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Kさんへ

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おはようございます。

ご丁寧なメッセージ、ありがとうございました。Kさんの素敵なお人柄、文章から伝わって来ました。
私のような人間と友達になりたいと思って下さり、素直に嬉しいです。
今日の投稿は、Kさんとは無関係です。寂しい気持ちにさせてしまってごめんなさい。

このブログを立ち上げ、自分の気持ちを文章化することでスッキリする反面、ブログという誰でも読めるツールを使っていることで苦い思いをしたことも多々あり、コメント欄は基本閉じています。また、コメント返信も、基本していません。最初の頃は、お一人ずつ返信していたのですが、いつからかコメントを気にし過ぎるあまり本音を書けなくなってしまったことからです。

Kさんは2歳のお子さんがいらっしゃるのですね、可愛い盛りですね。ご主人とも仲良くされていて羨ましいです。何故か、このような陰気なブログにメッセージを下さる方々は、Kさんのような心の綺麗なキラキラした雰囲気を持つママさんも多いのです。
それが不思議で・・私も、リアルで本音を出せばまた今が変わるのかな・・と思ったり。

このブログを続けることは、今の私には呼吸をするのと同じようで。しかし、続けて行く為には、リアルとの境界線をきっちりつけなければ、家族に迷惑を掛けるとも思っています。(非常に個人的なことを書いている為)

Kさんに、このブログとは関係無く、いつかどこかの日常で出会えることを願っています。

今日はよいお天気です。Kさんはお子さんと公園ですか?都内在住でいらっしゃるので、もしかしたらすれ違っているかもしれませんね。
私も、今からふらりと一人で散歩に出る予定です。コーヒー片手にベンチに座っている人間がいたら、もしかしたら私かもしれません。

seline







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酔っ払いの戯言

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ワイン1本、奮発してワンコイン。
これで、忘れられる、日頃の鬱憤、もやもやジレンマ。安いもんだろうと言い聞かせる。

夫が帰ってこない日。残業だということで、今夜も恐らく3時過ぎの帰宅。過労死なんて心配は無い。酒臭い息で帰る夫。
ネットで同じように酒を楽しむ妻らのつぶやきに、癒される。彼女等が旨いというワインを買い、試飲する、そして泥酔。
ネットコミュニケーションなんて無い。リアルでも無い。そもそも私に誰かと密に何かを共有できるスキルは無い。
酔いが回ると、小さなことにくよくよしていた自分とおさらば出来る。ただふんわりふわふわ楽しい気分。
これが毎日続けば危ういことは、馬鹿な私にでも分かること。だから、週に1回は必ず作る禁酒日。それがあるから今馬鹿になれる。

ゆずだとか、ミスチルだとか、自分にまだ未来があった頃の懐メロを聴く。一瞬だけ、戻れるあのキラキラした日々。あの頃はまだまだ灰色だと思っていた日々。
明るい未来を信じていた日々。

「今」の意味を、分からなかったあの頃。そして、今も尚、「今」を分からずにいる。
未熟な自分。





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透明人間

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懇談会を前にしての予行練習、そのつもりでドッチボール大会の応援へ行った。厳密に言えば、応援というより観戦か。一言も声を発することが無かったのだから。
来週の懇談会は、やはり出席の方向だ。歯医者の予約も入れる寸前で受話器を置いた。留まったのだ。
逃げてばかりでは駄目だ。私は、自分なりに正しい母親になりたいのだ。それが間違っていても不器用でも、格好悪くても。その時の自分が正しいと思う母に、私はなりたい。
自分を騙して、楽な道を選ぶこと。それは後々後悔することになる。そんな後悔だらけの育児をし続けた先に何があるのだろう?
何も出来ない自分、能力が無い自分、無い無いだらけの私だからこそ、子に関しては頑張った証が欲しいのかもしれなかった。

ドッチボール大会は校庭で行われた。時間丁度に学校に到着すると、既に門から校庭への道なりは、ママ友らがずらずらと群れを成し連なっている。
私のように一人の母親もいたが、しかし校庭に入ればすぐに自分の仲間を見つけ、そちらに駆け寄り黄色い声を上げる。


ー子に集中。


自分にそう言い聞かせ、子の学年を探す。しかし、無意識に保護者の群れに目が行ってしまう。そしてやはりスネ夫ママやボスママの姿が一番に目に入る。
大嫌いな人間こそ、まるで3Dのように景色から浮き出るのは何故なのか?視界から完全に消し去りたい自分の意思とは裏腹に、真っ先に目に入ってしまうのだった。
彼女らの後ろ姿。スネ夫にボスに、素敵ママにDちゃんママやAちゃんママ。素敵ママがスネ夫ママと仲良くなったことでより一層このグループは強化なものになった。
華やかで、目立つグループ。スクールカーストでいったら、1軍というところだろうか?
一番見やすい応援席を彼女等は陣取っており、やはり私はそこに近づくことが出来なかった。そこへ、右往左往する私の目の前を颯爽と通り過ぎるスーツ姿。まいこちゃんママだった。




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一瞬、私と目が合った。私の方が、反射的に笑顔を作ったけれど、完全スルー。まるで、自分が透明人間になったのかと思う程だった。
彼女はそのまま、スネ夫ママや素敵ママらの群れに自然に入り溶け込んだ。

はっとして、子の姿を探す。
いつの間にボールに当たっていたのか?そもそも外野だったのかも分からない。しかし、詰まらなそうに外枠に立つ子の姿が自分とかぶる。
子のクラスは、1回戦で負けてしまった。子の活躍も見られないままだった。まいこちゃんママの、見下したような視線だけが目に焼き付く、そんな一日。
行かなければ良かったーとまた思ってしまう。この積み重ねは果たして意味があるのかとも。
子が帰宅し、


「ママ、なんで来なかったの?皆のママ来てたよ~」


そう言われ、言い返そうとする気も起きず、ただ力無く微笑するに終わった。




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矛盾シーソー

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今年、夫の辞令は出なかった。

ほっとした気持ちー反面、この地に再び居座ることに対しての虚無感。一体、自分はどうしたいのか? 近所でも、学校でも、家庭でも、ここだと言える安心感を持てる場が無い。やはり、パートにでも出ようか。もうしばらくは夫の転勤が無いことが分かったのだから、少しでも家計の足しーいや、自分の自由になる金を増やしておきたい。 経済力も人間力も無い今の自分、夫に捨てられたら何も無い。扶養されている弱み。吉田さんの可憐なー、しかし芯の強そうな笑顔が脳裏に浮かぶ。
求人を眺める。もうしばらくしたら、春に向けての募集が増えるかもしれない。新しい場に身を置いて、心機一転頑張ってみようと、今日は前向きな気持ち。

学校から、写真販売の知らせが来た。展示日は今日。ドッチボール大会が行われる。任意での応援が保護者に求められているが、PTA役員やボランティアをはじめ、仲良しママらの群れで和気あいあいとした中、ひとりぽつんと応援に行く勇気が持てない。 それでも、写真は欲しいので行くことにした。
本当は、行きたくない。でも、子の頑張る様子は見たい。矛盾した気持ちを抱えつつ学校へ行く。そして疲労感一杯になる。
子の姿を見る為に行くのに、他の楽しそうな保護者にばかり気を取られ、集中出来ない自分が嫌だ。誰も私のことなど気にしていないのに、なのに周囲ばかり気にする自意識過剰な自分が嫌だ。 心穏やかに、凛とした母になりたい。純粋に、子の様子を見届けられる母になりたい。
幼稚な自分から、抜け出したい。でも、出来ない。 シーソーのように、心が右に左に移動する。




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憂鬱な行事

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もうすぐ懇談会。
学期末ということもあり、この一年の振り返りと反省があるのだろうけれど、今から気が重い。
保護者に求められる「一言」。これを楽しみにしている親がいるのだろうか?
行きたくない、何か理由をつけて欠席しようか考えている。
行かなくてもいい理由をあれこれ出しては言い訳をし、自分を納得させようとする。

ー仕事などで欠席する人もいる。行かなかったところで誰も私を責めたりはしない。


ー1年生のように、欠席したところで情報に困ることはないはず。


ー6年生のように、卒業することでの教師への挨拶などもない。


それでも、本当に欠席して自宅にいることは、かなりの罪悪感。それに、放課後にある懇談会。子が学校から帰宅して、他の保護者は学校に来ているのに自分の母だけ家にいたら、おかしく思うに違いない。 ならば、忘れたふりをして歯医者の予約を入れてしまおう。とにかく、何か予定があっての欠席なら大丈夫。
懇談会が始まるまでの廊下での待機ー、誰も話す人がおらず、ただただ鳴らない携帯を眺めるだけの時間は苦痛だ。
周囲が楽し気にーすでに、もう3年生の終わりとなれば、それぞれ保護者も所属グループが出来ており、そういったものに属していない親は仕事だったりで欠席するに違いない。
宙ぶらりんの自分。
こんな時、兄弟がいたらまだ良かった。手持無沙汰で居たたまれなくなれば、もう一方の教室に行くふりも出来る。都合が悪くなれば、それを理由にバックレることだって可能だ。
そして、そんなくだらないことばかり考えている私は、小心者で最低な母親だ。





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新しい家族

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「犬、飼いたい。」


久々の、子のペット欲しい病が始まった。
以前も、ペットショップに行けば、欲しい欲しい騒いでいたのだけれど、ここに来て再熱したのは、放課後メンバーの一人が猫を飼い始めたのがきっかけとなったからだろう。
放課後メンバーについては、面子もその日によって違うのと、低学年の頃のように親の出る幕が無く、正直コミュニケーションスキルの低い私にとって、相手が子供であっても身構えてしまうふしがあるので、彼女らの家族構成まで知らぬまま。
そもそも、向こうからあれこれ話し掛けて来ることが無ければ、私はリビングでPCをしているか、キッチンで夕飯の支度をしているかなのだ。

実は、その友達も子と同じく一人っ子だそうだ。そうしたこともあり、子なりに親近感をおぼえていたのだろう。しかし、彼女は猫を飼い始めてからというものの、めっきり放課後遊びに加わらなくなったという。
子猫の世話に忙しいのだそうだ。
まだ飼いはじめなら、数か月は可愛い盛り。しかし、時が経てばまたその生活にも慣れ、何事もなかったかのように友達と遊ぶ日が来るのだと大人である私にはそう思えることであっても、子にとっては違うらしかった。


「家族が増えたんだよ、いいなー4人家族。」


ーいやいや、3人と1匹だからー


と、大人気なく訂正したい気持ちをこらえる。少なからず、罪悪感があったからだ。兄弟を作ってやれない罪悪感。やれなかったーとしなかったのは、まだ望みがあるからか。




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タブレットPCで、可愛らしいチワワやトイプードルの写真を見ている子の背中に、何と言葉を掛けたらよいか分からなかった。 ただ、


「うちは、団地だから・・無理だね。」


決まり切った台詞しか出て来なかった。
しかし、子が寝付いた頃に、私は思いもしなかった行動に出ていたのだ。
マンションや団地でも飼えるペットについて調べていた。そして、何気なく開いたペットブログの手乗り文鳥が愛らしく、これなら飼ってもよいかも?と思った。
ハムスターなども候補に上がったが、その寿命の短さを思うと自分には無理だと感じた。
文鳥を飼うなら白いのがいいなー
勝手に盛り上がり、ひとり妄想する。新しい家族を迎えるのだ。しかし、頭のどこかで分かっている、翌日になればこの高揚した気持ちはすっかり萎えているだろう。
それでも、真夜中ありとあらゆる文鳥ブログを徘徊しては、ため息をつく。小さな雛のえさを乞うその口ばしに、我が子が必死で乳首を探していた乳児の頃を思い出し、懐かしさに胸が熱くなった。




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眩しい彼女

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ひとつ、山を越えたと思ったらまたひとつ。
次から次へと、きっちりノルマのように訪れる「気が進まない、すべきこと」。
他の人にとったら、取るに足らない、隙間時間にささっとこなせるであろうこと。私にとっては、重大でプレッシャーに押しつぶされそうで、緊張感の高まること。

気が重い、とても。

ヨガ帰り?なのか、下の子とマットを運びながら、エントランスで笑い声をあげている素敵ママを見掛けた。あまりにも眩しくて、楽し気で、声を掛けるタイミングを失った。
自分とは対極にいる彼女。近付きたい半面、近付いたら苦しくなるのが分かっている。
光が際立つのは、影があるから。なんて、自分の存在意義を見出したりして。強い風、駐輪場の自転車が5台程倒れていたのを直した。
一応、誰かの役に立ったーと自負する。再び倒れているかもしれないけれど、それでも倒れ掛かった自らの心を少しだけ立ち直らせるのに必要な作業だった。




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女雛の座、妻の座

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ひな祭り。
毎年、悩まされる「ハマグリ」と「桃の花」。
ハマグリは、国産であれば数個入りで1000円もする。いくら目出度い席であったとしても、流石に購入する勇気は無い。ハマグリはあさりに、桃の花は百均の造花にしている家庭は日本にどれだけいるのだろうか?
そもそも、ひな人形を買わない家庭だってあると聞く。物や形に捉われず、ただその子の成長を喜びお祝いをする、その気持ちがあれば十分ではないか。
ハマグリは、別の貝で代用するにしても、桃の花は買ってやりたい。親の自己満足だが、ひな人形の横に桃の花を飾り、そして毎年子の成長を写真に収めるのだ。写真スタジオで撮影することを思えば安いもの。
それに、今年は二分の一成人式ー10歳になる子。それを思うと、ハマグリも奮発するべきか?と迷い始める。


「ただいまー。」


まるで、私の気持ちを汲んでいたかのように夫が桃の花を片手に帰宅して来たのだ。以心伝心ー素直に嬉しく思い、笑顔になる。


「どうしたの?」


ウキウキした声色で花を見ながら尋ねると、


「あぁ、貰った。OOにって。」




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一気に頭をガツンと殴られた気がしたのは、その送り主が吉田さんだと聞いたからだ。一気に笑顔が凍り付いた。よくよく見ると、桃の花だが可愛らしくリボンと綺麗な和紙で包装されていた。
先日のバレンタイン、結局夫が貰って来た義理チョコの中に彼女のチョコも混ざっていたのか定かではなく、そもそも夫が逆チョコを渡した可能性を考えると、これはそのお礼?とも取れた。
いやー、それにしても彼女は我が家に介入し過ぎなのでは?
たかが桃の花ー、それに、高価だからと買い渋っていたそれが手に入ったのだから喜ばしいことなのに、しかし正直気持ちは落ち込んだ。なんとなく、子のお祝いを汚されたような、複雑な心境だった。
立派な桃の花。恐らく1000円はするに違いない。それを夫から受け取り花瓶に生けた。
翌日、夫も子も出払った部屋の中、ひな人形の傍らにある桃の花を衝動的に真っ二つに折ってしまった。花に罪は無い。それでもそうするしか自分の心を静める方法が無かったのだ。
箪笥の中にある、わずかなへそくりを引っ張り出して外に出た。
貰ったそれに近い桃の花をやはり1000円弱で買う。再びそれを花瓶に生けることで、妻の座を守ったのだ。
男雛の隣に座るのは、ただ一体の女雛、それだけでいい。




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相変わらず、コミュ障

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天気が良く暖かい今日は、駅前の大きなストアーへ。春の陽気の中、じめじめ自宅の中にこもりきりなのも体に悪い気がしたのだ。
目的は、子に頼まれていた国語のノートを買いに行く、それだけ。
時間の無い主婦ならば、近くの文具店やコンビニで済ませるところだろうが、時間がたっぷり有り余っている私には、こういった所要も貴重な外出の名目になるのだ。
風が強く、すっかり肩まで伸びきった髪をひとまとめにして来なかったことを心底後悔した。しかも自転車だったので、気を抜けばハンドルを持って行かれそうになる。
子が通園していた、ある意味思い出深い幼稚園の前を通り過ぎる。今はこの門を前にしても怖くは無い。通園している頃は、恐怖でしか無かったあの扉は、そこら辺にあるありとあらゆる扉のうちの一つ。
過ぎ去ってしまえば、何てことはない、ただの過去。
それでも、現在はまた別の門が私を疎外感に陥れるのだけれど・・

ストアーに到着し、入り口にある大好きな輸入食料品店へ。この店が大好きだ。特に何か買う用が無くても、ついついあれこれと商品を手に取ってしまう。
すると、どこかで聞き覚えのある声がした。商品の影からそちらの方を見ると、Gさんだった。Gさんとは、子がスイミングに少しの間だけ通っていた時に知り合ったママだ。
唯一、私に対して態度を変えず、楽しい待ち時間をくれた人。スネ夫ママさえいなければ、まだ繋がっていたかもしれない関係。今ではぷっつりと切れてしまった関係。

彼女は制服姿だった。そう、このストアーのサービスカウンターでパートをしていたのだっけ。あの時、こちらから挨拶をせず気付かないふりでやり過ごしてしまった。今回はーと思うより早く、彼女の隣に同じ制服姿の女性がいることに気付く。
二人は小さなトートバッグー恐らく、仕事の休憩時間なのか?ーを持ち、楽し気に話しながら商品を選んでいる。いつもの様に逃げようーそう思った途端、バカな私はバッグを山積みされた缶詰にぶつけて盛大に落としてしまったのだ。




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「すみません!!」


近くにいた店員に謝り、それを拾おうとすると、


「大丈夫でしたか?」


しっかりと接客マナーを仕込まれているのだろう、エプロン姿の女性が私を気遣ってくれた。


「OOさん?」


そして、恥ずかしいところにGさんが声を掛けてくれたのだ。


「久しぶり!元気?」


「こんにちは。久しぶりですね。」


隣に彼女の知人がいたこともあり、必要以上にぎくしゃくしてしまった。それでも、声を掛けて来てくれた彼女の親しみやすさに安堵し、嬉しさから更にバカなことを口走ってしまった。


「ここで働いてらっしゃるんですね。以前、お見掛けしてー声を掛けようと思ったんですが、忙しくされていたので挨拶しそびれたんですよ。」


少しの間。その後Gさんは、


「え?そうだったの?声掛けてくれたら良かったのに。」


そう笑顔で答えてくれた。それからまた少しの間があった後、もう一度お互い笑顔で会釈してその場を離れた。
しばらく動悸が止まらなかった。


しまったー、要らないことをつい言ってしまった。嬉しかったのと沈黙が怖かったのと、また彼女の隣にいる女性の視線が気になったのとで、言わなくてもいいことを言ってしまった。 挨拶しそびれたーなんてただの言い訳。そんなことより、落ち着けばもっと他に話のネタなんてあったはず。まだスイミングに通っているのかーとか、そもそも彼女の制服姿を目にしたことで、働いているの?と何も知らないふりで問うことも出来たのに。そちらの方が、よほど自然だった。


軽いパニック状態で、自宅に戻る。髪はボサボサ。疲れ切って、とにかく心を落ち着ける為にコーヒーを飲もうとしたところで、子から頼まれていたノートを買い忘れていたことに気付き唖然とした。




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人気度ツール

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今年、子が友チョコを作ったのは10人分。放課後メンバーとあとは予備。ダンス教室を辞めたことにより、まいこちゃんらの分は無くなったので随分と負担は少ない。
板チョコを5枚ほど溶かし、それだけを固めて以前大失敗したことがあったので、生クリームも忘れない。これを入れないと、固くて食べられたものではない。
親子で百均。私達のような親子がずらりと製菓コーナーに。しかし、高学年くらいになればこういうところも友達同士で来るのだろうな、そう思うと少し寂しい。
私を頼るのも、あと数年かー

バレンタイン前の日曜に、キッチンを盛大に散らかしながらのバレンタイン大作戦。ただ溶かして混ぜて固めるだけの作業は最初のうちは楽しんでやっていた子も、単純作業に慣れてくると詰まらなくなり、しきりにあくびをしながら行う。
一番の山場ーこれこそ子がやりたがっていたデコレーションに入ると、目をキラキラ輝かせてスプレーチョコやナッツ、それにチョコペンで花を描いてみたりスマイルマークを描いてみたりと楽しそう。
予算は1000円と決めて、デコレーションン材料とラッピングを買いに行くのに付き合い、菓子作りの道具を出すまでが親の仕事。後は見守るだけ。
3年生にもなると、殆ど親の出る幕が無い。楽になったぶん、やはり寂しい。
冷蔵庫で冷やし固め、お待ちかねのラッピング。ハート模様の可愛らしいミニ袋にそれぞれ数個ずつ出来上がったチョコレートを詰めていく。タグにそれぞれ宛名と一言を添えてー
最初、おまけに消しゴムを付ける!と言っていた子。私の財布を期待していたらしいが、自分の小遣いからとたしなめたら諦めた。流石に友チョコに一人百円の消しゴムを付けるとなると、それ相応の金が要る。板チョコに生クリームの値段も入れたら、余裕で2000円以上。小学三年生の交際費には高過ぎる。




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バレンタイン当日、ウキウキしながらラッピングしたチョコを持って公園へ出掛けた子。
気にしないようにしたいけれど、この友チョコというやつは、子供の交友関係ーいわゆる人気度をはかるツールでもある。
あげた数=貰う数とも限らない。そもそも、あげる友達がいるだけまだ子は大丈夫ーそう信じたい。

帰宅し、さりげなく子が渡すチョコを入れるのに持って行った紙袋を覗く。子が作ったチョコの袋が2つ残っていた。そして、見慣れないラッピング袋が3つ。
あげた数は8つ>貰った数が3つということだ。正直、釈然としなかった。やはり、私の子だなと思った。
それでも、子が手を洗い、嬉しそうに貰ったチョコレートを開けて食べている姿をみたら、損得勘定で常に動く自分が詰まらない人間に思えた。
子が楽しければそれでいい。友チョコを作り、渡し、きゃあきゃあ言いながら食べ合ったーそれだけで十分ではないだろうか。




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甘い便り

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ポストを開けると、華やかな模様の小さな小包。私宛だ。
胸の高鳴りをそのままに包みを返すと、Yさんからなのだと知る。すぐに自宅に戻り、コートを脱ぐ時間も惜しみながら開封した。
中には、手紙と板チョコに有名喫茶店のスティックコーヒー。付箋には、「Happy♡Valentine」の文字。
手紙をじっくり読みたくなり、手を洗いうがいをし、コーヒーを入れる。Yさんから貰ったものでは無い、作り置きのコーヒーを温める。
いただいたコーヒーは、勿体ないので飲むのはだいぶ先になりそうだ。


「OOさんへー」 OOさんという宛名が、苗字ではなく下の名前にシフトしていた。再び嬉しい気持ちが心を満たす。友達だなんて図々しいことは言わないけれど、せめてママ友ー彼女にとって、私はやっとママ友になれたのかもしれないと思える、そんな喜びだった。 クリスマスにちょっとした贈り物をし、また互いに年賀状を出し合い、そして今回このような形で便りが来たのだ。
この土地で、特別な関係を築ける誰かー、ようやく見つかったその人はもう別の地にいる。それでも、こんな繋がりが出来たことが嬉しい。ここ数日の後ろ暗い気持ちがすーっと晴れて行った。
彼女の近況報告。
リハビリを兼ねて、ヨガやテニスを始めたとのことだった。Yさんらしい。すぐに行動を起こせる、アクティブさは尊敬すべきところだ。また、学校の役員に抜擢されたり週に1~2回だが、知人の店を手伝っているとのこと。
「知人」の言葉に、正直少しだけ反応してしまうところもあったが、恐らく向こうの地で出来た友人なのだろう。役員に抜擢されたことが物語る、彼女の抜群の社交性。
きっと、どこへ行っても彼女は彼女なのだ。適応出来る、人間力がある人なのだ。
それでも、彼女の病気のことが心配だった。そのことには一切触れていなかったのだが、もう完治したのだろうか?リハビリーということは、完治に向けて頑張っているということか?
聞きたい気持ちと一線を越えてはならない気持ちが交差する。もし、目の前に彼女がいたらつい聞いてしまったかもしれないが、文通という手段はこんな時便利だ。本当に伝えたいこと、聞いても良いことを冷静に判断した上でコミュニケーションが取れるのだから・・

今日も明日もこれといった予定は無いのだけれど、彼女からの手紙で返事を書く為のレターセットを購入しなくてはならないという目的が出来たことで、明日の予定が決まる。
天気が良ければ、ショッピングモールの雑貨店へ行き、春を感じさせるそれを買いに行くのだ。何か、プレゼントも添えて。
すぐの返事では無く、ホワイトデー近辺に送ろう。それまでゆっくり、彼女に向けての言葉をあれこれ心の中に書き溜めるのだ。





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空振りカラス

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あの親子に会えるかもー


クサクサとした気分から抜け出したくて、例の隣町の公園まで行った。他人の役に立ちたかった。
あの日、久しぶりの感覚だったのだ。誰かに頼られているという、嬉しくてくすぐったい感覚。
冬場であっても、お天気の日中は日差しが暖かく、上着こそいるものの心地良い。ベンチに腰掛け、トートバッグから水筒を取り出し、自家製カフェオレを一口啜る。
持参して来たのは、だいぶ前に一度読んだきりの本。パラパラ捲り、しかし意識は公園の噴水付近。小さな親子連れが散歩をしている。しかし、先日の親子では無い。やはり、一期一会なのか・・・
少々がっかりした気持ちになりながらも気を取り直し、本に目を落とす。しかし内容は全く入って来なくなった。何故なら、例の親子が目に入ったから。


ーあ!


遠目だが、母親の方がこちらに手を挙げて笑顔を投げ掛けたように見えたので、こちらも手を挙げ会釈しながら笑顔になる。しかし、


「おはよう~!!」


背後から、先程噴水前で見掛けた親子が現れたのだ。手を振る彼女達の方に駆け寄っていく。一方、私は挙げたままの手を静かに降ろし、途端に引き攣る笑顔を真顔にゆっくりと戻して何食わぬ顔をして再び本を読むふりをした。
空振り。
久しぶりの空振りだ。彼女らは、少し離れたところでボール遊びを始めた。あちこちに転がるボールを蹴ったり投げたり。こちらに転がってくるのも時間の問題だった。
気付かれる前に、さっさと本をバッグに戻し、速足でその場を立ち去る。
役になんて立ってはいなかった。単なる私の思い過ごしーまるで都合の良い。

ここまで来ると、どう頑張っても自分という人間は人を寄せ付けない何かがあるのではと思ってしまう。それなのに、中途半端に人が好きだからたちが悪い。人嫌いになれたらどんなに楽か。
空を見上げる。一匹のカラスが木の枝に止まり、カーカー鳴いていた。泣いているように見えたのは、センチメンタルではない、カラスと自分が重なったからだった。





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今日の料理

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欠陥商品

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素敵ママからメールが来た。
実は先日、子供会で豆まきのイベントがあり、その手伝いの打診があったのだがスルーした。なのでメールを開くのに気が引けつつ、しかし添付写真があったのでまずはそちらを開いてみた。 鬼に扮した、役員の父親?に向かって豆を投げつける子の姿がそこにあった。何となくほっとしてメールを開く。


ーこんにちは。先日の節分イベントの写真を送ります♪OOちゃん、1年生の面倒をちゃんと見てくれて、お姉さんみたいだったよ。近いうちにまたイベントを企画しているので、都合が付いたら参加してくれると嬉しいです。今回は、殆どの父兄が参加して盛り上がりました^^ー


なんてことはない内容。しかし、この短文は私を打ちのめすのに十分なものだった。
まず、子が1年生だけと相変わらず絡んでいる事実。同学年のご近所の中に入れない状況は改善していないという点。放課後メンバーがいるのだから良しと思いつつ、それでもこのまま子供会に参加させる意義があるのか頭を悩ます。本人が辞めたいと言っている訳ではないので静観しているけれども・・
二点目は、お姉さんみたいという言葉。一人っ子で寂しい子が、お姉さん風を吹かせている。兄弟がいない分、こういった場で疑似兄弟体験を楽しんでいるのかと思うと胸が痛い。
そして、三点目。子供達の父兄殆どが参加していたーということ。この日、実際夫も珍しく仕事休みだった。何となくだが声を掛けたのだけれど、スマホばかり触って私の話など耳に入らない様だった。




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「ちょっとだけでも、顔出してみる?」


「はぁ?もう3年生なんだから、子供だけで十分だろ。過保護過ぎ。」


その言葉に、私も甘えてしまった。父兄は参加ーというよりもお手伝い要員で声を掛けられているのだが、そのことは夫に伏せたままだった。それが知れたとして、結局夫は不参加で、私だけ行くよう言われるに違いなかった。 実際、子が帰宅して、


「なんでママ来なかったの~?皆のママとか来てたよ。家にいるのに、何で来なかったの?」


と責められたのが、運よく夫が外出中だったことで事なきを得た。
何度か欠席が続くと、出席し辛い。誰も私のことなど注目していなのだろうけれど、それでも欠席続きの出席は気が重い。学生時代もそうだった。風邪で数日休んだ後の教室は、何となく入り辛く足が重かった記憶がある。 子供の為にー、そう言い聞かせて頑張ることに疲れてしまった。近所付き合いも最低限で良いのでは?と思い始めている。
それでも、大勢が出席している中でー、しかも楽しんでいる彼らからしたら、私のような陰気な存在は異様で、子を持つ母像としては欠陥商品にうつるのだろうと思う。




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ママ友ランチ

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引っ越し前のママ友と会って来た。今回こそー何とか実現したランチ。会えた嬉しさよりも、任務を果たしてほっとした気持ちの方が大きかった。
久しぶりの新宿。ここしばらくの悶々とした気分を晴らす程のお出掛け日和。

ミロード前で待ち合わせ。ランチはデリ3種とメイン、それにサラダとドリンクが選べる店。私はかぼちゃのサラダにいんげんのアーリオ・オリオ、それになすとベーコンのバルサミコ和えをチョイス。 メインにブロッコリーとチキンのマスタードクリームソテー、それにバケット。食後にホットコーヒーを頼んだ。
こんなに豪勢なランチはどれくらいぶりだろう。1500円でお釣りが来る程度の価格であっても、私にとっては贅沢だ。しかし、こうしてリラックスして話せる数少ない友人との時間は、何物にも代えがたいものだった。
妊婦姿の彼女は、もう9か月だというのに思ったより腹が膨らんでおらず、むしろ綺麗に垢抜けていた。内側から滲み出ている幸福感というものだろうか、肌艶も美しかった。 お互いいつものように近況報告ー、楽しいひと時。


「仕事はどう?」


「それがね・・なんだかやる気を無くしちゃって。この子妊娠してから、何だか今までの仕事に対するガツガツ感がすーっと消えたっていうか。」


妊娠し、体が変化することーそれにつれて心も変化することは私にも経験がある。しかし、彼女は初産ではなく3人目の母だ。経験値のある彼女だが、それでも毎回お腹の子によって違うのだろう。
あんなに自営で頑張って、軌道にも乗っている仕事をぽーんと放り出せることが清々しく、そしてそんな風に出来る自信が羨ましかった。
安心出来る後ろ盾ー家族があるということ、少しくらいのブランクをものともしない実績があるということ。
一旦、仕事から離れた彼女は、夫婦関係も上手くいっているようだった。




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ランチを終え、ぷらぷらとウィンドーショッピングをした。雑貨や子供服など。以前、蚤の市に行った時のような買い物もせずに殆ど見ているだけの彼女。


「物欲もね、なんだか無くなっちゃって。」


それに対し、私は財布のひもが許すのであれば、あれもこれも欲しかった。しかし、値札を目にするとそれは叶わず、欲しいという欲求は消化されないままモヤモヤと体の中に残る。
飴色のプレートや、洒落たステンレスボトル、上質なネイビーのダッフルコートやモヘアの真っ白な子供ワンピース、欲望だらけの私は満たされない何かを常に抱えているのだ。
幸福感一杯の彼女は、もう何も求めておらず、あるがままの今に満足しているようだった。
会話はなんとなく途切れ途切れになり、お喋りな彼女が今の今まで仕事の話ばかりだったのだと思い出す。熱中していたそれから離れた今、私に何かを話したい欲求は前程ないように思えた。
そして、私は相変わらず空っぽの中身が薄い人間だから、話題提供もすぐに底をつき、二件目のお茶ーというタイミングもなく、まだ3時半だというのに別れることとなった。
微妙な間の後、


「じゃあ、またね。」


どちらからともなく切り出した言葉。お茶でもーと誘われなかったことに落胆し、しかしなぜだかほっとした。
乗る鉄道が違うこともあり、改札に入ろうとしてまた戻る。一人、ウロウロと立ち並ぶ店に入っては出るを繰り返し、気が付くと辺りはすっかり暗くなっていた。
子にプリンの土産を買い、すっかり疲れ切った足取りで再び改札を潜り抜けた。




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浮つく音色

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ここ毎晩、残業といいながらも酒臭い息で帰宅する夫。きまってライン音をピコピコさせながら、シャワーを浴び着替え、歯磨きをしつつ寝床に入る日々。
夫婦の会話はゼロ。こちらから話し掛けることもなければ向こうからも無い。以前遅かった時、


「お酒、飲んできた?」


嫌味では無いが、会話の糸口として投げ掛けた質問が彼を苛つかせたからだ。


「残業っていっても、酒の席でする仕事だってあるんだよ。家にばっかりいるあなたには分からないだろうけど。」


急に不機嫌になった。なので、当たらず触らず。それでも昨夜はだいぶ酔っていたらしく、またスマホを風呂場に持ち忘れたようで、ダイニングテーブルの上に置きっぱなし。
風呂場からは、シャワーの音。そういえば最近、酔いつぶれて帰宅しても雄叫びが無いのは、やはり意識が他にいっているからか?


ーピンポンー




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連続して鳴るライン音。風呂場からはまだシャワーの音がするのを確認し、音の鳴る方に目を向ける。


ー今日はありがとう、美味しい店に美味しいお酒で幸せだった。それに、達成おめでとう!ー


すぐに吉田さんからのラインなのだと分かった。名前は記載されていなかったが、YOSHI-という文字が絡めてあったから。
続けざまに、


ーやっぱり地道にやってきた甲斐があったね!-


ー今度、お祝いさせて~今度は私がいい店探しておく!-


頭がクラクラした。これだけで、一対一の飲みだったのかは分からないし、他のメンバーも一緒だった可能性だってある。それでもその親しげなライン、それに何だか分からないけれど、夫が仕事上何か成果を上げたことを労うその言葉に、何とも言えない感情を抱いた。
鼻歌交じりに夫が風呂の扉を開ける音がし、急いで食器棚からグラスを取り出し水を注ぐ。そのタイミングで夫がタオルを髪に当てながら部屋に入って来た。
私に目を向けるでも話し掛けるでもなく、即座にテーブルの上にあるスマホに手を伸ばす。そこに私の存在は無かった。同じ屋根の下にいるのに、夫の心は電波を辿りどこへ向かうのか?
夫がスマホをいじると、すぐにまたライン音が復活する。それを聞いているうちに涙が込み上げてきたのでトイレに駆け込んだ。
このぽっかり空いた心の隙間は、どうやったら埋まるのだろう?
そもそも、彼女がどうのこうのの前から私達夫婦の関係は冷めきっていたはずなのに、どうしてこんなに胸が苦しいのだろう?いつか捨てられるかもしれない不安感から? 自分でも分からない、処理しきれない感情が駆け巡る。私が泣いていることを夫は知らない。一生、知らぬままなのだと思う。




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ひとりぼっちは恥ずかしくない

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端的に言うと、クラスの中に仲良くしたい子がいるのだけれど、その子は特別に「シンユウ」がいるらしく近づけないと言う。
あぁ、この感じ・・・これはまだまだ序章で、この先何十年、母親になっても続くのだよなんて、子を絶望させるような気がして言えなかった。
そして私と同様に、その中に割って入るだけのコミュニケーション能力が彼女にも無く、ただただ自分の身を引くことで自らを傷付けないようにするしかなす術はなかったのだろう。
それでも以前の子ならば、すぐに代打案を見つけー、例えば他のグループと仲良くするだとか男子生徒と遊ぶだとかしていたのだろうけれど、ただただ一人で休み時間絵でも描いているのだろうか?
子の口からは、色々な子と遊んでいるというだけで名前が出て来なかったのが気がかりだった。ほろ酔いであっても、それ以上首を突っ込むのはやめにしろと、理性あるもう一人の私が訴えていたのだ。
登校出来ている、食事も取れている、睡眠も取れているし放課後も時々だが遊ぶ友達がちゃんといる。それでいいじゃないかー子にだって知られたくないことがあるのだ。


「ママはね、小学校の頃ちょっと友達とうまくいかなくって、一人で休み時間いたことあったよ。勿論、他のグループに入れて貰える時もあったけど、毎回じゃなかったから寂しくってね。図書室にしばらく通ってたんだ。」


聞かれてもないけれど、ママが子供時代を楽しく過ごしていただけではないという事実を子に知って欲しかった。ママにだって学校に行きたくない時期があったのだという事実。それは今現在も続いているのだけれどそれは言葉にせずに胸に仕舞う。
それでも、子はその話に興味を持ったらしく、根掘り葉掘り聞いてきた。いじめられていたことも話そうか迷ったけれど、子はまだそうなった訳じゃない。変に被害妄想を持たせるのは良くないと思い、やんわりと伝えたのは、「学校で一人であることは恥ずかしいことではない」ということ。
私は、ママ友関係も子供時代も順風満帆に見えた実母に、結局のところそういったことを相談出来ない学生時代を過ごしたから。もしもあの頃に戻れるとして、母も同じように辛い経験をしたことがあったのだと知っていたら、そこから解決方法を求めるというより、ただただ共感ー、一人ではないという安心感を欲しかったのだと今の私なら思えた。
私の想いが子に届けば良いのだけれど・・「ひとりぼっちは恥ずかしいことではない」、表向きのー、自分がそう思えないのに子にそれを思わせることの難しさ、まだまだ課題は多い子育てだ。




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酔った勢い

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雨の休日、暇を持て余す子。相変わらずDSをしている背中に一言言いたくなる気持ちをぐっと抑え、


「ランチはピザにでもしよっか。」


小言の代わりに提案をした。
ピザが好きな子はすぐに飛びつく。冷凍コーナーで半額だった賞味期限まじかのピザ。具が殆ど乗っていないそれに、冷蔵庫に半端に残っているウインナーやコーンなどを乗せる。
私は、それとなく学校生活のあれこれを聞く。


「うん、別に普通。」


普通という曖昧な答えにがっかりする。早くも反抗期だろうか?いや、反抗期なら並んでピザのトッピングなんてしやしない。それでも、女の子を持つ母は、「娘との会話」が楽しくなる時期だというのに・・とネットで見聞きした情報を鵜呑みにする私は思う。
オーブンからチーズの焼けた香ばしい匂いがし始めると、何となく戸棚の奥にしまってある買い置きワインに手が伸びた。昼間からーと思う気持ちと、休日なのだからという甘えた気持ちがせめぎ合う。
意思の弱い私は、それでも子に夫が仕事中の真昼間からワインを飲んでいるとは知られたくなく、透明ではない湯呑茶碗にそれを注ぎ、なんともない顔をするのだ。
子の目を盗み、ちょいちょい湯呑にワインを注ぎ、5杯目くらいいったところで子に絡む自分がいた。


「クラスで仲良しとかいないの?休み時間は何しているの?」


「・・・・」


「ママ、OOがどんな風に学校生活送ってるか知りたいの。楽しいのか楽しくないのか。普通って答えじゃなくって。」


「ママは、学校にあまり来ない癖に、OOのこと知りたいの?」


一気に酔いが覚めたーそんな感覚だった。核心をズバッと突かれたからだった。黙々とピザを口に運ぶ子の顔がかすんだ。気が付くと、涙を流していたのだ。
子が何気なくこちらを見て、驚きの表情を見せた。


「え?ママ、泣いてる?」


顔を隠すより先に、子に気付かれてしまった。


「OOは、ママに何も話してくれなくなって寂しいよ。ゲームばっかで友達ばっかで、ママの目を見てあんまり話してくれない。」


まるで、子供だった。いやー、冷たい恋人にすがる女のようだった。しかし、子は母の涙に罪悪感をおぼえたのか、ぽつりぽつりと自分の今を語り始めた。




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今日の料理

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泡と共に去りぬ

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夫のスマホから、昼夜問わず鳴るライン音が鬱陶しい。ピンポンと鳴る度に、喜々とした表情でにやつきながら操作する背中を見ていると、何とも言えない気持ちになる。
相手は吉田さんだろうか?風呂場やトイレにまでも持っていくスマホー私も依存気味だけれど、夫のように肌身離さずというまでも無い。
冬になり、休みの度にツーリングということは無くなったものの、それでも先日のホームパーティーでの彼らの親密さは、まるで学生ノリのようでもあり、少なからずそういった「仲間」を持つ夫に対しての嫉妬心が私をこうも苛つかせるのだろうというのは自己分析の結果だ。

主婦は孤独だ。
それぞれの居場所ー夫は職場に、子は学校へと、朝は特にこれといった会話も無く出された食事を食べ洋服を着て、バタバタと自宅を後にする彼らを見送った後、果てしない「静」の中に放り込まれる。
ダイニングテーブルの上には、目玉焼きとソースの混じった液体がべったり付着した皿や、相変わらず一口分だけ米を残した茶碗、飲み掛けのコーヒーが入ったカップなどが雑然と置かれている。
私は何も考えないようにーと、それらをシンクに運び、テーブルを拭き、そしてスポンジに控えめに垂らした洗剤をたっぷりの水で泡立て、黙々と洗うのだ。
納豆を入れていた小鉢を、意識して最後に洗うことは忘れない。どんなに頭を空っぽにしても、主婦である私からは逃れられないのだ。

ふと、吉田さんのご主人はどんな人なのかと興味が湧く。妻を自由に出歩かせ、貴重な休日に男だらけの集まりに参加することを許す寛大さは、もしかしたら無関心さなのかと思う。
彼女もまた、寂しい人間なのかもしれない。それを隠すように、あっけらかんと明るく振る舞っているのかもしれないと妄想する。
それでも、彼女は私とは正反対の人間だ。夫にあんな顔をさせる女性。安いドラマでよく聞くような台詞、


「プラトニック程、罪だ。」


つい、声に出してつぶやいた。つぶやきはそのまま、シンクを通り、泡と共に排水溝に流れて行った。




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足代わり

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運転免許の無い私だが、駐輪場に行くまでに団地専用駐車場を通るので、嫌でもそれは目に入ってしまう。
数年ここで暮らしていれば、素敵ママやお隣さんの車種も覚えてしまった。そして、寒くなって来たこともあり、彼女らは自転車やベビーカーよりも車移動をすることが多くなったようで、私が買い物に出る頃にはいつでも車が出払っている状態だ。
相変わらず、アクティブな素敵ママ。そういえば、最近会っていない。子供会絡みの行事には何かと理由を付けて参加せずにいるこの頃なので、バッタリ会う機会でもない限り、彼女と立ち話することも少なくなっていた。
寂しいーと思うのは私だけ。友人知人が多い彼女にとって、私の存在なんて無いに等しいだろうし、思い出すのは偶然出会った時だと思う。このまま永久に会わなかったら、私という人間がいたことすら思い出すことは無いのかもしれない。

朝、ゴミ出しの時にあった彼女の車が昼には無い。丁度ランチタイムということもあり、誰かと楽しくランチからのお茶でもしているのかもしれない。
私が家から外に出るのは、買い物くらい。子の習い事も無くなった今となっては、本当に引きこもりになってしまった。図書館も、あの憎らしいスネ夫ママとボスママらがバイトをしているのに出くわしてからめっきり通わなくなってしまった。
ふらふらと街中を散歩していたのも秋口まで。寒さが厳しくなってからは更に出不精に磨きがかかる。

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車の運転が出来ていたら、寒くてもなんでももう少し行動範囲は広がっただろうと思う。自転車に乗るように、運転出来たら。素敵ママらの車使用頻度を見ていると、恐らく気軽に足代わりとしてそれを使っているのだろうと思う。
気の弱そうなママさんでも、大きいファミリーカーを運転していると、それだけで恰好良く見える。頼もしく見えるのだ。運転出来ない私だから、過剰にそう思えるのかもしれないけれど。
免許については、結婚後、取得してみようと思い調べたことがある。しかし、何十万という費用が掛かること、それに昨今の自動車事故をニュースで目にする度に、今更危険を買って出ることも無いのではと思い直すのだった。

もし、私が免許を持っていたらー、素敵ママらのようにいつでも駐車場は空車だろうか?それとも常に車がある状態だろうか?無駄な妄想をする。
自転車に乗るように運転出来たのならー、今頃思い立って、冬の海辺をドライブしていたかもしれない。




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生涯の趣味

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寒さは、引きこもり生活に拍車を掛ける。夫と子を見送れば、後は自由時間。
しかし、それで良いのかーもっと建設的なことに時間を使うべきではないかと自問自答するが、結局はいつものように最低限の家事をして終わる日々。
子が小学生になれば、宿題なども時々見るけれど、手の掛かる時期は過ぎてしまった。
暇だから、あれこれどうしようもないことを考えてしまう。こんな時、趣味があればまた違うのかもしれない。
楽器を弾いたり、運動をしたり。出来れば、一人では出来ない趣味ーそれがあったら、人生違うかもしれない。まだ右も左も分からない幼少期から、親が何かひとつでも一生の生きがいになるような習い事をさせてくれていたら、また違った人生だったのかもしれないーと、他力本願の私は思う。自我が芽生えた、しかももう手遅れな高学年から、思い出したようにピアノを習わされたのは、正直苦痛でしか無かった。自分よりも5つも6つも年下の子供達が、スラスラと何冊も先の楽譜を弾いているのを見るのは、自尊心が傷付けられる、そんな思いだった。






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先日、夫からの小言があったばかりだというのに、放課後、友達と約束をしない時はだらだらおやつを食べ、DSをし、録画したアニメを見たり漫画本を読む日々の我が子。
このままだと、私と同じような人生を歩むことになる。何かを習うこと、技術を習得すること、体感すること、そして出来れば誰かとそれを共有し高めあうことが出来たら・・・
3年生も終わりに近づき、焦りを覚えている。Z会は順調に進められているし、むしろ親の出番が無いくらい。
こんなことなら、まいこちゃん云々関係無く、ずっと続けていたダンスを辞めさせなければ良かった。
子の自発性を待つことも、親のエゴなのかもしれない。




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