子が親戚からいただいたお年玉は、私がコツコツライター内職をして得る1か月分の給料と同じくらいのものだった。夫側の親戚は金持ちなので、ひと家族から最低でも1万円。しかし、夫はそれ以上の額を姪や甥に渡していると思われる。知りたい気もするが、知らない方が心穏やかでいられるのかもしれない。
「DS買っちゃおうかな~」
ポチ袋からお年玉を開封し、意気揚々とそれらを自分の財布に入れながら嬉しそうに話す子。しかし、夫が珍しくそれを制止した。
「そんなもんより、ほら。こんなのやってみたら?」


夫が自分のタブレットを子に見せた。それは、去年の夏も夫が押していたタブレット学習とは違う他社のもの。夫いわく、こちらの方が女の子には楽しめるのではないかと言う。そしてこちらの教材は1年生から中学生まで対象とあり、今から入会出来るらしい。4月からは3年生。そろそろ受験をするのかしないのか、しないとしてもそれなりに学校以外の勉強を取り入れていかなくてはならない。私ばかりが子のことで焦っていると思っていたのだが、夫も同じ気持ちでいてくれたことが嬉しかった。
早速、夫が教えてくれた「スマイルゼミ」の資料請求をすることにした。ネットの口コミを見ても良さそう。
他社のタブレット教材と比較すると、個々の学習状況に沿った課題が提示されるところが売りだと言える。日々蓄積される子供の学習データと、全国から集まる膨大な学習データから“今”必要な学びを解析し、一人ひとりに最適な学習を「毎日自動生成」。豊富な経験と確かな技術で子供の伸びをサポートするとのことだ。
タブレットのスイッチを入れると、数多くの課題の中から、今、その子が取り組むのに最適な課題が自動的にピックアップされ、「今日のミッション」という形で講座の誘導が始まる。親が付きっ切りで子の学習進度を把握出来ていれば、それはそれで良いのだが、なかなか毎日のことなのでそれを実行するとなると大変なのが実情だ。そこはシステムに任せて、時間のある時に親は確認するスタイルが取れるこの教材は効率的。
そして、一番の目玉は、「スゴイキミ!」。各々、マイキャラを作成出来るのだが、自分が作成したキャラが皆の前で表彰されるのは、なんとも得意な気持ちになるに違いない。バーチャルの世界であっても、自分のアバターが褒められれば嬉しいものだ。しかし、ここで個人情報が他の会員に公開されることはなく、また他の会員のマイキャラと交遊はできないので親の目の届かないところで学習させても安心だろう。
マイキャラは、アイカツやプリパラのように自分の好きなヘアスタイルや服装、また各講座をクリアしないとゲット出来ないアイテムもあり、新しいパーツが欲しいが為に勉強を頑張ろうという気持ちにもなって一挙両得とも言える。
前回検討していたタブレット学習は、モンスター生成など主に「男の子向け」だったのだが、夫の言う通り、今回はまさに「女の子向け」だ。アイカツゲームを毎回数百円掛けてショッピングモールで行い、またマイルームをPCで見ていた時間も減少するかもしれない。自分だけのタブレットで、スケジュール管理をしたり壁紙を変えたりとカスタマイズ出来る点も、細々したものが好きな女子には魅力的なツールだろう。
また、DSが欲しい我が子にとって魅力的だと思った点に、遊べるゲームがあるということ。課題に取り組む毎に「スター」が貯金されて、3つ貯まれば「スターアプリ」を楽しむことが出来るのだ。
勿論遊びだけではなく、楽しいゲームアプリに加え、朝日小学生新聞も読むことが出来るので、スムーズに時事問題に慣れ親しむことも出来る点は夫推し。
他社のタブレット学習との比較においてのアンケートで、電源をONしてから学習に取り掛かるまでの時間の速さがピカ一という点が親としては好感が持てる。子供は思い立った時のスイッチのオンとオフの切り替えが早く、親としてもついていかないことが多い。準備している時間が長ければ長い程、やる気もだんだん落ちてしまうもの。だからこそ、レスポンスの速さは重要で、それが満たされているスマイルゼミは、子供の学習意欲を掻き立てるポイントがいくつもあるのだ。
「DSみたい!でもこれお年玉で買うの?」
「まさか。お年玉はちゃんと自分の口座に管理しなさい。もう小学生だから、本当に欲しいもの、必要なものが出来た時に使うんだ。その時の為に取っておきなさい。」
一体夫はどうしたのだろう?なんだかんだ理由を付けて、子のお年玉を管理するのかと思ったら、まるで親らしいことを言っているではないか。私は夫のこの言葉だけで、自らもお年玉を貰ったような嬉しい気持ちになった。
夫とは価値観が違い過ぎるが、子との教育方針だけでも一致したのなら、もう少し夫婦を頑張ってみてもいいかなと思えるのだ。



- 関連記事
-