校舎裏の紫陽花にて
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今日も曇り空の一日。
朝、家族を送り出してから最低限の家事だけすると、まだ整えていない布団にそのまま潜り込む。
恒例行事ともなっているお気に入りブログ巡りをしたら、睡魔が再び襲い、11時過ぎまで眠ってしまった。
いつもは、朝一で更新しているブログもままならず、なんだか無気力。
朝の情報番組もすっかり終わって、観たいテレビも何もない。まだシンクに残っている洗い物を目覚まし代わりに片付けてから、作り置きのアイスコーヒーを飲む。
ミルクたっぷり、ガムシロも二つも入れた甘いそれを喉に流し込む。糖分が欠乏しているのか・・
ー今週も、まともに人と喋らずに終わるのか・・
窓から、向かい側の棟を何気なく眺めた。いくつもの同じ形状をした部屋が無数にあって、しかし、どこもカーテンが閉まっており、人気もない。
一瞬、この団地には自分以外誰もいないのではないかと疑う程の静けさ。しかし、実際にはどの部屋にもそれぞれの暮らしがあり、日々淡々と日常が続いているのだ。それを思うと気が遠くなった。
梅雨時になり、幼稚園児や未就園児の声も聞こえて来ない。皆、家遊びをしていたり、また児童館に行っているのかもしれなかった。
団地内に群れの存在を感じないだけ、気分はいくらか楽だった。
ふと、Yさんに手紙を出したくなった。そろそろ彼女も新しい環境に慣れて落ち着いている頃だろう。いや、彼女だから既に地元の人化しているかもしれない。
引き出しから、以前購入してそのままだったポストカードを取り出し、少し考えてから元に戻した。
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ーあじさいの写真・・
思い付いて、彼女が恐らく思い出深いであろう、小学校裏のあじさいを撮りに出掛けようと思い立った。写真をポストカードにして送るのだ。我ながらグッドアイデアだと思った。
寝起きで櫛も通していない髪をさっとまとめ、どうせ誰にも会わないのだからと適当に洗った顔にBBクリームだけを薄く塗り、後はTシャツとジーパンというラフな格好で外に出た。
思った通り昼時だったので、学校までの道中誰ともすれ違うことはなかった。首から下げた一眼レフを大袈裟に思っていたので、人気のない学校裏に到着するとほっとした。
ピンクや紫、白や青、色とりどりのあじさいにレンズを向けシャッターを切る。
写したそれをプレビューで確認すると、曇り空だからか、なんとなく暗い写真ばかり。
以前ネットで調べた、曇りでも綺麗に映るという設定に切り替えてみる。今度は良い感じだ。
学校からは、給食の時間なのだろう、何とも言えない美味しそうな香りが漂って来る。そう言えば、朝残り物を少し口に放り込んだだけで、何も食べていなかったことを思い出す。
思い出した途端、急にお腹が音を立てた。
あじさいのバッグに校舎が写り込むようなスポットを探す。あちこち位置を変え、ようやく見付けた時には既に1時過ぎだった。
誰かの為に撮ることが、こんなにも夢中にさせてくれるのかと思う。Yさんなら、きっと喜んでくれる。そういう確信があるから出来ることだった。
朝寝をし、怠惰なここ数日にうんざりしていたが、写真を撮りに出掛けたことで、少しは罪悪感らしきものも消えた。
あじさいのように、日々色が変わるような出来事などないけれど、元気が出ない時程、外に出ることで救われることもあるのだなーと綺麗なものを見ながら癒されている私がいた。
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- category: 暮らし
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- 2016/06/30