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痛い質問

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夏休みに入れば、やたら目につく親子グループ。
ショッピングモールや図書館、プールやファミレス、それに映画館。どこもかしこも、平日は親子連れでごった返す。
なんとなく、子と二人きりだと居心地悪く感じてしまう。たまに、純粋な親子連れに見えても、実は子供が4人もいたりして騒がしい。
Eちゃんのように、我が子と同じ家族構成であったとしても、がっつりママ共付き合いをしていれば寂しさを感じないのだろう。
子ども会の集まりで、耳に入ってしまったキャンプの話やお泊り会の話・・母親同士も気心知れているから、預けたり預けられたリも気兼ねなく出来るのだろう。
我が家では、あり得ない話だ。誘われもしないし、また誘えるような相手もいない。
私一人なら、丸一日家に引きこもっていることはさほど苦にならないのだが、午前中に勉強やピアノを終わらせて暇を持て余している子を目にすると、何となく申し訳ない気分になる。 なので、ぶらっと外に出る。そして、上記のようなグループを目にして更に落ち込むのだ。

園時代、お迎えの園庭で、親同士が約束を取り付けていた居たたまれなさ。あれを思い出す。まだ何も知らずにいた子は、親同士の付き合いなんて関係無く、何故自分だけお友達の家に誘われないのか、純粋に疑問に思っていただろう。 そして、率直に聞かれたとしても、何とかそれらしい理由を付ければ言いくるめることが出来た。
それが今ではー、何となく母親の状況を察しているのが分かる。だからこそ、はっきり面と向かっては言わないが、何かの拍子に反抗的になれば、その断片が垣間見えてしまうのだ。


「ママ、子ども会の時に、なんで他のお母さんと話さないの?」


最近子に投げ掛けられた、きつい質問。それに、私はきちんと答えることが出来ず、揚げ物をして忙しい風を装って聞こえない振りをした。
この質問は、子ども会絡みの話を二人でしている中で出て来たわけではない。子に、自由研究のテーマをちゃんと自分なりに調べているのか聞いた時だった。子にとって、その質問はうざったかったのだろう。 互いに、痛い質問をし合う。なんだか辛い。


「ママ、友達いないんだ。」


なんて、笑って返せるくらいの肝っ玉母さんになりたい。




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偽セレブ母

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実家へ行って来た。
久々ということもあり、また実母なりに思う部分があったのかもしれないけれど、子の為にご馳走ー寿司や鰻、スイーツが用意してあり、またプレゼントも。
子は、例年まともに鰻を食べたことがなく、あったとしてもちくわのかば焼き。


「鰻って美味しい!!」


実母の用意したそれを、一気にぺろりと平らげた。


「OOは、鰻をあんまり食べないの?」


「うん、初めて。」


「え?ママ、買ってくれないの?」


途端に空気が悪くなる。そして、私に向かって、


「子供のうちからちゃんとしたものを与えないと駄目よ。もう10歳になるっていうのに鰻も知らないなんて、驚いた。ケチケチして、貧乏臭い。」


「違うって、OOは鰻あんまり好きじゃなかったし、うちの人も嫌いなのよ。」


どうでもいい嘘。夫はやれ接待やランチで、この時期何千円もする高価なうな重を食べている。私は限られた予算ーと、実際スーパーなどで2000円前後のそれを見ると、どうしても買い物かごに入れる勇気が出ない。


「私はね、もう何か月前から注文してるわよ。この鰻だって、そこら辺のスーパーのもんじゃないからね。老舗の鰻だから安くは無いわ。でも、中国産とかありえないし、国産でも安い鰻はやっぱり美味しくないわよ。」


セレブ気取りの発言にげんなりする。本当に金があってそれなら納得出来るけれど、娘の微々たる仕送りもアテにしている分際でよくもそんな大きな口が叩けるものかと、我が母ながら情けない思いだ。


「この出前のお寿司も、回るお店のものじゃないからね。」




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暗に、金を掛けてることをアピールされ、箸をつける気が失せる。恩着せがましく言われれば言われる程、早々にこの場から引き上げたい気持ちになる。
しかし、子は美味しいを連発し、確かに我が家で食べる普通の食事の時よりも食べっぷりは良く、子供でもやはり旨いものは分かるのだ。そして、子の母としては、こんな時くらい高価なものを食べさせてやりたいと思う。
義両親宅に行けば、またそれなりに旨いものは食べられるけれど、従姉妹がわんさかいる中で子は、食べることよりも遊ぶことを優先しがちだ。なので、従姉妹がない実家の方が、食事に専念出来るのだった。


「ふー!お腹一杯!」


「アイスもあるのよ。31のアイスケーキ。」


これでもかというくらい贅沢な食事。しかし、ここで掛かったであろう費用を頭の中で算段する。1万は置いていかないとー多く持って来て良かったと胸を撫で下ろす。
手土産よりも、現金の方が喜ばれる。それを、親が年老いた最近ではより実感する。


帰り際、さり気無くポチ袋を差し出す。


「あら。いいのよ!」


そう言いながらも、もうひと押しすれば素直にそれを受け取ることを私は知っている。


「悪いわね。」


娘としての義務を果たしたー、夏休み前半に、やらなければならないことリストの一つを片付け、何となく肩の荷が降りた。




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親子セット

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夏休みに入り、子ども会の集まりは「親子セット」となった。子がいることで気が紛れるかと期待したが、決してそんなことはなく、むしろ居たたまれなさは二倍。
他の親子が和気あいあいと活動しているのに対し、私達親子は小さくまとまる。子がたまに一緒に下校しているという、頼みの綱であったひとつ下の学年の女の子は、残念ながら帰省してしまい、夏休みの間にある子ども会にはすべて欠席。 我が子にまで、私のツキの無さが伝染しているような気がして、悲しくなった。
低学年ならまだしも、それより上の学年の子供達は、親にべったりなんてことはなく、友達同士で固まって作業を始める。しかし、声を掛け合う仲間がいない子は、私の隣でひっそりと作業をするしかない。 AちゃんやDちゃんらは、うるさいくらいに盛り上がっていた。お祭りの準備は、その殆どは親がお膳立てをし、子供達は言われたことをやったり作ったりするだけ。
なので、大方遊びに来ているようなものだ。
群れているのは女の子だけかと思いきや、男の子も仲良しで固まっている。素敵ママの子はTHE・体育会系男子の群れに。母親が中心にいるようだと、息子もそうなるのだろう。
スポーツが出来て、活発で明るい性格の彼は、友達も多い。
隅っこの方には、のんびりした運動が苦手そうな男の子数人。でも、気心知れた仲間同士で楽しそう。
こう見ると、女の子達は、大人し目の子がいない。どの子もキツそうで、我が子と気が合いそうも無かった。


「お花、作り終わった。」


黙々と作業し終えた子が、私に次の作業を催促する。しかし、あくまでもお手伝いのポジションにいる私は、何をどうすれば良いか分からない。この場を仕切ってる素敵ママやEちゃんママに聞くしかないが、何やら内輪話で盛り上がっており、質問しに行く勇気が出ない。


「ねえ、聞きに行かないの?」


子の催促。




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「OOが聞いて来て。もう4年生なんだから。」


もう40過ぎの大人である私は、子に面倒ごとを押し付けた。


「じゃあ、いいや。待ってる。」


「・・・・・」


受動的ー、子は、段々私の嫌な部分を引き継いでいる。親の背中を見て育つとは、よく言ったものだ。
視界の端で、素敵ママが一人になったのを確認してから、素早く彼女の傍に寄り、


「お花作り、終わったんだけど、次に何すればいいかな?」


「ありがとう。じゃあ、団扇作り頼んでもいい?材料渡すね。」


材料を受け取り席に戻ると、子はそこにいなかった。見回すと、先程の男子グループー穏やかな方のーと楽し気に会話をしている。子が居なくなれば、独りぼっちになってしまう。
一緒に作業をしようと声を掛けようとし、しかし、思い留まる。
子は子で、その場に馴染もうと必死なのかもしれない。それを、親の私が邪魔するだなんて以ての外だ。

小さなテーブルだけれど、さっきまで子と二人だったからそれ程寂しさを感じずに済んだのだが、一人になると途端に孤独感に飲まれそうになる。しかし、材料を広げれば、人はいなくても「やるべきこと」があることで、少しだけ居心地の悪さは緩和された。 あちこちから、楽し気な会話が聞こえる。その中で、一人黙って作業をすることは本当に孤独だ。それでも、遠くから我が子の笑い声が聞こえれば素直に嬉しく、詰まらない考えを振り切り、作業に没頭することが出来そうだった。




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ひんやりおやつ

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夏休みに入り、毎日毎日暑い。 子は最初こそ、宿題を7月中に終わらせる宣言をしていたが、もう諦めたのか日中はゴロゴロテレビ鑑賞をするようになった。
それでも、ピアノを習い始めたことで、無駄な時間は減りつつある。ゲームの類もすることが少なくなった。
夏休みの宿題の山は、やはり自由研究。結局、親も悩まされる。つい、後回しにしてドリルやプリントなど、取り掛かりやすいものから始めるのが例年のことで今年も例外では無い。

一日、何も予定が無ければ、宿題やピアノをしても時間は余る。なので、子に少しお菓子作りや料理を教えようと思い始めた。
まず手始めに、夏のおやつ作り。こう暑いと、オーブンを使う気にはなれず、ひんやりした物ーゼリーを作ろうと声を掛けた。子は、すぐに乗り気になり、スーパーにゼラチンだけ買いに行き、冷蔵庫にあるジュースなどに缶詰の果物を入れて即席ゼリーを作ることにした。 冷蔵庫に入れて3時間は冷やし固めるのに必要なので、3時のおやつから逆算すれば、昼前に作らなければならない。
しかし、ただジュースと砂糖を小鍋に入れて、ふやかしたゼラチンを混ぜたら容器に入れればいいだけなので、とても簡単。そして、手作り感を味わえる。

そして、私は自分用に、余ったアイスコーヒーでコーヒーゼリーを作った。これが本当に美味だった。砂糖の量は、市販のと違い、自分で調整出来るのもいい。売られているものは、大抵甘過ぎる。
友達と、夏休みに一切遊ぶ約束をしていなそうな子に不安はあるけれど、こうしてべったり親子の時間を過ごせる今を大事に、そして楽しもうと思う。




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今日の料理

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ひとりごちる

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自分が変われば、相手も変わる。
分かっているのに、変われない。
無理して、いっとき変わっても、どこかでひずみが出て来るんだ。
ありのままでいたら、ひとりぼっち。
頑張り過ぎたら、悪目立ち。
いい加減って難しい。
ぬか喜びって、消耗する。
期待するから、擦り切れる。
なんとかなるさ、は、なんともならない。
行動しなけりゃ、始まりもしない。




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様子伺い

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実母と必要以外は連絡を取らなくなり、肩の荷が降りた。それでも、夏休みに入れば、僅かながらのプレッシャーだ。孫を見せに行かねばーと。
子も、キャンプ以外は特に予定が無く、しかし、クラスメイトやご近所がどこかに行くという噂を小耳に挟む。


「OOさん、明日から北海道に行くんだって。ばあばに会いに。」


終業式の日、早速私に報告して来た。
程よい距離というのは、案外思い切って遠方なのかもしれない。年に1~2回程度、飛行機代も掛かるし休みも取れないから仕方が無いー双方が諦めのつく頻度。
近ければ、顔を見せない薄情な娘に成り下がる。また、ここぞという時に手伝いに来てくれない冷酷な母にも思う。互いに、息が詰まる距離感。


「うちは、いつ行くの?」


子にとっては、優しいじいじとばあば。他と比べようも無いし、夫の実家では孫が何人もいるうちの一人。私の実家では、唯一の孫。それを子は分かっているのだ。
実母は、子にというよりも、夫や夫の両親に対抗するかのように、子にあれこれプレゼントする。私の仕送りを使ってだが、そんなことつゆ知らずの子にとっては、何でも買ってくれる甘いばあばなのだ。 のらりくらり交わしていたら、


「もしもし、ばあば?」


子が、勝手に電話をしていて腰を抜かした。叱る前に、子が受話器を私に手渡して来た。気が重いけれど、仕方なくそれを手にした。


「あぁ、もしもし?元気!?」


まるで、何事も無かったかのような、妙に溌剌としたテンションに、こちらは戸惑う。もう、以前のことは「無かったこと」に彼女の中ではなっている。私にとっては、一生消えない傷だというのに・・ 親子だから、娘をサンドバックにすることは許されると思っているのだろうか。


「まあ。お父さんは?」


取り敢えず、体調が安定していない父の様子を探る。寝たり起きたりの繰り返し。聞いた私が馬鹿だけれど、それからは愚痴のオンパレードだ。
どれくらいぶりに、共に暮らす家族以外の人間と話していないのだろう?娘ーとはいっても、母にとっては外の人間だ。出だしは、少々早口で上滑りだった口調も、慣れて来るに従って流暢になる。 そして、流れで会いに行くことになってしまった。勿論、夫のいない平日に。




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くじけ気味

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段々、気が進まなくなって来たボランティア活動へ行って来た。
最初にあった期待は、回数が進むにつれしぼんで行く。やはり、私は私なのだ。

親切な相良さん達。彼女達と同じグループになったことは幸運だったのに、私はそのチャンスを生かし切れていない。
今一歩、踏み込めないのだ。様子を窺っているうちに、人当たりの良い彼女達の回りには、常に誰かがいるようになり、私はそこに入って行けずポツンとなる。
昨日の活動では、グループ単位ではなく皆で行うものだったのだが、椅子とテーブルがなくだだっ広い部屋の中、所在なく突っ立っている時間は永遠にも感じられた。
同世代女性グループは、一段と声が大きく、常にどこかで集合してからこの場に来るようで、ガヤガヤ連なってる様は、群れる魚のよう。
隅っこで、一人スマホを見ている男性もいるが、男性だからなのか落ち着き払っておりそこに寂しさなど感じさせない。
私は、皆からどう見えているのだろうか?コミュ障?だろうか。この世代の女性で、しかもこのような場に来る人間は社交性があって当たり前。なので、私のような性質の人間がそこに居ること自体、違和感を感じさせているのかもしれなかった。
相良さんと平井さんが入って来て、しかし私とは全く目が合わないうちに、女性グループの一人が大きな声で彼女達を呼び、その輪に自然と入って行く。


ーもう、辞めようかな。


敬語ママに果たしてそこまで義理を果たす必要性も感じないしー、なんだか疲れるだけで嫌になってしまった。
友達作りの場ではないーそう言い聞かせながらも、どこかで期待していた分、それが叶わないとなると途端に嫌気が差してきた。
夏休みに入り、子がいることでこの活動も一旦お休み。時間があるのでじっくり今後のことを考えようと思う。




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女どもの鬱憤

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子供会の打ち合わせ。
前回、発言出来ないまま終わったこともあり、ギリギリまでドタキャンしたい気持ちと戦った。
しかし、外は晴天。ただでさえ引き籠ることに罪悪感を感じるのに、ズルをすれば、その気持ちは更に高まる。
子がこの暑い中、重いランドセルを背負って登校したこともあり、母として頑張るより他はなかった。

午前10時に集会所ー、打ち合わせは恐らく昼には終わるだろう。しかし、気が急いてばかりで、家事が全くはかどらない。
夫と子が家を出てからの2時間半、ただウロウロするだけで終わってしまった。かろうじて洗濯はしたものの、シンクには朝食を食べ終えたまま洗われていない食器がてんこ盛りだし、掃除機も掛けていないので、床には埃や毛があちこちに散乱している。 洗面台は、夫が使ったままであちこち水浸し。
外で一仕事を終え、自宅に戻りまたこれらを片付けなければならないと思うとうんざりするが、しかし、気がかりなことを前にして効率的に動けないのは昔からのこと。


5分前に集会所に到着。自転車が数台。それを目にしてため息。一番乗りも嫌なものだが、既に数人いるところに入って行くのも勇気がいる。集会所の玄関を入ったところで大きな笑い声が聞こえた。その声に身がすくむ。


「こんにちは。」


恐る恐る会議室のドアを開ける。既に、3名。先日、私の隣に座っていた女性とその友人?それに、あまり記憶には無いが、班長と親しげに話していた若いママ。


「あ、こんにちはー。」


それぞれ挨拶を返してくれたものの、何かの話で盛り上がっていたのか、その続きを始める。既に居心地が悪く、この場に来たことを後悔し始める。


「でもさ、あの上から目線がうんざりだよね。」




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「そうそう、私、3人の男の子育てて、スポ団の役やって子供会の役やって、仕事もしてて、更に妊婦様です!みたいな~」


すぐに、会長の噂話なのだと悟る。先日の会議で大人しい風だった彼女が、物凄い早口でまくし立てる。


「なんていうかさ、ベテランママ気取り!?皆、うんざりなんだよね。それに気付いてないから痛いよね。先輩ぶってるけど、あそこんちの長男、色々あるらしいよ~そもそも受験失敗してから荒れ狂ってるみたい。それすら「反抗期抱えて大変~」って武勇伝にしてるみたいだけど、イヤイヤ~それは違うでしょ!次男もいじめトラブルに関わってたらしいじゃん。管理し切れてない癖に、自分は神と勘違いしてるからね。」


「こないだなんて、一人っ子ママのこと、ディスってたよ~Eちゃんママが聞いたら絶対切れるでしょ!一人っ子だって色々事情があるのにね。敢えて選択一人っ子かもしれないのに、勝手に産めない可哀想な人扱いするって・・私、子供二人いるけど聞いてて不快だったー。」


「4人目、性別分かったのかな?聞いた?」


「流石に、聞けないよー。でも、男の子4人のママだったらネタになるとか言ってたよ。」


「ネタって・・なんか痛々しいんですけどー」


彼女らの会話を聞いていて、尻がムズムズした。それに相槌を打つことも発言することも出来ない。ただ私は居たたまれなかった。それぞれが、鬱憤をこうした場で晴らしている。
たまたまー、そのターゲットが会長に向けられているだけで、真のモヤモヤは、それぞれが誰にも言えないところで抱えている、そんな気がした。


「こんにちはー」


班長が入って来て、会話は打ち切られた。続いて酒井さんら他のメンバーが入室。一気に会議モードに突入した。あんなに嫌で仕方が無かった集まりだけれど、一瞬、何かから解放された、そんな気分だった。




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支配ではなく心配

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夫は子に甘い。
小さな頃からそうだった。ガチャガチャをしたいと子が叫べば、すぐにほいほいコインを渡した。
それは、今でも。
子がねだれば、DSでもピアノでもタブレットでもすんなり金を出す。
ちょっと出掛けて来るといい、午前中の家事がまだ終わらない私を残して、夫と子は車でどこかに行ってしまった。本屋か何かだろうと思い、すぐに戻るかと思えばなかなか帰って来ない。 しばらくして夫の携帯からー出ると子の声。


「お昼、要らない。パパと食べて来る。」


そばと素麺を茹でて準備していたのにー、直前での飯キャンセルは仕事の時だけにして欲しい。
二人が帰って来ないと分かると、私の家事スピードは途端に遅くなり、通常の2倍掛かる程。のろのろと掃除機をかけ、トイレ掃除をし、洗面台を拭く。


「ただいまー!」


二人が帰宅したのは、3時を過ぎた頃だった。子の両手には、抱えきれない程の袋。


「パパに服とバッグ、買って貰っちゃったー!」


子は、嬉しいのだろう、袋からそれらを取り出すと私に見せる。しかし、それを見て私は複雑な思いだ。
恐らく、夫は一切子の選ぶ服に口出しをしなかったのだろう。私がいたら選ばないーいや、選ばせない服ばかり。要するに、露出が激しい服ばかりなのだ。
今、流行りのオフショルダーというもの、しかし、なんだか襟ぐりの空きが大き過ぎる気がする。
また、トップスもやけに短く、へそが出るのではないか?と不安になる。


「試着、したの?」


「うん、したのもあるし、しないのもある。」


「パパは、見てくれたの?」


「あんまり。パパはスマホばっか見てて、お金払う時だけいたよ。」


「・・・・・」




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ボトムのショートパンツは、本当にショート過ぎるのと、ペラペラの生地なので肉感を拾い過ぎ、これを着せて外を歩かせるのは勇気がいる。年頃の娘に、こんな服を着せていれば、「親の顔が見てみたい」と言われかねないーそんな服ばかりだった。


「ちょっと、こういうのは外では着ない方がいいと思う。へんなおじさんとかが寄って来ちゃうよ。」


「えー!?折角買って貰ったのに、なんでなんで!?」


「なんなんだよ、一体。」


夫が自室から出て来て、あからさまに不機嫌な表情を見せる。まるで、私が空気を読めていないーそんな風に二人の視線はうんざりしたものだった。


「OOが着たいって言ってるんだろ、いつまで親が服を選ぶんだよ?そういうの、支配的って言うんだよ。」


ーどの口が言う?モラハラのあなたに言われたくない・・


悔しい気持ちをぐっと堪え、しかし母としてここは引くべきところでは無いと思い直す。
なんとか子を説得し、オフショルは、薄手のカーディガンを羽織るならOK、またショートパンツも、ロングジレのようなものを羽織るのならという条件付きでOKすることにした。
これは、支配的だろうか?ただ心配なのだ。体付きが女性のそれに変わりつつある我が子。自覚が無いだけに、親である私が危険から守るしかないのだ。




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インドアからアウトドアへ

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「キャンプにでも行くか?」


まさかの提案は、夫から。
家にいれば、「フロ・メシ・ネル」の彼が、まさかアウトドア派だとは知らなかった。
いや、ツーリングを始めたことで意識が変わったのかもしれない。それか、仲間に触発されたのか?
良く分からないけれど、正直、この夏休みに特別な予定が無かったことが気がかりだったので、素直に嬉しかった。
本音では、上げ膳据え膳の旅館やホテル、または行ったことの無い地への旅行に行きたい。しかし、子がピアノを始めたりと何かと金が掛かる今日この頃、私の方からそんなお願いなんて出来るはずもなかった。 そして、ふと過ぎったのが、義姉達ー。彼女らと行くのではと思い尋ねてみたが、珍しく家族水入らずで考えているらしい。

夫は、早速張り切ってスマホでアウトドアグッズを物色している。
そして、翌日から次々と購入したものが届いたのだ。どでかい段ボールに、テントやタープ、バーベキューセットなどなど。細かいもので言えば、寝袋やランタン、飯盒やキャンプ食器など。 翌々月のカード明細が怖くなる程だ。しかも、そのひとつひとつが有名アウトドアブランドの物で、正直、それらの総額でちょっと贅沢に海外旅行に行けるのでは?と思う程。

夫の金の遣い方に、私は口出し出来ない。ただ傍観しているのみだ。続くかどうかも分からない趣味?に、ここまで掛けるのか?レンタルで十分ではないかと思う。
しかし、ここで水を差せばキャンプ自体お流れになる可能性は大だ。


ー思い出は、金に代えられない。


子と過ごす夏休み。中学で部活動に入れば、その部によっては毎日練習。となると、こうして親の都合であれこれ予定を決められるのも今回を入れてあと3回きり。
それを思えば、キャンプであろうが絶対に行って良かったと思えるはず。
インドア専門の私だが、しかし、ネットでキャンプの心得を検索したりしてワクワクしているところもあるのだ。




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生意気盛り

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もう、指折り数えれば夏休み。
ぼちぼちと、絵具や習字セットなど、使わない教材を持ち帰る子。この暑い中、重い荷物を持って下校するのは大変だ。


「皆、ママ達が車でお迎えに来てるよ。」


そう言われたので、車は無理だけれどせめてもの親心と、自転車でお迎えに行った。炎天下の中、学校へ自転車を走らせる。
下校時間を狙ったからか、門の前は勿論、その手前も道路脇は路駐自動車で一杯。勿論、運転席には母親達だ。そこへ、児童達が乗り込む。
私は汗だくになりながらも、門の近くで自転車にまたがったまま子を待っていた。
しばらく経ち、何人もの児童とすれ違った頃に子の姿が見えた。一人ーかと思えば、珍しく見知らぬ女子と歩いている。
しかし、すぐさま互いに手を振り、その女の子は路駐している車に乗り込んだ。エアコンの効いた車中はどんなにか快適なことだろう。


「おかえり!」


子は、真っ赤な顔をして、重い荷物を持っている。すぐに、それを自転車の荷台に乗せてあげた。


「疲れた・・今日、体育もあって足が痛い。」


仕方が無いので、ランドセルも前かごに乗せた。子の両手は自由になった。それなのに、なんだか仏頂面。


「どうしたの?」


「皆、車で迎えに来てもらってていいな。なんで、ママは運転出来ないの?」




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「・・・」


この暑い中、子が楽になるだろうと迎えに来てあげたというのに、なんと反抗的なことだ。さすがに暑さも手伝ってか、私もカッとなってしまった。


「全員が全員、車で迎えに来てもらってるわけじゃないでしょう!?ほら、あの子なんて低学年なのに一人で帰ってるよ!誰もお迎えなんか来てないじゃない。」


子は、私が指す方にチラッと視線を移すが、しかしその視線はすぐに次々と路駐している車に乗り込む児童達の方へ注がれる。
無い物ねだりだ。


「私は、絶対に免許取る。18歳になったらすぐに取ろう。」


なんだか嫌な気分だ。遠回しに我が子に馬鹿にされた、そんな風に思えて苛々した。


「自分でお金を貯めて取りなさいよ。」


私も仕返しにそう言い返すと、子は黙りこくった。


この件だけではない、最近、些細なことで子と言い争うーというか、嫌な気分になることが増えた。
もうすぐ夏休み。朝昼晩の食事の支度も頭を悩ますが、それと同じくらい、子と2人きりの生活にどこか自信を持てない私がいる。




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一方的な出産報告メール

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困惑してしまうもののひとつに、普段、付き合いもない人から一方的に送られる「報告メール」だ。
送付元は、引っ越し前の知り合いママだった。以前、子供が読者モデル?になったという年賀状を送って来た人とはまた別。
こんな私だが、引っ越し前はまともな人間関係を築いていたのだ。今、この地で私を知る人達からは信じられないと思われるだろうけれど・・・
区役所などで行われる「赤ちゃん会」に参加した時に、メアド交換した人の一人。あの頃は、皆が第一子初めての出産。となると、その地でのコミュニティ作りも、まだ探り探りの人達ばかりだったから、うまく立ち回ることも出来たのだ。


「第二子、生まれました!!」


表題を見て、げんなりした。日頃お付き合いしていれば素直にお祝いの気持ちも湧くのだろうけれど、なんだか幸せの押し売りをされている気分。
そして、彼女も長いこと一人っ子の母親として生活しており、それに終止符を打ったことを知り、メールが来るまでは彼女の存在すら忘れていたというのに、急に胸がざわざわし始めた。


また、取り残されたー


その現実を突き付けられ、もう顔もぼんやりとしか思い出せない彼女に対して嫉妬心が芽生えた。
いつも思うのだが、結婚準備をしていたのにそれを知らさず事後報告でドレス姿の年賀状を送ったり、また、妊娠した事実を知らせずに、急に「生まれました」のお知らせをする人々。一体、どんな気持ちでお知らせするのか?頭がお花畑なのか?そんな人間関係の距離感はつかみどころがなく、すっきりしない。
受取側としては、心の準備も出来ていないし、ただただ戸惑うばかりなのだ。




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手帳の教え

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今使っている手帳には、格言めいたものがページ毎に記載されている。
ボランティアや子ども会の活動に参加することで、この手帳もようやく日の目を見ることが出来たのだ。
今まで、持ち主が不甲斐ないばかりに寂しい思いをさせていた。
パラパラとページを繰ると、心に響く一文があった。


「深い悲しみはきまって、体の不健康な状態から生じる。しかし本当の病気でないかぎり、苦悩は去る。そして、やがて平穏な時が、思っているよりももっといいいことが訪れる。」


先日、子の下校時に遭遇し、あの出来事を目にしてから、心がずっとざわざわしている。特定の友達が出来ないのならまだしも、陰湿ないじめともつかないセーフラインの嫌がらせ。
目に見えない分、タチが悪い。
子の心の具合はどうだろうか?正直、ここ数日あまり眠れていない。夜になり瞼を閉じると、寂し気な赤い傘が浮かんでは消え、そしてまた現れるのだ。
隣で健やかな寝息を立てている子の髪を撫で、その無防備さに切なくなる。どうにも出来ないー、歯痒い思い。
平穏な時ーそして、もっといいこと。良いことをイメージする。いや、この格言を目にしたら、すーっとイメージ出来たのだ。普段はマイナス思考の塊な私でも。
パラリと続いてページを繰る。


「心配ごとがあるときに、あれこれ考えるのはやめよう。そうではなく、腕を上げたりして体操してみるといい。あなたはその効果に驚くはずだ。」


今度はこの言葉に触発され、思い立ち、ヨガの無料動画を視聴した。普段、全くといって良い程使っていない筋肉。いや、こんな場所に筋があったのかさえ知らずにいたことが恥ずかしい。痛みは軽い心地良さに変わっていく。
ナーバスになると、すぐに布団に潜り込む私。横になって携帯漫画に没頭し、その時はその辛さを忘れるが、読み終えた時の時間の経過と、それに比例する後悔の念。
しかし、たった30分程度の運動で、私の心は不思議と健やかになって行った。強いて言えば、前向きに。





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ー今は、見守ろう。どんと構えよう。


そう決めてから、子を迎えがてら散歩に行こうと思い立つ。正直、いつもなら億劫なのが先に立ち、気になりながらも自宅で子を待つが、体を動かすことは不思議と私に快活さを与えてくれたようだ。
ぞろぞろと子供達の群れがこちらに向かって来る。素敵ママの子とすれ違い、何となく盛り上がる彼らに挨拶をしそびれる。やはり、私はまた私だと少しだけ後ろ向きになる。
気を取り直し、再び顔を上げる。前方から子が歩いてくる。一人ではなかった。同じ学年の男子数名とだった。無邪気に笑いながらー、心から楽しそうなその表情に私の心は弾む。
ずっと後方には、Aちゃんらいつもの女子グループ。何となく詰まらなそうに、前方にいる子と男子達を見ている。
子は、私に気が付くと、照れ臭そうに軽く手を振った。


「おかえりなさい!」


子供達に、笑顔で声を掛ける。男子達も、照れ臭そうにしつつ会釈をする。
布団にくるまらず、運動したからこうした場面に遭遇することが出来た。


ー状況は、決して悪くは無い。大丈夫、挽回の余地はある。


やはり、もう少し見守ろうと思えた。過敏になり過ぎず、しかし要所要所は注意しつつ。難しいけれど、それが母の役目なのだ。




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労力の使いどころ

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一度、人に対して苦手意識を持つと、なかなかそれを変えることは容易でない。
スネ夫ママやボスママは勿論、EちゃんママやAちゃん、Dちゃんママも苦手。
それに、名前は忘れてしまったけれど、会えば気付かない振りをしてしまいたくなる顔見知りもたくさんいる。
素敵ママやYさんのように、底抜けの社交性を持つ人々には理解出来ないだろうけれど、こんな人間は案外多い気がする。ネットや雑誌などのお悩み相談でも、良く目にするエピソード。 顔見知りに出くわしても、気が付かない振りを装ってスルーする、みたいな。
夏休み前の学校。写真展示をしているというので行くことにした。期間が決まっており、人がいないだろう午前中を狙って行ったのだが、学校内の自転車置き場にずらりと並んだママチャリを見て、予想が外れたことに気は沈む。 引き寄せの法則ーで、悪い予想をいつでも引き寄せてしまう私。
後ろ姿ですぐに、Eちゃんママと素敵ママ、それに見知らぬママがいるのが分かった。まるで女子学生のように、きゃあきゃあ笑いながら写真を選んでいる。
同じ学年なので、他に行き場を見付けることも出来ず、だからといってUターンすることも情けない。
Eちゃんママは苦手だ。嫌いではないけれど・・スネ夫ママではない、それだけでもまだマシか・・


「あ、お疲れ様~」


素敵ママが、満面の笑みで挨拶をしてくれた。


「こんにちは。」


私も、なんとか憂鬱な気持ちを引きずらないよう、努めて明るく振る舞う。素敵ママの隣にいる、初対面の女性はEちゃんママと盛り上がっている。ちらっとEちゃんママがこちらを見た気がした。
しかし、大きなサングラスを掛けているので果たして目が合っているのかどうか分からない。そういう時の便利な挨拶ー軽い会釈だ。




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引き攣りつつも、笑顔で彼女に向かって会釈をしたが、顔を上げると彼女は隣の女性と写真を見ながらクスクス笑う後ろ姿。なんだか惨めな気持ちになった。何故なら、それを素敵ママが見ていたから。
私は彼女の前で、頭からつま先までのプライドというプライドのカケラをかき集め、まるで何事も無かったかのように、


「暑いね、いい写真、あるといいんだけど。」


会話を続けた。人の良い彼女は、私の言葉を繋げるように、


「OOちゃんの、いい写真あったよ。」


親切に、その場所を教えてくれた。
恐らく、ママ友のいない私の娘である我が子は、こんなにたくさんある写真の山の中で、どの親からもスルーされているのだと思っていたから素直に嬉しかった。
こうして、子の存在を認めてくれている人がいるだけで、何だか救われた気がした。大袈裟だけれど、それくらい彼女のその言葉は嬉しかったのだ。


「ありがとう!」


心から、感謝の想いを伝えた。私が写真番号を転記しているうちに、彼女は自分の仲間の元に戻って行ったが、それ程寂しさを感じなかった。
色々な人がいる、嫌な人も良い人も。
それが社会。
次からは、Eちゃんママは視界に入れなければいい。ここで人間が出来ていれば、それでも気にせず愛想良く挨拶をし続けるのだろうけれど、私はそこまで善人でもない。
こちらが媚びへつらう必要などない。無駄な労力は、その分良い人に向けよう、そう思った。



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振替休日

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学校行事の関係での振替休日。
相変わらず、子は誰とも遊ぶ約束をするでもなく、家にいる。しかし、ピアノを始めたことでだらだら手持無沙汰を埋める為にゲームをし、時間を無駄にすることは無くなった。
気分転換にー、とはいっても、私自身のでもあるけれど、外に誘った。ぷらぷら本屋などを回り、ちょっとお茶でもしようと思ったのだ。
駅前のショッピングモール。正直、顔見知りがいる可能性が高いので億劫だったが、しかし子がそこを指定したので従うことにした。
世間は平日。なので、モール内はがらんとしている。


「あ!OOちゃん~」


すれ違いざま、声を掛けられた。まいこちゃんママとまいこちゃん、それに妹の3人。声を掛けて来たのは、まいこちゃんではない、ママの方だった。まいこちゃんは、チラッと子に視線を向けるが挨拶をしようともしない。
ついこの間まで、一緒のダンス教室で和気あいあいとしていたはずなのに、そこから抜けたー(正確に言えば置いて行かれたのだが・・)子の存在は、まいこちゃんにとったらどうでも良い存在のようで、子は逆に気まずい表情。
無邪気に挨拶をし合う関係は終わったのか?これが、高学年女子の扉なのだろうか。


「これから、クラスのお友達親子とカラオケ行くんだ。OOちゃんも知ってるかな?桜子ちゃん。同じクラスになったことある?それと、ありさちゃん。振替休日だし、皆暇なんだよね。カラオケも平日なら安いしね。」




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聞いてもないのに、ペラペラと。子の感情の動きが気になり、会話に集中出来なかった。


ー寂しがってないだろうか?


ー羨ましがってないだろうか?


「そうなんですね。」


まいこちゃんママは、口には出さないが、「あなたたちはどちらへ?」とでも聞きたそうな表情を見せた。勿論、私達親子は私達だけでという確信を抱いた上での問い掛けだ。 実際、聞かれる前に、


「じゃあ、また。」


軽く会釈をしてその場を離れた。
恐らく、これから待ち合わせ場所へ向かうのだろう彼女らの後ろ姿は浮かれており、隣に立つ子の表情が気になり何気なく視線を落とした。やはり、少し、沈んでいるように見えた。


「ねえ、何か食べたい?」


「・・・甘いもの。」


答えてくれて良かった。何も要らないと言われたらどうしようかと思った。気を取り直し、クレープ屋へ行った。いつも頼むチョコバナナホイップに、今日は特別バニラアイスもトッピングして。
私は何も頼まなかったが、子が美味しそうにクレープを頬張るその顔を見ているだけで、先ほどの切ない気持ちが少しだけ薄れた。




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今日の料理

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今日の写真

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アラフォーからの新たな趣味

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一人のリビングー、いつの間に、元々そこにあったかのように置かれているピアノが目に入る。
蓋を開け、スイッチを入れて鍵盤を控えめに叩く。

すぐに辞めてしまったけれど、私も子供の頃に少しだけかじったことのあるピアノ。実母に無理矢理習わされたものだったから、ちっとも上達しなければ楽しくも無かった。
ただただ、レッスン前日になると、先生の笑顔が引き攣るのを目にするのが恐怖で、それを回避する為だけに焦って練習するのだった。
あれは、苦痛の時間だった。

あれから何十年経ち、不思議なことに、我が子が私のリタイヤした習い事を始めている。
まだまだ初心者の、子供用のテキストを開く。何か弾けるかもーと期待したのだ。
パラパラ捲るが、恥ずかしいことに、ヘ音記号だとかト音記号がどういう意味だったのかさえ忘れている。ぱっと音符を見て、どの音階なのかも分からない。


私が今でも弾けるのは、題名すら分からない、遠い昔になんとなくスラスラ弾けたお気に入りの練習曲と、猫踏んじゃったくらい。


ー子が始めたのを機に、私もまた再開してみよう。




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急に思い立ち、子が帰宅後、練習を終えた頃を見計らって、子に習うことにした。
習うといっても、出だしのこの音符はどこ?だとか、♮って何だっけ?とか。子は、私に教えることが嬉しいらしく、得意気に隣に立ち手取り足取り教えてくれた。
そして、一人の時間が出来ると、何となく鍵盤を叩く時間が増えている。
まだ誰かに聞かせるなんてもっての外だけれどー(それが家族であれ)、それでも、ただただ楽しい。子供の頃はあんなに大嫌いだったピアノなのに。
驚くことに、昨日は指がツル程に鍵盤を叩いていた。
掃除を終えたらピアノ、洗濯を干し終えたらピアノ、皿洗いを終えたらピアノ。ピアノピアノピアノ。

アラフォーからピアノを始めるだなんて、馬鹿げているだろうか?しかも、レッスンを受けるのではない、自己流で。
それでも、今は楽しい。
指を動かすことー、PCのキーボードを叩くのとは全然違う。
最初は下手くそ過ぎて、つっかえつっかえだったメロディが、練習を重ねるごとに綺麗な音色になって行く。それは、達成感だった。

ただ、私は飽きっぽいので、この楽しみがいつまで続くのか自分でも分からない。




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枯れた笹にお化粧をして

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七夕ということを、すっかり忘れていた。
笹の葉がこの辺りにはなく、だからといって買う程思い入れの強い行事でも無いのが正直な気持ち。
しかし、子がポツリと言い出した。


「短冊に、願いごと書いたら叶うのかな。」


意味深なその台詞に、ドキリとする。


ー何?お願いって?ママに教えて!-


つい、口からそう出そうなのを堪え、


「笹の葉、飾りたい?」


そう聞いた。すると、素直に子が頷く。もう4年生だと思っていたが、まだ4年生なのだ。
なので、七夕前日というギリギリの状況で、子が学校の間にあちこち笹を探し回ったのだ。すると、近所の小さな図書館の入口に笹の葉が置いてあり、段ボールには「ご自由にどうぞ」とぺら紙が貼ってあった。 とても嬉しく、しかし、既にそこにある笹のすべての葉は枯れて丸まっていた。
それでも、やはり本物の笹ー、しかも無料で手に入るそれを受け取らないという選択肢は無かった。
家に持ち帰り、早速小さな花瓶に挿して子の帰りを待った。




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子が帰宅し、笹を見付けると、小さく微笑んだのを見逃さなかった。いつからか、嬉しさなどの感情を露わにすることが減った我が子。年頃女子は難しい。
おやつを食べ宿題も終えた後に、子が折り紙やペンなどをリビングに持って来た。


「ママも、一緒にやってもいい?」


「うん、いいよ!」


私も綺麗に取ってある包装紙などを持ち出し、ネットで「七夕飾り」のレシピを検索し、あれこれ二人で作成した。
そして、肝心のお願いごと。
子は、片手で短冊を隠しながら、何やら書いていた。私は、敢えて何を願うのか聞かないことにした。もう、あれこれ明け透けに話す時期は過ぎたのだろう。「秘密」にすることで、願いは本当のお願い事になる。 私も短冊に、お願い事をいくつか書いた。
王道の、「家族が幸せでありますように。」「OOが楽しく毎日を送れますように。」
本当の願いだ。
そして、「夫が私を愛してくれますように。」「実母と良い関係になれますように。」「子が、勉強もスポーツも出来て、人気者になれますように。」「私に、一人でもいいから心の通う友人が出来ますように。」 短冊には書かないが、心で願い、その想いを笹の葉に乗せた。
あれこれ欲をかいてはいけないと思ったのと、実際、そんなことを書いて夫や子にでも見られたら恥ずかしいからだ。
枯れた笹だが、色とりどりの飾りや短冊をまとうと、なんだか一気に華やいだ。

今夜、天の川を渡り、織姫と彦星が会えるといい。




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No LINE,No life

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ボランティア活動へ。
先日の出遅れ感で、早くも行きたくない気持ちが浮上。しかし、そういった弱さを克服する為に行くのだと自分を奮い立出す。
部屋に入ると、いつものざわざわ感。そして、私が普段着席するテーブルには誰もいない。つい私と同世代女性グループの席に目を向けると、平井さんが楽しそうに談笑している横顔が見えた。 内心、暗い気持ちで席に着く。
周囲はー、皆、楽し気に会話している。あの、初日ぶっきらぼうに見えた男性も、同じような世代の男女と楽しそうにしているし、また、それ以外のグループも和気あいあい。
そして、それぞれ自分のグループ以外での人脈を築き始めていることに気付く。
誰からも声を掛けられない私は、自分以外の人間関係に敏感だ。要するに、時間を持て余しているから。 会話をする相手がいれば、そちらに全神経が集中するので、そういったところは視界に入らないし、不要な情報は自然と取捨選択されて行き、自
分の為になるものだけしか残らないはず。
時間になり、平井さんが席に戻って来た。努めて明るく挨拶をする。


「おはようございます。」


「おはようございます。」


ふんわりした、柔らかい雰囲気の彼女。目元は常に笑っている。真面目な顔をしていても笑っている顔というのに以前から憧れているが、まさに彼女がそれだ。
私のように、取っ付き難い暗さが無いのだ。


「今日、相良さんはお休みみたいですね。」


「あ、そうなんですよー。今朝、ライン入ってて。なんだか体調が悪いみたいで。」


いつの間に、二人がライン交換をしていたのだと思うと、ますます置いてきぼりだ。私が先に帰宅した日?それとも休んだ日?私も勇気を出して尋ねてみた。


「あの・・良かったら、連絡先の交換してもいいですか?」




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勇気を振り絞ってお願いした。しかし、一対一なので頑張れた。優しい彼女は、


「あ、はい!是非。バーコードでいいですか?」


「えっと・・ごめんなさい、私、ラインしてないんです。ガラケーなんで・・」


そうだー、今、世間はラインが当たり前なのだ。随分長いこと誰かと連絡先の交換をしていなかったことで、時代にも取り残されている。 一瞬、彼女は驚いた表情を見せた後、


「あ、じゃあ・・どうしましょう。」


しばらく沈黙が続く。


「私、メール殆ど見ないんですよ。通話もラインだし。節約にもなるんで。」


「あ。そうですよね?じゃあ、電話番号だけでも。」


引っ込みが付かず、そう言うしか無かった。それでも、彼女は私に番号を書いたメモをくれ、私も彼女にそれを渡す。
正直、連絡先の交換という相手に近づきたい行為が裏目に出て、更に彼女が遠くになったようだった。きっと、彼女が私に連絡を寄越すことなどないだろうーはっきり「節約」と言っていたのだ。
私も、一応貰ったメモをそっと手帳に挟んだが、正直掛けることはないだろう。電話は掛け辛い。メールなら、何とかなったのだけれど・・

人付き合いがうまくいかないーそれは自分にも環境にも原因がある。専業主婦の分際でスマホを持つことなど許されない我が家。悲しいけれど、これが現実なのだ。




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専業主婦の仕事

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着信は、学校からだけではなく、夫からもあった。そして予想通り、帰宅した夫に叱られた。


「会議中だったんだぞ。学校から掛かって来たって俺は何も出来ないし、あなた一体何してたの?」


「お中元を見に出てて・・携帯を家に忘れてたの。ごめんなさい。」


「専業主婦で家にいるのに、肝心な時に電話一本に出られないんじゃ意味ないな。」


吐き捨てるように言うと、苛つきながら洗面所で手を洗いうがいをする夫。酒が入り酔っていないだけまだましだったが、素面なのもある意味辛い。
責められても仕方がない。夫が怒るのも最もだからだ。


「もう少し、自覚をもって家のことをしてくれないと。」


ドタバタと大きな足音を立てて風呂場へ向かう。ドアの開け閉めも乱暴だ。出て来てから、またネチネチと責められるのだろうと思うと吐き気がした。
こそこそと戸棚の後ろに隠しているワインの蓋を開けて、グイッと喉に流し込んだ。水分をしばらく取っていなかったこともあり、毛穴ひとつひとつにまで吸収されていく気がする。
一瞬、頭がくらっとし、これで夫のお説教に耐えられるというところまで飲むと、また元の場所にそれを置いた。

母親失格だって、言われなくても分かってる。でも、少しもミスは許されないのか?人間だもの、どうしたって気が緩むこともある。今回、子は安全な保健室で休ませて貰っていた。
例えば、それが外だったりしたら最悪だ。この暑い中、鍵を持たすことも忘れ、玄関でぐったりしていたりしたら、私のミスだ。
なんだか酷く責められているうちに、反発心が湧いて来た。ワインの力もあるのだろう、夫に何か言い返したいような気持ちになる。どんどん気が大きくなり、それまで自分のことを最低だと嘆いていたというのに、矛先はいつの間にか風呂場にいる夫に向かって行くのだった。




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母親失格

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私が専業主婦でいるのは、子の為である。

お帰りと帰宅を玄関で迎えてあげられること。
宿題をゆっくり見てあげられること。
たまに作った手作りのおやつを一緒に食べながら、学校であった出来事を聞いてあげられること。
子が悲しい思いをした時に、察してあげられる余裕を持てること。
学校で体調が悪くなった時、すぐ迎えに行ってあげられること。
熱が出た時、気兼ねなく看病出来ること。

他にも色々あるけれど、私は不器用だから、仕事と上記を両立させることはやはり難しく、以前短期バイトをした時は色々反省する部分があったのだ。
うざったいと思われても、母はここにいるのだと子に安心感を持たせたい。普段は、学校や友達と気持ちは外に向かっていても、ふと振り返れば母はいる。いつでも抱き締めて話を聞いてあげるのだと。

都内の百貨店へ足を運んだ。とはいっても、自分や子の分の買い物ではない、お中元を見に行くという名目だった。
それでも、電車を使う買い物は久しぶりで、気分は高揚していた。
携帯を忘れたことに気付いたのは、電車に乗った時。既に手遅れ。しかし、変なところで能天気の私は、何かが起こることなんて万のうち一つだろうと高をくくっていた。
予算通りの涼やかな和菓子などを注文・手配し、一仕事終えてほっとする。ついでにとデパ地下をぶらり。子にお土産のプリンを購入し、店を後にした。
駅に停めた自転車に乗り込み、炎天下の中汗だくで帰宅し、顔と手をひととおり洗いさっぱりすると、何となく忘れていた携帯を手に取った。珍しく、着信ランプが点滅していたからだ。


着信ー14件。




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夫からか!?と焦る気持ちで履歴を見たら、学校からだったので、その何倍もの焦りが一気に私を襲った。子に何かあったのだー途端に心臓はバクバク音をたて出した。
すぐに折り返しの電話を入れると、誰だか分からないが女性の声。クラスと子の名前を出したところで保健室に繋がれた。子が吐いたとのことだった。
既にすっぴんだったが、化粧をし直す余裕も日焼け止めを塗る余裕も無い。マスクと帽子をかぶり、学校に向かった。


「すみません!遅れまして!!」


「あ、良かった。OOさん、お母さんが見えたわよ。」


保健室の先生が優しく子に声を掛けると、寝かされていた子がむくりと起き上がった。この暑い中、マスクをしていた私は顔が真っ赤。汗はびっしょりだったが、暑いからなのか動揺からなのかーいや、両方からの汗だったのだろう。
お礼を言い、外に出る。ランドセルを持ってやるが、子はふらふらだ。自転車で来たが、後ろに乗せる年では無い。こういう時、免許を持っていたらと心底思う。


「疲れた。歩きたくない・・」


「もう少しだから、頑張ろう。ごめんね、お迎え遅くなって。」


「・・・・・」


何とか自宅に戻り、子を大急ぎで横にさせた。少しして、すやすやと寝息を立て始め、夕飯時に自ら起きた時には回復していた。


「お腹、空いた!」


とんかつが食べたいとリクエストされたが、流石に吐き気を催した当日に揚げ物という訳にいかない。暖かいうどんを作りそれを食べさせてから、デパ地下のプリンをデザートに出した。
暖かい風呂に入れ、再度寝かしつけた。あんなに寝たのだから寝付きも悪いかと思っていたが、案外すんなりと再び眠りに落ちたようだった。
一息ついて、携帯履歴を見た。学校からの最初の着信履歴は時間にして午前中。そう、私が家を出て電車に乗ろうとしていた時間だった。外出していたのが5時間程。そういう時に限って、昼をまたいでいた。 ファーストフードで200円程のランチだったが、楽しんでいた頃、子はなかなか母が迎えに来ないことを不安に思っていただろうと思う。
何の為の専業主婦なのか?そして、そのことについて夫に厳しく叱られることになるのだ。




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女VS女

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最近の我が子には手を焼く。
そろそろ反抗期の芽が出て来たのか?これまでは、ただただ可愛かった子なのに、最近は苛々することが増えた。
過保護に育て過ぎたせいなのか?叩かない育児、頭ごなしに叱らない育児を意識し過ぎて来たあまり、なかなか扱い辛い子になってしまったような気がする。
少し注意すれば、すねる。挨拶がいまだに出来ない。(正確に言えば、挨拶をしていることはしているのだが、声が小さ過ぎて聞き取れない。)
お手伝いの習慣がなかなかつかない。
口答えが多い。あぁ言えばこう言う的なことが多い。

これは、この年齢の女子特有の扱い辛さなのか、それとも子の性質によるものなのか?いや、そもそも親子の相性が悪いのか?
もし、兄弟がいれば、上の子とは気が合うけれど下の子とは気が合わないーとやはり相性に原因のフォーカスが充てられる。
比べるものがなければ、答えは分からず。

親子喧嘩なんて、まだまだ先のことだと思っていた。親は子を叱るもので、怒りの感情をぶつけるものではないと・・
それでも、段々と生意気になって来て、なのに自分のことは何も出来ないそのアンバランスさが可愛いのは3歳まで。10歳ともなると、立派なギャングエイジ。
私がなりたくなかった、「女VS女」の関係になってしまうのか?
頭が痛い。




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赤い傘

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じめじめした日が続いている。梅雨のこの時期、私自身の性格とリンクしているようで、正直落ち着く。
困ることといえば、洗濯物が乾かないことくらい。
子も、学校から帰宅すれば、家でピアノを弾いている。落ち着く空間、心地よいひと時。

7月になり、この快適ともいえる梅雨が明ければ、夏休み。
しかし、子ども会の夏祭りを思うと、気が重い。

昨日、買い物が長引いたことで、子供達の下校時刻と重なった。そこで、子に会えるかもーと、登下校ルートを辿ったところ、Aちゃんらに遭遇。雨が降っていたことから傘をさしており、向こうは私に気が付かないようだった。
普通なら、それでも後ろから声を掛けるのが普通の行動だろう。しかし、私は何となく面倒なのと、子をいまだに仲間に入れない彼女らの憎たらしい程の結束の強さに、挨拶する気はすぐに失せた。
彼女らが歩く先を見ると、見覚えのある赤い傘。

そう、我が子だった。 やはり、思った通り、一人トボトボ歩いている。4年生になり、6時間授業が増えたことで、それまで時々一緒に下校していた下級生とも時間が合わなくなったのだろう。
AちゃんやDちゃんを抜かして子の元へ行こうとするのを思い留まる。なんとなくそのままペースを崩さず様子を窺うことにした。
するとー、AちゃんやDちゃん、それにEちゃんが、クスクス笑う声が聞こえたと同時に、一斉に走り出したのだ。
子の横をものすごい勢いで通り抜けたかと思うと、子から数メートル離れた先で走るのを止め、EちゃんとDちゃんが振り返る。明らかに、子のことを見て・・
それはそれは意地の悪い笑みを浮かべて・・・
Aちゃんも振り返り、互いに顔を見合わせてクスクスと。そして、ひとしきり笑った後に、楽しそうに大きな声でお喋りしながら先へと行く。
赤い傘で見ることの出来ない子の表情を思うと、胸が痛い。


ー何?あれ。感じ悪い。


胸がドキドキと音を立てる。勿論、その動悸は「嫌な予感」が生じさせるものだった。




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