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新しいブログ

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何かー、新しいこと。

子の新学期が始まり、ほっとしたものの取り残されたような寂しい気持ち。
料理の覚書としてひっそりと立ち上げていたブログに、過去や現在、言葉にならないこころ言を吐き出そう、そう決めた。
出来たら、趣味と呼べるレベルまで行っていない写真も時々。

ーレシピと詩と散歩道ー

このブログには似つかわしくない爽やかな題名にしたのは、ここでの黒い自分と離れてみたくなったから。
結局は自分からは逃れられないし、そっちのブログでも婉曲的な言い回しでモヤモヤは吐き出しているのだけれど。


気まぐれ更新になるかと思うけれど、好きなように自分を解き放てたら、と思う。








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花火大会ー続き

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会場は予想以上に混雑していた。
私と同じく、最後に夏休みの思い出を作ってやろうーそう思う親達が駆け込みで来ていたり、また年中夏休みのような学生達や若いカップルでそこらはごった返していた。
電車で行ったのだが、車内で夫は子に話し掛けるわけでもなくずっとスマホ。例の彼女とラインでもしているのだろうか?家族と出掛けている時くらい意識をこちらに向けて欲しい。私にとは言わないー、せめて子にだけでもと思うのは我侭だろうか?

私が指摘した通り、屋台は長蛇の列。夫もそれを見てバツが悪かったのだろう、取り敢えず場所だけ確保すると、すぐに買い物を買って出た。いつもなら私に行かせるところをだ。
そして、子と共に焼きそばの列に並びに行った。生ビールの屋台ももの凄い列になっていたので、少し戻ってコンビニに行こうかと提案するとすんなり万札を私に寄越してくれた。
コンビニもなかなかの混雑だったが、店内はエアコンも効いていて涼しいし、屋台で並ぶよりは断然マシだった。ロングのビールを5本に、子の為にオレンジジュース、そして殆ど売り切れて選ぶ余地もなかったのだが、コロッケを3人分念の為購入することにした。

シートを敷いて場所は取っていたので、ゆっくり買い物をしてから再びその場に戻ると、若い男性が4~5人私達のシートを隅に丸めて自分達のシートを縄張りのように広げようとしているのが目に入った。
コンビニ袋を片手に立ち尽くしていると、通りの向こうから夫と子の姿も見えた。夫も彼らの様子を見ていたようだった。彼が何かアクションを起こしてくれるだろうーそう思い見守っていたのだが、焼きそばを片手にただぼーっと突っ立っている。そして、彼らが何かを買いにその場を離れた途端、そそくさと場所取りをしていたはずの丸まったシートを回収し始めたのを見た。何か見てはいけないようなものを見てしまったような気がして、人混みに紛れるように元来た道を戻り、ゆっくりゆっくり歩いていると、携帯のバイブが鳴った。夫からだった。


「もしもし、俺。あのさ、場所取りしてたとこ、なんか分からないけどシートが風に飛ばされたみたいでさ。全然関係ないとこにあって。だからさっきの焼きそば屋のとこいるからそこに来て。」


それから5分後くらいに、今来たばかりだという具合に彼らのところに行くと、丸まったレジャーシートと焼きそばを持つ夫と暑さで既に疲れている子が突っ立っていた。


「いやー、まいった。場所はもうどこもなさそうだし、立ち見でも仕方ないな。」


「そうだね、どこら辺に花火上がるんだろうね。」


一応話を夫に合わせる。子は疲れた表情でたまごっちをしている。
土手近くの階段が少しだけ空いていたので、子と夫を座らせて私はコンビニ袋に入っているビールを夫に渡した。夫はそれを受け取ると喉を鳴らしながらごくごくと一気に飲み干した。
土手の下に、丁度私達のように場所だけ取って留守にしているのだろう、シートだけの空間があり、そこへドヤドヤと中国語だか韓国語だか分からないが、異国語を話す男女のグループが腰を掛けた。驚くことに、敷いてあるシートをどけることもなくあまりにもその場に自然に座ったので、彼らが取った場所なのだろうと信じて疑わなかった。
少しして、そこへ気の弱そうな男性と恋人なのだろうか?女性のカップルが来て、彼らに向かって何やらジェスチャーを加えながらあれこれ訴えている。外国人も負けじと言い返しているようだ。それを見た夫が、



「あんなの、一発怒鳴り返してやればすぐにどくのにな。気が小さそうだな、あの男も。」


ビールを啜りながらそう笑った。それを聞いて、夫の嫌な部分をまた見てしまい嫌悪感が湧いた。自分だって場所を取られて何も言えず、こそこそシートを回収していたクセに・・
花火が始まり、まだ彼らは言い合いをしていた。子はようやくたまごっちから目を離して空を見上げた。まだ明るい空に、大きな華が咲く。私は夢中でシャッターを切った。


「情けねえな。あれじゃ、彼女も幻滅だな。」


外国人は怒りながら自分達が腰を掛けていたシートを彼らに返すことでその場は治まったようだ。しかし、場所自体は彼らの元に戻ることはなく、カップルは釈然としない様でとぼとぼと土手を上がって来た。男性は最後まで声を荒げることはなかったが、しかし一所懸命自分らの主張をしているように見えたし、その行為は決して気弱な男性とは思えなかったのだが、夫からすれば「一発怒鳴る」ことこそが「男らしさ」だと信じて疑わないようだった。
夫は、いかにも気弱そうな店員だったり、また女性のドライバーには煽ったりと、強気の自分を演出したがる。しかし、勝てない勝負には出ないのだ。結局夫の方だって気が小さいのだ。

立ち見は辛かったが、それでも子は嬉しそうに花火を見ていた。夫はキョロキョロと落ち着き無く、ビール片手に周辺の様子を伺っている方が多かった。私は慣れないカメラで懸命に花火に向かってシャッターを押していたが、最後までちゃんと撮れたものは一枚もなく、


「そのまま見る方が綺麗だよ。」


子にそう言われ、ファインダー越しからしか花火を見ていなかった自分を恥じた。辺りはすっかり暗くなりクライマックスを迎えると、肉眼で見ているからなのか何なのか、感動なのか不安感なのか、泣きたいような気持ちになった。打ち上がる度に聞こえる歓声と拍手に一体感を得ることが出来ない、そんな自分自身の憂鬱さがそうした感情を呼び起こしたのかもしれなかった。


















































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花火大会

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8月も後半に入り、長いと途方に暮れていたはずの子の夏休みも終わりを迎える。子と1日中べったりの休みは、あちこちどこかに出掛けるというよりも、自宅でまったりと過ごすことの方が多かったように思う。
宿題にあった絵日記も、休み始めに行った「風鈴市」と近くのプールに泳ぎに行ったことや、子供会のお祭りの思い出を子は選んで書いていたようだ。風鈴市については、いざこざがあって思い出したくはないだろう出来事だったろうに、わざわざそれを選んでくれたことが嬉しかった。
まあ、それくらいしか「夏の思い出」がなかったといえばそれまでだけれど。旅行やキャンプ、海にも行かない、相変わらず母子家庭のような夏休みだったのだからー


団地中が静まりかえる盆休み期間が一番気持ちが落ち込むだろう、そう思っていたのだが、案外あれこれ雑務をこなしているうちに、あっという間に過ぎて行った。
我が家にとって夏休みは、子が自宅にいるーただそれだけしか変化のない休みだったが、それでもそれに終わりが見えるとなんだか寂しい気持ちになる。


最後に夏の思い出をー

そう思い立ち、突然だけれど子を連れて花火大会に行くことにしたのだ。夫にダメ元で一緒に行かないかと尋ねると、驚いたことに行くと言う。
全く期待していなかっただけに、嬉しい気持ちよりも戸惑う方が大きかった。



「3人で?やったー!!」


子にパパも行けると伝えると、飛び上がって喜んだ。悔しいが、子にとって夫はやはり大好きな父親なのだ。
暑さと混雑で夫の機嫌が悪くなる、そんな予想をすると少し気分が重くなったが、それでも子の満面の笑みを見れば私も嬉しい。


ー大会当日ー
事前に安く買っておいたジュースやビールを保冷バッグに詰め込み、お菓子などもたくさん。屋台は並ぶし高いので、お稲荷さんでも作って持っていこうと、昼過ぎにせっせと作っていると夫がそれを見て一言、



「何?弁当持ってくつもり?」



「うん、お稲荷さんならこの時期でも大丈夫だから。」


「それくらい向こうで買うから。あと、飲み物とかこんなに持って荷物になるだろう?あんたって本当貧乏臭いな。」



月末で、やりくり費はあと千円もないのだ。私のへそくりだって歯科矯正でほぼないに等しい。
顔がかぁっと熱くなるのを感じ、反論したい気持ちが一気に湧いたが、急いでそれを止めた。今、言い合いをして夫の機嫌を損ねると厄介なことになる。子が楽しみにしているのだ。その気持ちを踏みにじりたくはない。


「とにかく向こうで全部買うから。余計なもん持って行かないでいいからな。」


念押しで、私も勇気を出して夫に聞く。


「あなたが出してくれるの?悪いんだけど、もう家計費の残りが殆どなくて・・電車賃も・・」


「え?もうないの!?」


呆れたように溜息を付かれた。


「今月なんて、俺、殆ど夕飯家で食べてないし。家族で外食だってしてないし。何でそんなにすぐなくなるんだろう?・・・・・はぁー・・まあいいや。分かった。」


大袈裟に、大きく溜息を付きながらも夫が全てを持つことを了承してくれた。月に6~7万。習い事費用に1万、食費は3万に抑えている。後の2万に日用品や新聞集金、それに交際費や諸々。本当にギリギリだ。今月は確かに、夏休みだからということでレジャー費用として上乗せしてくれているのも確かなのだけれど。

夫に金の話をすると、嫌でも私が駄目な嫁だという気持ちにさせられる。そしてあの大袈裟な溜息を聞くのが心底嫌なのだ。あの深い溜息に相当なストレスを与えられているのだ。


心のモヤモヤを無理やりどこかに仕舞い込んだ。気持ちを切り替える。今日は楽しい花火大会なのだ。家族の思い出を作るのだ。
今年の夏はもう二度とやって来ない。

一眼レフの充電器を入れ替え、準備万端。
子の瞳に写る、美しい華をこのレンズに収めることに集中しようーそう心に決めたら、夫の溜息もどこかの風に吹かれて消えて行った。












































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シッターのヘソ

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義姉の子供達ー、甥と姪が1泊2日の間、我が家で過ごした。
以前、長女の子を預かった時は、一番上の姪が生意気で精神的に疲れ果てたが、今回は上が甥、下はまだ幼稚園の姪なので可愛気があり、思ったよりイライラすることもなく無事叔母としての役割を果たせたように思う。
子供達も、我が子は勿論のこと大満足。普段は出さないホットプレートを出して皆で焼肉をしたり、また風呂場で水遊びをしたり、子供の人数が増えるだけで同じ家なのにまるで他人の家にいるかのように新鮮だった。
夫も、いつもより心なしか笑顔が多いように見えた。
二番目の姉は、昔から夫と特に仲良しなのだ。結婚してからも、姉は義兄とトラブルを起こすとまず夫に愚痴ー、普通は姉や妹達に相談しそうなものだが、中間子特有の難しさがそうさせるのか?同性の姉妹達には特に弱みを見せたくないらしく、また、女同士だからこその競争心だったり見栄の張り合いが姉妹だからこそあるのかもしれない。特に、長女のように開業医の妻には相談しにくく、またバリキャリの妹にも小馬鹿にされるのが姉のプライド的に許せないのだろうーいつでも優位に立っていたいのだ。
その点、夫は唯一の男兄妹。しかも末っ子、競争するもなにもなく、ただただ「姉さん」と慕ってくれる。だからこそ甘えられるし、素の自分を出せるのかもしれない。

夫はそんな義姉から電話があると、いつでもこそこそと自室にこもる。身内の電話なのにだ。嫁に知られたくない内容なのか何なのか?新婚の頃はそんな二人の関係にもやもやした気持ちを抱えていたが、あれから時を経て今現在、その目障りだった行為も、直接私に関係なければどうでもいいという気持ちでしかない。

甥と姪だけを招く、ただそれだけのことだが、冷蔵庫はパンパンだ。いつもは買わないジュース、ぶどうなどの果物や少し贅沢に国産の肉。デザートにとプリンやヨーグルト、そして冷凍庫には色とりどりのアイスがたくさん。これらはこの2日間であっと言う間に無くなった。子も、同じく子供達がいるからか、いつもよりも多く食べて飲んでと食欲旺盛だった。食卓での口数も多く、夫も普段より早く帰宅し夕食は共に取れたので、賑やかな食卓。一人っ子でなければ、我が家もこんな風にわいわいとテーブルを囲んでいたのかも・・とまたしなくてもいい妄想をしてしまう。


夕方になり、義姉から夫に電話があり、従姉妹のお泊り会はお開きとなった。子は一瞬寂しそうな表情をしたが、すぐに何でもない風な振りをして散らかったおもちゃやゲームを片付け始めた。その後ろ姿が何だか切なく、もう1泊して行く?とつい甥達に聞いてしまいそうな私がいたが、



「姉さん、学生時代の友達と今新宿で遊んでるらしいよ、夜少し飲むって言ってるしー、もう1泊させるか?」


夫からそう提案された瞬間、それまでの人の良い叔母は消え去り、


「明日は無理。歯科矯正も入ってるし。色々出掛ける予定あるから。」


嘘を付いた。本当は暇だったし、子の為にもう1泊ーとも思ったが、やはり他人の子供達を預かるのは疲れるのが本音。そして、私があれこれ彼女の子供達の世話を焼いている最中、好き勝手に友達と飲み食いしている義姉が許せなかった。私は都合のいいシッターではない。例えば、相手方にどうしようもないことー病気だったり入院だったりの「同情せざるを得ない境遇」が用意されているのならば、私は進んで彼らの面倒を買って出たのだろうけれど。
しかし、実際のところは都合良く使われているだけのこと。友達と飲み会だなんていい気なもんだー、そして内心、主婦になり母になっても変わらず以前の友人と交流関係を続けられている義姉が恨めしかった。物分りの良い夫と、手を伸ばせばサポートしてくれる母、そして姉や妹、弟まで。近所付き合いも滞りなく、パートも生活の為ではない、趣味の延長・小遣い稼ぎ。私からしたら本当に恵まれた境遇だ。
自分以上に恵まれた人間をサポートする程、私はお人好しじゃない。


夫が電話で義姉に断りを入れるのを耳にし、ほくそ笑む。
それでも結局、夜の10時頃まで甥と姪は自宅にいさせることになったのは虫が好かない気分だったが・・義姉の一次会終わりの時間に合わせ、夕飯と風呂まで終わらせパジャマに着替えさせ、歯磨きもして寝るだけの準備をし、そのまま子供達を車に乗せて、飲み会をしている店の近くまで、夫は義姉を迎えに行った。まるでアッシーだ。しかし、義姉がまだ独身の頃は、運転免許を取ったばかりの弟をアッシー代わりに駅まで迎えに来させたりと使いまくっていたのだから、二人にとってそれは当たり前の行為なのだ。
私には見せない、マメで優しい夫の側面ー、それはシンデレラが12時を過ぎると元の姿に戻るのと同様、彼女らを自宅まで車で送り、我が家に戻ると跡形もなく消えていた。心底疲れた様子ですぐにシャワーを浴びて1本だけビールを飲み、ふてくされたような表情をリビングに残したままさっさと寝室に引き上げる。そして、いつも通り静かな我が家に戻る。
そして、音のないその静かなリビングに落ち着く私と、どこか居心地の悪さを感じる私が同居しながらも、再びいつもの日常に戻って行くのだった。



















































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自由研究

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夏休みの課題、子の小学校は平均的な宿題量だと思うのだけれど、それでも「自由研究」と「読書感想文」は、親子共々頭を悩ませる代物だ。
最近では、宿題代行業者なども需要があるとのこと。それ程、我が子が持ち帰る夏休みの宿題を負担に思う保護者が増加しているということだろう。
私が子供の頃も、自由研究の課題が一番荷が重かった。何もないところから作るー私に一番欠けている創造性。ドリルなど「こなす」だけの課題なら取り組みやすいのだが、まっさらな状態から自由にーというには何とも難しく、正解がない曖昧なところも子供ながらに苦手だった。

大人になり、ネットなどの情報収集が手軽に出来るようになったことで、見よう見真似で難関な自由研究もどうにかこなすことが出来そうだ。
子に、何をやりたい?と聞いて、すぐに返って来るような独創性のある子ならばトントン拍子に話も進むのだが、やはり私の子供、そう簡単に一筋縄ではいかないのだ。


PCを開くー、「自由研究・小学校・2年生」で検索。それだけで、盛りだくさんの情報がずらっと画面越しに並ぶ。「簡単」という単語を入れれば、更に分かりやすいものだけに絞られる。本当に便利な世の中になったものだ。


ふと覗いたサイトに、様々な工場見学の紹介をしているものがあり、夏休みにどこか近場のそれに連れて行こうと思っていたのでビンゴの内容。
アイス工場やビール工場、お菓子工場やパン工場、そして焼売工場まで。しかも無料か低価格(入場料数百円)で、見学に加えて体験も出来たり、また土産まで付いてくるのが殆どで、金欠のこの夏には持って来いの内容が盛りだくさんだ。
子と共にPCを見ながら、ここも行きたい、あそこも行きたいと盛り上がる。子が一番に行きたがっていたのはアイス工場だ。しかし、やはり考えることは同じなのだろう。夏休みの宿題&レジャーにと、狙っている家族は多かったらしく予約で一杯。これは数カ月前から予約しないと無理だったという話。
お台場にある未来館も気になったのだが、これは企画展などと合わせるとそれなりの金額が掛かるということで断念した。交通費やら色々コミコミでまだ空きもあって・・となると段々行けるものは絞られて来た。
結局、一番良さそうだったのはビール工場。しかし子は飲むことは出来ないし・・子もアイス工場に心奪われ、それ以外は乗り気ではなさそうだった。


「もう、どれでもいいよーママが好きなところにすれば?」


私があれこれ子の為に真剣に悩んでいるところ、言われた台詞。我が子ながらカチンと来てしまう。一体誰の為の自由研究なのだ!?そして、その物言いが夫に似ていて腹が立った。どこか女王様気取りな感じが夫の俺様と重なるのだ。

パタンーとPCを閉じる。


「ママは知らない。自分で考えて。なんであなたの宿題なのにママが決めないとならないの?ママは別に工場見学なんて行きたくないけど。」


子供相手にムキになってしまった。いや、最近、子が親離れしつつある現状に対抗するような感情が湧いたのだ。そして互いに引っ込みがつかなくなり、


「工場なんて別に行きたくない。OOは工作がいいと思ってた!」


「じゃあ、好きになさい!」


子は更に私の怒りを買う言葉を発した。
久々の親子喧嘩だった。しばらく互いに口を開かず、私は黙々と洗い物をし、子は子でセロテープや画用紙、ダンボールを取り出して何かを作っているようだった。
冷静に考えれば、子が自分で考え創作すること、それが自由研究だ。なので、そのまま子の思う通りにさせておけば良いのだと思う。しかし、肩を震わせながらダンボールをうまく切れないでいる子の背中に、母性が働く。
子が泣き出したら声を掛けようー素直に謝って来たら手伝おう。洗い物が終わる頃には怒りも治まり、いつでも子が助けを求めて来るのを迎える準備が出来ていたのだが、しかし子は部屋中を散らかし放題にした上で大きな声を張り上げた。


「ママ!!ママ!!いろんな紙頂戴!!」


先程喧嘩をしたことなど忘れ、興奮した面持ちで子が私を呼んだ。部屋中あちこち散らかった中に、ダンボールや普通紙、画用紙などで作った大きさもまちまちの「何かよく分からないもの」が集まっている。


「これね、ぴょんぴょんカエル!いろんな大きさや紙の物で作って、どれが一番遠くに飛ぶのか調べてみるの。」


その思い付きに私も嬉しくなり、さっきまでのイライラは消えていた。早速、家中にある色々な厚さだったり材質の紙を集めて子に渡す。子は小さいながらも器用な手つきでいくつものカエルを作って行く。


「明日はコース作り。明後日は表を作って全部飛ばして記録を出すの。」


「いいね。すごいすごい。」



結局、私達は工場見学に行くことはなかった。喧嘩によってどうなるかとハラハラしていた自由研究は、子が自分で考え自分で作り出すという理想的な形で終わらせることが出来た。
出来栄えは、やはり幼稚で雑なところもあるけれど、親が手を入れない自由研究ならば、贔屓目かもしれないが上出来だと思う。
そして、私が子と対等に喧嘩をしたことが「自立」に繋がったことを肌で感じ、寂しくも子の成長を間近で見た夏休みの出来事だった。



































































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午後の紅茶時間

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先日、引越し前のママ友宅にお邪魔していただいたピーチティー。あれが物凄くジューシーで美味しく、私も子も忘れられないでいる。ガムシロなど入れず、天然の桃の甘さだけで十分。
冷蔵庫には、土産に持たせてくれた桃がまだ1個残っており、その存在だけでなんとなく家計が潤っているように錯覚して心が満たされる。
我が家の家計で果物を買うのはとても贅沢なこと。しかし食育の点で、全く果物を取らないということは無理な話。なので、こういった貰い物や見切り品でまかなうことが多いのだが、ぶどうや桃に関して言えば、見切り品に出会うことなど殆どなく、いつも横目でそれを見てはぐっと我慢している。子が病気の時などには2個で398円の桃を思い切ってかごに入れることもあるけれど、普段の生活において、我が家にとったらそれはやはり高嶺の花なのだ。
ママ友からいただいた桃は、大事に大事に食後のデザートに少しずつ食している。冷蔵庫で冷やしたそれは、他のどんなスイーツよりも美味に思えた。夫にも食後に出したのだが、贅沢な舌を持つ夫、やはりぺろりとまるごと一個、ものの数分で平らげてしまった。私と子は1個の桃を二人で分け合い、3日掛けて食べたというのにー

桃を余すことなく使おうー、そう思い、貧乏臭いが桃の種の周りの食べれなかった部分、うまくカット出来なかった部分を冷凍保存しておき、紅茶を作る時に一緒にそれを入れてみることにした。どんな果物でも、種の周りが一番甘みがあり美味しいのだ。
勿論、ママ友宅で飲んだそれとは濃度が違うので、同じく再現するのは無理だろうと思っていたが、しかし、ちょっとのガムシロを入れることでかなりそれに近い味になった。
ダージリンと桃の果肉の融合、その味わいは格別に違いない。ポットに作ったピーチティーを冷ましてから冷蔵庫で更に冷やし、おやつの時間に氷を入れて子と一緒に飲んだ。


「おいしい~この間飲んだ紅茶に似てる!」

子も大満足、私も大大満足だ。今回作った量は、試しにということもあり500CC程。二人であっと言う間に飲みきってしまったが、まだ冷凍庫には3回分程種の周りについていた果肉を凍らせたものが残っている。
捨てるはずだった素材を使い、家にいながらカフェ気分を味わえる。桃香るアイスティーを傍らに、子は勉強、私はライター内職をする時間は、なんとも充実していた。
一銭も使わずして、心も体も満足感で一杯になった午後のひと時だった。

































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アウェイの気持ち

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彼女がどんどん遠い人になって行くー

引越し前のママ友宅へ遊びに行った。積もる話はたくさんー、子育てのことや夫婦関係、身内のあれこれや噂話、たわいのない冗談。それは、今この地で手に入れることが出来なかった時間で、年に数回、私はこのひと時を過ごすことで息を吹き返すことが出来るのだ。リア充ママになれたような、束の間の夢の時間。
しかし、実際私が思い描いていたような時間はこの日訪れることはなく、ただただ子の顔色ばかりを伺い疲労感が残るだけの時間となったのだ。

彼女宅に着くと、出迎えてくれたのは彼女一人。子供達は?と聞くと、近所の子の家に行ってしまったがおやつの時間には戻ると言う。子と共にリビングに通され、紅茶好きの彼女は冷たいピーチティーを出してくれた。大きなガラス製の素敵なポットには、贅沢にも生の桃がカットされた物がふんだんに入っており、グラスにそれを注ぐと途端に桃の甘い香りが立ち上る。氷も、自家製ではないウイスキー用の白い部分のない氷。なのでお店で飲むようなアイスティーだ。もてなし上手の彼女らしい。


「このピーチティー、すごく美味しいね。」


「ありがとう!最近はまってて。フレーバーティーも美味しいんだけど、子供達が甘い紅茶が好きでね。ただ香りだけ付いているのだと飲まないの。これだとほんのり甘いしジューシーな感じで満足感もあるみたい。」



子も、普段紅茶はあまり好まないのに、余程美味しかったのかゴクゴク喉を鳴らして飲み、あっと言う間におかわりだ。少ししてから彼女お手製のパスタとパエリア、サラダにビシソワースが出て来た。家では作ったことがないスープに、子はまたもや一気飲み。


「おいしい!このスープ美味しいよ!!」


「ありがと~、暑いから冷たいもの欲しくなるもんね。」


「どう作ったの?」


「簡単だよ、じゃがいもと牛乳と玉ねぎをフープロでガーっと混ぜただけ。あっと言う間。」



料理上手な彼女、その他のメニューも文句なしに美味しかった。彼女の子供達は近所でお昼をご馳走になっているそうだ。正直、私達が来るのなら子供達もいるものだと思っていたので、なんだか拍子抜けした。取り残された子が少し可哀想に思えた。しかし、子供には子供の都合があるのだから仕方ないー、それに、1年に1度会うかどうかの友達なんて子供からしたらもはや友達ではないのかもしれない。毎日遊び慣れている子の方を優先するに決まってる。
それにしたって、私が彼女の立場なら・・わざわざ遠方から訪ねて来たお客さんに会わせることの方を優先するのだけれど・・
多少もやついた気持ちを抱えながらも、しかし、お腹が満たされる頃にはそういった不満も薄らいで行った。

彼女に会って、いち早く聞きたかったことーご主人との離婚話、しかし子の手前、なかなかその話を持ち掛けることが出来ない。彼女も子に気を遣って、学校でのことや習い事など当り障りのない話ばかり。
そうこうしているうちに、ドタバタと玄関の方から音がし、彼女の子供達が帰って来たようだ。


「あ、帰って来たみたい。」


「ただいまー!」


賑やかな声達。しかし、その声は複数。ドヤドヤと騒ぐ声。玄関から彼女が困ったような声で何かを言うのが聞こえたが、少しして気まずそうに私達のところに来たかと思うと、



「ごめんね、子供の友達をちょっとの時間預からないとならなくなって。さっきまでお昼ご馳走になってたんだけど、その子の家の末っ子ちゃんが熱出たみたいで今すぐ病院に行かないとならなくなったみたいで・・1~2時間だけど預かることになっちゃったんだけどいいかな?」



駄目など言えるわけもなく、笑顔で頷く。久しぶりの息子君と妹ちゃんが彼女の後ろから顔をぴょこっと出し、子の方を見ているがお互い声を掛け合う訳でもなく、なんとなく微妙な空気が流れた。更にその後ろに息子君のお友達と妹ちゃんのお友達?もおり、彼女に聞くと、近所のその子達とは、彼女の子供達と同性&同学年で四六時中家族ぐるみで行き来をしている気心知れた仲らしいのだ。斜め上に住んでいることから、バルコニー越しに子供同士声を掛け合い、遊びに行ったり行かせて貰ったり。また、ママ同士の関係も良好そうだ。


「OOちゃんも遊んでおいでーちょっと!あなたたち、OOちゃんも入れてあげなさいよ。」


彼女は気軽に言う。子の方を見ると、居心地の悪そうな表情でもじもじしていた。そして、そんな子の感情に全く気付かない彼女の鈍感さにイライラが募る。
彼女の子供達は、子ども部屋に行きわいわいガヤガヤしている。その中に子を連れて行こうとした彼女を私は制した。


「あのさ、もう2年生だし女の子だし、やっぱり久しぶりだとアウェー感半端ないと思うんだ。2、3歳なら入れるかもだけど・・知らないお友達の中にはちょっと無理かな。」


そこまで言って、ようやく彼女は分かってくれた。


「そうだよね、ごめん!なんかOOちゃんは私の中でずっと2歳くらいのままで・・そりゃあ入り辛いよね。でも下の子達となら絡めない?まだ幼稚園入ったばっかだし、ちょっと呼んで来る!」


そうして、妹ちゃんとそのお友達だけがリビングに連れて来られた。どうなることかと思ったが、まだ幼い女の子達は彼女の言いくるめもあり、すぐに我が子と馴染んでくれた。子は、少々物足りないようだったが、かといって子供達の声のする中大人といる方が手持ち無沙汰になるようで、すぐに小さな子達のごっこ遊びに付き合い、次第に仕切り始めるようにまでなったのでホッとした。


ー子供連れでこうして会えるのもあと数年だね・・


心の中でつぶやく。子を通しての付き合いが、子の成長と共にそれとは別になって行くのだ。それは至極シンプルな付き合い。1対1のー、大人だけの繋がり。


リビングでは妹ちゃんのお友達が少々ワガママで子も手を焼いているようだ。突然泣き出して、私達も肝心の話が出来ないまま時間だけが過ぎる。かと思えば、息子君達は見慣れない客が気になるようで、ちょこちょこリビングと子ども部屋とを往復する。私としては子と少しくらい会話をして欲しいと思い、なんとなく話し掛けるのだが、こちらのぎこちなさが伝わるのか、息子君もいまいちのリアクションだ。
息子君らが来ると、息子君のお友達は我の強い子なのだろう、すぐにその場を仕切ろうとする。妹達にあれこれ指令し面白い遊びを始めるのだが、それまで折角ごっこ遊びで子も楽しく遊べていた関係がすぐさま崩れ、仕方なしに子は私達のところに戻る。


「ねえ、これって何?」


妹ちゃんが、私が土産に渡した包みに気が付く。サンリオのラッピングなのですぐ目にとまったのだ。



「これはね、OOちゃんママがお土産にくれたのよ。ありがとうは?」


「ありがとう!これはにいにの?」


「うん、そうだよ。ほら、ありがとう言いなさい!」


「ありがとう・・」



シャイな年齢なのだろう、小さくぼそっとお礼を言う息子君。何故か、傍にいるお友達兄弟がそのプレゼントを見たいと騒ぎ出した。なんだかやりたい放題なそのお友達兄弟に次第に嫌悪感が湧く。


「ねえ、見てもいい?」


妹ちゃんも我慢出来なくなったようで彼女に聞く。正直、お友達がいる前で開けたらトラブルが起きそうなので後にして欲しかったが、渡してしまった物はもう彼女達の物。その判断は任せるしかなかった。そして、子供達の好奇心を止めることはもう不可能で、バリバリと包装紙を破く音にリビング内は包まれた。
その間、私と子はハラハラしながらそれを見ているだけしか出来ずにいた。


「かわいーい!!」

「妖怪ウォッチじゃん!」


子供達は、ぱぁっと嬉しそうな笑顔を見せてくれたので、内心胸を撫でおろした。息子君は、やはりピカピカ光って回るボールペンに食いつき、妹ちゃんはシールやメモ帳を大層喜んでくれた。しかし、その隣にいるお友達兄弟は物欲しそうに見ているだけで飽き足りなくなったのか、危惧していたことがやはり起こったのだ。


「これ欲しい!可愛い!!」


まずは妹ちゃんのお友達。プレゼントしたぷっくりシールのジュエルペットを指差して言った。困ったな・・と思い、でも彼女に全ての成り行きを任せようと見ていると、驚くことに、


「3シートいただいたし、1つくらいあげたら?」


なんと妹ちゃんをこう促したのだ。ちょっと彼女の言動が信じられなかった。それは彼女の子供にあげた物で、赤の他人の子にあげた物じゃないんだけど・・

なんとなく気になり息子君の方を見ると、早速プレゼントした折り紙を盛大にばらまいてあれこれ折り出したのは、息子君のお友達だ。息子君は光るボールペンに夢中で、勝手に折り紙を使われていることに気が付いていないようだ。彼女の子供たちの為にあれこれ悩んで決めたプレゼントなのにー、悔しい気持ちと子供相手に腹立だしい気持ち、そしてそれを注意しない彼女に苛立ちは更に募る。
せめてー、そのお友達が我が子を快く輪に入れて遊んでくれたのなら、その図々しさも帳消しになっただろう。しかし、遠巻きに子を眺めてアウェイにした。彼らがいなければ、多少のきごちなさはあったかもしれないが、仲良く3人で遊ぶしかなかっただろうし、私もアウェイにされた子に必要以上に気を遣う必要もなく、彼女との久しぶりの会話に花を咲かせられたというのにー、大体、近所だからといってそのお宅に来客があるというのに子供達を預ける親の神経も分からない。下の子が熱が出た!?そんなのこっちの知ったことじゃない。
引越し前のママ友だって、少しいい顔し過ぎではないか?たまに会う昔のママ友よりも、毎日会う近所のママ友を優先する、そんな調子の良い彼女に対し、マイナスの感情がドバドバと溢れ出す。

結局、最後までお友達兄弟のママさんは子供を迎えに来ることはなく、ラインで何やらやり取りをした後、夕飯は彼女の家で面倒を見ることに落ち着いたようだった。



「なんだか・・折角来てくれたのにバタバタしてごめんね・・」


「ううん、楽しかった!ご馳走様。」



プレゼントのくだりから、子も妹ちゃん達と絡むことが殆どなくなり、ぴったり私の横に張り付いていたものだから、例の件を聞くことも出来ず仕舞いでなんとも不完全燃焼のまま彼女宅を後にした。
土産にと、私と子にハンドメイドの素敵なヘアアクセサリー、それから最近近所で出来た、美味しいと評判のはちみつとクッキー、お取り寄せしている桃のおすそ分けを持たせてくれた。
自宅に戻りヘアアクセサリーを取り出すが、それは大きなシュシュであり、常日頃ボブヘアの私が使えるものではなかった。ゴムでギリギリ結える長さであっても、シュシュが大き過ぎてすぐに落ちてしまう。彼女にとって、私のヘアスタイルの記憶さえ薄らいでしまったのだろうか?
日頃の寂しさを埋める為に会いに行ったはずなのに、なんだか私も子も気疲れだけの時間を過ごしに行ったようなものだった。















































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同情と優越感の狭間で

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他人を思い遣る心なんて、結局は安全地帯に身を置き暇を持て余している間にしか発生しない、そんなものだと思う。

私はイヤラシイ女だ。親切で人の痛みが分かるような繊細さを持っているように見せかけて、実際のところは自分より可哀想な立場の人間を見て安心したい、そんな潜在意識を常日頃持っている。
葉書だけでしか繋がっていない、昔の友人ー、まだ独身の彼女のフェイスブックを覗いた。ふと彼女の名前を検索すると、あっけなく見付かる。彼女の名前は珍しいので、他の誰かと重複することもなかった。
彼女は趣味で、自分が描いたイラストを載せたポストカードを今だ作っているようだ、そしてネット販売もしている。しかし、実際そのサイト中の在庫状況を目にすると、殆ど売れていないようだ。彼女は美大卒、私のバイト時代の同僚だ。
ブログもしており、そこには最近のあれこれが記載されていた。現在、北海道のとある農場で短期住み込みバイトをしながら創作活動をしているとのこと。
旅行好きな彼女は、フットワークが軽い。思い立ったらすぐに行動、私とは正反対だ。すぐに他人と打ち解ける。それなのに、どこか一線を越えさせない何かがある。今だ独り身なのも、そういった性質が関係しているのかもしれない。


ブログ中での彼女は、一見北海道生活を満喫しているように見えた。しかし、いくつかページを遡ると、函館の綺麗な夜景の写真に添えられた文章に、将来への底知れぬ不安感と孤独感がつらつらと綴られていたのだ。
要約すると、こんな風だ。

「40過ぎて、恋愛したくても既婚者ばかり。たまに心惹かれる人と出会っても、相手は子供を望んでいるから恋愛対象は若い女の子達なのは必然。私は子宮の病気で子供はもう望めない。年齢がどうのこうの以前に、スタートラインにも立てない。ここ1年、ストレスからの過食で15キロ太った私は醜い。鏡の中の自分が嫌いだ。バイト暮らしの為、ほぼその日暮らし。欲しい服や化粧品も買えない。フリマやリサイクルショップで数百円の物を買うのでさえ躊躇する。絵の仕事も金にならない。購入してくれるのは、仲良くなった顔なじみだけれど、それだって付き合いで一度買えばそれっきり。1枚数百円の世界ー、才能がないことに薄々気付いていても、今更辞められない。辞めてしまったら私に何が残るんだろう?パートナーもいない、安定した仕事もない、この年までいつかの夢を励みに全てを振り切って生きて来たんだ。でも・・振り切った全て、普通の女の幸せを、私は心の奥底で欲している。あの時の選択を後悔している、口に出しては絶対言えないけれど。」


そんな内容の独り言が綴られていた。コメント欄は閉じられていた。フェイスブックの方では、そんな思いを抱えている彼女はおらず、、むしろ伸び伸びと好き勝手に生きている、そんな印象を受けたので、ブログを読んで一気に共感、そしてその孤独感に寄り添いたい、そんな気持ちが湧いた。
再び、フェイスブックを開く。最近の彼女の顔写真が掲載されていたのだが、ブログでつぶやいていたように、確かに15キロ太った彼女の姿は醜かった。髪も白髪混じりの手入れがあまりされていないようなセミロングで、毛先は思い切り跳ねている。それに、ほぼすっぴんだ。あんなにメイクに感心があった彼女はそこにはおらず(美大卒だし個性的なメイクではあったが)、驚いたことに眉はボサボサで、当時の面影は殆どなかった。40過ぎて既に子供が3人はいそうな、どこにでもいるおばさんに成り果てていたのだ。いや、正直、そのどこにでもいるおばさんの方が、身なりに気を使っているかもしれない。
きちんとメイクをし、もう一度15キロ痩せて、安くてもいいから小奇麗な今時の服を着て、髪もきちんと揃えて染めてー、そうすれば、今からでもパートナーを見つけられる可能性はゼロではないはずだ。しかし、今の彼女にその気力は殆ど残っていないように思えた。そんな金があるのなら、少しでも将来の為に貯金しなくてはー、そんな焦りがそこにある。しかし、だからといって金の為に嫌な仕事をする気はないようで、心で葛藤しながらも行動は伴わず空回り、全ては中途半端な甘えとこだわりにがんじがらめになっているようだった。

まだ私が結婚する前、夫とも出会っていなかった頃、彼女は私を妹のように可愛がってくれて、よく行き着けの飲み屋に連れて行ってくれた。毎回、ジョッキビールの2杯目が空になる頃、ほのかにピンク色になった頬にエクボを作りながら、私に向かってこう言うのだった。


「OOちゃんは、結婚したら仕事なんて辞めて、普通に子供産んで普通の奥さんになったらいいのよ。」


個性的な彼女が放つ「普通」という言葉は、どこか私を見下したような、小馬鹿にしたような意味合いを含んでいるように思えて、正直いい気はしなかった。
しかし、当時から特にこれといった特技も趣味もなかった私には、「夢」を持ち、それに全力で突き進む彼女に憧れとどこか劣等感を感じていたこともあり、痛いところをそれ以上突かれることを恐れ、気にしていない風を装いヘラヘラと笑いながら毎回その場をやり過ごしていたのだ。


今ー、彼女に対して私が「同情心」を持ち、またそれと同時に「優越感」を抱いていると知ったら、あの頃の彼女はどう思うだろう?
彼女とは、ポストカードのやり取りから数年音信不通になっているが、フェイスブックでコメントを残してみようか?意地悪な気持ちが湧く。
それと同時に、弱っている彼女の相談相手になってやりたいような、妙な友情心も芽生えているのだ。今の私の状況ー、結婚生活がうまくいっていないことーを包み隠さず伝えれば、互いに傷を舐め会えるかもしれない・・
互いにこの孤独感から逃れられるかもしれない・・

所詮、女同士の友情なんて、傷の舐め合いでしか成立しないのだということを知っている。だからこそ今ならば、互いに置かれた境遇は違えども解り合えるーそんな錯覚に陥りそうになるのだ。


















































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金の亡者

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「本当、肌がすべすべになったわ~、やっぱり継続が大事よね。」


千葉ママがまいこちゃんママに言う。まいこちゃんママから購入した基礎化粧品の効果をどうやら肌で実感しているらしい。それに対し、まいこちゃんママは満足そうに頷く。
仕事を始め、よりいっそう垢抜けた彼女は、自社の化粧品をふんだんに使っているのだろうか?自らが美しくなることでセールスの売上にも繋がるからか、日に日に若返っているかのように見えた。
私はというと、まいこちゃんママからはお付き合いでサンプルを一度購入した程度、あれから何となく彼女と距離を置きつつある。いや、どちらかと言えば彼女の方から距離を置かれていると言った方が正しいのかもしれない。私が金にならないと奴だと判断したのだろう、習い事で顔を合わせても、最近では華麗にスルーされるようになっている。

ハリ艶のある素肌を保つ為、外側からあれこれ塗りたくること。この年になると、金さえ掛ければ若さも手に入れられるのではないかと勘違いする女性も多いけれど、実際はたちそこそこの何の手入れもしていない女の子と並べばその差は歴然だ。メイクや基礎化粧品で全ての毛穴を覆い隠しても、首筋や手の甲に出る年齢は誤魔化せない。
年老いた金持ち女性が、きらびやかで高価なジュエリーを付けたがるのも、そんな真実を裏付けているように思う。美しく輝くジュエリーで加齢によるシミやソバカスを目立たなくさせるのだ。

肌をいたわり、保護し過ぎることで、肌本来の蘇生力がなくなるというのは良く聞く話。第一、昔の人は基礎化粧品など使用していなかった。常にすっぴんで生活していても、素肌はツヤピカだった。それは、洗浄力の強過ぎる洗顔料など使わず、水でしか洗顔しない、体に良い物を食べ規則正しい生活をする、シンプルだが究極な肌ケアをしていたから。そして、必要以上に肌を過保護にしなかったから。甘やかされた肌は、自分で生きる力を無くす。それは人間が生きる上での根本に通じるようにさえ思う。
若さは、内側から。
体が元気なのが絶対条件で、美は二の次。けれど欲張りなのが女性という生き物だから、私はその両方を得る為に「酵素」を取り続けている。








「ねえ、OOちゃんって矯正したの?」


ダンス前、器具を取り外していたところを小太りママに目撃された。そして、それは一気に他の母親達に知れ渡る。まいこちゃんママが、


「まいこもそろそろさせようと思ってたのよね。女の子だしね、やっぱり綺麗な揃った歯を与えるのも親の義務でしょう?」


「でも、矯正って高いよねー」


「長い目で見たら安いわよ。だって、大人になって何でしてくれなかったの?って恨まれる方がよほど高くつくんだから。」


まいこちゃんママは、余裕のある表情で微笑みながらセンスを取り出しパタパタ首元を仰いだ。矯正代の支払いなど朝飯前だと言わんばかりにー、いや、それより、金に余裕のなさそうな私達の方が先に矯正を始めたことに少々カチンとしていたようにさえ思える。


「でも、OOちゃんのところも矯正するとは思わなかった~。」


どういう意味なのだろう?追求しなかったが、それは貧乏だからという意味だろうか?後からそう思えて胸が悪くなった。子にバレエやピアノ、それにダンスを習わせて、ムダ毛処理に歯科矯正、そして普段のブランド服や小物、自分自身にも投資している彼女は確かに金持ち。しかし、いちいち口にする発言だったり振る舞いは、本当の金持ちではないどこか成金臭が漂っている。皆はそれに気が付かないのだろうか?
いつか、化けの皮が剥がれればいいのにー、セコセコと高い化粧品を売りつけるその姿は、金の亡者そのものだ。その卑しさで人を見下し続けている限り、真実の美は得られないということに彼女はいつ気が付くのだろうか?




























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調整料

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子の歯科矯正代ー、別途に毎回「調整料」が5~6千円程掛かるのだが、今月は既に2度通院しているので1万越えだ。作ったばかりの器具のワイヤーの位置がずれていると子が言い出し、私が見たところどこがずれているのか分からなかったのだが、子がそう言うのだからと仕方なく見て貰ったのが1回目ー、結局気のせいだと片付けられたのだが、しっかり料金は取られてしまった。
2回目は、初めての調整をしに行ったのだが、医師は小さな鍵のような器具でちょちょいと器具のねじを締めたようで、ものの数分で終了。歯科医院に滞在していた時間は待合時間も含めて15分程度だったのだが、やはりしっかり料金は取られてしまった。
ネットなどで調べてみても、この料金はいたってスタンダード。しかし、へそくりがどんどん無くなる現実に気は急いてしまう。それにー、今月更に10万の支払いがまだ残っており、月末までに用意しなくてはならない。とにかくーと、ライター内職を暇さえあれば探しこなしている毎日だ。
子が勉強している間と寝ている間だけの作業だったところを、それ以外の時間も充てるようになっている。私が内職をしている間、子にはDVDを観せている。長時間の視聴は良くないと分かってはいるものの、本は読みたがらないし、詰まらないを耳元で連発されるのも辛い。2時間もののアニメ映画を今日は3サイクルも流してしまった。更に、携帯も渡して無料ゲームをしても良いことにしている。そうでもしないといちいち詰まらないことで話し掛けられて作業が中断されるからだ。
しかし、単純に計算して6時間内職をしていたのかと聞かれればそうでもない。やはり私も集中力は続かないもので、少し作業してはネットサーフィンへと脱線してしまう。
日も暮れて、外の暑さも薄らいだ頃にはなんだか疲れてしまった。本当に一人きりで作業するのと違う。子をTVに任せていても、やはり視界に入る中での作業は落ち着かないし集中出来ないのだ。


「ねえ!ママー!!」


未就園児のような大変さはないけれど、それでもライティングが乗って来たところで呼び止められるとイライラしてしまう。そして、何を書こうとしていたのかがすっぽり抜けると子に対して声を荒げてしまうこともしょちゅうだ。


「ママ今忙しいから!携帯貸してあげてるでしょ!時間になるまで絶対話し掛けないで!!」


子の顔も見ずに怒鳴ってしまう。これでは在宅ワークの意味がないではないか。子と過ごせる、隙間時間に出来るという名目で始めたというのにー
しかし、今は目先の矯正代を稼がなくてはならない。全ては子の未来の為なのだ。だから、現在の子には我慢してもらうしかない。大丈夫ーきっと大丈夫。
声にならない声で自分を励ます。
ソファーに寝転び、TV画面をぼーっと見つめ続ける無表情な子の心の内に、可哀想だが今は気付かない振りをするしかないのだ。














































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身勝手な約束

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「従姉妹ちゃん達が遊びに来るんだって~!お泊りだって、楽しみー」


突然、子の口から聞いた、まさに寝耳に水話ー。風呂から上がった夫が、そう言えばそんなこともあったと言わんばかりの口調で私に告げる。

「姉さん、来週仕事が忙しいらしいんだよ。実家は今墓参りで帰省してるしー、ちょっと頼れないらしいんだ。OOも喜ぶだろうって姉さんも言ってたよ。」


勝手な約束ー、私を跨いで二番目の義姉の子供達を預かる約束をしたらしい、しかも泊まりで。そりゃあ子供達は嬉しいだろう。しかし、私はいつものひっそりとした子と二人きりのペースを乱されるのが我慢ならなかった。いや、一番は、先ず私に何の相談もなかったことだ。それに、まるでうちの子の為に預けてやっているという義姉の上から目線な感じもカチンと来た。夏休み、一人っ子でさぞかし退屈しているだろうから、うちの子供達レンタルしてもいいわよーというところだろうか?大きなお世話というやつだ。
適当な、別にしなくてもいいお遊びのようなバイトの為に、いつでもすぐ傍にいる義母に子供達を預けて主婦業もやっているんだかどうだか。普段から一人で家事育児を回せていないからだろう、ちょっと頼る人間が留守にすれば、こうして弟夫婦に育児を丸投げ、いい気なもんだ。


「そういうことは、事前に言ってくれないと困るの。色々準備もしないとならないしー」


「え?準備って何を?別に姪っ子甥っ子にそこまで気を遣う必要ないだろう。」


夫は半ば呆れながら言うが、何をご馳走になったのか、どこに連れて行って貰ったのか、後日義姉のチェックが入るのだ。「完璧な叔母」を演じなくてはならないーそのプレッシャーを、夫は全く想像だにしない。
しかも、夫は仕事で留守ー一応定時で上がるように調整はするとは言ってるものの、結局は私に丸投げになるのは目に見えている。私はシッターでも家政婦でもない!!と声を大にして叫びたい衝動に駆られた。


後日、義姉からメールが届いた。


「こんにちは~来週ですがよろしくお願いします^^ OOちゃんの暇つぶしになればと思います♪一応、エビ以外はうちの子何でも食べれるんでお構いなく!」



うんざりした。
同じ様に、うちの子を預かってくれることが過去にあったのならまだしも、うちの子が向こうに預けられる時は、結局義母の家に皆でお泊りという流れになる。じいじとばあばに丸投げだ。
仕事と口では言っているが、それだって本当かどうか怪しい。イライラして人の良い義妹になりきれず、つい嫌味を盛り込んだ返信をする。


「事前に聞いていなかったので、OOのお友達と遊ぶ約束もあるんですよね。OOもお友達がいると従姉妹ちゃん達の存在を忘れて嫌な思いをさせてしまうかもしれませんが・・それでも良ければお待ちしています^^」


嘘を付いた。
これを読んで、一瞬躊躇しながらも結局子供達を義姉は預けるのだろう。しかし、可愛い自分の子供達がアウェイな気持ちを味わうことについてハラハラするだろう意外に小心なところがある義姉を私は知っている。
呑気に人に丸投げして、自分だけ楽をしようだなんて甘いのだ。丸投げするのであれば、少しくらいもやついた気持ちを持つがいい。私の中にある黒い感情が薄笑いをしながら携帯の送信ボタンを押した、それだけで半ば、もう満足だった。












































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地味な夏

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子が連日遊んでいた友達も、帰省したり他に用事があったりしてここ最近約束もないようだ。しかし、だからといって一人で児童館へ行くのは嫌らしく、最近引きこもりの子ー
取り敢えず、午前中に宿題をさせ(その間、私はこうしてブログを書いたりもする)、昼を食べたら恒例のショッピングモール、図書館まで涼みに行くのがここ最近の日課となっている。
実は夏休みが始まってすぐ、隣街のプールにも行ってみたのだが、レジャー施設のそれとは違い、飲食禁止で滑り台も子供だまし。さすがに2年生ともなると30分程で飽きてしまう。
それでも家にいるよりはマシー、そう思い何度か誘ってみたのだが、子はつまんないを連発し、私も内心この暑い中面倒だと思いながらも子の為と思って出掛けているので、正直過ぎる子のリアクションについイライラしてしまい、行くのを止めにしてしまった。

要するにー、中途半端な年齢なのだ。
まだ、子供だけで約束してプールに行ける年齢になったわけでもなく、両親と行って楽しめる年齢は既に過ぎてしまい、宙ぶらりん状態。どこのプールも大概、兄弟や友達家族で賑わっており、子供一人ポツンとしている光景は滅多に見ることはない。流れるプールで母子二人、ぷかぷか浮き輪の中、何周か回っているだけで楽しかったのは数年前のこと。子は流されながらも、周囲の同じ年頃の子供達に視線を向けては、どこか物欲しそうにしている様が痛々しくうつるのだ。

子が行きたがっているのは、ディズニーランドや映画館、豊島園などの大型プールに、北海道や沖縄などの旅行、綺麗なホテルでのバイキングだ。いずれも、習い事でまいこちゃんグループの子達から見聞きした内容をそのままオウムのように繰り返している。
またまいこちゃんは、バレエ仲間とキャンプも予定しているらしく、それも子は羨ましそうに家で私に話して聞かせた。「隣の友達」は、家族とも仲間とも有意義に過ごす夏休みー、口に出しては言わないが、心の奥底ではまいこちゃん家のような恵まれた家庭に生まれたかったのではなかろうか?

子の歯科矯正代により、私のへそくりもわずかとなってしまった。内職代をささやかな贅沢に使えていた頃のようにはいかない。映画館くらいは、なんとか小銭を集めたら行けそうだけれど、やはりぱっとしない地味な夏休みになりそうだ。
それでも両親が働いており、毎日学童に預けられている子供達よりはマシなのだー、そう思うことでなんとか心の均衡を保てていたのだけれど、しかしそれさえ我が子にあっけなくぶち壊されてしまう。


「ママが働いてたら、毎日学童で友達と遊べるのにさ。毎日ママと二人きりなんてつまんない。」


最近、この種の台詞を私に向かって吐く子。これも反抗期の一種なのか?寂しい気持ちを隠すように、親らしい返しをする。


「宿題だってあるし、夏休み明けのテストだってちゃんとした点取らないと駄目なんだから。学童行って、自分で出来る子ならいいけど、あなたは無理でしょう?読書感想文だってママがいないと全然出来ないじゃないの!だったらもうママは手伝わないから自分でやりなさいよね!」


「・・・やだ!ごめんなさい!!」


子が最も苦手とする内容で、一撃返す。ぐうの音も出ない様子の子に、こちらも悶々としていた心が一時スっとした。
何かを得る為には何かを我慢しなくてはならない。私もそうだったけれど、そんな当たり前のことを、子供ながらに経験し拒絶しながらも受け入れて行かなくてはならないーそれが人生というものなのだ。


その日の天気予報は晴れ時々雷雨ー、なので、外出は取りやめて家にこもることにした。暇を持て余した子は、宿題をやり終えるとソファーに寝そべりだらだらとTVを観始めたのだが、外から聞こえる声に気が付いて、窓から隣のバルコニーを覗こうとする。隣では、赤ちゃんのはしゃぐ声と母親達の声ー、そして、聞き覚えのある声も・・



「あれ!?R君ママの声がする!!」


確かに、耳を澄ますと彼女の声。それにしても良く気が付いたものだ。こんな時、必要以上に過敏な子の性質を疎ましく思う。ぼんやりした子供ならば気が付かないだろう声の主ー


「呼んでみる?」


子がはしゃぎながら私に尋ねる。それを制すると、子は途端にふてくされた顔になり詰まらなそうに、先程と同じくソファーの定位置に戻りゴロリと寝転んだ。
少ししてから、洗濯物のしわを伸ばす振りをして、隣の様子を探る。女性が3人だろうか?お隣さんと素敵ママ、それからもう一人。楽しそうに会話を弾ませている。R君はどこかに預けられているのだろうかと要らない心配をしながらも、相変わらず心はざわざわする。


「パパの休み合わせて、皆でキャンプとか楽しいよね!」


「いいねいいね~やろうやろう!××ちゃん家はテントあるの?」


「うーん、旦那が独身時代使ってたのがあるけどね~でも貸別荘とかの方がよくない?」


「確かに!赤ちゃん連れてテントはありえないよね!今調べてみよっか。」


いつの間にここまで彼女達は仲良くなったのだろう。家族を巻き込んで泊りがけのキャンプだなんて、どうしたらトントン拍子にそこまで関係を深めていけるのだろう?
素敵ママなんて、上の子の付き合いも入れれば、それこそもうお腹一杯のはずなのに、それでも更なる人間関係を広められるだけのバイタリティがあるのだから、私からしたら超人技だ。
そしてー、もし私も二人目を望めば、また子とは別に派生する人間関係の葉脈を増やして行かなくてはならないのだと悟る。それは素敵ママのような天性の社交性を持つ女性ならば容易いことなのだろうけれど、私のような、インドアで不器用な人間には最も至難の業なのだ。
今でこそ子が成長したから、隣のバルコニーがいくら大騒ぎで盛り上がっていても、一喝すればこちらの思い通り大人しくなるのだけれど、しかしこれが数年前であれば、窓から離れず大泣きに違いなかっただろう。子も不憫に思えるし、そんな思いをさせてしまう母親スキルのない自分も情けなく思うし、八方塞がりの状況に陥っていたのは目に見えている。


窓を締め、エアコンを入れる。涼しい風と共に、ゴーっと機械音が聞こえてからは、隣の音が全く気にならなくなった。宿題もせず、ゴロゴロしているだけの子にイラつきながらも、強く言えないのはやはり後ろめたさがあるから。母親としての自信があれば、きっとその場で叱り飛ばしているだろう。
いつか、その弱みを子に知られたらと思うと恐怖でしかない。その時はいよいよ何も言えなくなりそうだから。


「早く夏休み終わらないかな。」


子が持て余し気味に口に出すかもしれない、その言葉の恐怖に今はただただ怯えているのだ。
















































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キラキラの場所

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私の青春時代は、学生の頃ではなく宙ぶらりんのフリーター時代、短期間だがアルバイトをしていた小さなとある事務所で過ごした日々。
その頃の私は、人生で一番輝いていたように思う。彼氏もおり、少ないながらも飲みに行く仲間のような女友達もいて、クラブに通ったりするような派手さはなかったけれど、順風満帆。今のように孤独感に苛まれることはなかったし、嫌な目にあったとしても、仕事帰りに同僚と飲む酒で全てをリセット出来る、そんな若さがそこにはあった。


今が幸福に満たされていれば、過去のことなど思い出しもしないのだろうけれど、私は常に現在を過去と共に生きている。勿論、家庭があり可愛い我が子がいるーそれに代えられるものはないけれど、しかし心の安定をはかる為に「思い出」を一切捨て去ることは出来ないのだ。

昔の職場ー、ふと懐かしくなり、会社名をネット検索してみたところ、HPが出来ていたようで時代は変わったのだなと思う。私が勤務していた頃はそんなものはなかったからだ。
「採用情報」には、常勤と非常勤、それからアルバイトの随時募集があり、アルバイトに至っては私の時よりもだいぶ時給がUPしていた。そして、※社員登用ありと括弧書きされており、私の時はそれがかなわなかったので少々悔しい気持ちもした。人付き合いが苦手な私にしては、その職場は人間関係も仕事内容も合っていたし、願わくばずっと働いていたかったのだけれど、いつまでもフリーターでいるわけにもいかないので思い切って辞めたのだ、なれるはずもない正社員になる為に・・
そして、結局次の職場も長くは続かず、夫に出会い結婚するまで、職務履歴書の欄は価値のない職歴で埋められるだけとなった。


「先輩職員から~」という見出しをクリックすると、そこで働く生き生きとした面々がHPの中、水を得た魚のような表情で、未来の新入社員に向けた言葉と共に掲載されている。ふと、入社15年目の先輩の欄に知った顔があった。それはかつて私と同じく同期アルバイトとして働いていた男性だった。膨大な量の印刷や封入作業を、雑談しながらこなしていた日々ー、今のような暑い時期、社員からの差し入れで貰ったアイスを一緒に食べながら、アルバイトなのに残業を頑張っていることを互いに褒め合ったりもして。彼の前だとなんとなくリラックス出来た私は、その頃彼氏がいながらもなんとなく恋心を抱いていたように思う。自然体で面白くて、彼がいるから職場に行く楽しみがあったのだ。
その彼がー、あの頃はアルバイトだったこともありチノパンにポロシャツだった彼が、仕立ての良いスーツに身を包み、ネクタイを締めこちらに笑顔を向けている。若干年を取ったようにも見えたが、それは悪い年の取り方ではない。男としての「自信」が年輪を重ねる如くそう見せているのだろう。
「バイトから社員に~」という見出しで、彼はこれからの新入社員に向けて語っている。あれから社員登用の話があったのだろう。私は辞める時、彼に告げたのだ。


「いつまでもここにいたって都合良く使われるだけだよ。バイトなんて使い捨て。今なら探せばまだ正社員で雇ってくれるところあるはずだから。」


職場を退職する日ー、いつものように皆に向けて「お先に失礼します。」を言い、最後のタイムカードを切った時、背中に彼の視線を痛い程感じながらも振り返ることが出来なかったのは、やはり彼に特別な感情を抱いていたからだろう。
寂しい気持ちとは裏腹に、心の中どこかで彼を侮蔑する気持ちがあったことも否めない。

ー男の癖にー、将来のこともっと真剣に考えられないの?一生フリーターでいるつもり?

何故、彼の恋人でもないのにあんなにも歯がゆい気持ちになったのか、今なら分かる。そして、PC画面に写る彼の笑顔はあの頃と全く変わらないようにも見えたし、またまるで知らない人間のようにも見えたのだ。







































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シミとストレス

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連日の猛暑、ひとつだけ良いところをあげるとしたら、主婦なら誰しもが思うだろう、「洗濯物がすぐに乾く」ということくらい。
こんなことしか思い付かない自分は所帯じみているなぁと思いつつ、そうであることがどこか誇らしいところもあるのは、年齢を重ねゆく現実をうまく受け入れられている証拠だろう。

今朝も早朝からぐんぐん気温は上昇し、雨予報も0%だったので、気に入りの服を何枚かホームクリーニングしようと思い立った。薄手の真っ白なブラウスやワンピース、水色やベージュのおしゃれ着カットソー、そしてホワイトアンクルパンツ。
早朝、夫や子が起きる前には第一陣の洗濯は終わり、続いて二陣目。洗濯槽におしゃれ着を放り込むと、専用洗剤を入れてスイッチをオンにした。
少しして、夫と子が起床。しっかりとした和定食をテーブルに並べる。ご飯に味噌汁、香の物に鮭の塩焼き、そして納豆と焼き海苔。しかし昨夜も遅かった夫は、ご飯に麦茶をぶっかけると、鮭をひと切れそこに乗せて啜り終えたと思えば箸を置き、顔を洗いに洗面所へ行ってしまった。
正直、朝から暑いキッチンで作った味噌汁を一口も飲まれないのは腹が立つ。私も子も味噌汁など朝から飲みたくはないのだ。私達だけなら、軽くトーストとバターとハムエッグといきたいところ。夫に合わせたところで報われない思いに溜息が出る。

夫はブツブツ文句を言いながら身支度をし、さっさと出勤して行った。弁当はー、相変わらずダイニングに置かれたまま。今夜も飲み会らしく、ならば昨夜のうちに教えてくれればよかったものを・・
しかし持参されないからと最初から作らなければ途端に機嫌が悪くなる。置かれたままの弁当はすぐに冷蔵庫に入れ、私と子の昼ご飯にしようと思う。これにそうめんを茹でれば良いので、かえって楽も出来るとプラス思考。


ピー!

洗濯終了の機械音が鳴る。
洗濯カゴに洗濯物をうつそうと身をかがんで唖然とした。見慣れないズボンが入っている。それも真っ赤なー洗濯ネットにも入れずに・・
夫が入れたのだ。恐らく買ったばかりのズボン。焦って全部の洗濯物を取り出し、そしてへなへなとその場にへたりこんでしまった。私の気に入りの服達が、見るも無残な状態だ。ところどころに赤いしみが散らばっている。シルエットと履き心地が気に入っていたホワイトアンクルパンツも、電車に乗るようなお出掛けには必須アイテムだった、レースとビーズ繊細にデザインされた真っ白なブラウスも、パステルカラーのカットソーも・・
唯一無傷だったのはワンピースだ。しかし、ワンピースはアラフォーである最近の私にはもう似合わず、綺麗にホームクリーニングしていつしか子が大きくなった時に譲ろうかと思っていたもの。
もう着られるかどうかも分からないもの。

そして、次第に怒りで腸が煮えくり返る思いだった。今すぐ夫に電話をして怒鳴りつけたい気分だった。出来る訳がないけれど・・
どうにかしてこの怒りを沈めるにはひとつしか方法はなかった。目には目を、歯には歯をだ。


子が児童館へ遊びに行ったのを見計らい、玄関の内鍵を閉めると夫の部屋に入った。相変わらず無駄な物で埋め尽くされた部屋。封を開けていないダンボール箱がいくつもある。ぐるりと部屋を見渡した後、専用ケースに収められた時計コレクションに目を留めた。その殆どが鑑賞用だろうか、そもそもそれらがそこにあるだけで満足しているのだろう、宝の持ち腐れ。その中からロレックスを取り出し、思い切り床に叩きつけた。しかし、当たり前だがそんなことくらいではビクともしない。ならばー、洗面台に水を張りその時計をドボンと沈めた。
数時間経った頃、洗面台の中のロレックスを覗いてみると、しかししぶとく針は動いている。防水機能が付いていたのか?
そして、その頃には怒りも収まっていたので、濡れたロレックスを取り出し乾拭きすると、元あるケースに仕舞い直した。心なしか輝きを取り戻したように見えるロレックスは、結局のところ夫の為に洗ってやったようなもので、なんだか一人猿芝居をしているようでアホらしくなった。







































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お土産選び

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引越し前のママ友と、この夏休みに会えるのが唯一私の楽しみだ。それ以外、プライベートの約束などなく、カレンダーは真っ白。指折り数えて’その日’を待っている。
親子で気兼ねなく遊びに行けるのも嬉しい。私は私でママ友と思う存分話せるし(タメ口OK)、子も久しぶりに彼女の息子君と遊べるのだ。しかし、そう思っていたのは私だけで、子はあまり気乗りしない風。聞けば、「男の子だし、何して遊べばいいのか分からない。」というのが半分、もう半分は、「久しぶり過ぎて恥ずかしい。」という気持ち。息子君には、今年幼稚園に上がったばかりの妹ちゃんがいるのだから、その子と遊んであげればいいよと言うと、俄然行く気にはなったのだけれどー

さて、そこでお土産選び。先ずは子供達にー
子と一緒に、小2の男子が喜びそうな物を探しにショッピングモールに出向いた。涼しい店内、どこもかしこもセールの張り紙。女の子へのプレゼントならすぐに思い付くのだけれど、息子がいない私に男の子が喜びそうな物など皆目見当が付かない。店内をウロウロし、おもちゃ屋なども物色してみたものの、いまいちピンと来ない。ネットで下調べした立体クリアパズルも、実際現物を見るとぱっとしないし、また息子君が果たしてそういう物に興味があるかどうかさえ分からない今となっては賭けとも言えるプレゼントだ。
そして、結局は無難に「文房具」にすることにした。最悪、好きじゃないキャラクターだったとしても、実用的であるからガラクタになることはない。選んだのは妖怪ウォッチのノック部分が光って回るボールペンだ。普通の物より、遊び心があって良いだろう。




【定形外送料無料】妖怪ウォッチ トゥインクルライトペン 1本

価格:680円
(2015/7/31 22:13時点)
感想(1件)






この間会った時、妖怪ウォッチが大好きだと聞いた。まだ飽きていなければ・・ある意味これも賭けだが、ちょっとしたプレゼントだしと気を楽にして、その他、消しゴムやノート、折り紙も付けた。
下の子用は簡単。女の子が好きそうな、ぷっくりキラキラシールのセットに、可愛いサンリオのメモ帳レターセットで決まり。子も、息子君の物より妹ちゃんのプレゼント選びの方が楽しかったらしく、あれこれ迷ってお姉さんらしく商品を手に取る姿がなんだか可愛らしかった。
サンリオ内で、つい子にも一つ何か買ってあげたい気持ちになり、欲しい物を聞く。そして、キキララのノートを1冊購入してやった。二つとも店の人が綺麗にラッピングしてくれ、可愛いキャラクターのクリップが付いた紐を最後にテープで貼ってくれる。私がまだ子供だった頃から、サンリオではこういった女の子心をくすぐるおまけラッピングをしてくれるのだ。


彼女の子供達が喜んでくれるかは分からないけれど、それでも何となく達成感。
それから、紅茶好きな彼女の為に、ここらで美味しいと評判の紅茶専門店で、アイスティー専用の茶葉をいくつか詰め合わせてラッピングして貰った。
後は当日、ケーキやプリンなどのスイーツを持って行く予定だ。
土産代、総額で5千円は超えそうだが、あちらではお酒や食べ物を用意してくれる。それにお土産も毎度のことながら用意してくれるのだ。なので、それ相応の準備と言えるだろう。
あれからご主人とはどうなったのだろう?ハンドメイドの仕事はうまくいっているのだろうか?離婚に向けての話し合いは・・?あれこれ聞きたいことが多過ぎて、楽しみな気持ちが膨らみ興奮しており、しばらく不眠気味の夜が続きそうだ。
































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誤算

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歯科矯正にかかる金ー、思うより多かった。まずは初診料とレントゲン、検査で7万。歯型を取り、矯正器具を作る費用で30万を超える。そして、調整料が毎回5000~6000円程掛かるとのことだ。
取り敢えず、一気に支払いは無理なので分割で。一応ネット内職で貯めた金が20万強あるのだが、手元が0になる不安もあったのでそれでお願いすることにした。
毎月1万~3万で支払いをしていきたかったのだが、契約上矯正器具を作るうえで、30万は3ヶ月以内に払って欲しいと言われたのは誤算。夫には実家から援助して貰ったと嘘をついているし、さて、どうしたものか・・
今月と来月の分で20万はへそくりで支払いが出来るのだが、9月までに10万を用意しなくてはならない。20万強あるので、厳密に言えば6万と少しーしかし、月に何度かある「調整料」の5000円も別途必要になる。これが2回あれば1ヶ月で1万は飛ぶ計算。
色々下調べをしていたというのに、何故ここでこうも焦るのだろうー私の悪い癖だ。
初診の際、医師から矯正のことは勿論、支払いの件でも詳細にわたり丁寧に説明されたのだが、予想外に子の歯並びが悪かったこと、これを放っておくと顔が歪むだとか将来頭痛持ちになるだとか、舌癖が付いてしまうだとか不安を必要以上に駆り立てられ、聞いている傍から心臓がバクバクし頭がぼんやりし始め、話の全てをきちんと理解出来ていなかった。半分は頭上を言葉がまるで音楽のように流れて行ったのだ。そして、理解したつもりになって、分割出来るーの一言でサインをしてしまったのだ。
自宅に戻り、よくよく契約書を見ると、3回払いと記載されており、勿論きちんと説明を受けていたのだろうけれど、私の記憶にそれはなかった。
しかし、もう後戻りが出来るはずもなく、レントゲンも取ってしまったし歯型も取ってしまった。夏休み中に器具の装着に慣れさせた方が良いとの医師の説明から、とにかくいち早くーそればかりで金の心配を後回しにしてしまったのだ。


なんとか9月までに6万は工面しなくてはならない。子の口座から内職分が振込まれるまで拝借するしかない。しかし、子の銀行カードは夫が持っている。どう言い訳をして受け取るべきか? そして、それよりも名案が浮かんだ。生活費を上げて貰うのだ。私の実家関係で冠婚葬祭があると嘘を付くしかない。出席しない代わりに金を支払いたいとー泣きつくしかない。従姉妹の結婚祝いだって自腹だったが、そもそもそれだっておかしい話だ。
こうして嘘つきの母が作った金で、子は輝ける未来を手に入れる。
普通の家族ならばー、夫婦納得の上、家計から出すはずの費用。ランドセルの時もそうだったが、二人の子供なのに、夫婦の価値観が違うお陰で回り道しなくてはならないのだ。





































































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限りなく仮病

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週末、子供会のお祭りがあった。昼過ぎから子は張り切って集合場所へと出掛けた。神輿をかついで町内を練り歩くのだ。途中、ポイントごとにアイスを貰える休憩所がある。大体の父兄がその場で待機し、写真を撮ろうと子を待つのだ。

私は前日の夜から喉が痛く、鼻水が出ている。37℃を超えているのだが、この暑さのせいなのか熱なのか分かり兼ねない。家事も普通に出来たのだから、子の付き添いだって出来そうなものの、なんだかんだ言い訳し行くのを止めた。
子は、私が付き添いに行かないからといって特段寂しそうにするわけでもなかった。

蝉の騒がしい声に混じり、遠くからお囃子の音。あの中に子の声も混じっているのだろうか?夫は今日も仕事、私はいつもと同じように、静かなリビングで一人きり、アイスコーヒーを啜っている。
素敵ママ達は、この暑い中でも赤ちゃんを背負って付き添いをしているに違いない、そう思うと、身軽な自分が涼しい場所でこうして静かに過ごしていることに罪悪感を覚える。そして、それと同じだけの孤独感。地域の祭りにさえ参加出来ないー子供がいるというのに存在感のない住民。
一応自治会に入会しているので、焼きそば引換券を貰った。これを子に渡すのを忘れてしまった。皆が祭りモードで楽しそうにしている中、この券を引き換える為だけに、出店に出向くことにした。帽子を深くかぶり、お目当ての焼きそば店前に並ぶ列を確認すると、私の知った顔はなさそうで安心する。10人程度なのですぐに順番が来て、買えば400円する焼きそばを無料で手に入れることが出来た。さて、帰ろうと元来た道を見ると、子供会の神輿集団が遠くからこちらに向かって歩いて来るのが見えた。
素敵ママやAちゃん、Dちゃんママらのレギュラーメンバー。それに新一年生の父兄だろうか?子供達の神輿をぐるっと囲むようにしてカメラをぶら下げ和気あいあいとしていた。


「お疲れさまでーす!」


一言、そう言ってその輪に入るのが正解だということは百も承知だ。しかし、情けないことに私は子の姿を確認する以前に踵を返し、遠回りで自宅に戻ったのだ。
子が一生懸命この暑い中、神輿を担ぐ様子さえ見てやることが出来なかった。出来たのは、焼きそばの交換だけー


子には、5時を目処に帰宅するよう言い伝えている。一応500円だけ渡し、友達と出店を見て来ても良いということになっている。子が楽しく過ごせているのならそれでいいじゃないか・・具の少ない冷めた焼きそばを横目で見ながら、誰に聞こえるわけでもない咳をわざとらしくリビングに響かせるのだった。


































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