型公園に向かう。お弁当は子のリクエストで「唐揚げ」ゆで卵」「ハンバーグ」「おにぎり」といつもと代わり映えのない内容だが、満開の桜を見ながらなら気分も変わって美味しく感じることだろう。それにー、屋台でちょっとしたおやつー、チョコバナナなんかを買ってやるつもりだ。

子と一緒の自転車は、信号など渡る際にも気を遣う。青信号と分かっていても、やはり必要以上に用心しながら進むので、目的地まで普段の倍掛かってしまった。


「お腹空いたねー。」


駐車場を抜けると、駐輪場。
やっと到着し、さてどこで食べようかと考えながら、自転車を留める場所を探そうと辺りを見回すと、見覚えのある車が目に付いた。
あの、黒いワゴンー大阪ナンバーの後部座席にプーさん。間違いない、素敵ママ達もこの公園に花見に来ているのだ。
途端に焦り出す私。子はそんな私の気持ちなど知る由もなく、私を抜かして駐輪場へ向かう。


「待って!!」


子を呼び止めた。


「ママ、忘れ物したかも。」


咄嗟に嘘をつく。今年に入ってもう何度嘘をついたのだろう?母親失格だ。



「えー!?何!?」


子が抗議の声を上げる。



「お家の鍵・・締め忘れちゃった。」


苦し紛れの嘘を見破る程、まだ子は大人ではない。すぐに代替案を出す。



「ごめん!ごめんね。その代わり、一旦家に帰ってお弁当食べてもう一度出直さない?ゲーセンでも行こうよ!アイカツと、今日は特別にプリパラもしていいよ。ママもUFOキャッチャーとコインゲームするから。」


「え!ママもするの?」


普段、ゲーセンで金を使わない私が一緒に遊ぶと言い出したので、子は驚きつつも嬉しそうにした。
子はすぐに切り替えた。
そりゃあそうだ。花見よりもゲーセンがいいに決まっている。しかも、最近夫はたまの休みもツーリングで子の相手もしておらず、久しぶりのゲーセン。
それでも子は、一旦公園に着いたことでまた同じ道を引き返すことが億劫なのだろう、ごねだした。


「じゃあお弁当食べてから行こうよ。」


「それじゃあ泥棒入っちゃうよ。家に知らないナイフを持ったおじさんいたら怖いでしょう?」


子は私の脅し文句に子供らしく頷くと、自転車を駐輪場から引き返す。さすがに申し訳ないと思い、


「パフェも食べようよ。クレープでもいいよ。」


「うんうん!食べたい~」


すっかりゲーセンパフェモードになった子は、さっさと大通りに出ると自転車を漕ぎ出した。私は、ふっと誰かの視線を感じて後ろを振り向いた。
R君がこちらを見ていたのだ。
顔中真っ赤になりながら、一目散に子の自転車を追い掛ける。素敵ママはいたのだろうか?それを確認する勇気はなかった。もしいたとしてもー、彼女たちがいたからその場を去ったと悟られることはないに違いない。

ー私は家に鍵を掛けて来るのを忘れたのだからー



「えー、閉まってるじゃん!」

「あれ?おかしいな。ママの勘違いだったのかな。」

「ママ、変なのー」

自宅に戻り、玄関ドアは当たり前だが鍵が掛かっていることに子は大げさに私を笑う。
家に戻り、少し遅い1時過ぎの昼食となった。冷え切った弁当をせめて温めようとレンジに掛け、いつも通りお昼の情報番組を子と観ながら食べた。

それからすぐに子と約束した通り、駅前のショッピングモール内のゲーセンへ行った。楽しくもないのに、子の手前はしゃいでUFOキャッチャーを500円分だけやろうと、コインを入れる。子が目当てだというオラフに向かってクレーンを動かすもなかなか取れない。
かすりはするが全く取れない。躍起になって、もう1回ーあと1回とやるうちに、気が付くと1000円分も費やしていた。


ー何やってんだか・・




それから、まだ弁当で胃が重いにも関わらず、一緒にパフェを食べた。正直美味しいとは思えなかったが、子が一緒に食べるのを楽しみにしていたので無理をした。
子の悲しい顔を見ずに済んだのが救いだが、その日だけで合計3千円も使ってしまった。勿論自分のへそくりからだが、子の歯科矯正を貯めているというのにとんだ無駄遣いだった。

なんでもっと堂々としてられないのだろう?
別に子と2人きり、友達親子と花見をしていないところを見られたっていいじゃないか?
もっと凛としてはいられない?

きっと素敵ママだってそこまで私の交友関係など気にしていないだろうに、それでも小さなプライドが私をありのままにさらけ出すことを拒むのだった。


































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春休みの過ごし方

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小学校も春休みに入り、子も暇を持て余している。最近Dちゃんと遊ばなくなってしまい、放課後も家でゴロゴロすることが多かった子。特段仲良しが出来ないまま1年生も終わってしまったように思う。
成績表は、1年生らしく全てが○。それよりも親として気になるのは担任からの言葉だったり生活態度だった。
やはり、先日面談で言われたことと殆ど同じ内容が記されていた。また、子の成長が認められた点も書かれており、それには親子共々嬉しい気持ちで一杯になった。
不器用ながらも頑張っているー学校での子の様子が目に浮かぶようだった。学習面ではいくつか課題もあったので、それを見直す為に春休みは1年間の復習をさせることにした。
国語については、読み書き、そして文章問題。算数については、計算と文章問題。
ネットで検索し、良さそうな1年生のまとめテストをプリントする。また、国語の文章問題についてはネットでは有料の会員登録をしなくてはならなかったりだったので、図書館で1年生向きの簡単な短編集を借り、それに沿った問題をノートに作り、ドリル代を浮かせた。

夏休みは宿題があるが、春休みはない。10日あまりの休みは、うっかりしているとあっと言う間に終わってしまう。なので、初日に夏休み同様スケジュールを立てさせた。

朝起きたら、顔を洗いご飯を食べ歯磨きと身支度。軽くストレッチをしてから、15分間計算問題をやらせる。また、カタカナや漢字のあやしい部分をもう一度復習させる。
それが出来たら、児童館に行くことが多い子。春休みで色々なイベントをしているらしく、私も午前中は家事などでバタバタするので子が留守にしてくれていると助かるのだ。
お昼と同時に帰宅するので、夫の弁当と共に作ったおかずをワンプレートにし、おにぎりを握って一緒に食べる。気が向けば、お子様ランチのようにご飯をゼリーの型で抜いて、マスキングテープを爪楊枝にくるっと貼り付け小さな旗を作りご飯の山に刺す。もうすぐ2年生だというのに、これだけで子のテンションは上がるのだ。
私一人の昼飯は、納豆ご飯や卵かけご飯だったり、タッパーに入れた冷凍ご飯をチンし、そこに弁当を作った際に余ったおかずを乗せて終わることが多い。しかし、育ち盛りの子がいるとそうはいかない。
ちなみにある日のランチは、「ミニオムライス、グリーンサラダ、唐揚げ、ポテト、いちご練乳、コンソメスープ」だった。子がいてくれるお陰で、私の食生活もきちんとしたものになるのだ。

午後は一緒に買物に行くこともあれば、例の図書館へ行くこともある。そうなると半日掛かる。幼稚園の頃は荷台に子を乗せて外出していたのだが、もう体も大きいので別々の自転車に乗る。
図書館へは大きな道路や川沿いを通る為、ちょっとしたサイクリングだ。
買物だと、駅前のショッピングモールまで出掛けることが多い。そうなると、やはり春休みだし特別ということで、おもちゃ売り場や本屋、それに駄菓子屋などを周り、何かイベントがあればちらっと寄ったりフードコートでおやつを食べる。最近子がお気にいりの「クロワッサンたい焼き」を食べることが多い。最後に夕飯や日用品の買い物をして帰宅する。
一方出かけない日の午後は、習い事でもあるダンスの練習だ。課題曲をYOUTUBEで流し、1時間程体を動かす。これでいくらか発散出来るらしく、夜はすとんと寝てくれる。
運動が済めば、ふたたび勉強の時間だ。午後は主に文章問題をやらせる。午前に計算や読み書きの練習で頭をクリアにさせるのに対し、午後はじっくり頭を使う学習をさせる。
おやつの時間は、一緒に撮りだめたバラエティ番組を観たり、その日のワイドショーを観たりする。夕方からはお手伝いということで、一緒に台所に立つ。
そうこうしているうちに持て余していた一日も終わっていく。

日中、すっかり一人の時間に慣れている私。大好きな子であっても、やはりペースを乱されているように感じる。子がいるのにぼーっとしている訳にもいかなければ、ネットサーフィンをしている訳にもいかないからだ。また、子がつまらなそうにしているのを見ると、自分がつまらない以上に気持ちも鬱々としてくる。何となく、「こんなお母さんでごめんね。」と思ってしまうのだ。
魅力的な予定だったり約束を入れられない分、私一人で頑張らなくてはならないことがあるのだ。
ー退屈は罪だ。
小さな子を持つ母親にとっては。
有意義な時間を与えることー、それが子供達にとって理想の母親像なのだということを知る以上、私なりに出来ることをしようと思っている。















































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団地セレブ

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子供会の役員決めと称し、集会所で素敵ママらと会議があった。
しかし、会議とは名ばかりで、下の兄弟達を連れての話し合いだったこともあり騒がしく、また落ち着かない中での取り決めはなんだかんだ昼前から始まって正午を過ぎるだろうから、ピザでも取ろうという話で招集がかかった。

最初は憂鬱だったこの集まりー、しかし、素敵ママが取り仕切っていたのと、集まりは各学年ごとで代表を決めるというので、人数も数人と聞き、重い腰を上げての参加となった。
実際、集会所に出向くと、素敵ママが満面の笑みで出迎えてくれたことから他のママ達の私に対する風当たりも良く、すんなりとその輪に入ることが出来た。
失敗したのが、何も言われてなかったので手ぶらで行ってしまったこと。参加人数はDちゃんママら顔見知りの5人程度だったのだが、皆それぞれお茶請けを持って来ていたので、何も手にしていない私は非常識だったことを悟り、皆に向かって頭を下げた。


「いいのよいいのよ~、自分が食べたいから持って来ただけだし(笑)」


素敵ママはそう言いながら、集会所に常備されているポットに自前のお茶を淹れる。去年役員だった彼女は、この集会所も使い慣れているらしい。

持参するお茶請けで、その家庭の暮らしぶりが垣間見える。
Aちゃんママは、いちごやカットメロンなどのフルーツに、下の子用のスナック菓子や煎餅を用意していた。Dちゃんママは手作りのロールケーキを持参。3人姉妹を持ちながらも、器用に時間のやりくりが出来る人はいるものなのだな、と思う。
Eちゃんママは、私と同様一人っ子娘のママなのだが、最近仕事を週3で始めたらしく、手作りケーキを見ると大げさにEちゃんママを称賛する。ーそして、もうしばらくおやつに手を掛けてやっていないのだと。そんな彼女は、デパ地下で買ったようなえびせんとチョコミルクが掛かった有名店のラスクを持参していた。
素敵ママはそんな中、さりげなく自分のエコバックからお茶菓子を差し出す。ひと目でそれはホールケーキだと分かる真四角の箱。中身はミルクレープだった。それはワンホール5千円くらいする、お取り寄せでも有名な物らしい。C君ママがやたらと大騒ぎしていたので知ったことだが。
彼女が淹れてくれた紅茶が美味しかったのでどこの紅茶なのかを聞いたら、それも有名店の茶葉らしく、パッケージをC君ママが取り上げて教えてくれた。その様子を素敵ママはかすかに笑みを浮かべながらも少し困ったようなー、でも満更でもないような表情で眺めていた。


「普段からこんなお茶飲めない~!だってこれ50gで何千円もする紅茶だよね!?さすがセレブ!!」


「貰い物だって。」


「ケーキだってさ、これ並んでもなかなか買えないやつだよ!どうやって手に入れたの~?」


「パパが買って来てくれたんだけどね、R、あんまミルクレープ好きじゃなくって。だから持って来ちゃった。」



夫婦関係も良好な素敵ママは、とにかく隙がない。まだ赤ちゃんを抱えているのに、その日もブラックのふわふわチュールスカートにパールの大ぶりなピアス、デコルテ部分が繊細なレースとビーズをあしらったチャコールグレーのトップスで、全体的にシックだが素材は春仕様のコーディネートでばっちり決めていた。手先はこの春流行のパステルカラーのネイル。勿論メイクも抜かりない。
私は、団地内の集会所ということもあり、軽くメイクをしただけでいつものボーダーカットソーにジーンズと、いまだに足元はムートンブーツという冴えない恰好だったというのに。


「えー!!もう一時保育出来るんだ。」

「うん、でもまだ数時間だけだけどね。」

「いくらくらい?まだ赤ちゃんだし安いの?」


「一応4時間までで3000円、それからは1時間延長で1000円加算されてく感じ。毎週1回は預けないと体が持たなくって~」


同じ団地暮らしなのに、この格差は何なのか?他の皆も不思議に思っているようだった。しかし、誰も彼女が何故団地暮らしなのか聞かなかったし、それ以上聞いてはいけないような空気が一体をまとっている、そんな感じを受けた。ー暗黙のルール。
誰かが、もう要らない赤ちゃん用品を素敵ママの赤ちゃんに譲ろうかと申し出たが、R君の物はもう全て処分しており、ベビーカーを始めとして、チャイルドシートやおむつ入れ、おもちゃやベビー布団、ハイローチェアなど全て新しく購入したと言う。お下がりなどという辞書は彼女の中にないらしい。


「R産んでから、もう何年も経ってるでしょ~何もかもが昔と違っててね。だからもう面倒だし全部新しく買い直しちゃったんだ。新品だと育児のモチベーションも上がるでしょう?」


彼女のミルクレープとDちゃんママが作ってくれたロールケーキが、仲良くカラフルな紙皿に並ぶ。それぞれ一口ずつ食べると、正直言ってミルクレープが美味しすぎて手作りロールケーキが微妙にさえ思える。きっとロールケーキだけだったのなら、素朴な美味しさというか、手作りであっても満足感があったのだろうけれど・・
ちょっとの気まずい沈黙を破るかのように、素敵ママがDちゃんママのロールケーキを褒める。


「こんなに上手に作れるなんて!Dちゃん達もきっと自慢のママだよね!私なんてお菓子作りとは無縁だから~」


「え~!そんなことないって。ミルクレープが美味しすぎだし。あ、ロールケーキ、無理して食べなくていいから!美味しくなかったら残してね!」


そう言われて本当に残す人などいるわけがないのに、居た堪れなくなったのかDちゃんママが皆に向かって何が可笑しいのかケラケラ笑いながら言う。その姿が痛々しいくらいに明るく、そしてぎこちなかった。
結局、ケーキやお菓子でお腹が一杯になり、正午過ぎたらピザでも取ろうという提案はたち消えになった。


役員は、今年はEちゃんママがすることになった。私も一人っ子親だし、手を挙げたのだが、なんとなく裏で全ては決められていたような感じを受けた。
どうやら体裁だけの集まりだったようだ。
相変わらず優雅なー、少しだけ謎を残したセレブな彼女を称賛する集まりだった、そんな気がする。素敵ママに好意を持ちながらも、今くらいの付かず離れずの関係性である方が、彼女のことを好きなままでいられるのかもーそんな風に思った出来事だった。































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見下し安心感

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「OOちゃんがいると安心する~」


まだ子が生まれて1歳にもならない頃に、支援センターで知り合いママ友になった、もう連絡も取っていない彼女に言われた一言。当時、それは褒め言葉だと思っていたし、素直にそう言われて悪い気はしなかった。
区役所が開催している「赤ちゃん会」で出会った彼女とは、まだ引越し前のママ友と親密になる前だったこともあり、私にとっては貴重なママ友だった。彼女もまだ知り合いが少なかったのだろう、頻繁にランチや自宅に誘い合うことで、持ちつ持たれつ、急速に互いの仲を深めて行った。
ママ友という特別な世界に足を踏み入れ、まず第一関門である互いの呼び方も、どちらからともなく下の名前で呼び合うようになり、不安だったママ生活も彼女のお陰で楽しく過ごせるーそう思っていたあの頃の私。

支援センターでは、いつでもメールをし合って現地集合。彼女からメールがあれば、例え気分が優れなかったり天候が悪かったりしても、まだ昼寝中の子を起こしてでも集合場所に出向いていたし、その逆も然りだった。
それでも、私も元々アクティブな方ではないので、外出は3日に1日程ー彼女もきっとそうだと思っていた。お互い両思いのママ友がいるー同じ濃度でー、それだけで私は安心していられたし、それ以上人脈を進んで広げようとも思っていなかった。
しかし、彼女は違ったようだ。

ふと、買い物のついでに一人で支援センターに寄ったことがあった。顔見知りはいても、挨拶と少しの世間話くらい。月初に配布されるスケジュール表を貰ったらそのまま帰宅するつもりでいた。
しかし、受付から中を覗くと、彼女がいた。大きな輪の中で楽しそうにする彼女ー、目が合ったのでそのまま帰宅するのも感じが悪いかもと思い、気が進まなかったがその輪に挨拶をしつつ入れて貰うことにした。


そして衝撃を受けた。
私と2人きりの時には見せない顔の彼女がいた。どこか余所行きな、済ました彼女だ。そして、その輪にいるリーダーと思われる母親からは親しげに「ちゃん付け」で名前を呼ばれていて、彼女には私以外の居場所があるのだという事実にうっすら焦る気持ちが芽生えた。
一生懸命、共通点を探してそのリーダーに話し掛けてみた。隣に座っていたし、そのリーダーの膝元にいる赤ちゃんと私の子がおもちゃを取り合ってコミュニケーションを取ったのを機会に、おそらく「今何ヶ月なんですか?お名前は?」という差し障りのない質問。
しかし、あっけなく無視された。
一瞬、聞こえていないのかと思い、今度は大きな声で聞いてみたが、またもスルー。今度は私の台詞だけが宙に浮き、周囲の母親達は私と目を合わせないようにする。そして助けを求めるように彼女の方を見遣るも、彼女はただうっすら笑みを浮かべながら自分の子をあやすことに集中している風を装っていた。


そこからは記憶が曖昧だが、さっさとその場を後にし、数日は落ち込むも彼女から誘いがあるとすぐに乗り、ランチをした。テイクアウトでファーストフードを買い込み、彼女の自宅へ。
そこで、言われたのが冒頭の台詞だったのだ。



「やっぱりOOちゃんといると、安心する~」


この一言にどんな意味が込められているのか、今ならはっきりと分かる。彼女は、私が彼女の他に親しいママ友がいないこと、特定のグループに属していないこと、予定は彼女と会う以外はガラガラであることで、自分の立ち位置が上であることを確認しては安心していたかったのだ。
現に、

「OOちゃんはインドアだもんね~あんまり外に出ていないみたいだし、私が誘わないと密室育児になっちゃうよ!」なんてよく笑いながら言っていた。それに対し、不愉快ながらも表向きはヘラヘラ笑っていたーそれが私だった。
その割に、自分が属していたあのグループの悪口を散々言っては発散していた。特に私を無視したリーダーが、いかに気分屋で仕切りたがりかをぶちまける事が多かった。一度吐けば、すっきりした顔でケロリとするのだ。聞かされたこちらはストレスが溜まる一方だったが・・
また、私の家に遊びに来ると、壁に貼り付けてあるスケジュール兼カレンダーを彼女がちらっとチェックしている様子を度々目にした。
彼女とその子供の名前がある日付以外は、病院くらいのスケジュール。その虫食いのカレンダーに彼女はきっと満足していたはずだ。


そんな彼女と疎遠になったのは、私が彼女にとって「安心する人」から卒業した頃。
引越し前のママ友と踏み込んで仲良くなった頃だ。引越し前のママ友は顔も広く、親しみやすく、支援センターでも一際目立つ存在だった。
そんな彼女がなぜ私と仲良くなったのかはまたの機会に書くことにするが、どこからかその情報を得た彼女は、頻繁に深刻な顔で引越し前のママ友の悪口を私に吹き込むようになった。
しかし、その頃の私は既にもう、引越し前のママ友の曇りのない善良さーだったり気風の良さに惹かれていたので、彼女の声は全く耳に入らなかったし、かえって煩わしさから彼女と距離を徐々に置いて行きたいと思った記憶がある。

この地に引っ越すことが決まり、一応そのことを彼女に告げた時には、更に私のことなど使い捨てのティッシュの如くゴミ箱にポイー、こちらからさよならの挨拶をしに行っても、分かりやすいくらい素っ気無かった。要は、その程度の付き合いだっただけのことだ。

突然、何故彼女の台詞を思い出したのかと言うと、同じ台詞を先日、まいこちゃんママに言われたからだ。それは、明らかに私を見下した上での台詞に思えた。
そんな風に捉えてしまう私にも、問題はあるのかもしれないけれど。


自分の理想像ーそれにうまく追いつけば、人との比較だったり今の立ち位置に焦りを感じることはないのだろうけれど、そうでないと人は自分より下にある何かを指標にして優位に立つことで、ひとまず安心感を得たがる。
そのひとまずの為に、どこかの誰かが傷付いているかもしれないなどという想像力は働かない。

あの人よりはマシーというあの人に、安心感をおぼえること。それこそが、自分の理想像から最も離れているのだということに彼女達は気が付けないでいるのだ。




















































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「趣味・特技」欄

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もしも、再就職するとしてー、「趣味・特技」欄に何が書けるだろうか?
取り立てて、就職に役立つ資格もない私。しかも皆が所有しているだろう「普通免許」さえ持っていない。自動車の運転すら出来ない専業主婦を雇ってくれるところが、果たしてあるのかどうか。

接客だったら、第一印象の愛想の良さだったりが資格がなくても決めてとなるのだろうが、悲しいことに私の第一印象は「地味・暗め」だ。
与えられた作業はコツコツ地道にやる自信はあるので、人とあまり関わらなくて済むような工場などの軽作業が向いているのかもしれない。しかし、持病を抱えている上に最近の腰痛では、立ちんぼの仕事など到底無理。

話しベタでも、印象がいまいちでも、「趣味・特技」欄でその人となりが少なからず表せる。ちょっと変わった趣味ならば、面接官の食いつきも良いかもしれない。
また、スポーツ系の趣味ならば積極性が買われることもあるかもしれないし、ハンドメイドや菓子作りならばその独創性が認められるかもしれない。
初めて社会に出た頃、どうにかして内定を取りたいーそう思い、嘘の趣味を書いた。当時付き合っていた彼の趣味を書いたのだ。彼はルアーフィッシングにはまっており、デートでは実際共に舟を借りて釣りを楽しんだこともあるし、また美しい模様のルアーを集めていた彼にプレゼントをしようと、一人釣具店まで出向いたこともある。一応少しの知識はあったので書けた嘘の履歴書。
実際、面接では好感触だった。アウトドアな趣味を持つーそれだけで、地味な顔立ちだったり大人しそうな性格だったりの第一印象は薄れるのだろう。
しかし彼と別れて15年以上ーあれから釣竿なんて手にしていないし、元々興味もないのだからルアーの付け方すら忘れてしまっている。

当面働くつもりはないが、その時がいつ来ても良いように自分磨きをしなくてはー
今のままだと、趣味はネット、読書になってしまう。ますます心証が悪い。

今朝もまた新聞の折込広告に、百貨店が開催する様々な講座があった。いつも興味深く見ているのだが、実際金を払ってまでやりたいと思うものはない。正直、暇を持て余した金持ちの手習いに思えてしまうし、大体が1回きりの講座なのでその場限り。数時間に習得出来る程度のものならば独学で出来るだろうし、単なる付け焼刃にほかならない。
更に、通信講座のパンフも入っており、じっくり端から眺めてみる。医療事務が人気の資格らしいが、実務経験もないのに資格だけあるアラフォーおばさんなど雇ってくれる病院などあるものなのか?いや、世の中そんなに甘くはない。それに、女性ばかりの職場はきっと、私のようなママ関係ですらうまくやれない人間にはどぎついものだろうと思う。


話しはだいぶ逸れたが、再就職の為に始める趣味は趣味とは言えないのは分かっている。時間を削ってでもー、寝食を忘れてのめり込んでしまう程のものーそして、それをしている間は何ともいえない充実感があるのが「趣味」であり、それを極めて「特技」になる。
学生時代、帰宅部だった私には到底理解不能な世界なのだ。


唯一の趣味ーといえば、ネットショッピングだ。勿論金は限られているのだから、仮想で行うもの。買物かごに入れては出してを繰り返す。
最近買物かごに入れたものー

























仮想ショッピングー、店員に付きまとわれるのが嫌で、本当はゆっくり見たいのにそそくさと商品を選び、試着もせずに購入する慌ただしさもない。
勿論、見栄を張って高いものを買ったり、手に取った商品を元に戻す罪悪感を感じる必要もない。
気楽なショッピングー


窓の外のお天気に、はっとする。
暗い部屋で仮想ショッピングを楽しむだけでは、自分磨きにはならない。ふと思い立ち、しばらくぶりに泳ぎに行こうと決心する。
すっかりタンスの匂いが付いてしまった水着と水泳帽を取り出し、バスタオルとゴーグルをバッグに入れて準備をする。
新しいことではないが、私の唯一の人に言える趣味は「水泳」だ。勿論、胸を張って威張れる程の腕前ではない。25mをクロールで立たずに泳ぐことさえ出来ないし、頑張っても20m辺りで一度立ってしまう程のスキル。
しかし、それでも泳いだその日はなんとも言えない達成感があるのだ。勿論準備をするまでに気持ちを持って行くのは大変な労力が要るのだが。
健康にも良いし、続けていれば、25m泳ぎきることだって出来るかもしれない。体力は日に日に衰えているのだから、意識的に鍛えないと。
珍しく気持ちが前向きになったのは、春の陽気と「新生活」と大きく見出しを付けた折込広告のお陰でもある。
















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お裾分け偽装工作

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我ながら、呆れるくらい必死で阿呆らしい。Yさんに会いたいが為に嘘をついたのだ。


「親戚から大量にじゃがいもを頂いて、我が家では処理しきれないので、貰ってくれませんか?」


ランチに誘ってからというものの、何度もメールは来ていないか確認するも「受信BOXにメールはありません」の表示。もう春休みに入ってしまうー彼女からの返信を悠長に待っていられるわけがなく、予め考えていた嘘だった。正直、彼女と「ランチをした」という実績が欲しいだけなのかもしれない、それだけで何だか安心出来る気がするのだ。
そして、彼女らしくすぐに返信が来た。


「わぁ!嬉しい~丁度じゃがいもが切れてて助かります♪では早速ですが今日の午前中なんてどうですか?10時に駅前のパン屋とか。」



良かった!勇気を出して嘘を付いてみるもんだ。流れで決めた風に持って行ったことで、他の2人は誘えなくなってしまったがまあいい。ほくほくする気持ちで、週末にわざわざ隣街の激安スーパーで買った大量のじゃがいもを半分程、お洒落なショップ袋に入れて、はやる気持ちで約束のパン屋に向かった。


「おはようございます!」

「あー、おはよう~^^」


相変わらず裏表のない雰囲気のYさん、店内の一角にイートインがあるのだが、そこの窓辺のカウンター席に座ってこちらに向かい手を振る。


「ここのカヌレ美味しいの。テイクアウトしてくる。ちょっと席取っておいてくれる?代わりに飲み物買ってくるけど何にする?」


「えっと、じゃあカフェラテでお願いします。」


彼女は二人分のカフェラテとカヌレを乗せたトレイを手に、席に戻る。代金を払おうと財布を開くと、手で制止された。


「いいのいいの、奢らせて。じゃがいもこんなに貰っちゃったし^^」

「え、でも・・」

それではお裾分けの意味が無くなってしまう、そもそもお裾分けっていうのは嘘だけれど。もう一度払おうとしても頑なに断られたので、申し訳ない気持ちになりながらもその好意に甘えることにした。
彼女の横に並ぶ。ときめく気持ち、まるで初デート。
早速持参していたじゃがいもを渡すと、彼女は嬉しそうにそれを受け取り、会話を始める。自分が北海道生まれだということー父親が転勤族だった為、子供時代は引越しが多く、全国に友達が出来たようで嬉しかったことー学生時代の話や社会人時代の話、仕事や結婚、今のご主人と出会った時の話ー、飾り気なく、面白ろ可笑しいエピソードを交えて語る。合間合間に私への質問も忘れない。自分のことだけではなく、相手の話題も引き出そうとするその気遣いが嬉しかった。
話しベタな私も、彼女を前にするとあれこれまともに話すことが出来た。さらけ出すーまではまだまだいかないけれど、数年前までは違う地にいたこと、こちらに引っ越して来ていまだ要領を得ないこと、子のことで色々悩んでいることー特に最近学校での子の様子には、一人悩み八方塞がりだったので、誰かに聞いて貰えることがこんなにも心を軽くするのかという思いで一杯になる。
彼女は静かに聞いてくれ、有益なアドバイスもくれた。前向きだが、無理強いはさせないー決して上から目線ではないアドバイスだった。
気晴らしー、まさに、彼女と共にするお茶はそれだった。そして、ミルクたっぷりのカフェラテとカヌレも美味しかった。


2時間弱だろうかー、あっという間だった。この流れでランチも誘おうーそう思い、勇気を出して口に出そうとしたところで彼女がスマホの時計を見る。


「あ、もうこんな時間。12時に約束あって。お隣の店なんだけどね。」


パン屋の隣はイタリアンの店だ。昼近くになるといつでもママチャリがずらっと並ぶ、引っ越して来てからずっと入ってみたいと思っていた憧れの店。
ママ友がいない私にとっては、敷居が高いバイキング形式のその店は、お洒落な内装と美味しいピザで有名らしく、しかし値段はリーズナブルだと子育て主婦層に受けがいい。


「た、大変。じゃあ出ましょうか。」


なんとなく一緒に出て、彼女を隣の店に見送るのが切なく、


「あ、カヌレすごく美味しかったから、子供にも買っていきますね。」


と言うと、彼女は満面の笑みで嬉しそうにしてから、軽く手を振って店の外に出て行った。パンを選ぶ振りをし、窓越しに彼女が隣の店の入口前で、何人かの女性達に声を掛けられているのを目撃した。どうやら約束していた人達らしく、その人数は3~4人だろうか?
楽しげに、店内へと入って行くその姿に、さっきまでの高揚した気持ちはしぼみ、気が付くと買う予定のなかったアップルパイやあんドーナツをトレイに乗せていた。やけになり、ついでにコロッケパンを乗せる。私のランチだー1人自宅で食べる用の。


Yさんの笑顔は、私と一緒にいた時よりもよりいっそう楽しげに見えたのは、被害妄想だろうか?人気者は人付き合いも良ければ性格も良い。人と会う時間を作ることや労力を厭わない。私にとったら「努力」に思うそれも、彼女にしたら朝飯前なのだろう。


次のお裾分けは何にしよう?自ら購入した物を「お裾分け」していると知ったら、Yさんは引くだろうか?
それ程までにして彼女と繋がりたいー、純粋に、もっともっと彼女のことを知りたいと思う私がいる。











































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復縁ブログ

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自分でも心底嫌な奴だと思うが、私は昔から人のマイナス感情にぴったり寄り添うことに充足感をおぼえるところがある。しかし、そのような人は意外に多くいるのではないか?とも思う。特に現状に不満を抱いているのならば誰しもー

昔、私と同じくぼっちママだというブロガーに勝手に親近感を持ち、ちょくちょくそのブログを閲覧していたことがあった。しかし、彼女の子供が幼稚園に入園、しばらくぶりに覗くとすっかりリア充になっていて、毎日のようにママ友達とランチやお茶、親子ぐるみの付き合いを楽しむ生活ぶりに変容したことで、すっかり私の中から遠のいたあのブログ。
そういえばー、もう卒園シーズン。彼女はどんな暮らしをしているのだろう?小学校入学準備で忙しいのだろうか?と少しの好奇心で覗いてみたのだ。

トップページには、彼女の趣味であるフラワーアレンジメントの写真が使われており、無機質なPC画面からも春を感じさせられた。そのふんわりとした画面に癒されながらも視線を下に落とすと、最新記事には「送別会(涙)」とあったー


一気に読み終え、少ししてからじわじわと嬉しさが込み上げてきた。彼女が私の元に戻って来てくれたのだと高揚する気持ち。もう一人じゃない、また仲間が出来たとワクワクする気持ちだ。
彼女は私の存在すら知らないというのにー。


突然決まったご主人の転勤ー、住み慣れた地を離れることへの戸惑い。折角親密になれた親子達との別れー。卒園しても、小学校でまた一緒だと信じて疑わなかった子供を説得するのに涙がこぼれたーというところは読んでいて切なかったが・・それでも、同士が出来た喜びの方が同情心より上回る。
元々メンタルが弱かった彼女、記事を遡って読むと、ご主人の異動が決まった辺りから情緒不安定な感じが文章より伝わって来た。
前向きだったかと思えば、後ろ向きだったり。また、ママ友達と別れたくはないがために、ご主人を単身赴任にして今の地に残ることを本気で考え、それについて何度も夫婦間で話し合いをしていたようだった。
また一からママ友作りをしないとならない不安感が、ブログ上から伝わって来る。そして、子供が小学校に馴染めるか、誰ひとり知らない中で環境もがらりと変わることで、登校拒否になりやしないかーなどなど、マイナス思考な文章がそこにはつらつら綴られていた。

コメント欄が空いており、気が付くと私は夢中で書き出していた。

「はじめまして!いつもブログを拝見させていただいています。この度はご主人の転勤が決まったとのことで、引越し準備に加えて息子さんの小学校転入準備等、気忙しいことかと思います。
また、ご自身の環境の変化に戸惑い不安を抱えてらっしゃるようで、陰ながら心配しております。私自身も引越しを経験しているのですが、何度元の地に戻りたいと思ったことか・・そして新しい土地では未だに馴染めず、ママ友も出来ないまま子供は小学生になってしまいました。ますます友達が出来る気はしません・・(笑)
でも、幼稚園と違って小学校はドライなママ関係なので、そこまで気に揉む必要はないかと思いますよ~^^
大丈夫!きっとあなたなら上手くいくはずです。だってこれまでの土地でたくさんの友達に囲まれて、皆に好かれていたのですから。
新天地でも新しい出会いと楽しい生活が待っているとポジティブになって下さい。応援してます!!」


一気に書いてコメントの「送信」ボタンを押すと、彼女のブログ上からそれを再確認する。まるで二重人格・・いつでもくよくよウジウジしながらこのブログを書いている人間と同一人物とは思えない。まるでペテン師ではないか。
しかも、心の隅では彼女の引越しを喜んでいるのだ。リア充だった彼女は、当初私と同じ暗闇の住人だった。その彼女が陽のあたる場所にいた頃には遠ざかっていたというのに、そうではなくなる兆しが見えた途端、再度彼女のブログを「お気に入り登録」したのだ。そしてこれからまた頻繁に彼女のブログに訪れるようになるのだろう。またひとつ「リア充ではないブログ」を訪問するという日課が増えたことが、私の密かな楽しみになっていることはここだけの話だ。
























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コンプレックス

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今日もお隣さんは多くの来客があるようだ。朝、夫に頼まれていた郵便物をポストに投函し終え、団地のエントランスに入ると、にぎやかな赤ちゃん連れの集団。見知らぬ顔ぶれであることに安堵しつつも、やはり女性の群れは苦手で一瞬躊躇する。エレベーターの「開」を押し、彼女たちが乗り込むのを待つ。同じ階で降りるようだったので、再度「開」ボタンを押して待つと、軽く会釈をしながら降り立った数人は、そのまま前方へ私が向かうのと同じく進む。なんとなく後をつけているようで居心地が悪いが、そんな私の気持ちなどお構いなしに彼女たちは笑い、喋り、楽しげだ。
そして、目的地はお隣さん宅であった。
勝手に気まずい思いで彼女達を背後に感じながらも、自宅の玄関を開ける。誰ひとり私の存在など気にしない様子でインターホンを押したようだった。

ドアを締め、即座に鍵穴からその様子を伺う。少しすると、明るい声で返事をするお隣さんの声と共に、玄関が開く。そして4人の女性と赤ちゃんが向こう側の空間に吸い込まれ、玄関ドアは締まり、辺りに静けさが戻る。


Yさんらの来客以来、私宛の来客は皆無。あってもセールスやDちゃんの訪問くらいだが、そのDちゃんでさえ最近足が遠のいていた。子に聞いても、「知らない、分からない。」とだけ。子供同士のことだから、その関係性も浮き沈みがあるのか、それとも単に忙しいのか。


Yさんからメールはない。暖かくなった頃という曖昧な返事から何程経ったのだろう、ウンともスンとも言わない携帯電話に向かって話し掛ける。


「Yさんにまたメールしたら、うざがられるかな・・」


もうすぐ春休みに入り、彼女達と会うのはお預けになる。ならばー、勇気を出してまた誘ってみよう。
意を決し、メールをした。Yさんにしてみて、もしOKが貰えたら他の2人も誘ってみよう。


「「こんにちは!もうすぐ春休みですね。最近は暖かくなって過ごしやすくなりましたが今度は花粉で参っています(汗)。休みに入る前にお暇な時ありましたら、またランチでもしませんか?場所は我が家でも外でも構いません~」」


ドキドキしながら送信ーするとすぐに返事が帰ってきた。


「こんにちは!お誘いありがとうございます!!いいですね。是非~ちょっと今色々保留の予定があって、スケジュール調整したらまた連絡しますね^^」」


前向きな返事に安堵し、そして喜びの感情ーやがて少しの敗北感。
相変わらず何の予定も入っていない自分とは違う世界の彼女ー日々忙しくしており、私が指折り数えて待つ「その日」は、彼女にとったら取るに足りないものなのだろう。


人を寄せ付ける人間ー太陽のようなー明るい、気さくで親しみやすい笑顔を作れる彼女。

人を遠ざける人間ー影のようなー暗くて、取っ付きにくく近寄りがたい、笑顔がぎこちない私。


コンプレックスが刺激されるー彼女といると。それが分かっていながらも誘わずにはいられない、少しでも彼女から灯りを分けて貰えるように。潜在的にそんな思いが私の中にあるのかもしれない。










































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断るエネルギー

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暖かくなって来た最近、家の中にずっといるのも憂鬱で、日中は散歩がてら外に出ることにしている。近くの公園では私くらいの女性達の群れが、テニスコートで和気藹々とラケットを振っており、また別の場所では幼い子の手を引いた母親達が会話に花を咲かせている。
どこもかしこも楽しそうなその雰囲気に圧倒されつつ、しかし独り身の気楽さを楽しめる気がするのも太陽の下を歩いているから。
不思議なことに、日光のパワーは人を前向きにさせる。室内からのそれはプレッシャーになるというのに、実際光を体全体で浴びれば、心も少しは上向きになるのだ。


卵しか入っていないエコバッグをぶら下げて、自宅へと向かう。少しすると、しばらくぶりに団地のお婆さんに会った。おはぎを頂いて以来だろうか。



「こんにちはー。」


「あら、こんにちは。」


世代も立場も違う彼女とは、構えることなく立ち話することが出来る。それはきっと、比較するものがないから。くだらないものさしが、私の人付き合いの幅を狭めているのだ。



「暖かくなって来たわね、春ももうそこ。」

「そうですね、でも今度は花粉がすごくって。参っちゃいます。」

「あら、あなた花粉症なの?カスピ海ヨーグルトが効くわよ。よかったら分けましょうか?」


「大丈夫です、うちにあるんですよ~」

「持ってるのね。毎日食べ続けることが大事よ。ある時から急に大丈夫になるんだから。」

「へー、早く効いて欲しいなぁ。」


そんな他愛のない会話が気楽で楽しい。会話はそこからガーデニングの話になり、最近美味しいお勧めのお取り寄せだとか、またちょっとした身の上話など、30分くらいしただろうか。


「そうそう、良かったら、毎月数回だけどね、自治会主催とは名ばかりだけど有志でこんなことやってるの。」


お婆さんがバッグから取り出した1枚のちらしには、「気功教室」とあり、講師を呼んで無料で集会場を借りて行っているのだそうだ。お婆さんは、それに通うようになってからというもの体の調子も良く毎日過ごしやすくなったという。
チラシを受け取り、是非次回来てくれと言われたが、曖昧な返事をして彼女と別れた。


行ってみようかー

どんな集まり具合なのだろう?新しい出会いがあるかも。そうでなくても新たな趣味・・地味だが体にも良さそうだし自宅で毎日ひとり、のんべんだらりと過ごしているよりよっぽど健康的だろう。
しかし、お年寄りしかいなかったら完全に浮くし、お婆さんだって同じ年くらいの仲間がいて通っているはず。その現実を知ったらなんだか立ち直れない気がした。
利害関係のない付き合いである彼女に、嫉妬心という感情を持つのだけは避けたかった。


誘うこともエネルギーが要るが、断ることもそれに増してエネルギーを必要とする。1度断ってしまって2度目がないかもしれない恐怖感、相手に嫌な思いをさせてしまうかもしれないという不安感。
しかし、乗れない誘いに無理に乗った代償には、大きな疲労と時間の浪費というマイナス面が付いて回る。

ーさて、どうしよう。


しかし、ほぼ私の中で答えは決まっていた。お婆さんとはお互い連絡先の交換をしていない。それがないことがこれ程縛りのないことなのかと思い知る。
気が向いたら参加するーで良いのだと思い直す。そして参加せずとも、またばったりどこかで会った時は、そんな話は忘れたかのように違う話題で盛り上がれるだろうーそんな自信がある。


ラインなど、SNSで便利にやり取り出来てしまう間柄だったら、一つ誘われるにも確実にYESかNOかの返事を求められる。そしてどちらに転んでも、使いたくもないエネルギーを使う羽目になるし、相手の顔色を、本人を目の前にしていなくても伺い続ける日常が待っているのだ。




















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サシ飲み

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どこからどこまでを「浮気」というのか?

昨夜、夫が飲んで帰宅した。てっきり残業と聞いていたので酒臭いスーツに驚きつつ、誰と飲んだのか聞くと、例のツーリング仲間だという。
風呂も入らず、ニヤニヤしながらラインをしている夫に苛立ち、ちらっとスマホ画面を背後から覗くと、明らかにあの女性とのやり取りだという直感が働いた。

夫が声を出して笑う。同じ空間にいる私に向かってではなく、画面越しの相手に向かってー

そういえば、結婚する前もしてからもずっと、この人の心からの笑顔を見たことがあっただろうか?何が可笑しいのか、腹を抱えて笑いながらスマホ画面に向かって文を打つその横顔は、私の知らない夫の顔だ。

そうか、この人はこんな顔で笑うのかー

人ごとのように、そう感じる心は冷え冷えとし、それからじわじわと嫉妬心のようなものがわく。


「早く入って!追い焚きしたのが冷めちゃうから!」


「・・ん?あぁ。」


生返事しつつ、ジップロックにスマホを大事そうに入れて風呂場に持って行く夫。まるでスマホ中毒の高校生と同じではないか。風呂場で感電するケースもあるというスマホ。夫の背中を目で追いながら、感電でもすればいいのにと苛つく感情と共に思う。
実は先日、生活費が足りなくなった際の言い合いの後に、夫からわずかだが金を渡された。私の言い分が伝わったことが嬉しくも、なんだか面倒臭さから夫が逃げているようにも思えて、釈然としない気持ちもあった。


ー二人きりで飲んだの?
ー何話したの?
ー本当に飲んだだけ?

聞きたいことは山程あるが、それよりも夫の心が此処にあらず、という状況が全てを物語る。家にいても、どこにいても一緒にいたい相手と繋がることが出来る時代なのだ。最初はただの友達であっても、後にその感情の変化がどうなって行くのかは誰にも予想出来ないし、またそれを止めることも出来ない。
未然に防ぐーそれしか方法はないのかもしれないが、夫からスマホを取り上げることなど不可能だろう。
夫が風呂場でスマホをいじっている間、冷蔵庫に買い置きしてある夫の為の中途半端に残っているワインをグビグビ飲み干す。それに加えて、戸棚の奥のウイスキーをグラスに入れ、ロックで2杯程一気飲みすると、次第に辺りがゆらゆら揺れて来た。
夫が風呂場から出る頃には、すっかり酔いが味方をし、あれこれ夫に質問をぶちまけていた。
夫も酔いが残っていたのだろう、ものすごい形相で私に向かって怒鳴りつけた。しかし焦点の合わない私には、少しも怖くはなかった。
今朝になり、すっかり昨夜の記憶は飛んでしまったかと思ったが、そうでもない。私が覚えている夫が発した言葉は、「サシ飲み」「友達」「相談」であり、そして最後に私に向けられた、「みっともない」という言葉。
それを思い出すと、途端に頭がガンガンした。
酒の入ったグラスを取り上げられた、そんな記憶も残っている。

二日酔いで起きられなかった私。夫も子も、声を掛けることもなく家を出てしまった。子には申し訳ないことをしたが、あいにくパンを買ってあったので、それを食べて行ってくれたようで安心した。
夫の分は用意していなかったので、どうしただろうと思ったら、流しに食べたあとのバナナの皮が捨てられていた。

茶色に変色した、三角コーナーの中にあるくたっとしたその皮は、夫の思う「みっともない私」なのかもしれない。そしてそれは、放っておくとたちまち異臭を放つ、面倒くさい代物なのだと夫に分からせたい気持ちで一杯になった。































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お得の裏側

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食品などの買い物は、基本駅前のスーパーや八百屋で買うのが日課。しかしより安いものを求めるのなら、隣町まで自転車を走らせることも度々のこと。日用品や雑貨などは専らネットショッピング。これは夫が後日カード明細でチェックするのでより安いものを探してまとめ買いをすることが多い。
今月のやりくりー、少し使い過ぎてしまったと反省。何気なくチラシをチェックしていると、破格の食品セットが目に入る。卵、食パン、ソーセージ、牛乳、肉、季節のフルーツなどでしかも全て国産。それら1500円相当の品がワンコインで手に入るというのだ。
資料請求だけでそれらがワンコインで貰えるのならかなりお得。早速契約などハナからするつもりはないが、請求書に特記事項を記入しポストに入れた。
いつ届くのだろうとワクワクし、運送会社が家の前を通る度に、食品が届くかもしれないと部屋着からジーパンに履き替えてスタンバイする。しかしいつまで経っても届かない。
何日か経ち、そのことを忘れかけていた頃、夕飯準備で忙しい時間帯に玄関のチャイムが鳴った。
扉を開けると、私と同じくらいの年齢だろうか?会社のエプロンを身にまとった女性が商品の入った袋を手にドアの前に立っていた。

「こんばんは、遅くなりましたが商品をお届けに上がりました。」

愛想の良い女性、営業スマイルだろうか?すぐに財布を取りに行き、500円玉丁度を渡してから商品を受け取る。そして一応形だけの資料を受け取り、そのまま軽く挨拶をしてドアを閉めた。


チラシの写真通り、満足の行く商品だった。ウインナーはいつも安物なので皮はしなっとしていてあまり美味しくないのだが、このウインナーは皮がパリッとしていて中はジューシー。朝ご飯に出したら、子がもう1本焼いて欲しいとねだった程だ。夫にウインナーが変わったことを悟られ、また値段を聞かれてげんなりしながらも、ワンコインでこれだけの商品が買えたのだと伝えると、納得したような表情を見せてくれたのでほっとする。
食パンも美味しかったし、卵もこだわりのある肥料を与えたにわとりが産んだものらしく、黄身がぷりっと盛り上がっており、いかにも新鮮な物であることを物語っていた。

一週間程経ち、ワンコインで購入した食材は殆ど使い切った頃、また夕方の忙しい時間帯に玄関のチャイムが鳴る。新聞の集金だろうかと慌てて出ると、そこには例のエプロン姿の女性が相変わらずの営業スマイルで立っていた。


「いかがでしたか?資料は目を通していただけましたか?」


予想もしていなかったことなので、絶句する。まさかまた来るとはーしかも形だけの資料請求だったので、パンフレットなどはとっくにゴミ箱に捨ててしまったのだ。


「ええ、とても美味しかったです。特にウインナーは子供も喜びまして・・」


咄嗟に商品を褒めることしか浮かばず、そしてしまったーと思った時にはもう遅かった。



「そうなんですよー。お子さん気に入っていただけましたか。うちの子も大好きなんですよね。2日で1袋なくなっちゃう。このウインナーは特別な製法で・・・~


それからは、彼女のセールストークの独壇場。全く契約する気はないのだから、早く断らなければ。時間の無駄だし、また彼女にしたって同じように労力の無駄遣いだ。彼女は狙った獲物は逃がさないと言わんばかりに、次から次へとクチコミ上位の品々を紹介する。実際の値段は、我が家にとっては全て割高のものばかり。卵だって普段は広告の品である98円のものしか買わないのだ。298円も掛けてられない。



「御免なさい、主人に反対されたんです。買い物は主人担当なので・・」


嘘を付いた。どんな問題であっても夫の名前さえ出せばまかり通る。それまでも様々なトラブルにはこの方法で回避して来た。


「え、そうなんですか?ではご主人様にお話させていただいてもよろしいですかね?」


「え、あのー、それは困ります。主人は普段仕事で遅いですし・・」


「お休みの日は?」


「不定期なんです。それに、うちの主人は買い物が趣味なもので。」


途端に彼女のそれまでの営業スマイルに影が差す。そして険しい表情になったかと思うと、


「え・・っと、ではなんで資料請求されたのでしょうか?」


責められたような気がした。まさか、ワンコインに飛び付いて形だけの資料請求をしたのだなど言えるわけがない。がめつい人間だと思われたくはなかった。しかし何も言葉が思い浮かばず、しどろもどろになる。


「夫を説得出来ると思っていたので・・」


苦し紛れの言い訳をするも、彼女の冷たい表情は変わらないまま、そして資料をさっさと手持ちの鞄に仕舞うと、


「最初からやる気がないなら止めてよね。」


ぼそっと溜息混じりの声が聞こえた気がした。そして挨拶もそこそこに帰ってしまった。自分で蒔いた種だが後味が悪かった。ちょっとした軽率な行動が相手を傷付けることもあるのだ。
お得商品の裏側に、多くの人件費が掛かっている。人件費の裏側には当たり前だが生身の人間がおり、その一人一人に置かれた境遇は様々だ。
あの女性だって、生活に困って幼い子供達を家に置いて仕事に出ているのかもしれない。夕飯の準備だって丁寧に時間を掛けてすることは出来ず、スーパーの惣菜で済ませているのかもしれない。子供達に後ろめたい思いを持ちながらーそうだとしたら冷やかしの客などに時間を割いている暇はないし、腹が立つのも当然のことだろう。


ー申し訳なかったなー

素直にそう思う。対応としてはどうかと思うが、それでも同じ主婦として悪いことをしたと反省したのだった。















































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問題児

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「お子さん、ちょっと問題がありまして・・」


担任がまず最初に口にしたのは、「問題」という言葉=問題児ということなのか。
滅多に鳴らない家電話が鳴る。それは担任からのものだった。一度子のことで相談したいと言う。
それは、子の頑な過ぎる消極性についてだった。
園時代、どちらかと言えば積極的だった子。前へ前へと出たがり、親の私と全く違う性質に戸惑うこともあったけれど、それが嬉しかったのも事実。
しかし、小学校に上がってからというものの、子ども会での自己紹介や参観日の発表などにおいて、以前あった子の姿はすっかり成りを潜め、今では消極的で目立たないレベルを超えて、逆に目立つレベルになっていたというのだ。

学校生活は、正直参観日での様子しか知ることが出来ず、通常授業で子がどのようにクラスメイトや担任と関わり、そしてどのような立ち位置を取っているのかは、子の話でなんとなく想像するより他はない。
しかし今回の面談で、私が思っていた以上に深刻だということが明らかになった。「少々大人しい」と思っていた子だったが、担任の口からは「授業を毎回止める程の問題児である」というようなことを言われたのだ。
また、「一人っ子は兄弟との関わりもないし、経験も浅いので色々な面での自信がないのかもしれない」というようなことまで言われた。一人っ子だからーというのは偏見ではないか?

とにかく、皆の前で発表をしないー名指ししてもだんまり。質問しても聞こえてるのか聞こえてないのか反応がない。それでも担任が根気強く子の回答を待っていると、仕舞いには泣くーということだった。
この学校では、低学年のうちから「自己表現」に力を入れており、毎朝スピーチをさせるそうだ。そんな話も担任から聞いて初めて知った。そのスピーチでは、始まるとすぐにお腹が痛いと言いながらトイレにこもってしまうという。国語の時間の音読も、一応頑張って読んではいるものの、声が小さ過ぎて全く聞き取れない程だそうだ。
そして本題ー、卒業式で行われる6年生に送る言葉。これは、在校生が卒業生に向けて一人一人短い言葉を繋げてメッセージを贈るという、私が小学生だった頃もあったプログラムなのだが、子は与えられたほんの短い言葉すら発することを頑なに拒否しているとのこと。しかし、子だけ何も言わせない訳にはいかないので、どうにかして家で説得して来て欲しいと頼まれたのだ。今回学校に呼ばれたのも、差し迫る卒業式に向けてのことだったに違いない。担任の顔に焦りが見えた。

習い事でのダンス、また園にいた頃のお遊戯などで、のびのび踊っていた子の様が浮かんでは消える。どうしたのだろう?どこで変わってしまったのだろう?それとも園の頃の子は幻だったのだろうか?
何も知らないでいた私ー要するに、子は自分に都合の悪いことは私に伝えていなかったということになる。


一体どうしてしまったのか?
そして、自分にどんどん似て来る子に、焦りと不安がわいてきた。心臓がバクバクし出し、担任とさえまともに話せなくなってしまった。
担任の話す言葉がー自分の頭上でふわふわ宙に浮いては流れていくーそんなイメージ。言葉がただの「音」になり、理解が出来なくなっていく。

「・・・さん、OOさん!」

名前を呼ばれてはっとした。


「大丈夫ですか?」


「はい・・」


「お宅ではどんな学習をされてますか?」


気が付くと、先日学年末懇談会をずる休みした時のテーマであったらしい話題ー、学習面についてに変わっており、しかし一度緊張を迎えた心と体はどうにもならず、うまく話すことが出来なくなっていた。いつものー、皆の前での発言がうまくいかない状況と同じだ。
そして、担任にずる休みしたことを見透かされているのではないかと思うとますますパニックになり、目を合わせることも出来ずに声が震え、掌にはびっしょり汗が吹き出していた。

「えー、あの。・・・・・・・・ごめんなさい・・」



「?」


担任も困り顔になる。それを見て、ますます言葉が繋がらなくなりパニックになる。
沈黙が続くと、更に分厚い沈黙の波が覆いかぶさり私を支配する。
私の青ざめた表情に申し訳なく思ったのか、子がいじめっこ達の存在を教えてくれて助かったことなど、子にも褒められる点はあるのだと担任は強調するが、そんな声ですらもはや私の心に届くことはなく、まともに会話することさえままならない。結局担任は諦めたのか、もう一度卒業式での言葉について私に念押しをし、そそくさと面談を終わらせた。
この親にしてこの子ありーきっとそんな風に思われたに違いない。


自宅に戻り、留守番させていた子にあれこれ問いたい気持ちが溢れて止まらなくなりそうだったが、こんな情緒不安定な状態で聞いても、お互い良くない。落ち着いてから、子が疲れていない時に改めて聞くことにしようと思う。


子を寝かしつけ、発達障害のサイトを開いてみた。
いくつか当てはまる部分があるような気がして更に気分が塞いだ。どこか学校以外の場に相談するべきなのか?担任がそれとなく渡した便りの中に、区の相談窓口や専門機関の電話番号の一覧が載っている用紙が挟まっていたのはそういうことなのだろう。
そして、面談の最中にあのような失態をおかした自分自身も、何かの障害があるのではないかと疑った。

ー親子揃って発達障害ー

夫に知られたらー、今までの子育てを全否定されてしまう。私なりに頑張って来たのに。
どうすれば良いのか、今はただひたすらネットで同じような事例を探しては何か参考になるものはないかと模索している。





















































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ひとり遊び

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今日は買い物に出ないーそう決めながら、朝から新聞の折込広告を眺めていた。外は強風、花粉もすごい、誰に言い訳するでもないのに引きこもる理由を探しては、自分を納得させいつもの強迫観念から逃れる。
週明けは、疲れが残る。
子の相手も、最近では息切れしてしまっている。勿論一緒にいるのは楽しいのだが、それだけではない。勉強を見てやったり学校での様子を探ったり、あれこれ危惧することで疲労が蓄積されているのだろうと思う。

真昼間のフリータイムは誰に咎められることもなく、家事さえ子が帰宅するまでに帳尻を合わせれば、後は好き勝手に過ごしていられる。
腹が下る程大好きなコーヒーをがぶ飲みしても、図書館で借りて来た雑誌や文庫を思う存分読みふけっても、夫の部屋にあるかもしれないパンドラの箱を探してもー



ふと、百貨店のジュエリー広告が目に入った。
そう、子供の頃によくやった遊びをしてみよう、懐かしいひとり遊びー欲しいジュエリーの写真をハサミでチョキチョキ切り取る。30万程のキラキラ輝くダイヤモンドやルビーがあしらわれたリング、パールとプラチナのブローチなど、好きなだけ思う存分切り取る。ハサミを黙々と動かしていれば、今の自分を忘れてただひたすらのめり込める。
お中元などで貰った綺麗な菓子の空き箱に、綺麗に切り取られたそれらを入れては、「宝物箱」と称して出したり入れたりしていたっけ。それだけで満たされていたまだ幼き日の思い出。あの頃はまだ物の価値など分かっていなかったし、自分が綺麗だし気に入ったと思えば、それで十分だった。それが例えペラペラの広告を切り取ったジュエリーだったとしても、私にとっては本物のジュエリーとさして変わりはない代物だったのだ。


ふと、切り取った残骸を眺めた時に、それら全てが広告の中でもとりわけ高価な物ばかりだということに気が付いた。無意識に、より”0”の数字が多く付いている物を選んでいる私がいた。誰に見せるわけでもないひとり遊びの中でさえ、私は数字や世間の価値観に捕らわれているのだろう。
年を重ねるにつれて生じる余計な刷り込みが、人をがんじがらめにしているのだ。


自分が好きならそれでいいー

そう思えたらー言い聞かせ思い込むのではなく、自然にそう思える人が羨ましい。服や小物、化粧品や食品でさえ、「人気商品」に飛びついてしまう私。
ランキング上位の物を選択し、安心する。そこに自分の意思はない。人が良いと思うものなら間違いない、安全圏ー。更に人が欲している物だがなかなか手に入れられない物を得られたら、果たして私の心は満足するのか?
しかし、この年になるとそれは段々かなわなくなっていく。
一等地のマイホーム、ブランド物のジュエリー、複数の聞き分けの良い問題のない賢い子供達、いつでも頼れる包容力のある両親、自分だけを愛してくれる夫ー

むしゃくしゃし、切り取ったジュエリー広告を丸めてゴミ箱に捨てた。
代わりに、普段から気に入りのWEBファッションショップのデザインアクセサリーを買い物かごに入れる。候補の2点、衝動買いしそうになるが、欲しいカラーが売り切れていたことで歯止めが掛かる。
そろそろ春の装いにー、ひとつアクセントを加えて気分転換を図りたい。
それが本物かレプリカかは自分の気持ち次第なのだー。頭の隅っこでは「身の丈」という単語がチラチラ浮かび、結局それが本来の欲望を抑え、妥協点まで落とすよう言い聞かせることに後押しするのだった。

































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異性免疫力

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以前から腰の調子が悪く、整体に通いたいと思っていたのだが、金もかかるし治療中は気持ち良いものの、すぐに痛くなるので気休めのような気がするそれは、専業の自分には贅沢な気がしてそれまで通えずにいた。
しかし、ここ最近の朝、起き上がるのにも悲鳴を上げる程になっていたので、意を決してポストのチラシに入っていた、駅前のワンコインで受けられるという整体で応急処置をしてもらうことにした。

整体にしては、どこかサロンのような雰囲気で、待合室に入ると女性ばかり。私のような主婦から、また女子高生と見られる若い女性もいた。綺麗な受付の女性に、初診の登録をすると、すんなりと治療室に通された。
治療室は、カフェミュージックが適度な音量でかかっており、またアロマの良い香りが漂う薄暗い間接照明を施したスパのような部屋で、整体というよりもエステに来たのかと間違う程。
にこやかな挨拶と共に現れた整体師は、想像とは全く違うスラリとした長身の今で言うイケメンで、昔通っていた柔道男子のようなガタイの良い整体師とは掛け離れた雰囲気の、さわやか好青年だった。
言われるがまま作務衣に着替え、指定された丸椅子に座ると、カウンセリングを受けた。彼はカルテにあれこれ記入すると、私をベッドにうつぶせに寝かせてから、腰から背中のツボを押しつつまた、触った時の痛さなどを聞き出す。そして、必要以上に緊張している私をリラックスさせようとなのか、時折世間話をしながらも、ついつい彼のトークに引き込まれて行った。
待合室で、女性ばかりだったのが頷ける程に彼の接待は完璧なのだ。
気が付くと、彼の冗談に声を出して笑う私がいた。
マッサージは15分で500円。延長で+500円。整体治療に入ればまた料金は加算される。ワンコインのつもりで入店したのだが、気が付けば整体に延長マッサージで2500円、しかし初回限定クーポン券500円分を使い、2000円支払うという結果に終わった。
しかし、帰り道には、心も体も軽くなっており、猫背だった姿勢も店の窓ガラスで目に入った自分の姿がまっすぐであったことに、その効果を感じずにはいられなかった。

専業主婦になり、家族以外の男性と会話をする機会は皆無となった。むろん、子の担任だったりかかりつけ医や近所の父親連中に挨拶をすることはあっても、独身の頃、働いていた時のように男性との会話が構えることのない日常だったあの頃のような日々はもう何年もなく、異性というだけでドギマギしてしまう自分がいる。
同じ女性であり、母親である女性達とでさえ、おぼつかない会話なのだから、男性というハードルはそれ以上のもので、今の私には無縁のもの。いつかー、働きに出たら、以前のように男性とうまく会話出来る私はいるのだろうか?
それまでに、異性免疫力をつける必要がある。

自宅に戻り、その日治療を受けた整体院のHPを閲覧した。何人か整体師がおり、私を笑わせてくれた男性もその中に当たり前だが存在していた。
プロフィールのようなものがあり、もう一度名前を確認する。

「橋本さんー」


趣味はフットサル、カメラとあった。自分との共通点がないことにがっかりしながらも、しかし、既に私の心はその整体院に通うことを決めているのだった。
























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蚊帳の外

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私の知らないところで、卒園しても幼稚園の付き合いは続いており、飲み会やランチ会、またたまに担任を交えての食事会などが行われている、ということをまいこちゃんママから聞いた。
メールが来ないのは何かの手違いなのか?まいこちゃんママから聞かなければ知り得なかった情報は、私の胸をチクンと刺す。
しかしどうしたことか、それまで誘いなどなかったというのに、先日一通のメールが届いた。送信元はスネオママでもボスママでもなく、敬語ママだった。
彼女は律儀に「O×の母親ですが・・」という書き出しで要件を伝える。ふと、彼女の顔が浮かんだが、それは園にいた頃でも学校ボランティアで見掛けた時でもなく、あの時役所で生き生きと障害者の支援ボランティアをしていた時の表情だった。
決してクラスの中心にはいないのだが、役員関係と密に繋がっている彼女は、ボスママやスネオママとも深入りはせずとも、いまだ良好に関係を続けているように見えた。まるで大人の付き合いの見本を見せられるようで、それがどうしても出来ない自分が欠陥品のように思える。スネオママがこういう時の幹事なのだが、私宛にメールを送るのが嫌だったのだろうか?ワンクッション彼女を置いたように思えた。

内容は、春休みに子供達を交えて動物園に行こうーというようなもので、なぜ卒園してまで遠足のようなことをしなくてはならないのかと正直辟易した。
しかし、こんな風に思うのは私くらいのものだろう、仲良くこのクラスに馴染んていた人々にとっては、懐かしい同窓会のようなもので、親子共々楽しい企画なのだろうな、と思う。
子の顔が一瞬浮かんだが、やはり自分には耐え切れないと思い、悩んだ挙句欠席の返信を送った。しかし、罪悪感。親だけならともかく、子供同士の関係を親が勝手に切ってしまうやり切れなさ、元担任とも久しぶりに会いたいかもしれない。それさえ親の都合で遮る身勝手さに、心の中で子に謝罪する。
そして、数日後の習い事の時だった。まいこちゃんママが私達親子を見つけるとすぐに駆け寄り、私にではなく子に尋ねたのだ。


「OOちゃんは動物園行けるの~?」


「動物園って何?」


何も知らされてない子は、きょとんとした顔で聞き返す。そして私は、何故この人はこうも私を窮地に立たせるのだろうかと心底恨む。
そんな私の思いを知ってか知らずか、まいこちゃんママは続ける。


「春休みにOO先生や幼稚園のお友達みんなで動物園に行こうって話、ママから聞いてなかった?」


チラっと私を見て笑う彼女に、私自身にとって都合の悪いことだからか、なんとなく悪意を感じた。


「え~聞いてない!行くよね?」


子はウキウキした表情で飛び跳ねる。まいこちゃんも子を盛り上げるかのように、動物園!動物園!と騒ぎ出した。げんなりした気分と焦りが綯交ぜになった思いで、


「その日はほら、ディズニーランドに行くってパパが休み取ったでしょう?」


口から出た出まかせ、後々のことを考えてもっと慎重になるべきだったというのにーしかし、こうでも言わないと子は納得してくれそうもなかったのだ。



「え?そうなの!?やったやった!!アナ雪観る~!!」


「いいな~、まいこも行きたい~」


既に、心はディズニーランドに向いている子に安心しつつ、今度はどう言い訳をすればよいか頭の隅っこで考える。まいこちゃんは動物園よりもディズニーランドに行きたくなったようで、まいこちゃんママにねだる。


「こないだアナ雪は観たばかりじゃない。」


やれやれという表情でまいこちゃんを窘めながら、聞いてもいないのに、その日は始めたばかりの仕事を休んででも行くのだと言う彼女。まるで欠席するのが罪かのような物言いに聞こえるのは、私の被害妄想か。


卒園してまでストレスの溜まる付き合いなどしたくはない、子も小学生になり、親がいなくても友達と遊べる年齢にまでやっと成長したのだ。
そう思う一方で、自らの選択だというのに蚊帳の外にいるような、何とも言えない寂しさが消えないのも事実だった。
































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ずる休み

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悪びれもなくずる休み出来る人間は、案外図太いもんだ。私は、どちらかと言えばずる休みをしたい正当な理由をあれこれ付けて、それでも納得いかなければいやいやながらも出席してしまう、そんな気質だ。
中学時代、クラスの隅で、いるかいないか分からないような3人グループに属していた頃、そのうちの1人がインフルにかかり、ただでさえ2人きりで心細かったのに、そのもう1人が弁当の後に具合が悪くなり保健室へー恐らくインフル感染だろうということでそのまま早退して私はひとりぼっちになった。
しかし、弁当の後の授業は1コマだけで、後は掃除と帰りの会だけだったのでなんとかやり過ごすことが出来たのだが、それでも翌日欠席と分かっている2人の友達を思うと、たった一人、弁当を食べる相手もいない、休み時間話す相手もいない教室に行かなければならない朝がやって来るのが憂鬱だった。

馬鹿な私はその前日、風呂場で流水を浴びた。5分間くらいだろうかー歯をガチガチさせながら、なんとか熱が出るように祈りながら。
布団は掛けずに眠った。しかし寒くてなかなか寝付けず、枕元に置いた体温計で何度も熱を測り、平熱だと分かると余計に寝られなくなった。
明け方にようやくうとうとし始め、母親の起こす声を聞きながら布団に潜り込み、神頼みで熱を測るも平熱ーしかし具合が悪いと思えば思う程、本当に吐き気はやって来るもので、意を決し、母に気分が悪いと訴えてみた。



「熱あるの?」


「ううん、熱はないけど気持ち悪い・・」


「熱ないんでしょう?馬鹿言ってないでさっさと支度しなさい!」



母は私の嘘を見透かしていたのか、相変わらず朝の準備をてんでしない弟に苛立ちながら支度させることに忙しいのか、私にずる休みをさせる隙を与えなかった。
もうひと押し出来ないのが私の弱いところーそして妙な生真面目さが心とは裏腹に制服を着る。
重い足取り、学校までの道のりは遠いようで、その日に限ってはあっと言う間に下駄箱まで到着してしまったような気がしていた。
最後の望みを掛け、友達2人の下駄箱に視線をやったが、やはり想定通り白い上履きが置かれたままだった。そのままUターンして自宅に戻りたい衝動に駆られながらも、溜息を付きながら自らの上履きに履き替えた。
幽霊のように、教室に入る。声も出さずにー誰にも挨拶はしないし、またされもしない。いてもいなくても分からない存在。そろそろと自分の席に座る。授業はなんとなかなる。しかし昼休みだー、弁当を1人で食べなければならない憂鬱。
そんな私の不安をよそに、他のクラスメイト達はわいわいがやがやいつも通り楽しくお喋りをしている。そんな日に限って、ホームルームでは机と椅子を隅にやって地べたに座って話し合いをする日だった。担任は、ちょくちょくそんな機会を生徒達に与えた。ざっくばらんにリラックスした状態で行う決め事は、スムーズに進めやすいと思っていたのだろう。しかし、その配慮も私にとってはリラックスどころか苦痛でしかなかったのだが。
なんとなくグループ同士で固まった輪が出来て、私はそれらの輪と輪の間に体育座りをし、居た堪れなかった記憶がある。そして心底後悔したのだ。やはり無理にでもずる休みすれば良かった、と。

危惧していた弁当の時間は、他のグループだが、ベルマーク委員で共に活動していた子の輪に入れて貰えることになった。どんな経由でそうなったのか、何十年も経った今では忘れてしまったが、しかし6、7人の大所帯であったそのグループ内で、完全に私は浮いていた。
気を遣って私に話し掛けてくれる子は誘ってくれた子のみ、後の子達は、マシンガントークで私の知らない内輪話で盛り上がり、大笑いし、私は面白おかしくもないのに必死に口角を上げて微笑んでいた。表情筋が筋肉痛になる程に。


あの頃からー、私はいまだ変わっていないのだ。
そして今日、とうとうずる休みをした。
子の保護者会だった。
先日素敵ママに会った時、ちらっと保護者会に出席するのかどうか聞いてみた。てっきり行くのかと思いきや、R君の習い事の送迎と下の子がぐずったら話も聞いてられないだろうからという理由で欠席するとのことだった。
学年末の保護者会ー、きっとまた順番に1年を振り返っての感想を言わされるだろう。それが本当に気が重くて仕方が無く、素敵ママが行かないときっぱり言い切ったことも背中を押して私の心は決まったのだ。

それでも、やはりモヤモヤは残る。
小さな子がいるわけでもない、仕事をしているわけでもない、正当な理由がなく欠席することの後ろめたさ。子の学校での様子や情報を見聞きするチャンスを自ら放棄してしまったことへの罪悪感が私を苦しめる。
嫌なことから逃げている、最低な母親。
皆だって、嫌なはずだ。面倒だし嫌であっても、やはり親だから出席するのだ。それなのに私はー


こんな時に限って、言い訳の一つにしたい悪天候も憎たらしい程に晴天。青空が、湿った薄暗い部屋の中にいる私を責めるかのように、窓越しから見下ろしていた。





















































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桃の節句

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ひな祭りー
女の子がいる家庭では、華やかな空気がこの時期家の中にまとう。毎晩残業や飲み会で遅くなる夫も、この日と子の誕生日は仕事を切り上げて早帰りをするし、私の作った料理も残さず平らげてくれる。

結婚し、子を授かった年の初節句。朝早くから作った、不器用ながらも我ながらうまく出来たと思えたちらし寿司を、夫は口に付けなかった。
正確には、多少口にはつけたのかもしれないが、その殆どは残されてしまったので、何日にも分けて私が残りを昼飯に食べた苦い思い出がある。
後日、義実家でひな祭りパーティーを開いてくれた際、義母が作った手製のちらし寿司を夫は何杯もおかわりした。私はこっそり義母からレシピを聞き出すと、実はす○太郎を混ぜただけの簡単なものだったので驚いた。
義母は、お節などをお取り寄せする。惜しみなく、食べ物に金を掛ける。しかし、やはり娘3人を産んだ母親なのだろう、ひな祭りに限って言えば、す○太郎であっても自分の手で娘達に祝いの寿司を作ってやりたい親心があるらしい。

というわけで、ひな祭りの準備は簡単なものだ。きちんと作るとなれば、干し椎茸だって買えば高いし、戻したり煮たりと手間が掛かる。なので楽をさせて貰っている。
他のメニューは唐揚げや子の好物であるポテトだ。あとはお吸い物。

早速スーパーへ行き、材料を買い揃える。しかし、国産のはまぐりはこの時期馬鹿高い。4粒で500円。縁起物だしお祝いにケチをつけるのもどうかと思うが、生活費6万でのやりくりの中でこの500円は高すぎる。それに子はケーキを食べたがっている。ならばその500円をそれに使う方が良いのではないかと思い、頭の中で電卓を叩きながらもかごに一旦入れては出してを繰り返す。
隣にいる、小さな女の子をカートに乗せた主婦が、躊躇なく8粒入の900円するはまぐりをカゴに入れた。また、いくらも大パックのものが入っており、ふと自分のかごの中にある小パックのいくらを見て貧相だな、と思った。
実は、桃の花も諦めた。毎年買おう買おうと思いつつ、700円近くするこの花を見送っている。結局は、子が食べたいと言うケーキを買うだけで精一杯。他のものを買うことは私の自己満足なのだ、そう言い聞かせている。
頭の中で、更にパチパチ電卓の音が鳴る。
桃の花で700円、はまぐりを止めて紅白はんぺんの吸い物にして500円、いくらはー・・しかしいくらは子の好物だから削れない。小パックでもあるのとないのとでは大違いだ。なので、やはりはまぐりを捨てることにした。中国産の180円のものもあったが、中途半端な気がしてそれなら無しにしてしまおうと思い、結局はかごから元の場所に戻した。


ー何やってんだか・・


はまぐり1パックに30分も時間を割いてしまったことに馬鹿馬鹿しく思うが、しかし限られた予算の中ではどうしようもなかった。それに、誰もはまぐりを食べたいと思っていない事実がある。もし夫か子の好物だったのなら、迷うことなくカゴに放り込んだのだが、ただ縁起物というだけでは納得が行かなかったのだ。


家に帰り、まだ子が帰宅するには時間がたっぷりあるので、ネットサーフィンをした。そして、先日テレビで話題になっていたココナッツオイルを実母が電話口で欲しがっていたのを思い出した。










ミランダカーなどセレブの間で流行っているココナッツオイルは、老化防止だけではなく脳の活性化、アルツハイマー防止やがん予防、そして甲状腺機能を正常に保つのだそうだ。
ココナッツは「生命の木」と呼ばれる程、水分やミネラル、その他多くの美と健康を保つ成分が含まれているのだそうだ。
上のショップで販売されているココナッツオイルは、権威のある認定機関、ORGANIC EU(ヨーロッパ)・USDA ORGANIC(アメリカ)のオーガニック認定を受けている商品であり、香りが控えめで良質な成分を豊富に含んでいるそうだ。
勿論、この店ではヴァージンココナッツオイルを取り扱っている。オーガニックでヴァージンであることが必須だそうで、その効果は多くのメディアで近頃取り上げられている。そしてその2点を満たしているオイルを扱う多くの店の中では最安値だそうだ。
賞味期限が長いのも魅力的。2年間の賞味期限、封を開けても1年は持つのだそうだ。パンに塗ったり料理に入れたり、また体や髪の毛に塗ったりすることが出来る。
この店は、テレビ番組などで取り上げられてから商品が売り切れ続出で、今から注文して4月発送だそうだ。取り敢えず、母にと思い購入を決めた。ついでに自分の分も、最近花粉症で肌がカサカサ痒いので、保湿に効果的だというクチコミを信じてーココナッツオイルに1600円。
これが高いのか安いのか分からない。
はまぐりをケチって買うだけの効果があるのかどうかは未知の世界だ。母と娘、普通は同じ金があれば娘に掛けるのが親心だろうが、私は母に使うことでどこか安心する部分がある。優しい親思いの娘だと認めて欲しいのだー
はまぐりと梅の花を買ってやれなかった子に、せめてもの侘びで少し高いケーキを買うことにした。いつもは素通りの人気のケーキ店だ。小ぶりだが、繊細なデザインのひな祭りを型どったケーキはきっと子の心を躍らせてくれるだろうと思う。


ひな祭りは女の子のお祭り。母だって女の子だったし、私だって女の子だった。かつて女の子だった私達の心浮き立つ一日なのだから、本当ならば惜しみなく金を使いたいものだ。









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ストレス耐性

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子が小学校に上がってからというもの、毎日の憂鬱な送迎がなくなり、また行事も減ったことで、格段にストレスは減ったはず。なのに、人間の心というものは不思議なもので、嫌なことが減るのと反比例に今度は小さな面倒が大きなストレスになる。去年の今頃だったらそれ程でもなかった億劫で憂鬱な習慣のひとつに、持病の通院が挙げられる。私はある病を患っているのだが、担当医が変わってからの医師の威圧的態度に毎度怯え、月1度の通院がとても憂鬱だ。質問しようにもうまく言葉が出て来ないし、したとしても鼻で笑われるのはまだ良い方で、虫の居所が悪ければ舌打ちされる上にいかに私がくだらない質問をしているのかと思い知らされるような返しをされる。

その日も、薬を貰う為に朝いちで電車に乗った。病院は我が家から距離もあり、バスも使う。これもまた億劫に思う要因のひとつだ。時間帯も丁度通勤ラッシュなので座れないし、またかなりの確率で通院日は悪天候が多く、雨降りの中、濡れた傘を狭い車内で隣人に当たらないよう畳んだりするのも気疲れする。
毎日仕事で外に出ている人からすれば、なんと生ぬるい悩みであるかと一笑されるに違いない。自分でも本当にくだらない悩みだと思っているし、そしてここまで耐性が低くなってしまったことに唖然とする。
専業主婦歴も10年近くを迎えると、やはり世間と感覚は少しずつずれて行くのだろう。

やっとの思いで病院に到着し、自分の名前が呼ばれるまで順番を待つ。私の前に並んだ患者が診察室に入る。中から医師の陽気な笑い声が聞こえる。そして、患者の冗談めいた話し声も。しんと静まり返った待合室ではその賑わいが痛い程伝わって来る。その患者は私と同じ持病持ちなのだろうか?毎回会うのだが、陽気で前向きな感じが診察室から漏れる声で伝わり、そこでまた怖気づく。
私が恐れている威圧的だと思っている医師は、他の誰かから見たらなんてことはない、面白くて話しやすい医師なのかもしれない。そしてそれをまざまざと見せ付けられると、自分が欠陥商品のように思えてますます足がすくむ。

「OOさんー」

前の患者が出て少しすると名前を呼ばれた。
淡々とした医師の表情に、先程待合室で聞こえてきたあの声は実は彼ではなかったのかと疑う程だ。いくつかの恒例の質問ー

ー変わったところはないか?
ー眠れているか?
ー食べた後の不快感は?

などなどされて、私も生真面目にそれに答える。定形通りの答えを返すと、医師は黙々とそれをPCに打ち込んで、次回の予約表と処方せんを出して、最後に私から何か質問はないかと聞いてくる。

「特に・・ありません・・」


本当なら、いつまでこの薬を飲み続けなければならないのか?数値が減ったのだからもっと減薬しても良いのではないか?完治の見込みはどれくらいあるのか?など聞きたい気持ちで一杯だ。
しかし、こちらからの質問は一切受け付けないーというような独特な雰囲気が診察室内に漂う気がして、私はそれらの言葉を飲み込んでしまう。


処方せんを受け取り、なんとなくその日は疲れきってしまい、後日薬は近所の調剤薬局で貰えば良いとまっすぐ帰宅した。そして数日後、天気の良い日に買い物ついでに薬局に行くと、受付出来ませんと言われ愕然とする。処方せんの期限は4日以内とあることを始めて知らされたのだ。話を聞くと、処方された日から数えて4日以内に薬と交換して貰わないとならないというのだ。なるほど、持っている処方せんを見てみると、小さいがしっかりと期限が記されていた。無知な私は土日を挟んだこともあり、1日の期限切れによって、再診をしにまたあの医師の元に行かなければならなくなった。そしてそれに輪を掛けて、再発行の場合は診察料も薬代も全て自費になるという。

ついてないー

どんくさい自分に嫌気が差し、そして月に2度もあの威圧感に耐えなければならないのかと思うと具合が悪くなった。ストレス耐性の上限がどんどん低くなっている私を戒めようとしているのか?一体誰が?
そういえば、待合室で読んだ雑誌の星座占いが最悪だったことを思い出し、なんとなくだが腑に落ちる自分もいた。






















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